JPH0554719A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH0554719A
JPH0554719A JP3237237A JP23723791A JPH0554719A JP H0554719 A JPH0554719 A JP H0554719A JP 3237237 A JP3237237 A JP 3237237A JP 23723791 A JP23723791 A JP 23723791A JP H0554719 A JPH0554719 A JP H0554719A
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本 咲 子 岩
Harunobu Sano
野 晴 信 佐
Yukio Hamachi
地 幸 生 浜
Yukio Sakabe
部 行 雄 坂
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘電率が10000以上の磁器を得ることが
でき、焼成温度が1000℃以下である誘電体磁器組成
物を提供する。 【構成】 Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 と、,PbT
iO3 と、Pb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 と、Pb(Z
1/2 1/2 )O3 との配合比が、Pb(Mg1/3 Nb
2/3 )O3 4.0〜93.0モル%と、PbTiO3
1.5〜35.0モル%と、Pb(Ni1/3
2/3 )O3 1.5〜51.0モル%と、Pb(Zn
1/2 1/2 )O3 1.0〜34.0モル%との範囲内
にある主成分100モル%に対し、副成分として、主成
分を100重量部として、MgをMgOに換算して0.
05〜5.0重量部含有する、誘電体磁器組成物であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は誘電体磁器組成物に関
し、特にたとえば積層セラミックコンデンサなどの材料
として用いられる誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサは小型で大容
量であること、高周波特性に優れていること、耐熱性に
優れていること、量産性に富むことなどの利点を有して
いる。したがって、産業用電子機器,民生用電子機器に
おける軽薄短小,高品質,高周波設計などの要求に合致
し、近年、その需要は増加の一途をたどっている。
【0003】従来の積層セラミックコンデンサでは、内
部電極としてAu,Pt,Pdなどの高価な貴金属が一
般に用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Au,
Pt,Pdなどの高価な貴金属を内部電極とする積層セ
ラミックコンデンサでは、生産コストに占める電極材料
費の割合が大きいため、全体のコストを低減することに
限度があった。
【0005】このため、BaTiO3 を主体とする高誘
電率系の磁器組成物にB,Bi,Pbなどの酸化物より
なるガラス成分を添加し、焼成温度を1300〜135
0℃から1100〜1150℃に低下させた積層セラミ
ックコンデンサが開発されている。この積層セラミック
コンデンサは、低温焼結可能なため、比較的安価なAg
−Pd系合金を内部電極として用いることができる。
【0006】しかし、この積層セラミックコンデンサで
は、ガラス成分を添加することによって、BaTiO3
母体組成の本来有する誘電率が低下してしまうという欠
点があった。そのため、積層セラミックコンデンサの寸
法が、逆に大きくなってしまい、電極材料のコストの低
下を打ち消してしまう。
【0007】それゆえに、この発明の主たる目的は、誘
電率が10000以上の磁器を得ることができ、焼成温
度が1000℃以下である、誘電体磁器組成物を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、Pb(Mg
1/3 Nb2/3 )O3 と、,PbTiO3 と、Pb(Ni
1/3 Nb2/3 )O3 と、Pb(Zn1/2 1/2 )O3
の配合比が、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 4.0〜
93.0モル%と、PbTiO3 1.5〜35.0モ
ル%と、Pb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 1.5〜5
1.0モル%と、Pb(Zn1/2 1/2 )O3 1.0
〜34.0モル%との範囲内にある主成分100モル%
に対し、副成分として、主成分を100重量部として、
MgをMgOに換算して0.05〜5.0重量部含有す
る、誘電体磁器組成物である。
【0009】また、副成分として、主成分を100重量
部として、MnをMnO2 に換算して0.5重量部以下
含有するのが好ましい。
【0010】
【発明の効果】この発明に係る誘電体磁器組成物によっ
て得られる磁器は、誘電率が10000以上で、誘電損
失が2.5%以下であり、室温での比抵抗が1012Ω・
cm以上であり、静電容量の温度変化率が−25℃〜+
85℃の温度範囲でJIS規格のE特性(−25℃〜+
85℃においてΔC/C20=+20%〜−55%)を満
たす。さらに、この発明に係る誘電体磁器組成物は、1
000℃以下の低温で焼成可能である。
【0011】したがって、この発明に係る誘電体磁器組
成物は、一般の磁器コンデンサのみならず、積層セラミ
ックコンデンサの誘電材料として使用可能である。特
に、焼成温度が低いことから、積層セラミックコンデン
サを製造する場合に、内部電極としてAg−Pd合金を
用いることができ、小型かつ大容量のものを工業的に生
産することができる。
【0012】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0013】
【実施例】まず、出発原料として、純度99.9%以上
のPbO,NiO,Nb2 5 ,TiO2 ,ZnO,W
3 ,MgOおよびMnO2 を準備した。これらの原料
を、表1に示す組成比の誘電体磁器組成物が得られるよ
うに秤量し、秤量物を得た。
【0014】
【表1】
【0015】これらの秤量物を100gずつ、ポリエチ
レン製ポットにめのう玉石とともに入れ、10時間湿式
混合して、混合物スラリを得た。この混合物スラリを脱
水し、乾燥して、アルミナ質匣に入れ、650℃〜80
0℃で2時間保持して、仮焼し、仮焼粉末(1次反応粉
末)を得た。この仮焼粉末を予め粗粉砕し、バインダと
してポリビニルアルコールを3重量%加えて、再び湿式
混合を行って、スラリを得た。このスラリを乾燥した
後、60メッシュの篩を通して、成形用整粒とした。さ
らに、オイルプレスによって2000kg/cm2 の圧
力で、直径1.0cm2 ,厚み1.0mmの円板状に成
形加工し、磁器円板を得た。
【0016】得られた磁器円板の両面に、ほう珪酸鉛ガ
ラスフリットを含む銀ペーストを塗布し、750℃で1
0分間焼き付けて電極を形成し、測定用の試料とした。
【0017】各試料につき、静電容量(C)および誘電
損失(tanσ)を、温度25℃,1KHz,1Vrm
sの条件で測定した。また、絶縁抵抗(IR)は、直流
500Vで2分間印加したときの値を測定した。さら
に、試料の厚み,電極の直径寸法を測定し、誘電率
(ε)および比抵抗(ρ)を計算した。
【0018】これらの試験結果を、各試料の焼成温度と
ともに表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】この発明において主成分および副成分の範
囲を上述のように限定する理由は次の通りである。
【0021】まず、主成分の範囲の限定理由について説
明する。
【0022】Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 について、
その範囲を4.0〜93.0モル%としたのは、試料番
号1のように、4.0モル%未満では、誘電率が100
00未満になるとともに、誘電損失が2.5%を超え
る。また、試料番号10のように、93.0モル%を超
えると、誘電率は高くなるが、温度特性がE特性を満足
しない。
【0023】PbTiO3 について、その範囲を1.5
〜35.0モル%としたのは、試料番号5のように、
1.5モル%未満では、誘電率の低下が著しくなり、誘
電率が10000未満になる。また、試料番号6のよう
に、35.0モル%を超えると、誘電損失が2.5%を
超える。
【0024】Pb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 について、
その範囲を1.5〜51.0モル%としたのは、試料番
号12のように、1.5モル%未満では、誘電率は高く
なるが、温度特性がE特性を満足しない。また、試料番
号16のように、51.0モル%を超えると、誘電率が
10000未満になる。
【0025】Pb(Zn1/2 1/2 )O3 について、そ
の範囲を1.0〜34.0モル%としたのは、試料番号
17のように、1.0モル%未満では、焼結温度が10
00℃を超え、誘電率が10000未満になる。また、
試料番号18のように、34.0モル%を超えると、焼
結温度は低下するが、誘電率が10000未満になると
ともに、比抵抗も室温で1012Ω・cmに達しなくな
る。
【0026】次に、副成分の範囲の限定理由について説
明する。
【0027】MgをMgOに換算して0.05〜5.0
重量部としたのは、試料番号19のように、0.05重
量部未満では、誘電率が10000未満になる。また、
試料番号20のように、5.0重量部を超えると、温度
特性がE特性を満足しない。
【0028】MnをMnO2 に換算して0.5重量部以
下としたのは、試料番号24のように、0.5重量部を
超えると、比抵抗が室温で1012Ω・cmに達しなくな
る。
【0029】表2から明らかなように、本発明に係る誘
電体磁器組成物は、誘電率がいずれも10000以上と
高い。しかも、高誘電率にもかかわらず、静電容量の温
度変化率がE特性を満たしている。また、誘電損失も
2.5%以下と低く、焼成温度も1000℃以下と、低
温での焼成が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂 部 行 雄 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 ,PbT
    iO3 ,Pb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 およびPb(Z
    1/2 1/2 )O3 の配合比が、 Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 4.0〜93.0モル
    %、 PbTiO3 1.5〜35.0モル%、 Pb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 1.5〜51.0モル
    %、および Pb(Zn1/2 1/2 )O3 1.0〜34.0モル%
    の範囲内にある主成分100モル%に対し、 副成分として、前記主成分を100重量部として、Mg
    をMgOに換算して0.05〜5.0重量部含有する、
    誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】 副成分として、前記主成分を100重量
    部として、MnをMnO2 に換算して0.5重量部以下
    含有する、請求項1の誘電体磁器組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0631996A1 (en) * 1993-06-30 1995-01-04 Murata Manufacturing Co., Ltd. Dielectric ceramic composition

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0631996A1 (en) * 1993-06-30 1995-01-04 Murata Manufacturing Co., Ltd. Dielectric ceramic composition

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