JP2985442B2 - 磁器組成物 - Google Patents
磁器組成物Info
- Publication number
- JP2985442B2 JP2985442B2 JP3305535A JP30553591A JP2985442B2 JP 2985442 B2 JP2985442 B2 JP 2985442B2 JP 3305535 A JP3305535 A JP 3305535A JP 30553591 A JP30553591 A JP 30553591A JP 2985442 B2 JP2985442 B2 JP 2985442B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composition
- temperature
- dielectric constant
- lead
- pbtio
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁器組成物に関し、特に
誘電率、絶縁抵抗が高く、誘電率の温度変化および直流
バイアスを印加したときの誘電率の減少率が小さく、か
つ1050℃以下の温度で焼結可能な磁器組成物に関す
るものである。
誘電率、絶縁抵抗が高く、誘電率の温度変化および直流
バイアスを印加したときの誘電率の減少率が小さく、か
つ1050℃以下の温度で焼結可能な磁器組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】従来、高誘電率系磁器組
成物として、チタン酸バリウム[BaTiO3]系がよ
く知られており、チタン酸カルシウム[CaTi
O3]、チタン酸鉛[PbTiO3]などを添加、置換す
ることにより温度特性の改善を図っている。また、さら
に誘電率を上げるために、BaTiO3のTi4+を他の
金属陽イオンで置換した複合ペロブスカイト化合物を用
いている。しかしこれらの磁気組成物は焼結温度が12
00℃以上の高温であるため、積層セラミックコンデン
サの内部電極には白金,パラジウム等の高価な貴金属し
か利用できなかった。
成物として、チタン酸バリウム[BaTiO3]系がよ
く知られており、チタン酸カルシウム[CaTi
O3]、チタン酸鉛[PbTiO3]などを添加、置換す
ることにより温度特性の改善を図っている。また、さら
に誘電率を上げるために、BaTiO3のTi4+を他の
金属陽イオンで置換した複合ペロブスカイト化合物を用
いている。しかしこれらの磁気組成物は焼結温度が12
00℃以上の高温であるため、積層セラミックコンデン
サの内部電極には白金,パラジウム等の高価な貴金属し
か利用できなかった。
【0003】従来の材料で温度変化率の小さい材料を実
現した場合、得られる誘電率はせいぜい2000程度に
すぎず、コンデンサ用の材料としては小さすぎる。近
年、低温で焼結し、かつ誘電率が高い材料として鉛系複
合ペロブスカイト化合物が報告されている。例えばマグ
ネシウム・ニオブ酸鉛[Pb(Mg1/3Nb2/3)
O3]、チタン酸鉛[PbTiO3]、ニッケル・ニオブ
酸鉛[Pb(Ni1/3Nb2/3)O3]からなる3成分組
成物は、誘電率を室温で20000以上と高くすること
が可能であることが報告されている。しかしこの3成分
系では誘電率の温度変化が大きく、かつ直流バイアスを
印加した時の容量の減少が大きいという問題点がある。
そのため実用上、その使用範囲が限られていた。本発明
の目的は、上記の組成物の誘電率の温度特性を改善し、
かつ直流バイアス印加時の容量減少ができるだけ小さい
磁器組成物を提供することにある。
現した場合、得られる誘電率はせいぜい2000程度に
すぎず、コンデンサ用の材料としては小さすぎる。近
年、低温で焼結し、かつ誘電率が高い材料として鉛系複
合ペロブスカイト化合物が報告されている。例えばマグ
ネシウム・ニオブ酸鉛[Pb(Mg1/3Nb2/3)
O3]、チタン酸鉛[PbTiO3]、ニッケル・ニオブ
酸鉛[Pb(Ni1/3Nb2/3)O3]からなる3成分組
成物は、誘電率を室温で20000以上と高くすること
が可能であることが報告されている。しかしこの3成分
系では誘電率の温度変化が大きく、かつ直流バイアスを
印加した時の容量の減少が大きいという問題点がある。
そのため実用上、その使用範囲が限られていた。本発明
の目的は、上記の組成物の誘電率の温度特性を改善し、
