JP4596530B2 - 医療用処置具 - Google Patents

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この発明は、処置具シースに外装したロングシースを用いて生体組織採取部位へ組織採取のために経皮挿入する医療用処置具に関する。
近年、心臓心室等の生体組織を採取して病気の治療を早期に行う医療用処置具が病院に備えられるようになっている。この際、医療用処置具を体内に挿入するにあたっては、操作性の向上や患者への負担軽減に考慮が払われている。とりわけ、医療用処置具の先端部における可変構造体で、単条密着巻きコイルスプリング体からなるシース構造が生体組織採取に及ぼす機能不良を改善することが重要である。すなわち、単条密着巻きコイルスプリング体を屈曲変形させると、その外周側は伸長してコイル素線の相互間に隙間が生じる。この状態で芯線をプッシュ操作すると、隙間が生じた部分に反力が吸収されてストローク不足を起こす機能不良がある。
医療用処置具の中には、電極カテーテル(例えば特許文献1)、内視鏡用処置具(例えば特許文献2)、偏向型カテーテル(例えば特許文献3)や超音波用穿刺針(例えば特許文献4)など各種の医療器具が登場している。
特許文献1の電極カテーテルでは、超弾性線材を用いて先端部を曲がり部として一定形状に形状記憶処理した芯材の外装に、中空状の曲がり規制体を介装し、かつ、これらを可撓性中空チューブ体内に挿入し、先端部のチューブ体の曲がりを調整している。
特許文献2の内視鏡用処置具では、シースの先端部を一定形状に湾曲させ、かつ、湾曲部より硬質部材をシース内に挿入して進退させることにより先端部を可変構造にした片手操作形のものに構成している。
特許文献3の偏向型カテーテルでは、先端部にワイヤロープを接続させて手元部を操作することにより、先端部の形状を可変して片手で操作できるようにしている。
特許文献4の超音波用穿刺針では、針管に加工パターンに基づいて複数の円環状の溝をYAGレーザーなどで形成し、超音波の入射に対して多くの反射エコーが得られる構成にしている。
特開2002−191571号公報 特開2002−253563号公報 特表平9−504445号公報 特開2004−181095号公報
ところが、特許文献1では、先端部の形状を調整する電極カテーテルを内容とする改良であり、単条密着巻きコイルスプリング体からなるシース構造の欠点を解消する手段はなく、生体組織採取時の操作性を大幅に向上させる構成も記載されていない。
また、特許文献2では、内視鏡用処置具の記載例が示されているだけで、単条密着巻きコイルスプリング体からなるシース構造の欠点を解消する施策はなく、生体組織採取システム構成については何らの記載もない。
また、特許文献3では、偏向型カテーテルにおける先端部の形状を可変にする記載はあるものの、特許文献2と同様にシース構造の欠点を解消する点や生体組織採取システム構成については言及されていないものである。
さらに、特許文献4では、体腔内組織や体液の採取時、超音波観察画像上に針管画像を明瞭に描出するようにしているものの、単条密着巻きコイルスプリング体の欠点を解消する構成がないのは特許文献1〜3と同様である。
この発明は上記の事情を考慮してなされたもので、その目的は生体組織採取を正確かつ短時間で迅速に行うことにより、操作性を飛躍的に向上させることができ、患者への苦痛を大幅に軽減できて治療性を格段に増強し得る高性能な医療用処置具を提供するにある。
請求項1に記載の発明では、処置具シース内に芯線を貫装して、手元操作部で芯線を押し引き操作させることにより先端処置具を開閉動作させる医療用処置具において、処置具シースにロングシースを外装するとともに、ロングシースの先端部及び処置具シースの先端部を、ロングシースの先端部の曲率半径が処置具シースの先端部の曲率半径よりも大となる関係に付形し、ロングシースの進退操作により、処置具シースの先端部における付形形状を可変としたことを特徴とする。
ロングシースを進退操作するに伴い、例えば心臓心室内で所望の生体組織採取位置にセットし、その後、手元操作部の芯線を操作して、先端処置具を開閉動作させて心室中隔位置に生体組織を採取する。この時、処置具シースの先端部における付形形状を可変となしているため、心臓心室中隔近傍の生体組織を広い範囲にわたって採取することができる。
また、ロングシースの先端部の曲率半径が処置具シースの先端部の曲率半径よりも大となるように設定しているので、処置具シースを内部に納めたロングシースは、心臓心室内部の形状に沿うように曲成変形することにより、心室壁等を傷つけることがなく、心臓心室内部で処置具シースの進退操作を容易にすることができる。このため、生体組織採取を正確かつ短時間で迅速に行うことができ、患者への苦痛を大幅に軽減できて効果的な治療性を格段に向上させ得る。
請求項2に記載の発明では、処置具シース内に芯線を貫装して、手元操作部で芯線を押し引き操作させることにより先端処置具を開閉動作させるとともに、芯線と処置具シースとの間に中空パイプを貫装して進退可能な手元操作部となしている。処置具シースの先端部における付形形状を中空パイプの進退操作により可変にしたことを特徴とする。
この場合、処置具シースの可変は、芯線と処置具シースとの間に貫装した中空パイプの進退操作により行われる構造となっている。このため、ロングシースの進退操作と異なり、ロングシースの位置に影響されることなく、処置具シースが単独で直線上に生体組織採取位置の深部へ侵入することが可能となり、狭い採取空間内でも一定の剛性を保持しながら前進するようになる。これにより、請求項1と同様に、生体組織採取を正確かつ短時間で迅速に行うことができ、患者への苦痛を大幅に軽減して効果的な治療性を格段に増強し得る。
請求項3に記載の発明では、処置具シースにロングシースを外装するとともに、ロングシースの先端部及び処置具シースの先端部を、ロングシースの先端部の曲率半径が処置具シースの先端部の曲率半径よりも大となる関係に付形し、中空パイプの進退操作により処置具シースの先端部における付形形状を可変としたことを特徴とする。
