JP3305272B2 - 誘電体磁器材料 - Google Patents
誘電体磁器材料Info
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Description
し、特に1000℃以下の比較的低い温度で焼結でき、
誘電損失が小さい誘電体磁器材料に関するものである。
品の1つにセラミックスコンデンサがある。その中でも
積層型のセラミックコンデンサは、誘電体磁器材料と内
部電極が交互に層状に積層されてなるもので、小型で静
電容量が高い上に信頼性に優れるので、近年、民生用、
産業用、通信機器用に至るほとんどの電子機器に使用さ
れている。この積層型セラミックスコンデンサは、内部
電極と、シート状に成形した未焼結の誘電体磁器材料と
を交互に積層した後、焼成して一体化することにより製
造される。
体磁器材料としては、チタン酸バリウム系(BaTiO
3)、チタニア系(TiO2)等からなる誘電体磁器材料
が用いられていた。これらの誘電体磁器材料は、120
0〜1400℃で焼結するものであるため、積層型セラ
ミックスコンデンサの製造工程において高温焼成が必要
となり、コンデンサの大量生産に不利であるという課題
があった。また、内部電極も同時に高温で焼成されるた
め、内部電極を耐熱性に優れた材料で構成する必要があ
り、例えばPt(白金)やPd(パラジウム)といった
高価な金属を用いねばならず、積層型セラッミクスコン
デンサのコストを低くすることができないという課題が
あった。また一般的に、高周波帯域にて使用するコンデ
ンサには、誘電損失が極めて低い誘電体磁器材料を用い
ることが必須とされている。
であって、焼結温度が低いと共に、誘電損失が低い誘電
体磁器材料を提供することを目的とする。
めに、本発明は以下の構成を採用した。即ち、本発明の
誘電体磁器材料は、SiO2とAl2O3を必ず含むと共
にB2O 3とK2OとZrO2とCuOのいずれかあるいは
全部を含んでなるガラスと、Zn2SiO4と、c-SiO
2とが下記に示す組成比で混合されたものを主成分と
し、この主成分の100重量部に対し、MnO2、Fe2
O3、Cr2O3、CoO、NiO、ZnO、CuOの内
から選ばれる少なくとも1以上の化合物αが15重量部
以下混合されて焼結されてなるものであることを特徴と
する。 ガラス :10重量%以上90重量%以下 Zn2SiO4: 5重量%以上25重量%以下 c-SiO2 : 5重量%以上65重量%以下 尚、ここでc-SiO2とは、結晶性のSiO2であって、
ガラスに含まれるSiO2とは別個のものである。
O4、c-SiO2及び化合物αがガラス中に分散されてな
るものであり、本来、焼結温度が高いZn2SiO4、c-
SiO 2、化合物αの粉末を比較的融点が低いガラスの
粉末に混合し、700〜900℃程度の比較的低い温度
で焼結させることを可能としたものである。
含むと共にB2O3とK2OとZrO2とCuOのいずれか
あるいは全部を含み、Zn2SiO4とc-SiO2と化合
物αとを互いに焼結させるためのもので、その組成比は
前記主成分中において10重量%以上90重量%以下で
あることが好ましく、30重量%以上90重量%以下で
あることがより好ましく、40重量%以上80重量%以
下であることがさらに好ましく、60重量%以上70重
量%以下であることが最も好ましい。ガラスが10重量
%未満では、Zn2SiO4とc-SiO2と化合物αとを
焼結させることができなくなるので好ましくなく、90
重量%を越えるとガラスと、Zn2SiO4、c-SiO2
及び化合物αとが溶融してしまうので好ましくない。特
に、ガラスの組成が60重量%以上70重量%以下の範
囲であれば、誘電体磁器材料の誘電損失を低くすること
ができるので好ましい。
えると誘電体磁器材料の誘電損失を低くすることがで
き、その組成比は前記主成分中において5重量%以上2
5重量%以下であることが好ましく、7重量%以上23
重量%以下であることがより好ましく、10重量%以上
20重量%以下であることがさらに好ましく、12.5
重量%以上17.5重量%以下であることが最も好まし
い。Zn2SiO4が5重量%未満では誘電損失を低くす
ることができないので好ましくなく、25重量%を越え
ると誘電損失が高くなってしまうので好ましくない。特
に、Zn2SiO4の組成が12.5重量%以上17.5
重量%以下の範囲であれば、誘電体磁器材料の誘電損失
をより低くすることができるので好ましい。
ると誘電損失を低くすることができ、その組成比は前記
主成分中において5重量%以上65重量%以下であるこ
とが好ましく、10重量%以上50重量%以下であるこ
とがより好ましく、15重量%以上35重量%以下であ
ることがさらに好ましく、18重量%以上23重量%以
下であることが最も好ましい。c-SiO2が5重量%未