かつ直流バイアス印加時の容量減少ができるだけ小さい
磁器組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、マグネシウム
・タングステン酸鉛[Pb(Mg1/2W1/2)O3]、チ
タン酸鉛[PbTiO3]および亜鉛・ニオブ酸鉛[P
b(Zn1/3Nb2/3)O3]からなる3成分組成物を主
組成として[Pb(Mg1/2W1/2)O3]x[PbTiO
3]y[Pb(Zn1/3Nb2/3)O3]z(ただしx+y+
z=1.0)と表現したとき、以下の組成点、 (x=0.98,y=0, z=0.02)…(a) (x=0.43,y=0.55,z=0.02)…(b) (x=0.20,y=0.20,z=0.60)…(c) (x=0.40,y=0, z=0.60)…(d) を結ぶ線上、およびこの4点に囲まれる組成範囲内にあ
る主成分組成物に対して、マンガン・ニオブ酸鉛[Pb
(Mn1/3Nb2/3)O3]を0.01〜10mol%添
加したことを特徴とする磁器組成物である。
・タングステン酸鉛[Pb(Mg1/2W1/2)O3]、チ
タン酸鉛[PbTiO3]および亜鉛・ニオブ酸鉛[P
b(Zn1/3Nb2/3)O3]からなる3成分組成物を主
組成として[Pb(Mg1/2W1/2)O3]x[PbTiO
3]y[Pb(Zn1/3Nb2/3)O3]z(ただしx+y+
z=1.0)と表現したとき、以下の組成点、 (x=0.98,y=0, z=0.02)…(a) (x=0.43,y=0.55,z=0.02)…(b) (x=0.20,y=0.20,z=0.60)…(c) (x=0.40,y=0, z=0.60)…(d) を結ぶ線上、およびこの4点に囲まれる組成範囲内にあ
る主成分組成物に対して、マンガン・ニオブ酸鉛[Pb
(Mn1/3Nb2/3)O3]を0.01〜10mol%添
加したことを特徴とする磁器組成物である。
【0005】本発明における主組成の組成範囲を表す3
成分組成図は図1で示される。図中、(a)〜(d)は
各組成点を表し、本発明に含まれる組成範囲は図の斜線
で示す範囲、およびその境界線上である。本発明の主組
成の特許請求範囲外の組成では、容量が低くなる、キュ
リ−点が室温から高温側や低温側に片寄りすぎて容量の
温度特性が悪くなる、誘電損失が大きくなる、あるいは
比抵抗が小さくなるという弊害が現れる。またPb(M
n1/3Nb2/3)O3の添加量を特許請求範囲以外にする
と、容量が小さくなりすぎる、あるいは焼成温度が高く
なるためコンデンサ用の磁器組成物としては適さない。
成分組成図は図1で示される。図中、(a)〜(d)は
各組成点を表し、本発明に含まれる組成範囲は図の斜線
で示す範囲、およびその境界線上である。本発明の主組
成の特許請求範囲外の組成では、容量が低くなる、キュ
リ−点が室温から高温側や低温側に片寄りすぎて容量の
温度特性が悪くなる、誘電損失が大きくなる、あるいは
比抵抗が小さくなるという弊害が現れる。またPb(M
n1/3Nb2/3)O3の添加量を特許請求範囲以外にする
と、容量が小さくなりすぎる、あるいは焼成温度が高く
なるためコンデンサ用の磁器組成物としては適さない。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例について、詳細に説明
する。 実施例1 出発原料として酸化鉛(PbO)、酸化タングステン
(WO3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ニオブ
(Nb2O5)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(Ti
O2)および炭酸マンガン(MnCO3)を使用し、表1
および表3に示した配合比となるように各々秤量した。
次に秤量した各材料をボ−ルミル中で湿式混合したの
ち、800〜850℃で仮焼を行い、この粉末をボ−ル
ミルで粉砕し、濾過、乾燥後、有機バインダを入れて整
粒後プレスし、直径約16mm、厚さ約2mmの円板2
枚と、直径約16mm、厚さ約10mmの円柱を作製し
た。円柱は焼結密度測定用に供した。次にプレスした円
板試料を950〜1050℃の温度で1時間焼成を行
い、焼成した円板の上下面に600℃で銀電極を焼き付
けた。デジタルLCRメ−タで周波数1kHz、電圧1
Vr.m.sの交流を用いて室温で容量と誘電損失を測