ロングシースの先端部の曲率半径が処置具シースの先端部の曲率半径よりも大になるように設定しているので、処置具シースを内部に納めたロングシースは、心臓心室内部の形状に沿うように曲成変形し、心室壁等を傷つけることがなく心臓心室内部で医療用処置具の進退操作を容易にすることができる。
請求項4に記載の発明では、処置具シースにロングシースを外装して、ロングシースの手元端に回転・位置保持機構を設けて手元操作部を所望の位置にセット保持できるようにしたことを特徴とする。
回転・位置保持機構がセットロック手段として機能し、処置具シースの先端部を生体組織の採取に都合のよい箇所で回転・位置保持することが可能になり、正確で迅速な生体組織採取を行うことができる。
請求項5および請求項6に記載の発明における処置具シースは、断面略円形のコイル素線と中心部に向かって先細り状の傾斜辺を有する断面略三角形のコイル素線とが交互に隣接する中空コイル体の構造であることを特徴としている。
この場合、中空コイル体の屈曲時、単条密着巻きコイルスプリング体と異なり、隣接するコイル素線間で微少相対滑り移動が生じ、中空コイル体の外周側においても隣接するコイル素線間に隙間が生じることがない。このため、中空コイル体の屈曲度合いが大きくなっても、手元操作部によるストロークが不足することなく、必要なストローク量が先端処置具に伝わり先端処置具の安定した開閉動作を維持することができる。
隣接するコイル素線間に隙間が生じないことから、手元側操作による反力が処置具シースに加わっても、処置具シースの先端側の揺動変位を最小限に抑え得る。これにより、先端処置具が心臓心室壁を傷つけたり、不用意に過分な生体組織を採取してしまうことがなく、その採取量を一定にすることができる。
また、中空コイル体の屈曲時、コイル素線間に生じる微少相対滑り移動により、中空コイル体の内側では、断面略円形のコイル素線よりも断面略三角形のコイル素線が外側に突き出し、屈曲内側部に沿って凹凸曲面を形成する。この凹凸曲面が反射エコー部となるため、中空コイル体を単に屈曲させるのみで、生体組織を採取する先端処置具を画像上に明瞭に描出することができる。そして、円環状の溝をYAGレーザーで凹状加工をする特許文献4と異なり、中空コイル体の屈曲時に自動的に生じるので、反射エコー部を形成するための加工が不要となる。
請求項7および請求項8に記載の発明における処置具シースは、断面略半円形のコイル素線と中心部に向かう二等辺部に凹みを有する略二等辺三角形状のコイル素線とが係着するように交互に組み合わされた構造であることを特徴としている。
この場合も、処置具シースの屈曲時、隣接するコイル素線間で微少相対滑り移動が生じ、隣接するコイル素線間に隙間が生じることがないので、請求項5および請求項6と同様な効果が得られ、良好なトルク応答性、トルク伝達性及び高い押し込み特性を確保することができる。
請求項9および請求項10に記載の発明において、処置具シースの構造は、手元側に設けた中空撚線コイル体と、先端部側に位置して断面略円形のコイル素線と中心部に向かって先細り状の傾斜辺を有する断面略三角形のコイル素線とが交互に隣接する中空コイル体との連結形態からなることを特徴とする。
この処置具シースでは、その屈曲時、隣接するコイル素線間で微少相対滑り移動が生じ、隣接するコイル素線間に隙間が生じることがないので、請求項5および請求項6と同様な効果が得られる。また、中空撚線コイル体では、単条密着巻きコイルスプリング体と異なり、多条線の為に先端方向への回転伝達性が高く、屈曲部に不均一な捻じり溜まりを生じさせないので、処置具シースにおける先端部の円滑な回転を実現させることができる。
請求項11に記載の発明における中空撚線コイル体は、断面略半円形のコイル素線と中心部に向かう二等辺部に凹みを有する略二等辺三角形状のコイル素線とが係着するように交互に組み合わされた構造であることを特徴としている。
この処置具シースでも、その屈曲時に隣接するコイル素線間で微少相対滑り移動が起きて、請求項5および請求項6と同様に隣接するコイル素線間に隙間が生じないので、ストロークが不足することなく先端処置具の安定した開閉動作を維持することができる。
請求項12に記載の発明では、処置具シースの先端に開閉可能に設けた採取カップの開口方向に対して略直交するように処置具シースの先端部側を略弓形に付形したことを特徴とする。
このため、採取カップが開口する際、例えば心臓心室中隔に押し当りながら上下に開口移動することがない。これにより、採取カップの開口位置が変動することがなく、かつ心臓心室中隔等の正常組織を傷つけることなく所望の生体組織を正確に採取することができる。
請求項13に記載の発明では、処置具シースの先端部側を略スパイラル立体形状に付形したことを特徴とする。このため、ロングシース及び処置具シースの進行方向に対する障害物(例えば腱索や乳頭筋の細長部位網等)を避けながら迂回して所望位置にある生体組織を採取することができる。
生体組織の採取部位が曲面形状をなしている場合、その曲面に沿って処置具シースの先端部側を優しい接触状態で移動させて所望の生体組織を採取することができる。
請求項14および請求項15に記載の発明では、先端部が付形されたロングシースと処置具シースとの合体曲成形状が生体組織採取部位の曲成形状と概ね平行する状態に設定したことを特徴とする。
このため、ロングシースと処置具シースとが合体した場合、合体後のロングシースと処置具シースは、心臓心室内等の生体組織採取部位の曲成形状に沿って移動する。これにより、ロングシースや処置具シースが心臓心室壁等を傷つけることなく、かつ医療用処置具の進退操作を容易にすることができる。
