JP2799017B2 - ポリイミド製ハニカムコアおよびその製造法 - Google Patents

ポリイミド製ハニカムコアおよびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性の高いハニカムコアに関する。さら
に詳しくは、本発明は、サンドウイッチ構造体をなし、
航空機、鉄道車両、自動車、ホバークラフト、建築物等
の構造物の他、人工衛星等の宇宙構造物、例えば、人工
衛星の展開形の太陽電池パネル等に好適に使用すること
のできる耐熱性のハニカムコアに関する。
〔従来の技術〕
従来、アルミ箔等の金属箔製ハニカムコア(特公昭59
−40621)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ヴィニル、ポリエステル等の汎用熱可塑性プラスチック
フィルム製ハニカムコア(特公昭59−32306、特開昭60
−190340および特開昭60−245547)、紙製ハニカム等が
知られている。
しかしながら、これまでに知られているハニカムコア
は、軽量性と耐熱性との両立性の上で充分に満足のいく
ものではなかった。
一方、芳香族ポリイミドは、材質として軽量性と耐熱
性の双方を兼備したものではあるが、従来知られている
芳香族ポリイミドシートは、高温に加熱しても簡単には
屈曲変形性を示さないものであり、また、熱可塑性を有
していない。このために、シートを用いる展延法による
ハニカムコアの製法において、芳香族ポリイミドシート
相互を融着することは困難であり、従来、芳香族ポリイ
ミド製のハニカムコアは、工業的に製造されたことがな
く従って、一般に使用されていない状態にある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、従来、工業的に製造することができなかっ
た押出し成形により得られる芳香族ポリイミド製ハニカ
ムコアを提供するものであり、同時に、その芳香族ポリ
イミド製ハニカムコアを工業的に製造する方法を提供す
るものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究を
行った結果、特定の構造を有する熱可塑性ポリイミドシ
ートがこの目的に有効であることを見いだし、本発明を
完成した。
すなわち本発明は、 1.後記する芳香族ポリイミドシートの複数枚が、断続的
な融着領域により積層・接合されている積層体であり、
前記積層体の各融着領域が、該シート間の同一空隙層内
では一定間隔で配置されており、しかも隣合う各空隙層
ではそれぞれ一定間隔で互いにずれて配置されている状
態にあり、さらにその積層体が、積層方向に展延されて
いて、ハニカム構造が形成されていることを特徴とする
ポリイミド製ハニカムコア及び、 2.後記する芳香族ポリイミドシートを多数重ね合わせ、
該シート間の融着領域が、該シート間の同一空隙層内で
は一定間隔で配置され、しかも隣合う各空隙層ではそれ
ぞれ一定間隔で互いにずれた状態で配置されるように、
前記各シートを、加熱下に積層方向に加圧して融着し、
多数の断続的な融着領域を介して融着・接合された積層
体を形成し、次いで、上記積層体をポリイミドのガラス
転移温度以上の温度で積層方向に展延して、ハニカム構
造体を形成することを特徴とするポリイミド製ハニカム
コアの製造方法を開示するものであり、そして、 3.前記芳香族ポリイミドが式(I)の繰り返し単位 (式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二価の炭化水素
基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル
基、チオ基、またはスルホニル基から成る群より選ばれ
た基を表し、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳
香族基からなる群より選ばれた4価の基を表す。)で表
される芳香族ポリイミドであることを特徴とする前記の
ポリイミド製ハニカムコア並びに該ハニカムコアの製造
方法を開示するものである。
本発明者らは、さきに機械的性質、熱的性質、電気的
性質、耐溶剤性等に優れ、且つ熱可塑性を有するポリイ
ミドとして 下記の式(I) (式中X、Rは前記に同じ。)で表わされる繰り返し単
位を有するポリイミドを見いだした。(特開昭61−1434
78,61−291669,62−48782,62−68817,62−86021,62−18
5715,62−197426,63−21139,特開平1−110530等)上記
のポリイミドは、従来公知のポリイミドと異なり、良好
な熱可塑性を有し、押し出し成形、射出成形等の溶融成
形法による加工が可能であり、また強力な接着力を有す
るポリイミドである。
上記以外の従来公知のポリイミドは、一旦イミド化さ
れるとその溶融温度が分解温度と近接しているため、加
熱溶融することにより成形は、困難であった。従って例
えばポリイミドシートの製造法においては、通常、ポリ
イミドの前駆体であるポリアミド酸の状態で溶媒に溶解
