JPH0558037B2

JPH0558037B2 -

Info

Publication number: JPH0558037B2
Application number: JP3971385A
Authority: JP
Inventors: Hiromi Sano; Takeshi Toyama
Original assignee: Pentel Co Ltd
Current assignee: Pentel Co Ltd
Priority date: 1985-02-28
Filing date: 1985-02-28
Publication date: 1993-08-25
Also published as: JPS61200182A

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野）本発明は水性顔料インキに関し、更に詳細には
分散安定性、及び耐腐食性に優れた水性顔料イン
キに関するものである。（従来の技術）従来より、水性顔料インキは耐水性、耐光性に
優れており、各種用途に使用されている。（発明が解決しようとする問題点）然し乍ら筆記具用インキ等の低粘度での使用は
顔料の分散性が不安定で凝集しやすく、経時によ
り筆記不能となるという問題があつた。又、金属
製のペン先等の金属部材を使用した場合、インキ
中に含まれる腐食成分のため金属部材が腐食し、
筆記不能となるという問題があつた。（問題を解決する為の手段）本発明者等は上述せる水性顔料インキの分散性
及び耐腐食性を改良すべく種々検討を重ねた結果
下記一般式（）で示されるスチレン−アクリル
酸共重合物とベンゾトリアゾールを併用すること
で分散性が安定し、かつ金属部材を腐食させるこ
とがなくなるということを見い出し本発明を完成
したものである。顔料と、下記一般式（）で示
されるスチレン−アクリル酸共重合物と、ベンゾ
トリアゾールと、水溶性有機溶剤と、水と、から
少なくともなり、前記スチレン−アクリル酸共重
合物が顔料１重量部に対して0.05〜20重量部、ベ
ンゾトリアゾールがインキ全量に対して0.01〜
1.0重量％含有するボールペン用水性顔料インキ
を要旨とするものである。一般式式中、 R₁は（−CH₂）−mH（ｍ＝０〜５の整数）を示し、 R₂は（−CH₂）−Ｈ（＝０〜２の整数）を示
す。（作用）本発明の水性顔料インキが何故分散安定性及び
耐腐食性に優れるかは以下の様に推察される。ベンゾトリアゾールは銅系の腐食防止剤として
公知のものであるが、水性顔料インキに使用した
場合、顔料の分散系をくずしてしまいインキが凝
集するため使用できなかつた。しかし、前記一般
式（）で示されるスチレン−アクリル酸共重合
物と併用することにより顔料の分散系をくずすこ
となく腐食防止作用を示す。これは顔料表面に前
記一般式（）で示されるスチレン−アクリル酸
共重合物が吸着し、その外側にベンゾトリアゾー
ルが化学的に吸着しているためと思われる。（発明の構成）次に本発明の各成分について詳細に説明する。前記一般式（）で示されるスチレン−アクリ
ル酸共重合物は分散剤として使用するもので、ベ
ンゾトリアゾールとの併用に適しており、一般的
にはスチレン成分とアクリル酸成分の共重合物で
あり、スチレン成分としてはスチレン、α−メチ
ルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピル
スチレン、α−ブチルスチレン、α−ペンチルス
チレンであり、アクリル酸成分としてはアクリル
酸、メタクリル酸、エタクリル酸であり、両成分
の組み合せは任意に行なうことができる。これら
前記一般式（）で示されるスチレン−アクリル
酸共重合物の使用量はインキ全量に対して１〜20
重量％、好ましくは２〜15重量％である。ベンゾトリアゾールは前記一般式（）で示さ
れるスチレン−アクリル酸共重合物を使用した水
性顔料インキ系をくずさずに腐食防止作用を行な
うもので、その使用量はインキ全量に対して0.01
〜１重量％が好ましい。顔料としては、一般に市販されている顔料がす
べて使用可能であつて、その例を挙げると、カー
ボンブラツク、フタロシアニンブルー（C.