この発明の医療用処置具では、処置具シースにロングシースを外装し、ロングシースの先端部及び処置具シースの先端部を付形し、この付形によりロングシースの先端部の曲率半径が処置具シースの先端部の曲率半径よりも大となる関係に設定している。これにより、ロングシースの進退操作時に処置具シースの先端部における付形形状が可変となるようにしている。
この発明の実施例1を図1〜3、図8、図10〜図14に基づいて説明する。
医療用処置具を示す図1において、手元操作部1は、収納細管2に直交する操作片3を軸方向に摺動可能に嵌合した構造を有する。収納細管2の後端部は、指貫穴4aを有する固定片4を連結し、操作片3の両端部は操作穴3aを作動部として形成している。収納細管2には、軸方向に沿って所定のストローク長さを有するスリット5が形成されている。
操作片3は、スリット5の方向に打ち込まれたピン6により、収納細管2内に収容された芯線としてのワイヤ7の後端部に連結されている。この時、収納細管2の内部に設けられたバネ部材Sにより図1(a)に矢印Aで示すように、操作片3及びワイヤ7を後端の手元方向に付勢している。
ワイヤ7は処置具シース8内に貫装されたもので、手元操作部1での押し引き操作により、パンタグラフ式リンク機構{図7(b)参照}が働いて一対の採取カップ9を先端処置具として開閉動作させるようになっている{図1(b)〜(e)参照}。処置具シース8の中間部には、管状ソケット10が摺動可能に外装されている。ロングシース11は、処置具シース8の外部に摺動可能に装着されたもので、後端部11bを管状ソケット10に連結し、その先端部11aを採取カップ9まで延出できるようになっている。
この際、ロングシース11の先端部11a及び処置具シース8の先端部8aを、ロングシース11の先端部11aの曲率半径が処置具シース8の先端部8aの曲率半径よりも大となる関係に付形し、ロングシース11の進退操作により処置具シース8の先端部8aにおける付形形状を可変となしている。そして、図1(b)、(c)に示すように、処置具シース8の先端に開閉可能に設けた採取カップ9の開口方向に対して略直交するように処置具シース8の先端部8a側を熱処理により略弓形に付形している。
処置具シース8の構造は、図2に示すように、手元側に設けた断面略円形の中空撚線コイル体17と、先端部8a側に位置して断面略円形のコイル素線18aと中心部に向かって先細り状の傾斜辺を有する断面略三角形のコイル素線18bとが交互に隣接する中空コイル体18との連結形態からなる。
ロングシース11の手元端には、回転・位置保持機構12をセットロック手段として設けて処置具シース8の先端部8a及び採取カップ9を所望の位置にセット保持できるようにしている。すなわち、回転・位置保持機構12は、図3(a)〜(d)に示すようにプラスチック製のロックリングナット13、割り溝付きの絞り管部14、中間リングナット15及び回動リングナット16を備え、それぞれ処置具シース8に移動調節可能に外装されている{図1(a)参照}。
中間リングナット15の径小部15aは、ロックリングナット13に螺合されて、ロックリングナット13とロックリングナット13内に嵌め込まれた絞り管部14との間に差し込まれている。ロックリングナット13を中間リングナット15に締め付けることにより、絞り管部14が縮径して処置具シース8に巻き締まるようになっている。回動リングナット16は、径小部16aを中間リングナット15の径大部15b内に螺合させ、径大部16bを管状ソケット10の後端外周部に螺合させている。
なお、管状ソケット10の外周部には、回動リングナット16における径大部16bの雌ねじ部に螺合する微小突起10aが一体に形成されており、径小部16aには、中間リングナット15における径大部15bの雌ねじ部に螺合する微小突起16cが一体に形成されている。
なお、処置具シース8の構造は、図4に変形例として示すように、手元側に設けた中空撚線コイル体17から先端部側に連続する中空コイル体19は、隣接するコイル素線19a、19b同士が係着するように異形線が巻回形成されている。すなわち、中空コイル体19は、隣接する断面略半円形のコイル素線19aと中心部に向かう二等辺部に凹みを有する略二等辺三角形状のコイル素線19bとが密着するように交互に組み合わされている。この場合、処置具シース8は、変形例として全長にわたって中空コイル体18、19(図5及び図6参照)により構成してもよい。
上記構成において、医療用処置具の操作に先立って先端部11aを付形したロングシース11内に、先端部を熱処理で付形した処置具シース8を挿入により合体させ、合体後の曲成形状が概ね心臓心室H内の形状に沿う形態とする。具体的には、ロングシース11は、単体での曲率半径が概ね50mmで屈曲部が100°曲げとし、ロングシース11と処置具シース8との合体後は、曲率半径が概ね80mmで屈曲部が135°曲げとなるように設定する。
医療用処置具の操作時には、心臓心室Hのエコーによる超音波画像をモニター(図示せず)で観察しながらロングシース11の進退操作により、図1(a)に示すように処置具シース8の先端部8aを心臓心室H内で所望の生体組織採取位置にセットする。その後、ロングシース11の手元端にある回転・位置保持機構12を用いて、処置具シース8の先端部8aが所望にセットされた位置にセット保持する。この状態で、手元操作部1の操作片3を図1(a)の矢印Aとは反対方向に押して、(プッシュ操作)、ワイヤ7を軸方向に沿って先端部へ摺動させる。これにより、処置具シース8の先端に位置する採取カップ9が開口して心臓心室中隔Jに位置する生体組織の一部を挟むことにより採取する。
心臓心室H内で回転・位置保持機構12の操作時には、下記の手順を踏む。
(イ)先ず、ロングシース11内に処置具シース8を挿入し、処置具シース8の先端部8aをロングシース11の先端部11aから露出しないようにしておく。
