JPH0559815B2 - - Google Patents

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JPH0559815B2
JPH0559815B2 JP60281957A JP28195785A JPH0559815B2 JP H0559815 B2 JPH0559815 B2 JP H0559815B2 JP 60281957 A JP60281957 A JP 60281957A JP 28195785 A JP28195785 A JP 28195785A JP H0559815 B2 JPH0559815 B2 JP H0559815B2
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aromatic polyimide
aromatic
films
mol
polyimide
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Takahiko Sado
Hiroaki Mori
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Ube Industries Ltd
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Publication date
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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明の厚手の芳香族ポリイミド積層シート
は、耐熱性、耐久性、柔軟性、接合力などが優れ
ている芳香族ポリイミドのみからなるものであ
り、しかも所望の大きな厚みを有する芳香族ポリ
イミド積層シートであり、種々の用途に使用する
ことができるものである。 この発明の積層シートの製造法は、特定のガラ
ス転移点を有するビフエニルテトラカルボン酸系
の芳香族ポリイミドフイルム同士、または他の芳
香族ポリイミドフイルムと加熱・圧着して、厚手
の芳香族ポリイミドフイルムを製造する方法に関
するものであり、一般に溶液流延法による製膜で
は成形することが困難である。『かなり厚手の芳
香族ポリイミドフイルム』を、極めて容易に再現
性よく成形することができる。 〔従来の技術〕 従来、芳香族ポリイミドフイルムの製造は、芳
香族ポリイミドの溶液またはその前駆体の溶液
(製膜用ドープ液)から溶液流延法などの製膜法
で厚さ約10〜130μm程度の薄手の芳香族ポリイ
ミドフイルムを製造する方法が一般的であつた
が、そのような溶液流延法による製膜法では、各
ポリマーの溶解性が小さいこと、ポリマー溶液の
粘度が高いこと、製膜条件などの許容範囲が狭い
ことなどのために、製膜操作が極めて難しく、特
に、かなり厚手の芳香族ポリイミドフイルムを品
質的に安定にしかも高い生産性で成形することは
非常に困難であつた。 また、芳香族ポリイミドフイルムは、芳香族ポ
リイミドが一般に不融性であるので、接着剤また
は接着性フイルム(例えば、フツ素樹脂などの熱
可塑性樹脂)を使用しないで、芳香族ポリイミド
フイルム同士を直接に互いに熱的に接合(熱融
着)させることは極めて困難であるとされてき
た。 〔本発明が解決しようとする問題点〕 この発明は、公知の溶液流延法などの製膜法で
は製造することが困難であつた『厚手の芳香族ポ
リイミドシート』を、確実にしかも容易に製造す
ることができる方法、および、新規な『厚手の芳
香族ポリイミド積層シート』を提供するものであ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 この発明者らは、適当なガラス転移温度(二次
転移温度)を有する『ビフエニルテトラカルボン
酸系の特定の芳香族ポリイミドフイルム』を使用
して、全く接着剤などを使用することなく、芳香
族ポリイミドフイルム同士を直接に重ね合わせ
て、その重ね合わされたフイルム同士を加熱・圧
着することによつて、厚手の芳香族ポリイミド積
層シートを容易に製造することができることを見
い出し、この発明を完成した。 すなわち、この発明は、ビフエニルテトラカル
ボン酸類を80モル%以上含有するテトラカルボン
酸成分と複数個のベンゼン環を有する芳香族ジア
ミン類を80モル%以上含有するジアミン成分とを
重合して得られたガラス転移点(二次転移点)が
250〜350℃である芳香族ポリイミドからなるフイ
ルム同士、または前記の芳香族ポリイミド製のフ
イルムと他の芳香族ポリイミドフイルムとが、接
着剤層を介さずに直接に加熱・圧着されている厚
