JP2821768B2 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ

Info

Publication number
JP2821768B2
JP2821768B2 JP1170601A JP17060189A JP2821768B2 JP 2821768 B2 JP2821768 B2 JP 2821768B2 JP 1170601 A JP1170601 A JP 1170601A JP 17060189 A JP17060189 A JP 17060189A JP 2821768 B2 JP2821768 B2 JP 2821768B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric constant
porcelain
value
multilayer ceramic
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1170601A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0337157A (ja
Inventor
成一 小泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP1170601A priority Critical patent/JP2821768B2/ja
Publication of JPH0337157A publication Critical patent/JPH0337157A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2821768B2 publication Critical patent/JP2821768B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はチタンジルコン酸バリウムBa(Ti1-xZrx)O3
を主体とした複合酸化物に、ネオジウム化合物、酸化亜
鉛(ZnO)及びマンガン化合物を添加して得られる高誘
電率系磁器を誘電体層に有する積層セラミックコンデン
サに関するものである。
〔従来の技術〕
積層セラミックコンデンサは、高誘電率系磁器からな
る誘電体層(高誘電率系磁器層)と内部電極とが交互に
積層されて構成される。具体的には、高誘電率系磁器組
成物の生シートを所定容量になるように複数枚積層し、
一体焼結後、積層体の一対の端面に外部電極を形成して
いた。
このような、積層セラミックコンデンサに使用される
高誘電率系磁器組成分は、比誘電率が10000以上と高い
こと、低温焼成できることが重要となる。即ち、比誘電
率が10000以上にすることにより、内部電極間の高誘電
率系磁器層の厚みや内部電極の対向面積が極小化でき、
これにより、積層セラミックコンデンサの小型化が達成
できる。
また、低温焼成が可能なことにより、内部電極の材料
の選択幅が増え、例えば効果なPd(パラジウム)100%
の材料から安価なAg−Pd合金の使用が可能となる。
従来、チタン酸バリウム(BaTiO3)を主体とする高誘
電率系磁器組成物として、チタン酸バリウムに所定量の
スズ酸バリウム(BaSnO3)、チタン酸カルシウム(CaTi
O3)、酸化コバルト(CoO)及び酸化マンガン(Ml O
2)などを添加した高誘電率系磁器組成物が知られてい
た(特開昭58−209806号公報)。上述の高誘電率系磁器
組成物によれば、比誘電率が10000以上となる。
また、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ジルコン酸カル
シウム(CaZrO3)に所定量のチタン酸鉛(PbTiO3)、ゲ
ルマン酸鉛(Pb5Ge3O11)及びチタン酸ビスマス(BiTi2
O7)を添加した高誘電率系磁器組成物が知られていた
(特開昭59−25104号公報)。上述の高誘電率系磁器組
成物によれば、焼成温度が1200℃以下とすることができ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上述の高誘電率系磁器組成物からなる誘電体
磁器層の積層セラミックコンデンサでは、例えば、上述
