JP4933684B2 - 内視鏡用処置具 - Google Patents

Description

本発明は、内視鏡を経て体腔内に挿入されて使用される内視鏡用処置具に関する。本願は、２０１０年５月３１日に、日本に出願された特願２０１０−１２４６６４号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

従来、内視鏡を経て体腔内に挿入されて患者等の体腔内組織に対して様々な手技を行うために用いられる内視鏡用処置具（以下、単に「処置具」と称する。）が知られている。
処置具の一例として、特許文献１に記載の鉗子が知られている。この鉗子では、回動軸を介して互いに相対的な回動が可能に支持された一対の鉗子部材が先端に設けられている。

一対の鉗子部材は、操作ワイヤによって手元側の操作部と接続されている。操作ワイヤの先端には、２本のリンク部材が回動可能に取り付けられている。そして、各リンク部材の先端は、それぞれ一対の鉗子部材の一方及び他方の基端に回動可能に取り付けられている。
上記の構造により、操作部を介して操作ワイヤが軸線方向に進退することで一対の鉗子部材が回動軸回りに相対的に回動して開閉する。

日本国特許第４１９７９８３号公報

特許文献１に記載の鉗子では、一対の鉗子部材が開く際に、鉗子部材とリンク部材とが相対的に回動し、鉗子部材とリンク部材との連結点が操作ワイヤの軸線から離間するように移動する。
しかしながら、鉗子部材とリンク部材とは回動可能に連結されているので、鉗子部材が開く際に鉗子部材とリンク部材とが本来回動すべき方向とは逆の方向に相対的に回動する可能性がある。この場合、鉗子部材とリンク部材との連結点が操作ワイヤの軸線に接近するように移動すると、鉗子部材の回動軸、鉗子部材とリンク部材との連結点、およびリンク部材と操作ワイヤとの連結点が同一直線状に並ぶように移動する。この状態では、操作ワイヤからの力量が鉗子部材まで伝達しにくい。その結果、鉗子部材の動作が不良となり、鉗子部材の開閉操作が困難になる。

本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、処置部の開閉操作が安定して行われる内視鏡用処置具を提供することを目的とする。

本発明の一態様によれば、内視鏡用処置具は、鉗子回動軸によって相対的な回動が可能に支持された一対の鉗子部材と、前記一対の鉗子部材の開閉操作を行うための操作部と、前記一対の鉗子部材と前記操作部とを接続する操作ワイヤと、前記操作ワイヤが挿通された挿入部と、前記挿入部に対して前記鉗子の回動軸を固定するカバー部材と、リンク回動軸を有し、前記操作ワイヤの先端部に設けられた接続部材と、第一の端部が前記一対の鉗子部材の各々の基端部にそれぞれ回動軸部材を介して回動可能に連結され、第二の端部が前記リンク回動軸に回動可能に連結された一対のリンク部材とを備える。そして、前記カバー部材は、前記回動軸部材の端部と係合することにより前記回動軸部材が前記操作ワイヤの軸線に接近する方向に移動することを規制する規制部を有する。

前記規制部は、前記操作ワイヤの軸線から離間する方向に開口するように前記カバー部材に設けられてもよい。

前記接続部材は、２つの前記リンク回動軸を有し、前記リンク回動軸の軸線は前記操作ワイヤの軸線と離間して互いに平行に配置されてもよい。
前記一対のリンク部材の第二の端部は、２つの前記リンク回動軸のそれぞれに回動可能に連結され、前記一対の鉗子部材が閉じられた状態において、前記一対のリンク部材が平行に配置されてもよい。

本発明によれば、処置部の安定した開閉操作が可能な内視鏡用処置具が得られる。

本発明の第１実施形態の内視鏡用処置具の全体図である。 同内視鏡用処置具の処置部周辺を、カバーを除いて示す図である。 図２のＡ−Ａ線における断面図である。 同内視鏡用処置具の挿入部の先端側の一部断面を示す図である。 同内視鏡用処置具の使用時の一動作を示す図である。 本発明の第２実施形態の内視鏡用処置具の全体図である。 同内視鏡用処置具の処置部周辺を、カバーを除いて示す図である。 図７のＢ−Ｂ線における断面図である。 図７のＣ−Ｃ線における断面図である。 同内視鏡用処置具の使用時の一動作を示す図である。