(ロ)この状態で、ロックリングナット13を中間リングナット15に締め付け、処置具シース8をロングシース11に仮固定する。この時、管状ソケット10に回動リングナット16を固定し、さらに中間リングナット15を回動リングナット16に固定している。(ハ)ついで、ロングシース11を処置具シース8と一体的に進退・回転させて、ロングシース11における先端部11aの曲成形状部を心臓心室中隔Jの方向に向ける。
(ニ)そして、ロックリングナット13を緩めて、処置具シース8を進退させたり、または回転させて処置具シース8の先端部8aの屈曲度合い等を生体組織採取位置に合致させる。この後、ロックリングナット13を締め付けて処置具シース8を固定する。
(ホ)手元操作部1を押して、ワイヤ7を介して採取カップ9を開き、心臓心室中隔Jの生体組織採取を行う。
(ヘ)生体組織を採取する位置を変更する場合、ロックリングナット13を一時的に緩めて処置具シース8を進退させたり、または回転させたりして心臓心室中隔Jに対する採取位置を所望にセットする。セット後は、(ホ)で述べたものと同様な手順を繰り返す。
心臓心室H内で生体組織の採取位置を変える際、回転・位置保持機構12を緩めて処置具シース8に対するロックを解除したうえで、ロングシース11の摺動変位を行って心臓心室中隔Jの同一操作直線上に沿って処置具シース8の先端部8aの長さを所望に調節する。ロックリングナット13の回転動作により、処置具シース8の先端部8aを操作直線と直交する方向で所望の位置にセット調節することができる。
セット調節後に回転・位置保持機構12によりロングシース11の摺動変位及び処置具シース8の回転変位をロックする。この状態で、前述と同様に手元操作部1の操作片3をプッシュ操作し、ワイヤ7を摺動させ、採取カップ9により心臓心室中隔Jに位置する別の生体組織を採取する。
このため、上記構成では下記の作用効果が得られる。
すなわち、先端部11aを付形したロングシース11内に、先端部8aを熱処理で付形した処置具シース8を挿入により合体させ、合体後の曲成形状が概ね心臓心室H内の形状に沿う形態としている。これにより、心臓心室壁などを傷つけることなく迅速かつ容易にロングシース11の進退操作を行うことができる。
また、ロングシース11の進退操作に伴い、処置具シース8における先端部8aの付形形状を可変とし、回転・位置保持機構12によりロングシース11の摺動変位及び処置具シース8の回転変位を所望の位置にロックしたので、心臓心室中隔Jの近傍に存する生体組織を広範囲に採取することが可能となる。
なお、補足すれば、回転・位置保持機構12は、従来品における処置具シースの末端部と着脱自在の構造になっており、従来品に装着して使用できる便宜がある。
処置具シース8を断面略円形のコイル素線18aと断面略三角形のコイル素線18bとが交互に隣接する中空コイル体18との連結形態から構成したことから、下記の作用効果が得られる。すなわち、処置具シース8の屈曲度合い(総曲げ角度:Σθ)が増大しても、生体組織採取の操作時、正確で安定した採取カップ9の開口操作を維持することができる。
従来用いていた処置具シース50は、図7(a)に示すように丸線の単条密着巻きコイルスプリング体である。このため、処置具シース50内を挿通する芯線をワイヤ51として手元側でプッシュ操作(約7mm)すると、処置具シース50がU字状の屈曲形態(総曲げ角度Σθ:180°)までは、採取カップ52の開閉動作を行うことができるものの、S字状の屈曲形態(Σθ:360°)になると、採取カップ52の開閉動作を行うことができなくなる。
この理由としては、処置具シース50の屈曲動作により、単条密着巻きコイルスプリング体の外周側で隣接するコイル素線間に隙間Gが生じるからと考えられる。
この状態で、図7(b)に示すようにワイヤ51を手元側からプッシュ操作すると、その操作力はパンタグラフ式リンク機構53から採取カップ52に伝えられる。この際、プッシュ操作力に基づく反力を受けた処置具シース50は、コイル素線間に隙間Gが生じているため、隙間Gにより反力が吸収されて操作ストローク不足が起こる。この操作ストローク不足は、処置具シース50の屈曲度合に比例して増大するため、とりわけ屈曲度合を大きくした場合、採取カップ52の開閉動作に支障を来すものと思われる。
これに対して、コイル素線18aとコイル素線18bとからなる中空コイル体18では、図8(a)の状態から図8(b)に示すように処置具シース8の屈曲度合いが増しても、コイル素線18a、18bとの間に隙間が生じない。この隙間の存否は、屈曲変位を芯線としてのワイヤ7と処置具シース8のみに単純化して考えると、これらの屈曲時に生じる先端部8aの変位量δ(δ1、δ2)の多寡として把握することができる{図8(c)}。
この観点から本発明の処置具シース8と図7に示す従来の処置具シース50とを比較すると、図8(d)に示すように、従来の処置具シース50では、屈曲形態の総曲げ角度Σθが増大するのに伴って、直線状態での芯線71における露出部の露出長Lに変位量δ1が生じる。すなわち、芯線71における屈曲形態での露出長をA1とすると、その変位量δ1は、(A1−L)となって芯線71が処置具シース50内に引き込まれることが分かる(マイナス側)。これに対して、本発明の処置具シース8は、ワイヤ7における屈曲形態での露出長をA2とすると、露出部の変位量δ2が(A2−L)となって、図8(c)に示すように、ワイヤ7が微小ながら処置具シース8より遠ざかることが分かる(プラス側)。
従来の処置具シース50において、芯線71の露出長(L)が屈曲時に小さくなる理由は、処置具シース50を屈曲させると、コイル素線間に隙間が生じて全長が長くなった分だけ処置具シース50内へ芯線71が引き込まれると考えられる。
本発明の処置具シース8において、ワイヤ7の露出長(L)が軽微ながら長くなる理由は、処置具シース8を屈曲させると、中空コイル体18のコイル素線18a、18b間に、微少相対滑り移動が生じるため、隙間が生じず全長が殆ど変化することがなくなって、ワイヤ7が処置具シース8内に最短距離で配置されると考えられる。なお、比較のため、従来の芯線71および本発明のワイヤ7の露出長は、直線状態では同一の記号Lを用いて表した。