さ約50μm以上の厚手の芳香族ポリイミド積層シ
ートに関する。 また、この発明は、前述の『ビフエニルテトラ
カルボン酸系の特定の芳香族ポリイミド』からな
るフイルム同士、または前記の芳香族ポリイミド
製のフイルムと他の芳香族ポリイミドフイルムと
を、接着剤層を介さずに直接に重ね合わせ、さら
に、そのい重ね合わされたフイルム同士を、ガラ
ス転移点(二次転移点)より10〜200℃高温度で、
加熱・圧着させて、厚さ約50μm以上の厚手の芳
香族ポリイミド積層シートを形成することを特徴
とするポリイミド積層シートの製造法に関する。 なお、この発明における前記のガラス転移点
(二次転移温度)は、動的粘弾性測定(例えば、
レオメトリツクス社製;メカニカルスペクトロメ
ーターを使用して測定する)によつて測定された
二次転移温度である。 〔本発明の各要件の詳しい説明〕 この発明で使用されるビフエニルテトラカルボ
ン酸系の芳香族ポリイミドフイルムは、 (a) ビフエニルテトラカルボン酸類を80モル%以
上、特に90モル%以上含有するテトラカルボン
酸成分と、 (b) 複数個のベンゼン環を有する芳香族ジアミン
類を80モル%以上、特に90モル%以上含有する
ジアミン成分とを、 有機極性溶媒中、重合温度約100℃以下、特に
60℃以下の温度で重合して、ポリアミツク酸類を
生成し、 そのポリアミツク酸類の溶液組成物をドープ液
として使用し、そのドープ液の薄膜を支持体上で
形成し、その薄膜から溶媒を蒸発させ除去すると
共にポリアミツク酸類をイミド環化することによ
つて製造することができる。 また、前記ビフエニルテトラカルボン酸系の芳
香族ポリイミドフイルムは、 (i) 前述のようにして製造したポリアミツク酸
類、またはその溶液を、約150〜300℃に加熱す
るか、または、適当なイミド化剤の存在下に
150℃以下の温度でイミド環化反応させて得ら
れた芳香族ポリイミドのフエノール系溶媒溶
液、 あるいは、 (ii) ビフエニルテトラカルボン酸類を主成分とす
るテトラカルボン酸成分と、複数個のベンゼン
環を有する芳香族ジアミン類を主成分とする芳
香族ジアミン成分とを、フエノール系溶媒(例
えば、フエノール、クレゾール、モノハロゲン
化フエノール、モノハロゲン化クレゾールな
ど)中、約150〜300℃の高温で、一段で重合お
よびイミド化反応させて得られた可溶性の芳香
族ポリイミドのフエノール系溶媒溶液を使用し
て、 そのポリイミドの溶液組成物をドープ液とし
て、そのドープ液の薄膜を支持体上に形成し、そ
の薄膜から溶媒を蒸発させて除去することによつ
て製造することもできる。 前記のビフエニルテトラカルボン酸類として
は、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸、その酸二無水物、またはその酸の低級アルキ
ルエステル、あるいは、2,3,3′,4′−ビフエ
ニルテトラカルボン酸、その酸二無水物、または
その酸の低級アルキルエステル、さらにはそれら
の混合物を挙げることができる。 この発明では、ビフエニルテトラカルボン酸類
としては、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカ
ルボン酸二無水物(以下、s−BPDAと略記す
ることもある)単独、または、2,3,3′,4′−
ビフエニルテトラカルボン酸二無水物(以下、a
−BPDAと略記することもある)単独、あるい
は、前記s−BPDAとa−BPDAとの混合物が
適当である、特に3,3′,4,4′−ビフエニルテ
トラカルボン酸二無水物(s−BPDA)の単独
またはs−BPDA80モル%以上含有されている
ビフエニルテトラカルボン酸類が、使用されてい
ると、得られるポリイミド積層シートの耐熱性、
強度、接着性などの点で最適である。 また、この発明では、テトラカルボン酸成分と
して、前記のビフエニルテトラカルボン酸類のほ
かに、他の芳香族テトラカルボン酸類、例えば、
ピロメリツト酸類、ベンゾフエノンテトラカルボ
ン酸類、2,2−ビス(3,4−ジカルボンキシ
フエニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキ
シフエニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキ
シフエニル)ホスフインなどが、テトラカルボン
酸成分全量に対して約20モル%未満、特に10モル
%未満であれば、含有されていてもよい。 前記の複数個のベンゼン環を有する芳香族ジア
ミン類としては、例えば、4,4′−ジアミノジフ
エニルエーテル、3,3′−ジアミノジフエニルエ
ーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジ
フエニルエーテル、3,3′−メトキシ−4,4′−
ジアミノジフエニルエーテルなどのジフエニルエ
ーテル系ジアミン、4,4′−ジアミノジフエニル
チオエーテル、3,3′−ジアミノジフエニルチオ
エーテルなどのジフエニルチオエーテル系ジアミ
ン、4,4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′−
ジアミノベンゾフエノンなどのベンゾフエノン系
ジアミン、4,4′−ジアミノジフエニルホスフイ
ン、3,3′−ジアミノジフエニルホスフインなど
のジフエニルホスフイン系ジアミン、4,4′−ジ
アミノジフエニルメタン、3,3′−ジアミノジフ
エニルメタンなどのジフエニルメタン系ジアミン
などを挙げることができる。 この発明では、複数個のベンゼン環を有する芳
香族ジアミン類としては、特に、4,4′−ジアミ
ノジフエニルエーテル、3,3′−ジアミノジフエ
ニルエーテルなどのジフエニルエーテル系ジアミ
ン単独、または、ジフエニルエーテル系ジアミン
60モル%以上、特に80モル%以上と、他の複数個
のベンゼン環を有する芳香族ジアミン40モル%未
満、特に20モル%未満との混合物を好適に挙げる
ことができる。 また、この発明では、ジアミン成分としては、
前記の複数個のベンゼン環を有する芳香族ジアミ
ン類のほかに、他のジアミン類、例えば、o−、
m−、p−フエニレンジアミンなどが、ジアミン
成分の全量に対して約20モル%未満、特に10モル
%未満であれば、含有されていてもよい。 この発明で使用されるビフエニルテトラカルボ
ン酸系の芳香族ポリイミドは、前述のビフエニル
テトラカルボン酸類を80モル%以上含有するテト
ラカルボン酸成分と複数個のベンゼン環を有する
芳香族ジアミン類を80モル%以上含有するジアミ
ン成分とを重合して得られたものであつて、しか
も、そのイミド化率が90%以上であつて、そのポ
リマーの対数粘度(50℃、濃度;0.5g/100ml溶
媒、溶媒;p−クロルフエノールで測定)が、
0.2〜7、特に0.3〜5程度であることが好まし
い。 この発明では、ポリイミドフイルム積層シート
を製造するために使用する前記のビフエニルテト
ラカルボン酸系の芳香族ポリイミドフイルムは、
そのフイルムを形成している『ビフエニルテトラ
カルボン酸系の芳香族ポリイミド』のガラス転移
点(二次転移温度)が250〜350℃、好ましくは
260〜340℃である。 『ビフエニルテトラカルボン酸系の芳香族ポリ
イミド』のガラス転移点(二次転移温度)が、前
記の範囲をはずれると、芳香族ポリイミドフイル
ム同士の接合ができなくなつたり、得られた芳香
族ポリイミド積層シートの接合面での接着強度が
低下することがあるので適当ではない。 また、この発明では、前記ビフエニルテトラカ
ルボン酸系の芳香族ポリイミドフイルムおよびそ
の他の芳香族ポリイミドフイルムの厚さは、約10
〜200μm、特に約20〜150μm程度であることが、
溶液流延法による製膜法で安定した品質のフイル
ムとして工業的に製造されるので、好ましい。 さらに、この発明の芳香族ポリイミド積層シー
トは、厚さが、約50μm以上であればよいが、特
に、前記の積層シートが、100〜2000μm程度、
特に好ましくは150〜1500μm程度の厚さである
ことが、積層シートの製造が容易であること、お
よび積層シートが適当な曲げ性または湾曲性を有
して、柔軟性を保持している上で好ましい。 この発明の芳香族ポリイミド積層シートにおい
て、最外層のポリイミド層が、前述のビフエニル
テトラカルボン酸系の芳香族ポリイミドからなる
フイルム層になつている場合には、その最外層が
加熱・圧着性を有しているので、その最外層に他
の金属板又は箔(例えば、スチール箔、銅箔な
ど)、または無機質薄板(例えば、半導体薄板、
セラミツク製薄板など)を、直接に重ね合わせ
て、その重ね合わされた複合体を加熱・圧着し
て、ポリイミド層で被覆された複合材料を製造す
ることができるので、好適である。 この発明のポリイミド積層シートの製造法で
は、前述のビフエニルテトラカルボン酸系の芳香
族ポリイミドからなるフイルムの複数枚、好まし
くは2〜10枚を、直接に重ね合わせて、次いで、
その重ね合わされたフイルム同士を、ガラス転移
点より10〜200℃、好ましくは20〜150℃高い接合
温度で、および、1〜2000Kg/cm2、特に10〜500
Kg/cm2、さらに好ましくは30〜50Kg/cm2の圧力
で、0.1秒〜2時間、特に30秒〜1時間、さらに
好ましくは1〜10分間、加熱・加圧して、芳香族
ポリイミドフイルム同士が、直接、互いに接合さ