定し、50Vの直流電圧を1分間印加した時の電流値を
絶縁抵抗計で測定して試料の比抵抗を求めた。誘電率は
測定した容量値から求めた。さらに−30℃と85℃に
おける容量を測定し、20℃の誘電率に対する誘電率の
変化率を求めた。
する。 実施例1 出発原料として酸化鉛(PbO)、酸化タングステン
(WO3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ニオブ
(Nb2O5)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(Ti
O2)および炭酸マンガン(MnCO3)を使用し、表1
および表3に示した配合比となるように各々秤量した。
次に秤量した各材料をボ−ルミル中で湿式混合したの
ち、800〜850℃で仮焼を行い、この粉末をボ−ル
ミルで粉砕し、濾過、乾燥後、有機バインダを入れて整
粒後プレスし、直径約16mm、厚さ約2mmの円板2
枚と、直径約16mm、厚さ約10mmの円柱を作製し
た。円柱は焼結密度測定用に供した。次にプレスした円
板試料を950〜1050℃の温度で1時間焼成を行
い、焼成した円板の上下面に600℃で銀電極を焼き付
けた。デジタルLCRメ−タで周波数1kHz、電圧1
Vr.m.sの交流を用いて室温で容量と誘電損失を測
定し、50Vの直流電圧を1分間印加した時の電流値を
絶縁抵抗計で測定して試料の比抵抗を求めた。誘電率は
測定した容量値から求めた。さらに−30℃と85℃に
おける容量を測定し、20℃の誘電率に対する誘電率の
変化率を求めた。
【0007】このようにして得られた磁器の主成分[P
b(Mg1/2W1/2)O3]x[PbTiO3]y[Pb(Z
n1/3Nb2/3)O3]zの配合比x,y,z、添加した
[Pb(Mn1/3Nb2/3)O3]の量、最適焼成温度
(密度が最大になった温度)、室温における誘電率、誘
電損失、比抵抗、および−30℃、85℃における誘電
率の変化率(20℃における誘電率を基準)を表1〜表
4に示す。なお表中、試料番号に*が付いているものは
Pb(Mn1/3Nb2/3)O3の添加量が本発明の範囲外
の組成のものを示し、**は主成分組成が本発明の範囲
外の組成のものを示す。
b(Mg1/2W1/2)O3]x[PbTiO3]y[Pb(Z
n1/3Nb2/3)O3]zの配合比x,y,z、添加した
[Pb(Mn1/3Nb2/3)O3]の量、最適焼成温度
(密度が最大になった温度)、室温における誘電率、誘
電損失、比抵抗、および−30℃、85℃における誘電
率の変化率(20℃における誘電率を基準)を表1〜表
4に示す。なお表中、試料番号に*が付いているものは
Pb(Mn1/3Nb2/3)O3の添加量が本発明の範囲外
の組成のものを示し、**は主成分組成が本発明の範囲
外の組成のものを示す。
【0008】表1〜表4からも明らかなように、[Pb
(Mg1/2W1/2)O3]−[PbTiO3]−[Pb(Z
n1/3Nb2/3)O3]3成分系組成物に[Pb(Mn1/3
Nb2/3)O3]を添加した本発明の組成範囲の磁器組成
物は、高い誘電率、比抵抗の値を有し、かつ誘電率の温
度による変化が小さく、EIA規格のY5U特性、ある
いはY5T特性を満足することが可能である。さらに本
発明の磁器組成物は1050℃以下の低い温度で焼結で
きるため、積層セラミックコンデンサの内部電極に安価
な銀・パラジウム合金を用いることができる。
(Mg1/2W1/2)O3]−[PbTiO3]−[Pb(Z
n1/3Nb2/3)O3]3成分系組成物に[Pb(Mn1/3
Nb2/3)O3]を添加した本発明の組成範囲の磁器組成
物は、高い誘電率、比抵抗の値を有し、かつ誘電率の温
度による変化が小さく、EIA規格のY5U特性、ある
いはY5T特性を満足することが可能である。さらに本
発明の磁器組成物は1050℃以下の低い温度で焼結で
きるため、積層セラミックコンデンサの内部電極に安価
な銀・パラジウム合金を用いることができる。
【0009】