処置具シース8がコイル素線18aとコイル素線18bとからなる中空コイル体18であることに伴い、生体組織採取時、処置具シース8の先端部8aが変動することがなくなり、所定量だけ正確に生体組織を採取することができる。
図7に示すように単条密着巻きコイルスプリング体からなる従来の処置具シース50を用いると、生体組織採取時、採取カップ52のワイヤ51にプッシュ操作力を加えるのみで、処置具シース50の先端部50aが、図9に示すように心臓心室中隔J側(採取方向)に約6mm移動する。また、逆にワイヤ51にプル操作力を加えると、処置具シース50の先端部50aは逆方向に約13mm移動するといった挙動を示す。
このため、従来の処置具シース50では、心臓心室H内における所望の位置で、生体組織を採取しようとして、ワイヤ51のプッシュ操作時、処置具シース50の先端部50aが揺動変位して、採取カップ52が生体組織に食い込むようになり、過分の生体組織を採取してしまう虞がある。一方、ワイヤ51にプル操作力を加えると、処置具シース50の先端部50aが心臓心室壁側に移動して心室壁を傷つける虞がある。
このプッシュ・プル操作力のみにより、処置具シース50の先端部50aに変動・揺動が生じる理由は、処置具シース50の単条密着巻きコイルスプリング体におけるコイル素線間に隙間Gが生じているためと考えられる{図7(a)参照}。
これに対して、コイル素線18aとコイル素線18bとからなる中空コイル体18の処置具シース8では、コイル素線18a、18b間の微少相対滑り移動により先端部8aの屈曲時に屈曲形態に追従して変位する{図8(a)、(b)参照}。このため、中空コイル体18のコイル素線18a、18bとの間に隙間が生じず、処置具シース8の先端部8aの変動・揺動を最小限に抑え得て、所定量の生体組織を正確に採取することが可能となる。
医療用処置具の使用時、超音波三次元エコーにおいて、中空コイル体18のコイル素線18a、18bが超音波反射部を形成するので、モニターに明瞭な超音波観察画像を描出させることができる。
処置具シース8における先端部8aの屈曲時、中空コイル体18のコイル素線18a、18b間には外周側で隙間を生じず、曲率半径の小さな内周側では、図10(a)、(b)に示すように、微少相対滑り移動により奥方が広く外周部が狭いテーパ状の深さを有する凹部20を形成する。
一般に、モニターに超音波画像を明瞭に描出させるには、例えば特許文献4に示すように、円環状の溝をYAGレーザーで凹状加工を施して反射エコー部を加工する必要があるが、この発明では中空コイル体18の屈曲時、処置具シース8を曲げるのみで、反射エコー部として凹部20が自動的に生じる。このため、生体組織採取位置で、処置具シース8において曲げを生じている先端部8aを超音波画像として明瞭に描出させることができる。しかも、処置具シース8を曲げるのみで、凹部20を形成できるため、反射エコー部を別途に加工する必要がなくなる。
また、図11に示すように、処置具シース8の先端部8aに樹脂被覆などの薄膜コーティング21を用いることにより、凹部20のなす反射エコー部が反射エアー層として機能し、モニターに鮮明な超音波観察画像を描出させることが可能となる。
この理由として、凹部20は生体組織と比較して超音波を反射させ易く、生体組織と反射エアー層との間で相互の音響インピーダンス(生体組織密度ρと音速cとの積ρc)の差を非常に大きくさせることが挙げられる。このため、生体組織と反射エアー層との境界面で殆どの超音波を反射させることができる上に、凹部20は連続した螺旋溝を形成し、連続した処置具シース8における先端部8aの屈曲形態を明瞭な超音波観察画像として認識することができる。
このため、処置具シース8の先端部8aを屈曲させるのみで、図10に示す凹部20を反射エコー部として自動的に形成させることができ、かつ最も重要な生体組織採取位置を鮮明に視覚認識させることが可能となる。これにより、とりわけ細径化された処置具8の先端部8aに反射エコー層を形成する際、薄膜コーティング21を用いることは極めて有効な技術手段と考えられる。
図2及び図4に示す如くコイル素線18a、18b(19a、19b)から成る先端部の中空コイル体18(19)と手元側の中空撚線コイル体17とを連結して組合わせた処置具シース8では、下記の作用効果が得られる。
すなわち、生体組織採取位置を変更するため、処置具シース8を回転操作する際、その回転操作に基づく処置具シース8における先端部8aの回転追従性が向上し、かつ回転・位置保持機構12による先端部8aの安定した保持機能を維持することができる。
図12(a)の如く、従来用いられている単条密着巻きコイルスプリング体54を回転させると、その回転伝達力は伝達距離が長尺になるほど弱まり、図12(b)に示すように単条密着巻きコイルスプリング体54における屈曲部の各接点及び各部位区間54a、54b、54c毎に異なる不均一な捻じり溜まりが発生する。捻じり溜まりが過剰になると、単条密着巻きコイルスプリング体54である処置具シースの先端部が急回転を起こしたり、または座屈変形して、その先端部を所望の生体組織採取位置に正確にセットすることが困難となる。
この理由としては、単条密着巻きコイルスプリング体54では、これに対する回転力が単条、つまり一本の線材の巻回力により支えられる構造のため、回転力が増加すると、座屈変形等が発生し易くなって安定力を欠くためと考えられる。
これに対して、処置具シース8の中空撚線コイル体17では、図12(c)、(d)に示す単条密着巻きコイルスプリング体54の場合と比較して、図12(e)、(f)に示す如く、多条線を用いることにより、回転方向に対するコイル素線の傾斜角(ω)が大となり、回転力を先端部8aへ伝達させ易い構造のため、処置具シース8における先端部8aの円滑な回転を実現させることができる。