し、流延法により基板上に塗布したのち高温下で加熱処
理し、脱溶剤、イミド化する方法が用いられている。こ
の場合、加熱処理が不十分であるとイミド皮膜中にアミ
ド酸の一部が残存し、物性低下を起こす。このため、加
熱時間は必然的に長くなり、皮膜中にピンホール等を発
生させないよう徐々に昇温して段階的に加熱したり、膜
厚を薄くする等、ポリイミド成形作業が非常に繁雑であ
った。また加熱中に脱水環化反応を伴うため、例えばフ
ィルムや被着層の不均一化、ボイドの発生等の問題点が
あり、さらにポリアミド酸は不安定で、常温でも徐々に
溶液がゲル化、あるいは加水分解を起こすために冷凍保
存する必要があった。
上記の理由により溶剤溶解性ポリイミドを使用する方
法が提供され、例えば特開平1−192536ではフェノー
ル、クレゾール、ハロゲン化フェノール等に溶解するポ
リイミドを用いてハニカムコアを製造する方法が開示さ
れている。しかしながら、高沸点溶剤を使用しているた
め完全に溶剤を揮散させるには長時間高温での処理を必
要とし、ポリアミド酸溶液から出発した時と同じよう
に、ピンホール、シート厚みの不均一化の問題が残され
ている。
一方、本発明に用いられる芳香族ポリイミドは熱可塑
性であるため、例えば特開平1−110530に開示されてい
る方法により完全にイミド化された粉末状ポリイミドを
用い、溶融押し出し法により、任意の厚みを有する均一
なポリイミドシートを得ることができる。このようにし
て得られたポリイミドシートは、必要により加熱融着等
の方法により容易に加工することができる。
斯くして、軽量で耐熱性を有し、特に宇宙空間で使用
する場合に耐放射線性に優れた新規な芳香族ポリイミド
製ハニカムコアを展延法によって工業的に製造すること
が可能となった。
本発明の好ましい態様は、以下の通りである。
(1)本発明においては、芳香族ポリイミドシートが基
本的に前記式(I)の繰り返し単位からなるポリイミド
であること。
(2)本発明のハニカムコアにおいては、積層体の各融
着領域が、シート間の同一空隙層内では一定間隔で配置
されており、しかも、隣合う各空隙層ではそれぞれ一定
間隔でかつ互いに前記間隔の半分づつずれて配置されて
いる状態にあること。
(3)本発明のハニカムコアの製造法においては、重ね
合わせたシートを、一定間隔毎に加熱した一対の熱板
(ヒートシーラー)に挟んだ状態で、熱板間に挟まれた
部分を加熱・加圧して、融着すること。
(4)本発明のハニカムコアの製造法においては、上記
第3項記載の融着操作を、各シート毎に逐次行って、積
層体を形成すること。
(5)本発明のハニカムコアの製造法においては、シー
トの融着を、融着部分をポリイミドのガラス転移温度よ
りも1〜200℃高い温度に加熱し、1〜200kg/cm2の範囲
で加圧した状態に、0.1秒〜3時間保持して行う。
(6)本発明のハニカムコアの製造法においては、積層
体の展延を、ポリイミドのガラス転移温度よりも1〜50
℃高い温度にて行う。
なお、本発明においてシートとは、実質的にフィルム
状のものから板状体材料を含む広義のシート材料を意味
している。
本発明で用いられる芳香族ポリイミドは、前記式
(I)の繰り返し単位よりなるポリイミドであり、その
製造方法は、前記特開昭に詳細に記載されているが、式
(II) (式中Xは、前に同じ)。
で表わされる芳香族ジアミンと一種以上のテトラカルボ
ン酸二無水物との反応によって得られる。
本発明の芳香族ポリイミドを製造するための原料とし
ての式(II)を有する芳香族ジアミンとしては、ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,
1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エ
タン、2,2−ビス[4−3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3,ヘキサフルオロ
プロパン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル]スルフィード、ビス[4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン等が挙げられ、これらは単独あ
るいは2種混合して用いられる。
なお、本発明の方法の芳香族ポリイミドの良好な物性
を損なわない範囲で、上記ジアミンの一部を他の公知の
ポリイミドに使用されるジアミンで代替して用いること
は何等差し支えない。
また、上記ジアミンと反応させるテトラカルボン酸二
無水物は、一般式(III) (式中Rは前に同じ)。
で表わされ、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水
物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン
テトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボ
キシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボ
キシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3
−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキ
サフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカル
ボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロプロ
パン二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,
3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無
水物、4,4′−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸
二無水物、4,4′−(m−フェニレンジオキシ)ジフタ
ル酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,
4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7
−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−
フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等であり、こ
れらテトラカルボン酸二無水物は単独または2種以上混
合して用いられる。
上記ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の反応方法
は、従来公知の方法が制限なく使用できるが、例えば、
有機溶媒中で行うのは好ましい方法である。この反応に
用いる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチル
アセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、
N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジ
メトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテ
ル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス
{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}エーテル、テ
トラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサ
ン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメ
チルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルスルホ
ルアミド、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、p−クロロフェノール、アニソール等が挙げられ
る。また、これらの有機溶媒は、単独でも、あるいは二
種以上混合して用いても差し支えない。
反応温度は0℃ないし250℃で行われる。通常は、60
℃以下の温度で行われる。反応圧力は特に限定されず、
常圧で充分実施できる。反応時間は、使用するテトラカ
ルボン酸二無水物、ジアミン、溶剤の種類および反応温
度による異なるが、通常30分〜24時間で充分である。
このような反応により、下記式(IV)繰り返し単位を
基本骨格として有するポリアミド酸が生成される。
(式中X、Rは前記に同じ)。
このポリアミド酸を100〜400℃に加熱脱水するか、ま
たは通常用いられるイミド化剤、例えばトリエチルアミ
ンと無水酢酸等を用いて化学イミド化することにより、
下記式(I) (式中X、Rは前記に同じ)。
の繰り返し単位を基本骨格として有するポリイミドが得
られる。
一般的には低い温度でポリアミド酸を生成させた後
に、さらにこれを熱的にまたは化学的にイミド化するこ
とが行われる。しかし60℃ないし250℃の温度で、この
ポリアミド酸の生成と熱イミド化反応を同時に行ってポ
リイミドを得ることもできる。すなわち、テトラカルボ
ン酸二無水物、ジアミンを有機溶媒中に懸濁または溶解
させた後加熱下に反応を行い、ポリアミド酸の生成と脱
水行イミド化とを同時に行わせて上記式(I)の繰り返
し単位を基本骨格として有するポリイミドを得ることも
できる。
またテトラカルボン酸二無水物、ジアミンの他に、生
成するポリアミドの加工時の熱安定性および/または成
形加工性を向上させるために、末端停止剤として芳香族
モノアミン、脂肪族モノアミン、環式脂肪族モノアミ
ン、芳香族ジカルボン酸モノ無水物、脂肪族ジカルボン
酸モノ無水物、環式脂肪族ジカルボン酸モノ無水物から