本発明の第１実施形態の内視鏡用処置具について、図１から図５を参照して説明する。
本実施形態の内視鏡用処置具である処置具１は、図１に示すように、体腔内組織に対して処置を行うための処置部１０と、処置部１０を操作するための操作部２０と、処置部１０と操作部２０とを接続するための接続部３０と、体腔内に挿入される長尺の挿入部４０とを備えている。

処置部１０は、第１鉗子部材１１と第２鉗子部材１２とから構成される一対の鉗子部材が、鉗子回動軸１３で相対的に回動自在に支持されている。鉗子回動軸１３は、鉗子部材１１、１２を挟むように配置されたカバー（カバー部材）１４に支持されている。

操作部２０は、挿入部４０が取り付けられた本体部２１と、摺動可能に本体部２１に取り付けられたスライダ２２とを備えている。
スライダ２２と処置部１０とは、接続部３０によって接続されている。そして、スライダ２２が本体部２１の長手方向に摺動することにより、一対の鉗子部材１１、１２が開閉する。この点については、使用時の動作の説明において詳述する。

図２は、処置具１の処置部１０の周辺を、カバー１４を除いて示す図である。図２に示すように、接続部３０は、操作ワイヤ３１と、操作ワイヤ３１の先端に取り付けられたリンク機構３２とを備えている。操作ワイヤ３１は、公知の構成を有し、先端側の第一端部３１Ａは、リンク機構３２に接続され、基端側の第二端部３１Ｂ（図１参照）は、操作部２０のスライダ２２に接続されている。

リンク機構３２は、操作ワイヤ３１の先端に取り付けられた接続部材３４と、接続部材３４と一対の鉗子部材１１、１２とを接続する第１リンク部材３５及び第２リンク部材３６で構成される一対のリンク部材とを備えている。

接続部材３４の先端側には、１つのリンク回動軸３４Ａが設けられている。リンク回動軸３４Ａには、ピン３７によって第１リンク部材３５及び第２リンク部材３６の基端（第二の端部）が回動可能に連結されている。各リンク部材３５、３６の先端側（第一の端部）は、それぞれ回動軸部材３８および３９を介して、それぞれ第１鉗子部材１１及び第２鉗子部材１２の基端部に回動可能に連結されている。

図３は、図２のＡ−Ａ線における断面図である。図３においては、カバー１４が示されている。図３に示すように、各回動軸部材３８、３９の長さは、連結された鉗子部材とリンク部材との厚みの合計よりも長い。そして、各回動軸部材３８、３９は、それぞれの両端部がカバー１４に向かって突出するように、鉗子部材およびリンク部材に挿通されている。

カバー１４のうち、各鉗子部材１１、１２、および各リンク部材３５、３６に対向する内面には、各回動軸部材３８、３９を収容可能な幅寸法を有する溝（規制部）１４Ａおよび１４Ｂが形成されている。そして、突出した各回動軸部材３８、３９の両端部は、それぞれ溝１４Ａおよび１４Ｂ内に収容されて係合されている。
溝１４Ａは、操作ワイヤ３１の軸線Ｘ１から離間する方向にのみ開口しており、係止された回動軸部材３８より溝１４Ｂ側には延びていない。同様に、溝１４Ｂは、操作ワイヤ３１の軸線Ｘ１から離間する方向にのみ開口しており、係止された回動軸部材３９より溝１４Ａ側には延びていない。
溝１４Ａおよび１４Ｂが上記のこのような形状を有するため、各回動軸部材３８、３９は、図３に示す状態から、軸線Ｘ１から離間する方向へ移動できる。しかし、溝１４Ａまたは１４Ｂにより規制されるため、各回動軸部材３８、３９は、図３に示す状態から、軸線Ｘ１に接近する方向へ全く移動できないか、ごくわずか移動できるのみである。