処置具シース8の先端部8aを採取カップ9の開口方向に直交する状態で略弓状に付形することにより下記の作用効果が得られる。
図13(a)、(b)に示すようにシースコイル体55の先端部を付形させる付形方法としては、先ずシースコイル体55をステンレス鋼線材(SUS304)の巻回により形成し、シースコイル体55内に芯金(図示せず)を挿入して所定の形状に曲成する。あるいは、シースコイル体55を、所定形状の凹み部を設けた金型(図示せず)に配置させて処置具シース8の形状に合致するように曲成する。そして、その状態で、炉内に入れたシースコイル体55に熱処理(加熱温度600°×5分)を施し、その後に電界研磨を施す。電界研磨処理時、シースコイル体55は、芯金を挿入したままでも抜き取っていてもどちらでもよい。
処置具シース8の先端部8aを採取カップ9の開口方向に直交させたので、生体組織採取の際、図14(a)に示す比較例と異なり、処置具シースRが採取カップqを心臓心室中隔Jに押し当てながら開口させてしまうことがない。すなわち、採取カップ9は、図14(b)に示すように開口するため、生体組織採取位置が不用意に変動することがなく、心臓心室中隔Jを傷つけることもない。このため、所望の生体組織の正確な採取に役立つことができる。
なお、上記で述べたコイル素線18aとコイル素線18bとからなる中空コイル体18についての作用効果は、コイル素線19aとコイル素線19bとからなる中空コイル体19についても同様である。
図15はこの発明の実施例2を示す。
実施例2が実施例1と異なるところは、進退操作により処置具シース8の先端部8aにおける付形形状を可変とするストレート状の中空パイプ22を設けたことである{図15(a)、(b)参照}。中空パイプ22は、ワイヤ7に外装されて処置具シース8内に摺動変位可能に挿入されている。
中空パイプ22の手元端部は収納細管2内に位置し、先端部22aは処置具シース8の先端部8aまで延出されている。収納細管2には、ストローク長さ(L1)が25mm程度に設定された制限スリット23がスリット5の直前に位置する部分に形成されている。制限スリット23を介して中空パイプ22に接続された摘み部24は、制限スリット23の長さ範囲内で操作可能に設けられている。この摘み部24は、螺合構造となっており、任意のストローク長さの位置で回転を受けると、摘み部24が収納細管2を押圧して所望の位置に固定され得るようになっている。
回転・位置保持機構12のロックリングナット13、中間リングナット15、絞り管部14及び回動リングナット16の取付構造は、図1(a)に示す実施例1と同様になっている。
処置具シース8とロングシース11との合体曲成形状についても、実施例1で述べたものと同様である。医療処置具の操作にあたっては、手元操作部1の摘み部24を手元側に引くと、中空パイプ22が処置具シース8に対して手元側に摺動変位する{図15(b)の矢印M参照}。
この時、付形によりロングシース11の先端部11aの曲率半径が処置具シース8の先端部8aの曲率半径よりも大となる関係に設定していることから、中空パイプ22の進退操作により、処置具シース8の先端部8aにおける付形形状が可変となる{図15(c)参照}。
すなわち、摘み部24を矢印M方向に引き込む操作量の違いにより、処置具シース8の先端部8aに対する中空パイプ22の延出量Kが変わり、処置具シース8における先端部8aの付形形状を所望の曲率半径に変更させることが可能となる。
実施例2において、心臓心室H内で回転・位置保持機構12の操作を行うには、下記の手順を踏む。
(イ)先ず、実施例1の場合と同様に、ロングシース11内に処置具シース8を挿入し、処置具シース8の先端部8aをロングシース11の先端部11aから露出しないようにしておく。
(ロ)この状態で、ロックリングナット13を中間リングナット15に締め付け、ロングシース11に処置具シース8を仮固定する。この時、管状ソケット10に回動リングナット16を固定し、さらに中間リングナット15を回動リングナット16に固定している。(ハ)ついで、ロングシース11を処置具シース8と一体的に進退・回転させて、ロングシース11における先端部11aの曲成形状部を心臓心室中隔Jの方向に向ける(図16参照)。
(ニ)そして、ロックリングナット13を緩めて、ロングシース11に対して処置具シース8を進出させておく。この時、摘み部24を制限スリット23に沿って前後に移動調整して中空パイプ22を進退させたり、またはロングシース11を処置具シース8と一体的に回転させて処置具シース8の先端部8aの屈曲度合い等を生体組織採取位置に合致させる。この後、摘み部24を締め付けて中空パイプ22を収納細管2に固定する。
(ホ)手元操作部1を押して、ワイヤ7を介して採取カップ9を開き、心臓心室中隔Jの生体組織採取を行う(図16参照)。
(ヘ)生体組織を採取する位置を変更する場合、摘み部24を一時的に緩めて中空パイプ22を進退させたり、またはロングシース11を処置具シース8と一体的に回転させて心臓心室中隔Jに対する採取位置を所望にセットする。セット後は、(ホ)で述べたものと同様な手順を繰り返す。
実施例2では下記の作用効果が得られる。
ロングシース11の摺動変位によらず、中空パイプ22の摺動により処置具シース8の先端部8aを可変としているので、図16に示すようにロングシース11の位置に影響されることなく、処置具シース8を単独で直線状に移動させる長いストロークhにより心臓心室Hの深部に侵入させることができる。
これにより、狭い採取空間m内でも一定の剛性を保持しながら処置具シース8の先端部8aを前進させることができる。また、ロングシース11との組合わせにより、処置具シース8における先端部8aの形状可変、及び回転・位置保持機構12をセットロック手段として生体組織を広範囲に採取できる効果については実施例2と同様である。
図17はこの発明の実施例3を示す。
実施例3では、図17(a)、(b)、(c)、(d)に示すように処置具シース8の先端部8aを実施例1の弓形状に代わって、捩じりピッチの比較的大きなスパイラル立体形状に付形している。