れている芳香族ポリイミド積層シートを製造する
ことが、好ましい。 この発明の方法では、重ね合わされたフイルム
同士の加熱・加圧は、熱プレス方式で行つてもよ
く、あるいは、複数のポリイミドフイルムを必要
であれば余熱して連続的に供給して、押圧熱ロー
ルを使用して、フイルム同士を重ね合わせること
と、加熱・圧着とを同時に連続的に行つてもよ
い。 この発明の製造法では、前述のように、前記ビ
フエニルテトラカルボン酸系の芳香族ポリイミド
からなる特定のフイルム同士を加熱・圧着するこ
とが最も好ましいが、ビフエニルテトラカルボン
酸系の芳香族ポリイミドからなるフイルムと、他
の芳香族ポリイミド(例えば、ビフエニルテトラ
カルボン酸二無水物とp−フエニレンジアミンと
から得られた芳香族ポリイミド、あるいは、ベン
ゾフエノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリ
ツト酸二無水物などのビフエニルテトラカルボン
酸類以外のテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミ
ン成分とから得られた芳香族ポリイミド)からな
るフイルムとを、必要であれば交互に、直接に重
ね合わせて、さらにその重ね合わされたフイルム
同士を加熱・圧着して、厚手の芳香族ポリイミド
積層シートを製造することもできるのである。 〔実施例〕 以下、実施例および比較例を示す。 実施例 1 3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物(s−BPDA)および4,4′−ジアミノ
ジフエニルエーテル(以下、DADEと略記する
こともある)から得られた芳香族ポリイミド(対
数粘度;3.2、ガラス転移温度;285℃)からなる
厚さ125μmの芳香族ポリイミドフイルムの3枚
を直接に重ね合わせて、その重ね合わされたポリ
イミドフイルム(3枚重ね)を、350℃の温度、
および35Kg/cm2の圧力で、熱プレスによつて、5
分間、加熱・加圧して、直接、互いに接合して、
芳香族ポリイミド積層シートを製造した。 このポリイミド積層シートの総厚さは375μm
であり、積層シートの接合面について180°剥離強
度を測定したところ、31.7Kg/cmであつた。 実施例 2 s−BPDAおよびDADEから得られたフエノ
ール溶媒可溶性の芳香族ポリイミド(対数粘度;
3.2、ガラス転移温度;285℃)からなる厚さ50μ
mの芳香族ポリイミドフイルムの3枚を直接に重
ね合わせて、その重ね合わされた芳香族ポリイミ
ドフイルム(3枚重ね)を実施例1と同様にして
互いに接合して、芳香族ポリイミド積層シートを
得た。 その圧着条件および得られたシートの特性を表
1に示した(実施例1の結果も併せて記す)。
【表】 実施例 3 s−BPDAおよびDADEから得られた芳香族
ポリイミド(対数粘度;3.2、ガラス転移温度;
285℃)からなる厚さ125μmのポリイミドフイル
ムの2枚を直接に重ね合わせて、その重ね合わさ
れたポリイミドフイルム(2枚重ね)を、330℃
の温度、35Kg/cm2の圧力で、熱プレスによつて、
3分間、加熱・加圧して、ポリイミドフイルム同
士を直接、互いに接合して、ポリイミド積層シー
トを製造した。このポリイミド積層シートの総厚
さは250μmであり、積層シートの接合面の180°剥
離強度を測定したところ、1.9Kg/cmであつた。 比較例 1 ピロメリツト酸二無水物とDADEから得られ
た芳香族ポリイミドからなる厚さ125μmのポリ
イミドフイルム(ガラス転移温度:なし)を2枚
重ね、圧着温度を450℃とした以外は実施例3と
同様にして、加熱圧着し、ポリイミド積層シート
を得た。 その圧着条件および得られたシートの特性を表
2に示した(実施例3の結果も併せて記す)。
【表】 実施例 4 実施例1で使用した芳香族ポリイミドフイルム
を5枚重ね、330℃の温度、45Kg/cm2の圧力で、
熱プレスによつて、3分間、加熱・加圧して、ポ
リイミドフイルム同士を直接、互いに接合して、
芳香族ポリイミド積層シートを製造した。 このポリイミド積層シートの総厚さは625μm
であり、180°剥離強度を測定したところ、1.0
Kg/cm以上であつた。 この積層シートの引張強さは、20Kg/mm2、伸び
は110%、引張弾性率は300Kg/mm2であつた。 比較例 2 実施例1で使用したポリイミドフイルム5枚に
フツ素樹脂を12.5μmの厚さにそれぞれコーテイ
ングし、それらのポリイミドフイルム5枚を実施
例4と同様に積層し、圧着して、積層シートを製
造した。 この積層シートの総厚さは675μmであり、180°
剥離強度を測定したところ、0.4Kg/cmであり、
200℃以上の高温ではその接着力が完全に失われ
てしまつた。 実施例 5 s−BPDAおよびp−フエニレンジアミンか
ら得られた芳香族ポリイミドからなる厚さ125μ
mのポリイミドフイルムA(ガラス転移温度:な
し)2枚の間にs−BPDAおよびDADEから得
られた芳香族ポリイミド(対数粘度;3.2、ガラ
ス転移温度;285℃)からなる厚さ25μmの芳香
族ポリイミドフイルムBを挟み、実施例1と同様
にして互いに接合して、芳香族ポリイミド積層シ
ートを得た。 その圧着条件および得られたシートの特性を表
3に示した。 実施例 6 実施例5で使用した厚さ125μmのポリイミド
フイルムA3枚と厚さ25μmの芳香族ポリイミドフ
イルムB2枚とを使用し、各フイルムA、B、A、
B、およびAの順序になるように交互に、それぞ
れ直接に重ね合わせて、実施例1と同様にして互
いに接合して、芳香族ポリイミド積層シートを得
た。 その圧着条件および得られたシートの特性を表
3に示した。 実施例 7 実施例5で使用した厚さ125μmのポリイミド
フイルムA2枚と厚さ25μmの芳香族ポリイミドフ
イルムB2枚とを使用し、各フイルムA、B、A、
およびBの順序になるように交互に、それぞれ直
接に重ね合わせて、実施例1と同様にして互いに
接合して、芳香族ポリイミド積層シートを得た。 その圧着条件および得られたシートの特性を表
3に示した。
〔発明の効果〕
本発明の芳香族ポリイミド積層シートは、特殊
な接着剤(例えば、フツ素樹脂層などの熱可塑性
樹脂からなる接着剤)をまつたく使用しないで、
二次転移温度を有するビフエニルテトラカルボン
酸系の芳香族ポリイミドからなる芳香族ポリイミ
ドフイルムを少なくとも使用して、芳香族ポリイ
ミドフイルムの複数枚が直接に加熱・圧着されて
(実質的に熱融着されていると考えられる)形成
されている『極めて厚手の芳香族ポリイミド積層
シート』であるので、極めて高い耐熱性、耐湿
性、機械的強度を有していると共に、熱可塑性の
接着剤層を有する積層シートと比較した場合、前
記積層シートの接合面における耐熱性、耐薬品
性、耐湿性などについて優れており、その結果、
高温での接合面の接着強度が大きく、実質的に一
体に形成された厚手の芳香族ポリイミドシートと
同じまたはそれより高い性能を有するのである。 また、本発明の芳香族ポリイミド積層シート
は、最外層に前記の二次転移温度を有するビフエ
ニルテトラカルボン酸系の芳香族ポリイミドから
なる芳香族ポリイミドフイルム層を有している場
合には、他の無機質板、金属箔などと、直接に接
着剤なしで、熱的に圧着して、接合することがで
きるのである。 本発明のポリイミド積層シートの製造法は、耐
熱性の高ビフエニルテトラカルボン酸系の特定の
芳香族ポリイミドフイルムを使用しているので、
直接熱的に融着させることが困難であるとされて
いた芳香族ポリイミドフイルムの複数枚を容易に
加熱圧着することができるため、その製造工程が
簡単であつて、経済的である共に、所望の厚さを
有する厚手のポリイミド積層シートを容易に製造
することが可能となつたのである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ビフエニルテトラカルボン酸類を80モル%以
    上含有するテトラカルボン酸成分と複数個のベン
    ゼン環を有する芳香族ジアミン類を80モル%以上
    含有するジアミン成分とを重合して得られたガラ
    ス転移点が250〜350℃である芳香族ポリイミドか
    らなるフイルム同士、または前記の芳香族ポリイ
    ミド製のフイルムと他の芳香族ポリイミドフイル
    ムとが、接着剤層を介さずに直接に加熱・圧着さ
    れている厚さ約50μm以上の厚手の芳香族ポリイ
    ミド積層シート。 2 ビフエニルテトラカルボン酸類を80モル%以
    上含有するテトラカルボン酸成分と複数個のベン
    ゼン環を有する芳香族ジアミン類を80モル%以上
    含有するジアミン成分とを重合して得られたガラ
    ス転移点が250〜350℃である芳香族ポリイミドフ
    イルム同士を、あるいは前記の芳香族ポリイミド
    フイルムと他の芳香族ポリイミドフイルムとを、
    接着剤層を介さずに直接に重ね合わせ、さらに、
    その重ね合わされたフイルム同士をガラス転移点
    より10〜200℃高い温度で、加熱・圧着させて、
    厚さ約50μm以上の厚手の芳香族ポリイミド積層
    シートを形成することを特徴とするポリイミド積
    層シートの製造法。
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