のチタン酸バリウム(BaTiO3)に所定量のスズ酸バリウ
ム(BaSnO3)、チタン酸カルシウム(CaTiO3)、酸化コ
バルト(CoO)及び酸化マンガン(MnO2)などを添加し
た高誘電率系磁器組成物(特開昭58−209806号に相当)
は、比誘電率が10000以上と大変に高いものの、焼成温
度が1300℃前後となり、積層セラミックコンデンサの内
部電極に高価なPd(パラジウム)を使用しなくてはなら
ない。即ち、積層セラミックコンデンサの小型化が可能
であっても、コストダウンに限界があった。
また、上述のチタン酸バリウム(BaTiO3)、ジルコン
酸カルシウム(CaZrO3)に所定量のチタン酸鉛(PbTi
O3)、ゲルマン酸鉛(Pb5Ge3O11)及びチタン酸ビスマ
ス(BiTi2O7)を添加した高誘電率系磁器組成物(特開
昭59−25104号に相当)を誘電体層にもった積層セラミ
ックコンデンサは、焼成温度を1200℃以下とすることが
できるため、内部電極に安価なAg−Pd(銀一パラジウ
ム)合金(Ag/Pd=70/30〜60/40)を使用することがで
きるももの、比誘電率が10000未満となるため、小型・
大容量の積層セラミックコンデンサの達成が困難であっ
た。
本発明は上述の問題点に鑑みて案出されたものであ
り、その目的は、高い比誘電率が得られ、且つ焼成温度
が比較的に低い高誘電率系磁器組成物を有する積層セラ
ミックコンデンサを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上述の課題を解決するために本発明は、高誘電率系磁
器層と、内部電極とが交互に積層して成る積層セラミッ
クコンデンサにおいて、 前記高誘電率系磁器層は、Ba(Ti1-xZrx)O3で表され
る複合酸化物のx値が0.1≦x≦0.16であり、Ba(Ti1-x
Zrx)O3100重量部に対して、ネオジウム化合物がNd2O3
に換算して0.8〜1.8OUT重量%、ZnOが0.8〜2.0OUT重量
%、マンガン化合物がMnO2に換算して0.1〜0.5OUT重量
%含有して構成され、前記内部電極は、Agを主成分とす
るAg−Pd合金から構成されていることを特徴とする積層
セラミックコンデンサである。
〔作用〕
以上のように本発明によれば、誘電体磁器層は、高純
度(99.0%以上)の複合酸化物のチタンジルコン酸バリ
ウムから主に構成されている。即ち、チタンジルコン酸
バリウムBa(Ti1-xZrx)O3と表したx値が0.1≦x≦0.1
6の範囲となっている。
xの値が0.1未満又は1.6を超える場合には、25℃での
比誘電率が8000〜6500程度となり、小型・大容量の積層
セラミックコンデンサが達成できない。
このようなチタンジルコン酸バリウム100重量部に、
所定量のネオジウム化合物、例えばNd2O3が含有されて
いる。このネオジウム化合物は、高誘電率系磁器組成物
の焼結性を向上させ、同時に、比誘電率をあげる働きを
行う。その添加量が0.8OUT重量%(Nd2O3に換算して)
未満では比誘電率が低下してしまい、また、1.8OUT重量
%(Nd2O3に換算して)を越えると、磁器密度、焼成温
度及び絶縁抵抗特性がともに低下してしまう。
さらに、チタンジルコン酸バリウム100重量部に、所
定量の酸化亜鉛(ZnO)が含有されている。この酸化亜
鉛は、高誘電率系磁器の焼成温度を調整する働きを行
う。その添加量は0.8〜2.0OUT重量%である。そして、
添加量が0.8〜2.0OUT重量%の範囲外では、焼成温度が1
200℃を越え、誘電体磁器の磁器密度が5.7g/cm3以下と
なってしまう。
さらに、チタンジルコン酸バリウム100重量部に、所
定量のマンガン化合物、例えばMnO2が含有されている。
このマンガン化合物は、高誘電率系磁器の誘電損失tan
δを改善する働きを行う。その添加量は0.1〜0.5OUT
量%である。そして、添加量が0.1OUT重量%(MnO2に換
算して)未満では、誘電損失tan δが2%以下となり、
また、0.5OUT重量%を越えると、絶縁抵抗が大きく低下
してしまう。
これらの相互作用により、積層セラミックコンデンサ
の誘電体磁器層は、高比誘電率、例えば10000以上とな
り、基本的な特性である誘電損失tan δが1.0%以下、
絶縁抵抗(IR)が1×105MΩ以上となる。
さらに、この誘電体磁器層を達成するための焼成温度
が1200℃以下となり、工業的にも製造しやすく、且つ内
部電極として安価なAgを主成分とする銀一パラジウム合
金材料を用いることができる。ここで、Agを主成分とす
る銀−パラジウムとは、Ag/Pd=70/30〜60/40のよう
に、銀成分がパラジウム成分よりも多い合金である。
これにより、本発明の積層セラミックコンデンサは、
高誘電率系の安定した特性が得られ、内部電極に銀を主
成分とした銀−パラジウム材料を用いることができ、安
価な積層セラミックコンデンサとなる。
〔実施例〕
以下、本発明の積層セラミックコンデンサを説明す
る。
積層セラミックコンデンサは、積層された高誘電率系
の誘電体磁器層間に内部電極が積層されている。そし
て、積層体の端部には、対向しあう内部電極間の誘電体
磁器層で発生する容量成分を導出する外部電極が形成さ
れている。
上述の積層体を構成する誘電体磁器層は、Ba(Ti1-xZ
rx)O3で表される複合酸化物のx値が0.1≦x≦0.16で
あり、Ba(Ti1-xZrx)O3100重量部に対して、所定量の
ネオジウム化合物、ZnO、マンガン化合物から構成され
ている。また、前記内部電極は、Agを主成分とするAg−
Pd合金から構成されている。
このような積層体は、上述の組成からなる誘電体磁器
生シート上に、内部電極となる導体膜を形成し、この生
シートを積層し、一体的に焼成して形成される。
この誘電体磁器の組成に関して、誘電体磁器層は、Ba
(Ti1-xZrx)O3で表される複合酸化物のx値が0.1≦x
≦0.16であり、Ba(Ti1-xZrx)O3100重量部に対して、
ネオジウム化合物がNd2O3に換算して0.8〜1.8OUT重量
%、ZnOが0.8〜2.0OUT重量%、マンガン化合物がMnO2
換算して0.1〜0.5OUT重量%含有して構成されている。
まず、出発材料として、チタン酸バリウム(BaTiO3
と、ジルコニア(ZrO)からなる複合酸化物、チタンジ
ルコン酸バリウムをBa(Ti1-xZrx)O3(0.1≦x≦0.1
6、平均粒径1μm未満)を主成分として、Ba(Ti1-xZr
x)O3を100重量部に対して、ネオジウム化合物、例えば
Nd2O3、ZnO及びマンガン化合物、例えばMnO2の各粉末を
表1に示す比率となるように秤量し、ボールミルにて20
時間湿式粉砕した後、有機系粘結剤を添加し、しかる後
撹拌、ドクターブレード法で厚さ30μmのテープ状に成
型した。このテープを130mm×100mmに裁断し、40枚重
ね、80℃でホットプレスで積層体を作成する。
さらにこの積層体の厚さ1mmの板状試料を直径20mmの
円板状に打ち抜き、酸素雰囲気にて1050〜1200℃で2時
間焼成した。さらに両端面に銀ペーストによる電極を焼
きつけ試料とした。
このように形成された試料について、比誘電率ε及び
誘電損失tan δを基準温度25℃、周波数1.0kHz、測定電
圧1.0Vrmで測定した。また、直流電圧50Vを1分間印加
した時の絶縁抵抗(IR)を測定した。その結果を表1に
示す。
尚、表中では、チタンジルコン酸バリウムBa(Ti1-xZ
rx)O3のx値をxで、Ba(Ti1-xZrx)O3を100重量部に
対して、ネオジウム化合物、例えばNd2O3をaOUT重量
%、ZnOをbOUT重量%、マンガン化合物、例えばMnO2をc
OUT重量%で夫々示し、a、b、cを変えてそれぞれの
誘電体磁器の特性を調べた。また試料番号に*印を付し
たものは本発明の範囲外である。
本発明の範囲の評価として、比誘電率εは10000以上
の試料を良品とした。例えば比誘電率εが10000未満で
は、充分な比誘電率が得られず、これにより積層セラミ
ックコンデンサが大型してしまう。また、誘電損失tan
δは1.0%以下の試料を良品とした。例えば誘電損失tan
δが1.0%を越えると、誘電損失不良となり、チップ化
が困難となる。さらに磁器密度は5.7g/cm3以上の試料を
良品とした。例えば磁器密度が5.7g/cm3以下ではこの誘
電率系磁器組成物を焼成した時に充分に焼成されないも
のとなる。また、銀を主成分とするAg−Pd合金からなる
内部電極と一体的に焼成するための焼成温度、1200℃以
下という低温焼成が困難となることが考えられる。さら