図４は、挿入部４０の先端側の一部断面を示す図である。図４に示すように、挿入部４０は、操作ワイヤ３１が挿通されるコイルシース４１と、コイルシース４１が挿通されたチューブシース４２とを備えている。
コイルシース４１には、公知の各種部材を適宜選択して採用できる。コイルシース４１の先端にはカバー１４が取り付けられ、基端は操作部２０の本体部２１に固定されている（図１参照）。

コイルシース４１は、先端から所定の長さＬ１だけ基端側の部位において、外周面が切削加工等されており、外径の小さい小径部４３が形成されている。コイルシース４１は、小径部４３において２本に分かれている。そして、コイルシース４１は、小径部４３に取り付けられた接続リング４４を介してロウ付け等により一体のコイルシースに形成されている。

チューブシース４２も、樹脂等で形成された公知の各種の部材を適宜選択して採用できる。チューブシース４２の基端は、図１に示すように本体部２１の先端に設けられた開口に挿入されているが、本体部２１に対しては相対的な回転が可能に設けられている。チューブシース４２には、コイルシース４１の小径部４３に嵌合するリング部材（進退抑制部材）４５が圧入されている。圧入された状態において、リング部材４５の内径はコイルシース４１の基本的な外径（小径部４３以外の部位の外径）及び接続リング４４の外径よりも小さく設定されている。また、リング部材４５の内径は、小径部４３の外径よりも大きく、両者の間にクリアランスが確保されている。

このような構成を備えることによって、コイルシース４１とチューブシース４２とは、軸線回りに相対的な回転が可能かつ軸線方向に実質的に相対的な移動が不可能に形成されている。上述のような構成を実現するために、小径部４３を形成した１本のコイルシースが小径部４３で切断されて２本に分割される。そして、先端側のコイルシースの小径部にリング部材４５が嵌められた状態で、接続リング４４を用いて切断されたコイルシースが一本に接続される。その後、リング部材４５が取り付けられたコイルシース４１がチューブシース４２に挿入され、リング部材４５がチューブシース４２に圧入されると、処置具１の挿入部４０が得られる。

所定の長さＬ１は、適宜設定できる。しかし、接続部３０の接続部材３４とリング部材４５との間の挿入部４０は、処置具１先端側の硬質長（後述）を実質的に短くするために、十分撓み変形できる程度の長さ、例えば２０ミリメートル（ｍｍ）以上に設定されることが好ましい。

上記のように構成された処置具１の使用時の動作について説明する。
まず、患者の体内に図示しない内視鏡が挿入され、前記内視鏡の先端が処置対象の体腔内組織（対象組織）付近まで進められる。

続いて、スライダ２２を操作部２０の本体部２１に対して後退させ、一対の鉗子部材１１、１２が閉じた状態で、内視鏡の鉗子チャンネルに挿入部４０が挿入される。そして、処置部１０を鉗子チャンネルの先端から突出させる。このとき、処置具１先端の処置部１０、及びカバー１４に覆われた接続部３０の一部と、挿入部４０のリング部材４５が設けられた部位とは、所定の長さＬ１だけ離れている。そのため、処置具１先端の処置部１０、及びカバー１４に覆われた接続部３０の一部と、挿入部４０のリング部材４５が設けられた部位との間の挿入部４０は可撓性を有する。その結果、内視鏡が体腔内で蛇行等しても、内視鏡の形状に追随して良好に撓み変形する。そのため、容易に処置具１を内視鏡の鉗子チャンネル内に挿入できる。

処置を行う際には、スライダ２２が本体部２１に対して前進移動する。すると、スライダ２２に接続された操作ワイヤ３１がコイルシース４１に対して前進する。上述のように、鉗子回動軸１３はコイルシース４１に取り付けられたカバー１４に支持されているので、第１鉗子部材１１及び第２鉗子部材１２は、挿入部４０に対して固定された鉗子回動軸１３を中心にそれぞれ回動する。その結果、図５に示すように処置部１０が開く。