【表1】 試料番号1〜18の配合量 ──────────────────────────────────── 試料 Pb(Mg1/2W1/2)O3 PbTiO3 Pb(Zn1/3Nb2/3)O3 Pb(Mn1/3Nb2/3)O3添加量 番号 (mol%) (mol%) (mol%) (mol%) ──────────────────────────────────── 1* 70 0 30 0 2* 50 10 40 0 3 50 10 40 2.5 4* 40 10 50 0 5 40 10 50 2.5 6* 30 10 60 0 7** 25 10 65 0 8* 40 20 40 0 9 40 20 40 0.01 10 40 20 40 1.0 11 40 20 40 5.0 12* 35 20 45 0 13* 30 20 50 0 14 30 20 50 2.5 15 30 20 50 5.0 16 30 20 50 10.0 17* 20 20 60 0 18 20 20 60 2.5 ────────────────────────────────────
【0010】
【表2】 試料番号1〜18の最適焼成温度と特性 ──────────────────────────────────── 試料 最適 ε tanδ 比抵抗 △ε/ε(20℃) 番号 焼成温度 (20℃) (20℃) (Ω・cm) ───────────── (℃) (%) −30℃(%) 85℃(%) ──────────────────────────────────── 1* 900 2870 0.3 3.8E+14 +20.2 −31.6 2* 950 3700 0.1 5.3E+13 +15.8 −28.7 3 950 3100 0.1 3.6E+13 +10.3 −23.1 4* 950 3950 0.1 7.3E+13 +16.5 −27.4 5 950 3370 0.1 5.8E+13 +5.3 −24.1 6* 1000 3400 0.9 5.6E+12 −21.1 −18.5 7** 1000 2920 3.5 2.8E+11 −36.3 −4.3 8* 950 6180 0.7 8.8E+12 −8.5 −29.8 9 950 5920 0.6 8.0E+12 −6.3 −27.6 10 950 5250 0.4 5.7E+12 −6.7 −23.8 11 1000 4680 0.2 2.4E+12 −6.0 −21.1 12* 950 7420 1.9 4.2E+12 −28.5 −27.5 13* 950 8480 3.8 2.6E+12 −44.3 −10.3 14 950 7640 2.5 1.1E+12 −42.4 −12.3 15 1000 5900 1.7 8.8E+11 −34.5 −8.5 16 1050 4470 1.9 6.0E+11 −23.9 −8.2 17* 950 7250 4.8 1.2E+12 −52.1 +32.9 18 950 6440 3.5 9.2E+11 −49.6 +18.0 ────────────────────────────────────
【0011】
【表3】 試料番号19〜35の配合量 ──────────────────────────────────── 試料 Pb(Mg1/2W1/2)O3 PbTiO3 Pb(Zn1/3Nb2/3)O3 Pb(Mn1/3Nb2/3)O3添加量 番号 (mol%) (mol%) (mol%) (mol%) ──────────────────────────────────── 19** 15 20 65 0 20* 40 30 30 0 21 40 30 30 1.0 22 40 30 30 2.5 23 40 30 30 5.0 24 40 30 30 10.0 25* 40 30 30 12.5 26* 30 30 40 0 27** 25 30 45 0 28* 40 40 20 0 29 40 40 20 2.5 30* 35 40 25 0 31 35 40 25 2.5 32* 40 50 10 0 33 40 50 10 5.0 34* 49 49 2 0 35 49 49 2 2.5 ────────────────────────────────────
【0012】