I.74160）、フタロシアニングリーン（C.I.74260）、
ハンザエロー3G（C.I.11670）、ジスアゾエローGR
（C.I.21100）、パーマネントレツド4R（C.I.12335）、
ブリアントカーミン6B（C.I.15850）、キナクリド
ンレツド（C.I.46500）などが使用でき、その使
用量はインキ全量に対して５〜20重量％が好まし
い。尚、使用する顔料の種類、割合は、適宜選択さ
れるものである。溶剤としては、水は勿論のこと、グリコール系
溶剤、グリコールエーテル系溶剤、グリコールエ
ーテルエステル系溶剤、グリセリン、ピロリドン
などの水溶性有機溶剤が使用できる。その他、1.2−ベンゾイソチアゾリン−３オン、
ペンタクロロフエノール、クレゾールなどの防腐
防カビ剤や、水溶性シリコーンオイルなどの潤滑
剤や、各種界面活性剤が適宜選択して使用でき
る。（実施例）以下実施例に基づき本発明を詳細に説明する
が、実施例中「部」とあるのは「重量部」を示
す。実施例１銅フタロシアニンブルー（C.I.74160） 8.0部ジヨンクリル61J（スチレン−アクリル酸共重合
物、ジヨンソン(株)製） 8.0部ベンゾトリアゾール 0.2部プロピレングリコール 10.0部エチレングリコール 10.0部水 63.8部上記成分を混合し、攪拌機にて２時間プレミツ
クスし、更にサンドミルにて10時間摩砕した後、
粗大粒子を濾過などにより除去し、青色インキを
得た。比較例１実施例１においてベンゾトリアゾールを除き、
その量水を加えた以外は実施例１と同様にして青
色インキを得た。実施例２銅フタロシアニングリーン（C.I.74260） 10.0部ジヨンクリル62（α−メチルスチレン−アクリ
ル酸共重合物、ジヨンソン(株)製） 10.0部ベンゾトリアゾール 0.4部エチレングリコール 15.0部プロピレングリコール 10.0部水 54.6部上記成分を混合し、攪拌機にて２時間プレミツ
クスし、更にボールミルにて15時間摩砕した後、
粗大粒子を濾過などにより除去し、緑色インキを
得た。比較例２実施例２においてジヨンクリル62の代わりに
SMA1440H（スチレン−マレイン酸共重合物、
ARCO chemical Company製）を使用した以外
は実施例２と同様にして緑色インキを得た。実施例３カーボンブラツク（C.I.77265） 7.0部ジヨンクリル61J 9.0部ベンゾトリアゾール 0.1部エチレングリコール 20.0部水 63.9部上記成分を混合し、攪拌機にて１時間プレミツ
クスし、更にサンドミルにて５時間摩砕した後、
粗大粒子を濾過などにより除去し、黒色インキを
得た。比較例３実施例３においてベンゾトリアゾールを除き、
その量水を加えた以外は実施例３と同様にして黒
色インキを得た。実施例４キナクリドンレツド（C.I.46500） 10.0部ジヨンクリル62 10.0部ベンゾトリアゾール 0.4部エチレングリコール 15.0部プロピレングリコール 10.0部水 54.6部上記成分を混合し、攪拌機にて２時間プレミツ
クスし、更にボールミルにて10時間摩砕した後、
粗大粒子を濾過などにより除去し、赤色インキを
得た。比較例４実施例４においてジヨンクリル62の代わりに
SMA1440Hを使用した以外は実施例４と同様に
して赤色インキを得た。（発明の効果）以上実施例１〜４、比較例１〜４で得られたイ
ンキの分散安定性試験、耐腐食性試験の結果を表
−１に示す。

【表】以上で説明した如く、本願発明のボールペン用
水性顔料インキは、分散安定性に優れているとい
う点と耐腐食性に優れているという点を共に満足
するものである。

Claims

【特許請求の範囲】１顔料と、下記一般式（）で示されるスチレ
ン−アクリル酸共重合物と、ベンゾトリアゾール
と、水溶性有機溶剤と、水と、から少なくともな
り、前記スチレン−アクリル酸共重合物が顔料１
重量部に対して0.05〜20重量部、ベンゾトリアゾ
ールがインキ全量に対して0.01〜1.0重量％含有
するボールペン用水性顔料インキ。一般式式中、 R₁は（−CH₂）−mH（ｍ＝０〜５の整数）を示し、 R₂は（−CH₂）−lH（ｌ＝０〜２の整数）を示す。