処置部１０が開く際、第１鉗子部材１１及び第２鉗子部材１２の基端部はカバー１４から突出する。それに伴い、各鉗子部材１１、１２の基端部に挿通された回動軸部材３８および３９も、図５に示す側面視においてカバー１４と重ならない位置に移動する。ここで、回動軸部材３８、３９が係合している溝１４Ａおよび１４Ｂは、操作ワイヤ３１の軸線Ｘ１から離間する方向に開口している。そのため、各鉗子部材の基端部および回動軸部材の上述した動きが阻害されることなく、スムーズに一対の鉗子部材１１、１２が開く。
一方、溝１４Ａおよび１４Ｂは、軸線Ｘ１に接近する方向に延びていないため、回動軸部材３８、３９は、処置部１０の開閉操作中に軸線Ｘ１に接近する方向に移動しない。

使用者は、スライダ２２を進退させて処置部１０の一対の鉗子部材１１、１２を開閉しながら、対象組織に対して所望の処置を行う。使用者は、必要に応じて、本体部２１を軸線回りに回転操作することにより、処置部１０を回転させ、一対の鉗子部材１１、１２の開閉面と対象組織との位置関係を調節してもよい。

本実施形態の処置具１によれば、一対の鉗子部材１１、１２とリンク部材３５、３６との連結点である回動軸部材３８、３９が、カバー１４に設けられた溝１４Ａ、１４Ｂとそれぞれ係合している。そのため、回動軸部材３８、３９が操作ワイヤ３１の軸線Ｘ１に接近する方向に移動することが規制される。その結果、鉗子回動軸１３、回動軸部材３８、３９の一方、およびリンク回動軸３４Ａが同一直線状に並ぶように移動する。そのため、上述のように一対の鉗子部材の開閉操作が困難となる事態の発生が抑制され、開閉操作を安定して行うことができる。

また、処置具１先端に設けられた硬質の処置部１０及び接続部３０の一部と、挿入部４０においてコイルシース４１とチューブシース４２とを相対的に回転可能に接続するリング部材４５とが所定の長さＬ１離れて配置されている。このため、硬質の処置部１０等とリング部材４５とが接近している場合はそれぞれの軸線方向の寸法の和である処置具１の先端側の硬質長が、実質的に短くなる。したがって、内視鏡への挿入性の良好な処置具が得られる。

従来の処置具においては、コイルシース４１とチューブシース４２とが相対的に回転可能に接続される構造は、チューブシースの先端付近に設けられることが多い。その結果、処置具先端の硬質長が長くなり、鉗子チャンネルへの挿入が困難であり、内視鏡に対する挿抜に大きな力量が必要となる等の問題があった。本実施形態の処置具１の挿入部４０の構造は、上記問題を解決する。

次に、本発明の第２実施形態について、図６から図１０を参照して説明する。本実施形態の処置具５１と第１実施形態の処置具１との異なるところは、リンク機構および規制部の構造である。
なお、以降の説明において、既に説明した各実施形態の処置具と共通する構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。

図６は、処置具５１を示す全体図である。カバー部材１４には、溝１４Ａ、１４Ｂに代えて、切り欠き５２および５３が規制部として形成されている。切り欠き５２、５３の詳細については後述する。

図７は、処置具５１の処置部１０周辺を、カバー１４を除いて示す図である。処置具５１のリンク機構５４は、接続部材３４に代えて接続部材５５を備え、第１リンク部材３５および第２リンク部材３６に代えて、第1リンク部材５６および第２リンク部材５７を備えている。

接続部材５５は、リンク回動軸５５Ａおよび５５Ｂの２つのリンク回動軸を有する。第１リンク部材５６および第２リンク部材５７は、自身の長手方向に延びる略長円形に形成されている。そして、第１リンク部材５６の基端部はリンク回動軸５５Ａに、第２リンク部材５７の基端部はリンク回動軸５５Ｂに、それぞれピン３７を介して回動可能に連結されている。