処置具シース8の先端部8aをスパイラル立体形状に付形したことにより下記の作用効果が得られる。処置具シース8の先端部8aの付形方法については、スパイラル立体形状であることを除けば、略弓状に付形した場合と同様である。
スパイラル立体形状となった処置具シース8の先端部8aは、図17(a)に示すように進行方向に対する障害物(例えば、心臓心室H内の腱索や乳頭筋の細長部位網等)を避けながら迂回して所望位置の生体組織に到って生体組織を採取することができる。
また、図18に示すように生体組織の採取部位60が曲面形状をなしている場合、その曲面に沿って処置具シース8の先端部8aを優しく滑らかな接触状態で移動させて所望の生体組織を採取することができる。
なお、処置具シース8の先端部8aは、変形例として図19に示すように複数の関節部Tにより内方に折り曲がる多関節指状に付形してもよい。
[変形例]
ロングシース11の先端開口部は、内径が手元側から先端側にかけて次第に狭くなるように漸減するテーパ状に形成してもよい。これにより、ロングシース11と処置具シース8との隙間に対する多量の液体流入を防ぎ、かつ反射エコー部としての凹部20のエコー効果を一層高めることができる。ロングシース11の材質としては、ポリアミド、ポリエステル及びこれらのエラストマー等を用い、寸法としては外径が3mmで肉厚が0.1〜0.2mmのものを適用しても良い。
また、処置具シース8のコイル素線18a、18bの材質は、ステンレス鋼線材(SUS304)を用い、コイル素線18aの直径寸法を0.3mmとし、コイル素線18bの底辺寸法を0.35mmとしても良い。
コイル素線19a、19bの材質も上記と同様で、コイル素線19aの略半円形状の直径寸法を0.45mmとし、コイル素線19bの底辺寸法を0.35mmとしても良い。なお、中空コイル体18、19のコイル成形加工を容易にするため、コイル素線18a、18b(19a、19b)の一方を熱処理して引張強さが80〜120kgf/mm2 となる軟質材にしても良い。
さらに、中空コイル体18(19)に連結される中空撚線コイル体17は、線径(d)が0.33mmのステンレス鋼製線材17aを複数本(例えば12本)撚合し、図20に示すように外径(D)が1.6mmとなるように構成しても良い。
この際、中空コイル体18(19)及び中空撚線コイル体17の外周部をスウェージング加工により縮径させてもよい。これにより、中空コイル体18(19)及び中空撚線コイル体17において、隣接するコイル素線同士を一層密着させることができて、全体の外径が均一で真直性の高い中空コイル体を実現させ、良好なトルク応答性、トルク伝達性及び高い押し込み特性を確保することができる。
この発明の医療用処置具では、ロングシースの先端部の曲率半径を処置具シースの先端部の曲率半径よりも大に設定しているので、処置具シースを内部に納めたロングシースは、心臓心室内部の形状に沿うように曲成変形する。このため、心室壁等を傷つける虞れがなく、心臓心室内部で処置具シースの進退操作を容易にできる便宜が得られ、効率的な医療実現の有益性から医療界における需要者の増加に伴い、化学・機械部品の流通を介して機械産業界へ広く適用することがきる。
(a)は医療用処置具を一部断面して示す平面図、(b)、(c)は処置具シースにおける先端部の側面図及び正面図、(d)、(e)は先端部の付形方向が採取カップの開口方向と直交することを示す正面図である(実施例1)。 中空コイル体を一部断面して示す正面図である(実施例1)。 (a)はロックリングナットの部分縦断面図及び正面図、(b)は絞り管部の部分縦断面図及び正面図、(c)は中間リングナットの部分縦断面図及び正面図、(d)は回動リングナットの部分縦断面図及び正面図である(実施例1)。 中空コイル体を一部断面して示す側面図である(変形例)。 中空コイル体を一部断面して示す側面図である(変形例)。 中空コイル体を一部断面して示す側面図である(変形例)。 (a)は従来の医療用処置具シースの要部を示す縦断面図、(b)は従来の医療用処置具シースの要部を一部断面して示す平面図である。 (a)は中空コイル体の部分縦断面図(実施例1)、(b)は屈曲時の中空コイル体を示す部分縦断面図(実施例1)、(c)は屈曲時において、従来の単条密着巻きコイルスプリングおよび実施例1の中空コイル体の変位量を示す概略図、(d)は従来の単条密着巻きコイルスプリングおよび実施例1の中空コイル体の変位量と総曲げ角度との関係を示すグラフである。 従来のシースコイル体の作用を示す概略図である。 (a)は中空コイル体の作用を示す部分縦断面図、(b)はその部分拡大縦断面図である(実施例1)。 薄膜コーティングを施した中空コイル体の部分縦断面図である(実施例1)。 (a)、(b)は従来の単条密着巻きコイルスプリング体の作用を示す説明図、(c)は従来の単条密着巻きコイルスプリング体を一部断面して示す正面図、(d)は従来の単条密着巻きコイルスプリング体の横断面図、(e)は中空撚線コイル体を一部断面して示す正面図、(f)は中空撚線コイル体の横断面図である(実施例1)。 (a)、(b)はシースコイル体の形付け方向を示す説明図である(実施例1)。 (a)は比較例における採取カップの作用を示す説明図、(b)は実施例1における採取カップの作用を示す説明図である。 (a)は医療用処置具を一部省いて示す側面図、(b)は一部破断して示す医療用処置具の平面図、(c)は処置具シースにおける先端部を一部断面して示す側面図である(実施例2)。 処置具シースの先端部の作用を示す説明図である(実施例2)。 (a)は処置具シースの作用を示す説明図、(b)、(c)は処置具シースにおける先端部の側面図、(d)は処置具シースにおける先端部の正面図である(実施例3)。 処置具シースにおける先端部の作用を示す説明図である(実施例3)。 (a)、(b)、(c)は、操作により変位する態様を逐次示す処置具シースの先端部における側面図である(変形例)。 線径寸法及び外径寸法を設定した中空撚線コイル体の斜視図である(変形例)。