選ばれる化合物を一種以上反応時に添加することは、特
に好ましい方法である。
得られたポリイミド粉末は乾燥により有機溶媒を揮散
させ溶融押し出しによりシート状の成形物とする。押し
出し温度はポリマーの溶融粘度、ガラス転移温度、融解
温度により適宜決められるが、一般にはガラス転移温度
および/または融解温度以上で押し出し成形加工する。
このようにして得られた芳香族ポリイミドシートを用
いてハニカムコアが製造されるが、以下、必要に応じて
添付した図面を参照しながら本発明のハニカムコアの製
造法について詳細に説明する。
第1図および第2図は、本発明のハニカムコアの製造
法におけるポリイミドシートを積層する工程の一態様を
示す断面図である。
まず、第1図に示すように、ポリイミドシート1aおよ
び1bの2枚を、スペーサ3a,3b,・・・を介して重ね合わ
せ、一定間隔毎に一対の棒状のヒートシーラー2a,2a′,
2b,2b′,・・・で挟んだ状態で加熱し、かつ、積層方
向に加圧して、シート2枚を融着・接合して積層体を形
成する。
上記積層体からスペーサーおよびヒートシーラーを取
り外し、ついで、第2図に示すように、積層体4にさら
にシート1cを、スペーサ3a,3b,・・・を介して重ね合わ
せ、ヒートシーラー2a′,2b′,・・・を積層体4の融
着領域5a,5b,・・・の間隙に挿入して、一定間隔毎に配
置し、上記ヒートシーラーと対をなす他方のヒートシー
ラー2a,2b,・・・を新たに重ね合わせたシート1aの積層
体4と反対の側に、ヒートシーラー2a′,2b′,・・・
と対向するように配置して、2枚のシートを上記一対の
ヒートシーラーに挟んだ状態で加熱し、かつ積層方向に
加圧して、さらに積層体にシートを融着・接合する。
上述の、積層体にシートを重ね合わせて融着・接合す
るという操作を、新たに重ね合わせるシート毎に逐次行
うことにより、さらに多数枚のシートが、多数の断続的
な融着領域を介して融着・接合され積層体が形成され
る。
上述の操作において、対になったヒートシーラーを隣
合う空隙層内の融着領域、例えば融着領域5a,5bの間隙
部中央に配置することが好ましい。対になったヒートシ
ーラーをこのように配置して、シート材の融着操作を行
うことにより、各融着領域が、シート間の同一空隙層内
では一定間隔で配置されており、しかも隣合う各空隙層
ではそれぞれ一定間隔でかつ互いに間隔を半分づつずれ
て配置されている状態にある積層体が得られる。
第3図は、上記の方法により得られる積層体を示す斜
視図である。
第4図は、本発明のハニカムコアの一態様を示す平面
図である。融着領域を配置する間隔は、第4図におい
て、多角形のハニカム構造の一辺Aを形成するのに適当
な長さを適宜選択すればよく、例えば、5〜20mmの程度
の長さであればよい。
本発明の方法に使用する加熱手段としては、従来公知
のプラスチック溶接用ヒートシーラを使用することがで
き、対になってシートを挟んだ状態でシートを加熱およ
び加圧できるものであればよく、その形状に関しては、
得に制限するものではなく、例えば、先端部にエッジを
有していてもよいし、単に断面が円形の丸棒であっても
よい。ヒートシーラーは、シートがヒートシーラーに融
着することを避けるために、剥離剤が塗布されているこ
とが好ましい。
前述の各シート間の融着のための加熱、加圧処理は、
重ね合わせたシートの対になったヒートシーラーに挟ま
れた部分を、芳香族ポリイミドのガラス転移温度および
/または融解温度より1〜200℃、好ましくは20〜150℃
高い範囲の温度に加熱し、1〜2000kg/cm2、好ましくは
10〜500kg/cm2さらに好ましくは30〜50kg/cm2の範囲の
圧力で加圧した状態に、0.1秒〜3時間、好ましくは30
秒〜1時間、さらに好ましくは1分〜10分間保持するこ
とにより行われる。
上記ヒートシーラー間の加熱、加圧により形成される
シート間の融着領域の長さは、0.1〜20mm、好ましくは
0.5〜10mm程度の長さである。
上記の各シート毎の融着操作は、第1図および第2図
に示すように、融着するシート間の空隙内に、シートと
融着することの無いスペーサーを一定間隔毎に配置し、
スペーサーの間隙部をヒートシーラーにて加熱、加圧し
て行ってもよく、あるいはスペーサーを使用しなくても
よい。スペーサーは、新たに重ね合わせるシートと隣合
うシートとの空隙層内に一定間隔で配置することが好ま
しく、第2図に示すように、スペーサーの中央と隣合う
空隙層内の融着領域の中央とが一致するように配置する
ことがさらに好ましい。スペーサーは、その配置および
取り外しを、各シートの融着処理毎に逐次行うことが好
ましい。スペーサーの材質としては、ガラス板、シリコ
ン板、剥離剤を塗布した銅および鉄等の金属板または鉄
箔等の無機系材料、ポリイミド、テフロン等のシート状
の耐熱性プラスチック材料を用いることができる。スペ
ーサーの大きさは、第4図に示すような、多角形のハニ
カム構造の一辺Aおよび融着領域5を形成するのに適当
な厚さおよび幅を適宜選択すればよく、例えば、厚さ1