各リンク回動軸５５Ａ、５５Ｂは、操作ワイヤ３１の軸線Ｘ１から等距離（略等距離を含む）だけ離間し、軸線Ｘ１を挟んで対向している。２本のピン３７は、軸線が平行（略平行を含む。以下同じ。）に配置され、２つのリンク回動軸５５Ａ、５５Ｂは、互いに平行に配置されている。
一対の鉗子部材１１、１２が閉じられた状態において、各リンク部材５６、５７は、互いに平行に配置され、かつ自身の長手方向が軸線Ｘ１と平行に配置されている。

図８は、図７のＢ−Ｂ線における断面図であり、図３と同様にカバー１４が併せて示されている。図８に示すように、接続部材５５は、リンク回動軸５５Ａが形成される部位とリンク回動軸５５Ｂが形成される部位とが、軸線Ｘ１を挟んで互い違いとなるように、軸線Ｘ１に直交する面の断面形状がクランク状に形成されている。そのため、リンク機構５４の最大厚さ寸法は、いずれのリンク回動軸５５Ａ，５５Ｂにおいても、概ね接続部材５５の厚さと各リンク部材５６、５７の厚さとの和に近い値であり、部材２枚分の厚さに抑えられている。

図９は、図７のＣ−Ｃ線における断面図をカバー１４とともに示す図である。図９に示すように、カバー１４に形成された切り欠き５２および５３は、回動軸部材３８、３９の延在方向に貫通しており、回動軸部材３８、３９の両端部は、それぞれ切り欠き５２および５３と係合している。切り欠き５２および５３の形状は、軸線Ｘ１から離間する方向に開口している点、および一対の鉗子部材１１、１２が閉じた状態において回動軸部材３８、３９と係合する位置よりも他方の切り欠きに向かって延びていない点で、第１実施形態の溝１４Ａ、１４Ｂと同様である。ただし、図６に示す側面視において、切り欠き５２および５３の幅寸法（軸線Ｘ１の延びる方向における寸法）は、軸線Ｘ１から離間するにしたがって徐々に拡大するように設定されており、この点は溝１４Ａ、１４Ｂと異なる。

上記のように構成された処置具５１においても、操作部２０を操作して操作ワイヤ３１が前進すると、図１０に示すように、処置部１０の第１鉗子部材１１および第２鉗子部材１２が、鉗子回動軸１３を中心に回動して開く。
回動軸部材３８、３９の軸線Ｘ１に接近する方向への移動は、回動軸部材３８、３９とカバー１４に形成された切り欠き５２、５３とが係合することによって好適に抑制される。

本実施形態の処置具５１においても、第１実施形態の処置具１同様、処置部の開閉操作を安定して行うことができる。処置具５１のリンク機構５４では、一対の鉗子部材１１、１２が閉じた状態において、リンク部材５６、５７が操作ワイヤ３１の軸線Ｘ１と平行に設けられている。そのため、鉗子回動軸、回動軸部材の一方、およびリンク回動軸が同一直線状に並ぶように移動し、一対の鉗子部材の開閉操作が困難となる事態が処置具１よりも発生しやすい。しかしながら、カバー１４に設けられて規制部として機能する切り欠き５２、５３が設けられているため、前記事態の発生を好適に抑制することができる。

また、切り欠き５２および５３は、軸線Ｘ１から離間するにしたがって、幅寸法が徐々に拡大するように設けられ、開いている部分の幅寸法が最大となるように設けられている。
一対の鉗子部材１１、１２を開く時には操作ワイヤ３１が前進するため、回動軸部材３８、３９は、軸線Ｘ１から離間するとともに、図１０に示すようにカバー１４に対して若干前進する。このように、回動軸部材３８、３９は、鉗子部材の開閉にともない軸線Ｘ１方向前後に移動する。しかしながら、切り欠き５２、５３の開き部分の幅寸法が大きく形成されているため、回動軸部材と切り欠きとの係脱がスムーズに行われ、処置部の開閉が円滑に行われる。