符号の説明
1 手元操作部
7 ワイヤ(芯線)
8 処置具シース
8a 先端部
9 採取カップ(先端処置具)
11 ロングシース
11a ロングシースの先端部
12 回転・位置保持機構
13 ロックリングナット
14 絞り管部
15 中間リングナット
16 回動リングナット
17 中空撚線コイル体
18、19 中空コイル体
18a、18b コイル素線
19a、19b コイル素線
22 中空パイプ
22a 中空パイプの先端部
H 心臓心室
J 心臓心室中隔

Claims (15)

  1. 処置具シース内に芯線を貫装して、手元操作部で前記芯線を押し引き操作させることにより先端処置具を開閉動作させる医療用処置具において、
    前記処置具シースにロングシースを外装するとともに、前記ロングシースの先端部及び前記処置具シースの先端部を、前記ロングシースの先端部の曲率半径が前記処置具シースの先端部の曲率半径よりも大となる関係に付形し、
    前記ロングシースの進退操作により、前記処置具シースの先端部における付形形状を可変とすることを特徴とする医療用処置具。
  2. 処置具シース内に芯線を貫装して、手元操作部で前記芯線を押し引き操作させることにより先端処置具を開閉動作させるとともに、前記芯線と前記処置具シースとの間に中空パイプを貫装して進退可能な手元操作部となし、
    前記処置具シースの先端部における付形形状を前記中空パイプの進退操作により可変とすることを特徴とする医療用処置具。
  3. 請求項2に記載の医療用処置具において、前記処置具シースにロングシースを外装するとともに、前記ロングシースの先端部及び前記処置具シースの先端部を、前記ロングシースの先端部の曲率半径が前記処置具シースの先端部の曲率半径よりも大となる関係に付形し、
    前記中空パイプの進退操作により、前記処置具シースの先端部における付形形状を可変とすることを特徴とする医療用処置具。
  4. 請求項1または請求項2に記載の医療用処置具において、前記処置具シースに前記ロングシースを外装して、前記ロングシースの手元端に回転・位置保持機構を設けて前記手元操作部を所望の位置にセット保持できるようにしたことを特徴とする医療用処置具。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の医療用処置具において、前記処置具シースは、断面略円形のコイル素線と中心部に向かって先細り状の傾斜辺を有する断面略三角形のコイル素線とが交互に隣接する中空コイル体の構造であることを特徴とする医療用処置具。
  6. 請求項4に記載の医療用処置具において、前記処置具シースは、断面略円形のコイル素線と中心部に向かって先細り状の傾斜辺を有する断面略三角形のコイル素線とが交互に隣接する中空コイル体の構造であることを特徴とする医療用処置具。
  7. 請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の医療用処置具において、前記処置具シースは、断面略半円形のコイル素線と中心部に向かう二等辺部に凹みを有する略二等辺三角形状のコイル素線とが係着するように交互に組み合わされた構造であることを特徴とする医療用処置具。
  8. 請求項4に記載の医療用処置具において、前記処置具シースは、断面略半円形のコイル素線と中心部に向かう二等辺部に凹みを有する略二等辺三角形状のコイル素線とが係着するように交互に組み合わされた構造であることを特徴とする医療用処置具。
  9. 請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の医療用処置具において、前記処置具シースの構造は、手元側に設けた中空撚線コイル体と、先端部側に位置して断面略円形のコイル素線と中心部に向かって先細り状の傾斜辺を有する断面略三角形のコイル素線とが交互に隣接する中空コイル体との連結形態からなることを特徴とする医療用処置具。
  10. 請求項4に記載の医療用処置具において、前記処置具シースの構造は、手元側に設けた中空撚線コイル体と、先端部側に位置して断面略円形のコイル素線と中心部に向かって先細り状の傾斜辺を有する断面略三角形のコイル素線とが交互に隣接する中空コイル体との連結形態からなることを特徴とする医療用処置具。
  11. 請求項10に記載の医療用処置具において、前記中空撚線コイル体は、断面略半円形のコイル素線と中心部に向かう二等辺部に凹みを有する略二等辺三角形状のコイル素線とが係着するように交互に組み合わされた構造であることを特徴とする医療用処置具。
  12. 請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の医療用処置具において、前記処置具ケースの先端に開閉可能に設けた採取カップの開口方向に対して略直交するように前記処置具ケースの先端部側を略弓形に付形したことを特徴とする医療用処置具。
  13. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の医療用処置具において、前記処置具シースの先端部側を略スパイラル立体形状に付形したことを特徴とする医療用処置具。
  14. 請求項1または請求項3に記載の医療用処置具において、先端部が付形された前記ロングシースと前記処置具シースとの合体曲成形状が生体組織採取部位の曲成形状と概ね平行する状態に設定されたことを特徴とする医療用処置具。
  15. 請求項13に記載の医療用処置具において、先端部が付形された前記ロングシースと前記処置具シースとの合体曲成形状が生体組織採取部位の曲成形状と概ね平行する状態に設定されたことを特徴とする医療用処置具。
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