【表4】 試料番号19〜35の最適焼成温度と特性 ──────────────────────────────────── 試料 最適 ε tanδ 比抵抗 △ε/ε(20℃) 番号 焼成温度 (20℃) (20℃) (Ω・cm) ──────────── (℃) (%) −30℃(%) 85℃(%) ──────────────────────────────────── 19** 1000 6850 5.6 3.5E+11 −46.3 +51.8 20* 950 10400 3.1 1.4E+13 −45.6 −28.0 21 950 9450 2.6 8.8E+12 −42.5 −22.4 22 950 8140 2.1 6.9E+12 −39.1 −20.7 23 1000 6830 1.5 3.6E+12 −34.8 −18.5 24 1050 5140 1.3 1.5E+12 −24.6 −15.6 25* 1100 3120 2.8 7.6E+11 −15.2 −19.2 26* 950 7140 4.5 3.6E+12 −34.6 +42.3 27** 1000 6030 6.8 5.6E+11 −31.7 +37.2 28* 950 7380 3.3 7.4E+12 −33.2 +28.7 29 950 5620 2.4 5.5E+12 −21.2 +24.4 30* 950 8160 3.8 5.3E+12 −49.6 +46.3 31 950 7290 3.1 3.8E+12 −45.4 +32.2 32* 950 8530 3.9 2.1E+12 −51.2 +61.5 33 1000 6270 2.0 6.3E+11 −40.7 +35.2 34* 950 7830 2.4 5.6E+12 −46.8 +3.7 35 950 5960 1.7 2.7E+12 −37.2 +3.2 ────────────────────────────────────
【0013】実施例2 [Pb(Mg1/2W1/2)O3]x[PbTiO3]y[Pb
(Zn1/3Nb2/3)O3]z(ただしx+y+z=1.
0)3成分系磁器組成物において、(x,y,z)=
(0.40,0.30,0.30)として、[Pb(M
n1/3Nb2/3)O3]を2.5mol%添加した組成と
なるように、酸化鉛、酸化マグネシウム、酸化タングス
テン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ニオブ、炭酸マンガ
ンを正確に秤量し、実施例1で示した方法と同様な方法
で誘電体粉末を合成した。この組成物は実施例1におい
て、表3の試料番号22に相当するものである。得られ
た誘電体粉末を有機溶媒中に分散させ、有機バインダと
混練してスラリ−を作製し、スラリ−を通常のドクタ−
ブレ−ド法を用いて40μmの厚さに成膜した。さらに
通常のスクリ−ン印刷法で内部電極ペ−ストを印刷し、
所定の形状に打ち抜いた後積層、熱プレスを行って得た
積層体を一定の形状に切断してコンデンサのグリ−ンチ
ップを作製した。グリ−ンチップを所定の温度条件で脱
バインダ、焼成を行い、さらに銀ペ−ストを用いて外部
電極を被着、形成した。コンデンサにデジタルマルチメ
−タで0〜50Vの直流バイアスを印加した状態でデジ
タルLCRメ−タを用いて1kHz、1Vr.m.sの
交流で、室温でコンデンサの容量を測定した。測定結果
を図2に示した。
(Zn1/3Nb2/3)O3]z(ただしx+y+z=1.
0)3成分系磁器組成物において、(x,y,z)=
(0.40,0.30,0.30)として、[Pb(M
n1/3Nb2/3)O3]を2.5mol%添加した組成と
なるように、酸化鉛、酸化マグネシウム、酸化タングス
テン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ニオブ、炭酸マンガ
ンを正確に秤量し、実施例1で示した方法と同様な方法
で誘電体粉末を合成した。この組成物は実施例1におい
て、表3の試料番号22に相当するものである。得られ
た誘電体粉末を有機溶媒中に分散させ、有機バインダと
混練してスラリ−を作製し、スラリ−を通常のドクタ−
ブレ−ド法を用いて40μmの厚さに成膜した。さらに
通常のスクリ−ン印刷法で内部電極ペ−ストを印刷し、
所定の形状に打ち抜いた後積層、熱プレスを行って得た
積層体を一定の形状に切断してコンデンサのグリ−ンチ
ップを作製した。グリ−ンチップを所定の温度条件で脱
バインダ、焼成を行い、さらに銀ペ−ストを用いて外部
電極を被着、形成した。コンデンサにデジタルマルチメ
−タで0〜50Vの直流バイアスを印加した状態でデジ
タルLCRメ−タを用いて1kHz、1Vr.m.sの
交流で、室温でコンデンサの容量を測定した。測定結果
を図2に示した。
【0014】比較例1,2 [Pb(Mg3/1Nb2/3)O3]x[PbTiO3]y[P
b(Ni1/3Nb2/3)O3]z(ただしx+y+z=1.