満では誘電損失が高くなってしまうので好ましくなく、
50重量%を越えても誘電損失が高くなってしまうので
好ましくない。特に、c-SiO2の組成が18重量%以
上23重量%以下の範囲であれば、誘電損失をより低く
できるので好ましい。
すると、誘電体磁器材料の誘電損失をより低くすること
ができ、その添加量は前記主成分の100重量部に対し
て15重量部以下であることが好ましく、10重量部以
下であることがより好ましく、0.1重量部以上1重量
部以下であることが更に好ましく、0.05重量部以上
0.5重量部以下であることが最も好ましい。化合物α
の添加量が15重量部を越えると、誘電体磁器材料の誘
電損失が高くなると共に絶縁抵抗が低下してしまうので
好ましくない。また化合物αを全く加えないと、誘電損
失を低くすることができないので好ましくない。
ずれか一方であることがより好ましい。化合物αがFe
2O3の場合には、その添加量は前記主成分の100重量
部に対して15重量部以下であることが好ましく、10
重量部以下であることがより好ましく、0.1重量部以
上1重量部以下であることが更に好ましく、0.05重
量部以上0.5重量部以下であることが最も好ましい。
Fe2O3の添加量が15重量部を越えると、誘電体磁器
材料の誘電損失が高くなると共に絶縁抵抗が低下してし
まうので好ましくない。特に、Fe2O3の添加量が0.
1重量部以上1重量部以下の範囲であれば、誘電体磁器
材料の誘電損失をより低くすることができるので好まし
い。
の添加量は前記主成分の100重量部に対して1重量部
以下であることが好ましく、0.1重量部以上1重量部
以下であることがより好ましく、0.05重量部以上
0.5重量部以下であることが最も好ましい。MnO2
の添加量が1重量部を越えると、誘電体磁器材料の誘電
損失が高くなると共に絶縁抵抗が小さくなってしまうの
で好ましくない。特に、MnO2の組成が0.1重量部
以上1重量部以下の範囲であれば、誘電体磁器材料の誘
電損失をより低くすることができるので好ましい。
O2とAl2O3を必ず含むと共にB2O3とK2OとZrO
2とCuOのいずれかあるいは全部を含んでなるガラス
と、Zn2SiO4と、c-SiO2とが下記に示す組成比
で混合されたものを主成分とし、この主成分の100重
量部に対し、MnO2、Fe2O3、Cr2O3、CoO、
NiO、ZnO、CuOの内から選ばれる少なくとも1
以上の化合物αが15重量部以下混合されて焼結されて
なるものである。上記の主成分の組成は、ガラスが10
重量%以上90重量%以下、Zn2SiO4が5重量%以
上25重量%以下、c-SiO2が5重量%以上65重量
%以下である。ここで、c-SiO2とは、結晶性のSi
O2であって、ガラスに含まれるSiO 2とは別個のもの
である。
SiO2及び化合物αがガラス中に分散されてなるもの
であり、本来、焼結温度が高いZn2SiO4、c-SiO
2、化合物αの粉末を、比較的融点の低いガラスの粉末
に混合することにより、700〜900℃程度の比較的
低い温度で焼結させることを可能としたものである。
するために、600〜900℃の範囲で軟化して溶融す
るガラスを用いることが好ましく、また、本発明の誘電
体磁器材料の比誘電率を4〜5程度の範囲とするため
に、比誘電率が5〜7程度のガラスを用いることが好ま
しく、このようなガラスとして例えばほうケイ酸ガラス
等を例示することができるが、特に本発明においては、
SiO2とAl2O3とを必ず含みB2O3とK2OとZrO
2のいずれかあるいは全部を含むガラスを用いることが
好ましい。
O4とc-SiO2と化合物αとを互いに焼結させるための
ものであり、その組成比は前記混合物中において10重
量%以上90重量%以下であることが好ましく、30重
量%以上90重量%以下であることがより好ましく、4
0重量%以上80重量%以下であることがさらに好まし
く、60重量%以上70重量%以下であることが最も好
ましい。ガラスが10重量%未満ではZn2SiO4とc-
SiO2と化合物αとを焼結させることができなくなる
ので好ましくなく、90重量%を越えるとガラスと、Z
n2SiO4、c-SiO2及び化合物αとが溶融してしま
うので好ましくない。また、ガラスの組成が60重量%
以上70重量%以下の範囲であれば、誘電体磁器材料の
比誘電率を5〜7の範囲とすることができるので好まし
い。
は、Zn2SiO4、c-SiO2、化合物αのそれぞれの
組成比にも支配される。Zn2SiO4を所定の組成範囲
で加えると誘電体磁器材料の誘電損失を低くすることが
でき、その組成比は前記主成分中において5重量%以上
25重量%以下であることが好ましく、7重量%以上2
3重量%以下であることがより好ましく、10重量%以
上20重量%以下であることがさらに好ましく、12.