〜1000μm,幅5〜50mm程度の範囲であればよい。
積層体が長尺状の積層体である場合には、ついで、そ
の幅方向に裁断し、所定の形状を有する積層体とする。
必要により積層体または長尺状積層体をその幅方向に裁
断して得られる積層体を、さらに融着部と直交する方向
(長尺状積層体の長手方向)に裁断して所定の形状を有
する積層体としてもよい。裁断は、バンドソー等従来公
知の裁断装置を用いて行うことができる。
本発明の製造方法においては、前述のようにして製造
した積層体を、芳香族ポリイミドのガラス転移温度以上
の温度で、積層方向(第4図に示すW方向)に、適当な
展延力を加えて展延し、第4図に示すようなハニカム構
造を形成して、ポリイミド製ハニカムコアを製造する。
本発明の製造方法では、前述のように、積層体の上述
の範囲の温度での展延を行って、ハニカム構造を形成し
た後、そのハニカム構造を保持した状態で、常温にまで
冷却して、ポリイミド製ハニカムコアを得ることが好ま
しい。
本発明の製造方法では、前記の冷却は、その条件等が
特に限定されるものではなく、公知の方法、条件等を採
用することができる。
〔実 施 例〕
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
なお、実施例中の物性は、以下のような手法により測
定した。
対数粘度:ポリイミド粉0.50gをp−クロロフェノール
/フェノール(重量比9/1)混合溶媒100mlに加熱溶解し
た後、35℃に冷却して測定し、(dl/g)で表す Tg,Tm:DSC(島津DT−40シリーズ、DSC−41M)により測
定 実施例1 ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スル
フィド4kg(10モル)と、ピロメリット酸二無水物2.11k
g(9.7モル)および無水フタル酸88.8g(0.6モル)を原
料として前記特開平1−110530に従ってポリイミド粉を
得た。ポリイミドのガラス転移温度は235℃、対数粘度
は、0.49dl/gであった。このポリイミド粉を通常の押し
出し機にてシリンダー温度300〜320℃で厚さ50μm、幅
36cmのシート状に連続的に溶融押し出し成形した。
上記ポリイミドシートを、幅2cm,長さ32cmの帯状に切
断したものを20枚用意した。この帯状のポリイミドシー
トの上に長尺状スペーサー(剥離剤を塗布した鉄箔、厚
さ50μm,幅5mm、長さ40mm)を、スペーサーの長手方向
がシートの幅方向と平行になるように6mm間隔で配置し
て、その上に別のシートを積層した。ついで、スペーサ
ーを挟み込んで積層したシートを、スペーサーの間隙部
中央で、直径4mmの丸棒状の対になったヒートシーラー
にて上下から挟み、300℃の加熱、および50kg/cm2の圧
力下に、5分間保持して、ヒートシーラーに挟まれた部
分の融着処理を行い、1カ所の長さが約1mmであり、相
互の間隔が10mmの断続的な融着領域を介して融着・接合
された積層体を形成した。
次に、上記積層体からヒートシーラーおよびスペーサ
ーを取り外した後、積層体の上に別のスペーサーを配置
し、その上に別のシートをさらに積層した。新しく配置
したスペーサーは、各スペーサーの中心線と、隣合う空
隙層内の各融着領域の中心線とが一致し、かつ前記と同
じ間隔になるように配置した。ついで、スペーサーを挟
み込んで積層したシートを、前記と同様にして融着・接
合した。この融着操作をさらに17枚のシートについて、
逐次行い、ポリイミドシート20枚からなる積層体を形成
した。
次に、上記積層体を290℃の温度下で積層方向に展延
して、ハニカム構造体を形成して、最後に常温まで冷却
して、ポリイミド製ハニカムコアを製造した。
本実施例で得られたポリイミド製ハニカムコアは、25
℃での圧縮強度が5.6kg/cm2、200℃、−60℃での圧縮強
度はそれぞれ、4.5kg/cm2、5.0kg/cm2と優れたものであ
った。
実施例2〜6 ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の種類と量、お
よび無水フタル酸の量を変えた他は、実施例1と同様に
して各種ポリイミドを合成した。ついで実施例1と同様
に溶融押出しを行いポリイミドシートを得た。
ついで実施例1と同様に帯状に裁断し、積層、展延の
操作を行い、ポリイミド製ハニカムコアを得た。得られ
たハニカクコアを25℃、200℃および−60℃で圧縮強度
を測定し、表−1に示される結果を得た。
なお、表−1には、ポリイミド合成原料、ポリイミド
のガラス転移温度、押し出しシート化温度、ハニカムコ
ア製造時の積層温度、および展延温度も併記した。
実施例7 実施例1で得られたポリイミド粉を、通常の押出し機
にてシリンダー温度300〜320℃で、厚さ50μm、幅36cm
のシート状に連続的に溶融押出し成形した。
得られたポリイミドシートの30cm×30cmについて、厚
み精度を任意点の10箇所にて測定したところ48〜51μm
であった。
このポリイミドシートを用いてハニカムコアを作製