0)で示される3成分系磁器組成物において、x=0.
20、y=0.20、z=0.60となるような組成物
(比較例1;表1の試料番号17に相当する。)、およ
び[Pb(Mg1/2W1/2)O3]x[PbTiO3]y[P
b(Zn1/3Nb2/3)O3]z(ただしx+y+z=1.
0)で示される3成分系磁器組成物において、x=0.
40、y=0.30、z=0.30となるような組成物
(比較例2;表2の試料番号20に相当する。)を用い
て、実施例2で示した方法でコンデンサを作製し、同様
の方法で直流バイアス印加時の容量を測定した。測定結
果を実施例2の結果と同時に図2に示した。
b(Ni1/3Nb2/3)O3]z(ただしx+y+z=1.
0)で示される3成分系磁器組成物において、x=0.
20、y=0.20、z=0.60となるような組成物
(比較例1;表1の試料番号17に相当する。)、およ
び[Pb(Mg1/2W1/2)O3]x[PbTiO3]y[P
b(Zn1/3Nb2/3)O3]z(ただしx+y+z=1.
0)で示される3成分系磁器組成物において、x=0.
40、y=0.30、z=0.30となるような組成物
(比較例2;表2の試料番号20に相当する。)を用い
て、実施例2で示した方法でコンデンサを作製し、同様
の方法で直流バイアス印加時の容量を測定した。測定結
果を実施例2の結果と同時に図2に示した。
【0015】図2に示したように、比較例1で示した組
成の磁器組成物を用いたコンデンサは直流バイアス印加
時の容量減少が著しい。また本発明の主組成と同一であ
る比較例2の磁器組成物を用いたコンデンサは、直流バ
イアス印加時の容量減少が比較例1よりは小さいことが
わかる。それに対して本発明の磁器組成物を用いたコン
デンサは、同一主組成でPb(Mn1/3Nb2/3)O3を
添加しない組成物(比較例2)を用いたコンデンサより
もさらに直流バイアス特性が優れていることがわかる。
成の磁器組成物を用いたコンデンサは直流バイアス印加
時の容量減少が著しい。また本発明の主組成と同一であ
る比較例2の磁器組成物を用いたコンデンサは、直流バ
イアス印加時の容量減少が比較例1よりは小さいことが
わかる。それに対して本発明の磁器組成物を用いたコン
デンサは、同一主組成でPb(Mn1/3Nb2/3)O3を
添加しない組成物(比較例2)を用いたコンデンサより
もさらに直流バイアス特性が優れていることがわかる。
【0016】
【発明の効果】本発明の磁器組成物は、誘電率が高く、
温度による誘電率の変化も小さく、かつ直流バイアス印
加時の容量減少が小さい。また良好な誘電損失の値を持
ち、低い温度で焼結が可能である。したがって温度特性
の優れた積層セラミックコンデンサを製造することが可
能であり、かつコンデンサの内部電極に安価な銀−パラ
ジウムを用いることができる。さらに直流バイアス印加
時の容量減少が小さいため電源用の平滑コンデンサなど
高い直流バイアスを印加した条件で使用される積層セラ
ミックコンデンサ用の磁器組成物として用いることが可
能である。
温度による誘電率の変化も小さく、かつ直流バイアス印
加時の容量減少が小さい。また良好な誘電損失の値を持
ち、低い温度で焼結が可能である。したがって温度特性
の優れた積層セラミックコンデンサを製造することが可
能であり、かつコンデンサの内部電極に安価な銀−パラ
ジウムを用いることができる。さらに直流バイアス印加
時の容量減少が小さいため電源用の平滑コンデンサなど
高い直流バイアスを印加した条件で使用される積層セラ
ミックコンデンサ用の磁器組成物として用いることが可
能である。
【図1】本発明の組成範囲を示す3成分組成図である。
【図2】本発明の一実施例による磁器組成物を用いて作
製したコンデンサの直流バイアス印加時の容量の変化率
を積層セラミックコンデンサの1層あたりの直流電界強
度に対してプロットした図である。
製したコンデンサの直流バイアス印加時の容量の変化率
を積層セラミックコンデンサの1層あたりの直流電界強
度に対してプロットした図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 マグネシウム・タングステン酸鉛[Pb
(Mg1/2W1/2)O3]、チタン酸鉛[PbTiO3]お
よび亜鉛・ニオブ酸鉛[Pb(Zn1/3Nb2/3)O3]