5重量%以上17.5重量%以下であることが最も好ま
しい。Zn2SiO4が5重量%未満では誘電損失を低く
することができないので好ましくなく、25重量%を越
えると誘電損失が高くなってしまうので好ましくない。
特に、Zn2SiO4の組成が12.5重量%以上17.
5重量%以下の範囲であれば、誘電体磁器材料の誘電損
失をより低くすることができるので好ましい。
電損失を低くすることができる。このc-SiO2はガラ
スに含まれるSiO2とは別個のもので、いわゆる多結
晶のSiO2である。このc-SiO2の組成比は前記主成
分中において5重量%以上65重量%以下であることが
好ましく、10重量%以上50重量%以下であることが
より好ましく、15重量%以上35重量%以下であるこ
とがさらに好ましく、18重量%以上23重量%以下で
あることが最も好ましい。c-SiO2が5重量%未満で
は誘電損失が高くなってしまうので好ましくなく、50
重量%を越えても誘電損失が高くなってしまうので好ま
しくない。特に、c-SiO2の組成が18重量%以上2
3重量%以下の範囲であれば、誘電損失をより低くでき
るので好ましい。
3、CoO、NiO、ZnO、CuOの内から選ばれる
少なくとも1以上のものであり、この化合物αを前記主
成分に所定量添加すると、誘電体磁器材料の誘電損失を
より低くすることができ、その添加量は前記混合物の1
00重量部に対して15重量部以下であることが好まし
く、10重量部以下であることがより好ましく、0.1
重量部以上1重量部以下であることが更に好ましく、
0.05重量部以上0.5重量部以下であることが最も
好ましい。化合物αの添加量が15重量部を越えると、
誘電体磁器材料の誘電損失が高くなると共に絶縁抵抗が
小さくなってしまうので好ましくない。また化合物αを
全く加えないと、誘電損失を低くすることができないの
で好ましくない。
ずれか一方であることがより好ましい。化合物αがFe
2O3の場合にはその添加量は前記主成分の100重量部
に対して15重量部以下であることが好ましく、10重
量部以下であることがより好ましく、0.1重量部以上
1重量部以下であることが更に好ましく、0.05重量
部以上0.5重量部以下であることが最も好ましい。F
e2O3の添加量が15重量部を越えると、誘電体磁器材
料の誘電損失が高くなると共に絶縁抵抗が小さくなって
しまうので好ましくない。特に、Fe2O3の添加量が
0.1重量部以上1重量部以下の範囲であれば、誘電体
磁器材料の誘電損失をより低くすることができるので好
ましい。
添加量は前記混合物の100重量部に対して1重量部以
下であることが好ましく、0.1重量部以上1重量部以
下であることがより好ましく、0.05重量部以上0.
5重量部以下であることが最も好ましい。MnO2の添
加量が1重量部を越えると、誘電体磁器材料の誘電損失
が高くなると共に絶縁抵抗が小さくなってしまうので好
ましくない。特に、MnO2の添加量が0.1重量部以
上1重量部以下の範囲であれば、誘電体磁器材料の誘電
損失をより低くすることができるので好ましい。
にして製造できる。まず、ガラスの粉末とZn2SiO4
の粉末とc-SiO2の粉末と化合物αの粉末とを所定の
配合比となるように混合しつつ粉砕して原料粉末とす
る。次にこの原料粉末を、所定の温度で所定時間加熱す
ることにより仮焼成して仮焼結体とする。更にこの仮焼
結体を粉砕した後、分散媒、分散剤等を添加してスラリ
ー状あるいはペースト状とし、所定の形状に成形した後
に所定の温度で所定時間加熱しつつ加圧して焼成するこ
とにより、本発明の誘電体磁器材料が得られる。また、
焼成時には体積の収縮が起きるので、焼成しつつ加圧す
ることにより、誘電体磁器材料の密度を高くして所定の
特性が発揮させることが可能となる。
好ましく、650〜800℃の範囲とすることがより好
ましい。仮焼成の温度が600℃未満では、十分に仮焼
成できなくなるので好ましくなく、850℃を超えると
焼結が進んで再度粉砕できなくなるので好ましくない。
また、仮焼成の時間は、0.5〜24時間の範囲が好ま
しく、1〜5時間の範囲とすることがより好ましい。仮
焼成の時間が0.5時間未満では、十分に仮焼成できな
くなるので好ましくなく、24時間を超えると焼結が進
んで再度粉砕できなくなるので好ましくない。
囲が好ましく、830〜880℃の範囲とすることがよ
り好ましい。焼成の温度が800℃未満では、十分に焼
結を進めることができなくなって、誘電体磁器材料の密
度が上がらず、誘電体磁器材料が脆くなってしまうので
好ましくなく、900℃を超えるとガラスとその他の添
加物とが溶融してしまい、化合物αとc-SiO2と化合
物αとがガラス中に分散した状態とすることができなく
なり、好ましくない。また、焼成の時間は、0.5〜2
4時間の範囲が好ましく、1〜5時間の範囲とすること
がより好ましい。焼成の時間が0.5時間未満では、十
分に焼結を進めることができなくなって、誘電体磁器材
料の密度が上がらず、誘電体磁器材料が脆くなってしま
うので好ましくなく、24時間を超えるとガラスとその
他の添加物とが溶融してしまい、化合物αとc-SiO2
と化合物αとがガラス中に分散した状態とすることがで
きなくなり、好ましくない。
O3とB2O3とK2OとZrO2とCuOを少なくとも含
むガラスと、Zn2SiO4と、c-SiO2とが下記に示
す組成比で混合されたものを主成分とし、この主成分の
100重量部に対し化合物αが15重量部以下混合され
て焼結されてなるもので、化合物α、c-SiO2、化合
物αがガラス中に分散してなるものであり、本来、焼結
温度が高いZn2SiO4、c-SiO2、化合物αの粉末
を、ガラスの粉末に混合することにより、700〜90
0℃程度の比較的低い温度で焼結させることができる。
また、誘電体磁器材料の誘電損失等の特性は、Zn2S
iO4、c-SiO2、化合物αの組成に支配されるので、
これらの組成を適正なものとすることにより、誘電損失
が小さい誘電体磁器材料を得ることができる。
0〜6.0程度の値を示し、誘電損失が0.004%以
下の値を示し、絶縁抵抗が1.0×1010Ω以上の値を
示すので、コンデンサの誘電体として使用した場合、特
に高周波帯域にて誘電損失が極めて小さいコンデンサと
することができる。
た積層型コンデンサの一例を示す。この積層型コンデン
サ1は、略直方体状の積層体2の側壁面に断面視略コ字
状の外部電極3a、3bが取り付けられてなるものであ
る。積層体2は、6枚の内部電極4a…、4b…と7枚
の誘電体層5…とが交互に積層されてなるものであっ
て、3つの内部電極4aは積層体2の側壁面にて外部電
極3aにそれぞれ接合され、別の3つの内部電極4bは
外部電極3bにそれぞれ接合されている。内部電極4a
…、4b…は例えばAg(銀)からなり、誘電体層5…
は本発明に係る誘電体磁器材料からなるものである。
成済みの誘電体磁器材料を薄片状に成形した後、複数の
薄片の間に例えば銀ペーストを挟んで積層し、これを焼
成することにより薄片が焼結されると共に銀ペーストを
介して一体化されて積層体2が形成され、この積層体2
に外部電極3a、3bを取り付けることにより、図1に
示す積層型コンデンサ1が得られる。
O2、Fe2O3の各粉末を用意し、これらをそれぞれ秤
量してエタノールと共にボールミルに入れ、24時間混
合粉砕した後に乾燥して原料粉末を調製した。尚、ガラ
スとしては、SiO2とAl2O3とB2O3とK2OとZr
O2とCuOを含んでなるものを用いた。次に、原料粉
末を大気中で750℃で2時間加熱して仮焼成を行い、
ライカイ機にて1時間粉砕して仮焼成粉を得た。この仮
焼成粉にPVA水溶液を添加して混合した後に直径20
mm、厚さ2mmの円板状のペレットに成形し、これを
大気中にて750〜950℃の温度で3時間焼成するこ
とにより、本発明の誘電体磁器材料からなる焼結体を得
た。
損失、絶縁抵抗及び焼成時における収縮率を測定した。
収縮率は、ペレットを焼成したときの寸法変化量から算
出した。結果を表1及び表2に示す。
αとしてMnO2を添加した試料11〜17は、いずれ
も誘電損失が0.01%以下であって低い誘電損失が得
られているが、特にMnO2の添加量が1重量部以下で
ある試料11〜14、16、17は、誘電損失が0.0
031%以下と極めて低い誘電損失が得られていること
がわかる。試料18については、MnO2の添加量が
0.05重量部であるが、焼成温度が950℃と高すぎ
たため、SiO2、Zn2SiO4、MnO2がガラスと溶
融してしまい、諸特性の測定が不可能となった。また、
比誘電率については、試料11〜17は、MnO2量に
係わらず、5.3〜5.8と比較的安定した値を示して
いる。また、絶縁抵抗については、試料11〜17は、
9×108Ω以上の値を示している。
化合物αとしてFe2O3を添加した試料36〜40及び
42、43は、いずれも誘電損失が0.004%以下で
あって低い誘電損失が得られているが、特にFe2O3の
添加量が1重量部以下である試料36〜39及び42、
43は、誘電損失が0.0031%以下と極めて低い誘
電損失が得られていることがわかる。また、比誘電率に
ついては、試料36〜40及び42、43は、Fe2O3
量に係わらず、4.8〜5.6と比較的安定した値を示
している。また、絶縁抵抗については、試料36〜40
及び42、43は、2×109Ω以上の値を示してい
る。
と、試料26〜35及び45〜51は、ガラス、SiO
2、Zn2SiO4、MnO2あるいはFe2O3の組成比が
本発明の組成範囲から外れているため、その誘電損失が
0.005%を越えており、誘電損失が高くなっている
ことがわかる。尚、上記の各試料のうち、試料1、26
はガラスの含有量が少なすぎたために完全に焼結させる
ことができなかった。また、試料18、41、44は、
焼結温度が高すぎたためにSiO2、Zn2SiO4、F
e2O3がガラスと溶融し、試料25はガラスの含有量が
多すぎたためにSiO2、Zn2SiO4、Fe2O3がガ
ラスと溶融した。
誘電体磁器材料は、SiO2とAl2O 3を必ず含むと共
にB2O3とK2OとZrO2とCuOのいずれかあるいは
全部を含んでなるガラスと、Zn2SiO4と、c-SiO
2とが混合されたものを主成分とし、この主成分の10
0重量部に対し化合物αが15重量部以下混合されて焼
結されてなるもので、Zn2SiO4、c-SiO2、化合
物αがガラス中に分散してなるものであり、本来、焼結
温度が高いZn2SiO4、c-SiO2、化合物α等の粉
末を、ガラスの粉末に混合することにより、700〜9
00℃程度の比較的低い温度で焼結させることができ
る。
等の特性は、Zn2SiO4、c-SiO2、化合物αの組
成に支配されるので、これらの組成を適正なものとする
ことにより、誘電損失が小さい誘電体磁器材料を得るこ
とができる。特に、本発明の誘電体磁器材料は、比誘電
率が4.0〜6.0の値を示し、誘電損失が0.004
%以下の値を示し、絶縁抵抗が1.0×1010Ω以上の
値を示すので、コンデンサの誘電体として使用した場
合、特に高周波帯域にて誘電損失が極めて小さいコンデ
ンサを構成することができる。
コンデンサの一例を示す斜視断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 SiO2とAl2O3を必ず含むと共にB2
O3とK2OとZrO 2とCuOのいずれかあるいは全部
を含んでなるガラスと、Zn2SiO4と、c-SiO2と
が下記に示す組成比で混合されたものを主成分とし、こ
の主成分の100重量部に対し、MnO2、Fe2O3、
Cr2O3、CoO、NiO、ZnO、CuOの内から選
ばれる少なくとも1以上の化合物αが15重量部以下混
合されて焼結されてなるものであることを特徴とする誘
電体磁器材料。 ガラス :10重量%以上90重量%以下 Zn2SiO4: 5重量%以上25重量%以下 c-SiO2 : 5重量%以上65重量%以下 - 【請求項2】 前記化合物αがMnO2、Fe2O3のい
ずれか一方であることを特徴とする請求項1記載の誘電
体磁器材料。 - 【請求項3】 前記化合物αがFe2O3であり、その添
加量が前記主成分の100重量部に対して15重量部以
下であることを特徴とする請求項1ないし請求項2のい
ずれかに記載の誘電体磁器材料。 - 【請求項4】 前記化合物αがMnO2であり、その添
加量が前記主成分の100重量部に対して1重量部以下
であることを特徴とする請求項1ないし請求項2のいず
れかに記載の誘電体磁器材料。
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- 1998-12-18 JP JP36170398A patent/JP3305272B2/ja not_active Expired - Fee Related
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