さらに、接続部材５５に、操作ワイヤ３１の軸線Ｘ１と離間した２つのリンク回動軸５５Ａ及び５５Ｂが設けられており、２つのリンク回動軸５５Ａ及び５５Ｂのそれぞれに第１リンク部材５６及び第２リンク部材５７が接続されている。したがって、接続部材５５と各リンク部材５６、５７との接続部位の各リンク回動軸５５Ａ、５５Ｂの延在方向における厚さ寸法は、全体にわたって接続部材５５と各リンク部材５６、５７の一方との和となる部材２枚分の厚さとなる。その結果、２つのリンク部材が同一のリンク回動軸に連結される処置具１の構造に比べて、処置部を含む先端側の領域が更に細径化される。

以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各実施形態の構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除することが可能である。

例えば、規制部として第２実施形態の切り欠きが用いられる場合、回動軸部材を長くすることにより、より確実に回動軸部材と切り欠きとが係合するという利点があるが、回動軸部材の一部がカバー１４の外形よりも突出する。このような場合、カバー部材１４の外形より突出する部分が無くなるように回動軸部材の両端部の一部を切削等により加工してもよい。その結果、内視鏡チャンネル内および体腔内において、処置具がスムーズに進退するとともに、体内組織等を傷めることを好適に抑制することができる。

また、本発明の処置具の構造は、処置部に通電して処置を行うモノポーラやバイポーラの高周波処置具にも適用可能である。

本発明によれば、処置部の安定した開閉操作が可能な内視鏡用処置具が得られる。

１、５１ 内視鏡用処置具
１１ 第１鉗子部材
１２ 第２鉗子部材
１３ 鉗子回動軸
１４ カバー（カバー部材）
１４Ａ、１４Ｂ 溝（規制部）
２０ 操作部
３１ 操作ワイヤ
３４、５５ 接続部材
３４Ａ、５５Ａ、５５Ｂ リンク回動軸
３５、５６ 第１リンク部材
３６、５７ 第２リンク部材
５２、５３ 切り欠き（規制部）
Ｘ１ 軸線

Claims (4)

1. 鉗子の回動軸によって相対的に回動可能に支持された一対の鉗子部材と、
   前記一対の鉗子部材の開閉操作を行うための操作部と、
   前記一対の鉗子部材と前記操作部とを接続する操作ワイヤと、
   前記操作ワイヤが挿通された挿入部と、
   前記挿入部に対して前記鉗子の回動軸を固定するカバー部材と、
   リンク回動軸を有し、前記操作ワイヤの先端部に設けられた接続部材と、
   第一の端部が前記一対の鉗子部材の各々の基端部にそれぞれ回動軸部材を介して回動可能に連結され、第二の端部が前記リンク回動軸に回動可能に連結された一対のリンク部材と、を備え、
   前記カバー部材は、前記回動軸部材の端部と係合することにより前記回動軸部材が前記操作ワイヤの軸線に接近する方向に移動することを規制する規制部を有する内視鏡用処置具。
2. 前記規制部は、前記操作ワイヤの軸線から離間する方向に開口するように前記カバー部材に設けられている請求項１に記載の内視鏡用処置具。
3. 前記接続部材は、２つの前記リンク回動軸を有し、前記リンク回動軸の軸線は前記操作ワイヤの軸線と離間して互いに平行に配置されており、
   前記一対のリンク部材の第二の端部は、２つの前記リンク回動軸のそれぞれに回動可能に連結されており、前記一対の鉗子部材が閉じられた状態において、前記一対のリンク部材が平行に配置される請求項１に記載の内視鏡用処置具。
4. 前記接続部材は、２つの前記リンク回動軸を有し、前記リンク回動軸の軸線は前記操作ワイヤの軸線と離間して互いに平行に配置されており、
   前記一対のリンク部材の第二の端部は、２つの前記リンク回動軸のそれぞれに回動可能に連結されており、前記一対の鉗子部材が閉じられた状態において、前記一対のリンク部材が平行に配置される請求項２に記載の内視鏡用処置具。

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