からなる3成分組成物を主組成として[Pb(Mg1/2
W1/2)O3]x[PbTiO3]y[Pb(Zn1/3Nb
2/3)O3]z(ただしx+y+z=1.0)と表現した
とき、以下の組成点、 (x=0.98,y=0, z=0.02) (x=0.43,y=0.55,z=0.02) (x=0.20,y=0.20,z=0.60) (x=0.40,y=0, z=0.60) を結ぶ線上、およびこの4点に囲まれる組成範囲内にあ
る主成分組成物に対して、マンガン・ニオブ酸鉛[Pb
(Mn1/3Nb2/3)O3]を0.01〜10mol%添
加したことを特徴とする磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3305535A JP2985442B2 (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3305535A JP2985442B2 (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05117015A JPH05117015A (ja) | 1993-05-14 |
JP2985442B2 true JP2985442B2 (ja) | 1999-11-29 |
Family
ID=17946327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3305535A Expired - Fee Related JP2985442B2 (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2985442B2 (ja) |
-
1991
- 1991-10-25 JP JP3305535A patent/JP2985442B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05117015A (ja) | 1993-05-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0905724B1 (en) | Dielectric ceramic composition and monolithic ceramic capacitor using the composition | |
JPS6227026B2 (ja) | ||
JP2985442B2 (ja) | 磁器組成物 | |
JPH0734327B2 (ja) | 非還元性誘電体磁器組成物 | |
JPH0652718A (ja) | 誘電体磁器及び磁器コンデンサ | |
JP2779740B2 (ja) | 誘電体磁器及び磁器コンデンサ | |
JP2616220B2 (ja) | 磁器組成物 | |
JPS6136170A (ja) | 誘電体磁器組成物及びその製造法 | |
JP2895056B1 (ja) | 磁器組成物および積層セラミックコンデンサ | |
JPH07121828B2 (ja) | 磁器組成物 | |
JP2872513B2 (ja) | 誘電体磁器及び磁器コンデンサ | |
KR0165557B1 (ko) | 자기 조성물 | |
JPS6256605B2 (ja) | ||
JPH08191032A (ja) | 積層セラミックコンデンサ | |
JPS6230151B2 (ja) | ||
JP2576605B2 (ja) | 磁器組成物の製造方法 | |
JP3318951B2 (ja) | 誘電体磁器組成物とそれを用いた積層セラミックコンデンサ | |
JP2924469B2 (ja) | 磁器組成物 | |
JP2784864B2 (ja) | 誘電体磁器及び磁器コンデンサ | |
JPS6234708B2 (ja) | ||
JPS63156062A (ja) | 高誘電率磁器組成物及びその製造方法 | |
JPH0522667B2 (ja) | ||
JPH05238805A (ja) | 磁器組成物 | |
JPH0617265B2 (ja) | 誘電体磁器組成物の製造方法 | |
JPH0588486B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |