JPH0560752B2

JPH0560752B2 -

Info

Publication number: JPH0560752B2
Application number: JP1247694A
Authority: JP
Inventors: Yukio Sato
Original assignee: Olympus Optical Co Ltd
Current assignee: Olympus Corp
Priority date: 1989-04-13
Filing date: 1989-09-22
Publication date: 1993-09-02
Also published as: US4982727A; JPH0347246A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本願発明は、内視鏡用処置具に関するものであ
る。

［従来の技術］経内視鏡的に、すなわち内視鏡の鉗子チヤンネ
ルを通過し、体内の組織に各種の処置を施す従来
の処置具は、先端部に設けられた処置部、例えば
生検鉗子と、手元側に設けられた操作部と、この
操作部の運動を先端側の処置部へ伝える操作ワイ
ヤと、このワイヤを囲むシースとから主に成る。

そして、内視鏡の鉗子チヤンネル内に挿入した
際にスムーズに湾曲できるようにするため、特開
昭56−8029号公報、特開昭59−8946号公報及び実
開昭53−150092号公報に示されるように、先端側
は湾曲できるように軟らかく、その他の部分は比
較的硬く、腰があるようにシースの硬さをかえて
いた。

さらに、実開昭55−109501号公報には、シース
は、比較的硬い、多条コイルから成る手元シース
と、剛性の小さい、すなわち極めて柔軟な単条コ
イルとから成る先端シースとからなり、両者は接
続管により連結されたものが示されている。

［発明が解決しようとする課題］しかしながら、上述のような硬さが異なるコイ
ルシースを連結した処置具を内視鏡の鉗子チヤン
ネル内に挿入する際には、コイルシースの硬さの
相違に起因して第１２図に示すような欠点があつ
た。それは、軟らかい先端側コイルシース４０
と、硬いコイルシース４１と、両者を接続する接
続管４２とのうち、強度的に弱い接続管４２のと
ころからコイルシースが折れてしまい、内視鏡の
チヤンネルが削れたり、最悪の場合には内視鏡よ
り処置具の抜去が不可能となる恐れがあつた。

そこで、本願発明は上記欠点を解決するために
なされたものであり、シースが途中で折れること
がない安全な内視鏡用処置具を提供することを目
的とする。

［問題点を解決するための手段および作用］よつて、本願発明は先端に処置部を取付けたコ
イルシースを有する内視鏡用処置具において、コ
イルシースの先端側を柔軟な単条コイルシースと
し、手元側を比較的硬い多条コイルシースとし、
先端側と手元側のコイルシースの間に両コイルシ
ースの硬さの中間の硬さを持つコイルシースを介
在させたことにより、コイルシースが途中で折れ
ることを防止するものである。

［実施例］次に第１図から第６図を参照して本願発明に係
る第１実施例について説明する。

内視鏡用処置具１（本実施例では生検鉗子なつ
ている）は、可撓性を有する密巻きコイルからな
るシース２と、その先端側に設けられた処置部３
と、上記シース２の手元側に設けられた操作部４
と、この操作部４の運動を処置部３へ伝える為シ
ース２内部に挿通された操作ワイヤ５とからな
る。

この処置部３は、第２図に詳細に示すようにシ
ース２の先端に固定されたスリーブ６と、このス
リーブ６に固定された枢着ピン７によつて開閉可
能に枢着され、スリーブ６から突出する一対の生
検カツプ８ａ，８ｂとからなる。生検カツプ８
ａ，８ｂの基端部は、ピン９ａ，９ｂによつてリ
ンク板１０ａ，１０ｂの一端に取付けられ、この
リング板の他端は、ピン１１によつて連結部材１
２に固定され、連結部材１２はシース２内の操作
ワイヤ５の先端に固定されている。図示した例で
は、処置部３としては生検カツプ８ａ，８ｂが取
付けられているが、これは、各種の鉗子類、例え
ば把持鉗子、高周波スネア、高周波ナイフ、ブラ
シ等にすることができる。

シース２の手元側に形成された操作部４は、シ
ース２の後端に固定された操作部本体１３を含
み、この操作部本体１３は軸部１４と、この軸部
１４後端部にとりつけられた指掛けリング１５と
からなる。軸部１４には中空のスライダ１６が遊
嵌され、軸部１４に沿つて前後方向に摺動自在と
なつている。このスライダ１６には、シース２内
を挿通する操作ワイヤ５の基端側が取付けられて
いる。

操作ワイヤ５を囲むシース２は、先端の処置部
３側より先端コイル１７、中間コイル１８、後端
コイル１９の３つの異なる種類の密巻コイルより
なる。そして、先端コイル１７の先端側は処置部
３のスリーブ６に固定されていて、先端コイル１
７と中間コイル１８とは接続管２０により接続固
定されている。さらに、中間コイル１８は接続管
２１により後端コイル１９の先端側と固定され、
この後端コイル１９の末端側は操作部本体１３に
接続固定されている。

先端コイル１７と、中間コイル１８と、後端コ
イル１９は、先端より徐々に硬さが増加するよう
に、先端コイル１７は例えばステンレス鋼のワイ
ヤを単条により密巻きにして形成され、中間コイ
ル１８は先端側のコイルよりも太い径のステンレ
ス鋼のワイヤを単条により密巻きして形成され、
後端コイル１９はステンレス製のワイヤを多条に
より密巻きして形成されている。

そして、各コイルの長さとしては、第３図に示
すように、先端コイル１７は150mmから300mmの
間、中間コイル１８は20mmから100mmの間、後端
コイル１９は任意の長さのものが用いられる。

上述のように構成された処置具１は、第４図に
示すように内視鏡２５内に形成された鉗子チヤン
ネル２６に挿入され、処置部３が内視鏡湾曲部２
７を通つて先端構成部２８から突出した後、次の
ように操作される。まず操作部４の指掛けリング
１５に親指を挿入し、同じ手の人差し指と中指と
の間にスライダ１６を挟持し、このスライダ１６
を操作部本体１３の軸部１４に沿つて前後にスラ
イドさせると、操作ワイヤ５がシース２内で軸方
向に牽引または弛緩され、リンク板１０ａ，１０
ｂ等によりリンク機構を介して処置部３の生検カ
ツプ８ａ，８ｂが開閉操作されるようになつてい
る。すなわち、スライダ１６を引くと、生検カツ
プ８ａ，８ｂが閉じ、スライダ１６を押すと、生
検カツプ８ａ，８ｂが開く。

以上述べたような構成によると、鉗子チヤンネ
ル２６内に処置具１を挿入した状態で、湾曲部２
７を湾曲させることにより処置部３を目的部位に
指向させることができ、処置具１の操作部４を回
転させると、シース２は回転し処置部３の向きを
変更することができる。このとき、シース２の後
端コイル１９は先端コイル１７よりも硬く、腰が
強く形成されているので捻じれることはなく、操
作部４の回転を処置部３に確実に伝えることがで
きる。特に、図示しない内視鏡を介して生検カツ
プ８ａ，８ｂが生体組織２９に対して第５図に示
すように開いた場合には、図示しない軸部１４を
手でまわし、シース２を介して生検カツプ８ａ，
８ｂを回転させ、第６図に示すように、生体組織
２９にアプローチさせることにより、より生検が
容易となる。

また、先端コイル１７はシース２の中で一番軟
らかく形成されているので、内視鏡の湾曲部２７
を無理なく湾曲することができる。

更に先端コイル１７と後端コイル１９との間に
は中間コイル１８が設けられていて、この中間コ
イル１８は上記先端コイル１７及び後端コイル１
９の硬さの中間の硬さのものが用いられているの
で、シース２全体としてみると、硬さが急激に変
化することがなく、接続管とのつなぎ目のところ
などのシースの途中で折れてしまうことがない。

次に第７図は本願発明の第２実施例を示す図で
ある。なお、第実施例とと同一の部分には同一の
符号を付し、詳細は省略する。

この第２実施例では、後端コイル３０を多条多
重コイルにしたものが用いられている。そして、
その作用及び効果は第１実施例と同様である。

第８図は本願発明の第３実施例を示す図であ
る。この実施例では先端コイル３１を１本の素線
で形成し、ｄ点を境として太さをかえたものであ
る。すなわち、ｄ点より先端側の部分を細くし、
基端側を太くしている。

このようにすることにより、接続管等で接続す
る点を少なくすることができ、その分シース２の
強度が増すことができる。

さらに第９図は本願発明の第４実施例を示す図
あり、この実施例では先端コイル１７と後端コイ
ル１９との間にあるコイルを中間コイルＡ３２、
中間コイルＢ３３の２つからなるようにし、これ
らを接続管３４にて接続固定している。そして、
中間コイルＡ３２の素線の太さを細くし、中間コ
イルＢ３３の素線の太さを太くすることによつて
硬さをかえている。これにより、より細かな硬さ
の変化が得られる。そして、各コイルの長さは先
端コイル１７は150mmから300mmの間、中間コイル
Ａ３２は30mmから100mmの間、中間コイルＢ３３
は30mmから100mmの間、後端コイル１９は任意の
長さのものが用いられる。

［実施例］本願発明に係る内視鏡用処置具と従来の内視鏡
用処置具を比較するため、第１０図に示すような
寸法の内視鏡用処置具の接続管２０より先端側50
mmの位置を固定点３５とし、手元側100mmの位置
を把持部材３６として把持し、把持部３６を先端
側へ70mm移動させて第１１図に示すように屈曲さ
せて、シース折れの発生の有無を調べた。

この結果、本願発明に係る内視鏡用処置具は、
500回屈曲を繰り返してもシース折れは発生しな
かつたが、従来の処置具は100回屈曲を繰り返す
とシース折れが発生した。

［発明の効果］本願発明によれば、先端から後端に向かつて、
シースの硬さを徐々に増加させたので、その結
果、接続部におけるシースの折れが防止できるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願発明の第１実施例を示す全体図、
第２図は同実施例の先端断面図、第３図は同じく
要部の断面部、第４図は内視鏡のチヤンネルに挿
入した図、第５図、第６図は使用状態を示す図、
第７図は本願発明の第２実施例を示す断面図、第
８図は本願発明の第３実施例を示す断面図、第９
図は本願発明の第４実施例を示す断面図、第１０
図、第１１図は本願発明の実験例を示す図、第１
２図は従来の技術の欠点を示す図である。１……処置具、２……シース、１７……先端コ
イル、１８……中間コイル、１９……後端コイ
ル。

Claims

【特許請求の範囲】１先端に処置部を取付けたコイルシースを有す
る内視鏡用処置具において、コイルシースの先端側を柔軟な単条コイルシー
スとし、手元側を比較的硬い多条コイルシースと
し、先端側と手元側のコイルシースの間に両コイ
ルシースの硬さの中間の硬さを持つコイルシース
を介在させたことを特徴とする内視鏡用処置具。