し、得られたポリイミド製ハニカムコア(10個)を用い
て25℃における強度試験を実施した。先ず5個のハニカ
ムコアを任意抽出し、それぞれ3箇所のコアをを選定し
て試験を行なった。
その結果、圧縮強度の平均値は4.5kg/cm2であった
が、最小値は4.1kg/cm2、最大値は4.8kg/cm2であり、ば
らつきの度合を示す標準偏差は0.42であった。
比較例1 特開平1−192536号公報(引例1)の開示する溶剤
(フェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール等)
溶解性ポリイミドを用い、該引例の実施例1と全く同様
にして同様のハニカムコアを作製し、このハニカムコア
(10個)を用いて実施例7と同様の強度試験を実施し
た。
その結果、圧縮強度の平均値は4.3kg/cm2であった
が、最小値は2.9kg/cm2、最大値は4.9kg/cm2であり、ば
らつきの度合を示す標準偏差は1.10であった。
比較例2 実施例1で用いたポリイミド粉をパラクロロフェノー
ルに溶解し、溶液流延法にて厚さ50μmのポリイミドシ
ートを作製した。得られたポリイミドシートはピンホー
ル、ボイド等が散在していた。
この中から比較的良好な部位の30cm×30cmについて厚
み精度を任意点10箇所測定したところ40〜58μmであっ
た。
実施例1と全く同様にして同様のハニカムコアを作製
し、このハニカムコア(10個)を用いて実施例7と同様
の強度試験を実施した。
その結果、圧縮強度の平均値は4.3kg/cm2であった
が、最小値は3.2kg/cm2、最大値は4.6kg/cm2であり、ば
らつきの度合を示す標準偏差は1.11であった。
以上の結果を纏めて下記に表に示す。
上表から、実施例7に比べて比較例1および比較例2
の圧縮強度のばらつきの大きいこと、ならびに比較例2
の厚み精度の悪いことが判る。
比較例3〜8 実施例1〜6で得られた6種類の芳香族ポリイミドシ
ートを用いて、表2(下記)に示すような請求の範囲外
の融着・積層温度において、それぞれ融着・積層を実施
した。但し、融着・積層温度以外の条件は実施例1と同
一に揃えた。結果を纏めて下記の表2に示す。
〔発明の効果〕 本発明により、高い機械的強度および優れた耐熱性を
有し、特に宇宙空間において使用する場合の耐熱耐放射
線性に優れたポリイミド製ハニカムコアが得られる。
また、本発明により、特定の芳香族ポリイミドシート
を使用してシートを交互に融着して、ポリイミド製ハニ
カムコアを工業的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明のポリイミド製ハニカム
コアの製造法におけるポリイミドシートを積層する工程
の一態様を示す断面図、第3図は本発明のハニカムコア
の製造法により得られるポリイミドシートの積層体の一
態様を示す斜視図、第4図はハニカムコアの一態様を示
す平面図である。 1a,1b,1c……シート、 2a,2a′,2b,2b′……ヒートシーラー、 3a,3b……スペーサ、 4……積層体、 5a,5b……融着領域、 A……ハニカム構造を形成する一辺。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)の繰り返し単位 (式中、Xは直接結合、 から成る群より選ばれた2価の基を表し、またRは から成る群より選ばれた4価の基を表す。) で表され、且つ201〜256℃のガラス転移温度を有する芳
    香族ポリイミドの押出し成形により得られる芳香族ポリ
    イミドシートの複数枚を用いて、該芳香族ポリイミドの
    ガラス転移温度より20〜150℃高い範囲の温度に加熱
    し、1〜2000kg/cm2の範囲の圧力に加圧して融着・積層
    し、さらに該芳香族ポリイミドのガラス転移温度以上の
    温度で展延して得られることを特徴とするポリイミド製
    ハニカムコア。
  2. 【請求項2】式(I)の繰り返し単位 (式中X、Rは前に同じ。) で表され、且つ201〜256℃のガラス転移温度を有する芳
    芳香族ポリイミドの押し出し成形により得られる芳香族
    ポリイミドシートを複数枚重ね合わせ、該シート間の融
    着領域が、該シート間の同一空隙層内では一定間隔で配
    置され、しかも隣り合う各空隙層ではそれぞれ一定間隔
    で互いにずれた状態で配置されるようにし、該芳香族ポ
    リイミドのガラス転移温度より20〜150℃高い範囲の温
    度に加熱し、1〜2000kg/cm2の範囲の圧力に加圧して融
    着・積層して前記各シートを加熱下に積層方向に加圧し
    て融着し、多数の断続的な融着領域を介して融着・接合
    された積層体を形成し、次いで、該積層体をポリイミド
    のガラス転移温度以上の温度で積層方向に展延して、ハ
    ニカム構造体を形成することを特徴とするポリイミド製
    ハニカムコアの製造方法。
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