に、絶縁抵抗(IR)は105MΩ以上を良品とした。
試料番号1〜5は高誘電率系磁器層が母材となる複合
酸化物チタンジルコン酸バリウムBa(Ti1-xZrx)O3のx
値を0.1〜0.16まで夫々値に変化させた。このとき添加
するNd2O3、ZnO、及びMnO2の添加料を、母材となる複合
酸化物100重量部に対して、Nd2O3を1.6OUT重量%(a
値)、ZnOを1.5OUT重量%(b値)、及びMnO20.2OUT
量%(c値)と固定した。これらは、後述の夫々添加物
の本発明の範囲の代表的な値となるものである。
試料番号1(x=0.1)、試料番号5(x=0.16)で
は、誘電損失tan δ、密度、焼成温度及び絶縁抵抗IRに
ついては満足できる特性となるものの、積層セラミック
コンデンサの小型、大容量に大きく寄与する比誘電率ε
が6500しか得られず、充分な比誘電率εが得られない。
試料番号2〜4(x=0.11〜0.16)では、比誘電率ε
が10500〜14500となり充分な比誘電率εが得られ、さら
に、誘電損失tan δ、磁器密度、焼成温度(1100℃以
下)、絶縁抵抗IRとともに満足できる特性が得られる。
従って、複合酸化物チタンジルコン酸バリウムBa(Ti
1-xZrx)O3のxは、0.1〜0.16が望ましい範囲である。
次に、高誘電率系磁器組成物の母材であるチタンジル
コン酸バリウムBa(Ti1-xZrx)O3に添加するネオジウム
化合物、例えばNd2O3のa値について検討した。試料番
号6〜11はNd2O3の添加量(a値)を0.7〜1.9まで夫々
変化させた。このとき、ZnOの添加量(b値)を1.5OUT
重量%、MnO2の添加量(c値)を0.3OUT重量%とした。
試料番号6(a値=0.7)では、誘電損失tan δ、磁
器密度、焼成温度及び絶縁抵抗IRについては満足できる
特性が得られるものの、積層セラミックコンデンサの小
型・大容量化に大きく寄与する比誘電率εが8000しか得
られず、充分な比誘電率εとならない。
試料番号11(a値=1.9)では、比誘電率εが17000と
なり、磁器密度、焼成温度については満足できる特性が
得られるものの、絶縁抵抗IRが1〜2桁も低下してしま
う。
試料番号7〜10(a値=0.8〜1.8)では比誘電率εが
11000〜17500となり、誘電損失tan δ、磁器密度、焼成
温度(1160℃以下)及び絶縁抵抗IRの各特性についても
満足できる高誘電率系磁器組成物となる。これにより、
この誘電体磁器層間の内部電極に比較的安価なAgを主成
分とするAg−Pd合金を用いても、この金属の融点を越え
るが一切ない。
従って、チタンジルコン酸バリウムBa(Ti1-xZrx)O3
に添加するネオジウム化合物、例えばNd2O3は0.8〜1.8
OUT重量%が望ましい範囲である。
次に、高誘電率系磁器組成物の母材であるチタンジル
コン酸バリウムBa(Ti1-xZrx)O3に添加するZnOのb値
について検討した。試料番号12〜18はZnOの添加量(b
値)を0.7〜2.1まで夫々変化させた。このとき、Nd2O3
の添加量(a値)を1.4OUT重量%、MnO2の添加量(c
値)を0.3OUT重量%とした。
試料番号12(b値=0.7)では、誘電損失tan δ、磁
器密度、焼成温度及び絶縁抵抗IRについては満足できる
特性が得られるものの、積層セラミックコンデンサの小
型・大容量に大きく寄与する比誘電率εが9000となり、
また誘電損失tan δも1%となってしまう。
試料番号18(b値=2.1)では、比誘電率εが8500に
低下してしまい、また磁器密度、焼成温度(1200℃)に
ついても満足できる特性が得られなかった。
試料番号13〜14(b値=0.8〜2.0)では比誘電率εが
12000〜17000となり、誘電損失tan δ、磁器密度、焼成
温度(1150℃以下)及び絶縁抵抗IRの各特性についても
満足できる高誘電率系磁器組成物が得られる。
従って、チタンジルコン酸バリウムBa(Ti1-xZrx)O3
に添加するZnOは0.8〜2.0OUT重量%が望ましい範囲であ
る。
次に、高誘電率系磁器組成物の母材であるチタンジル
コン酸バリウムBa(Ti1-xZrx)O3に添加するマンガン化
合物、例えばMnO2のc値について検討した。試料番号19
〜24はMnO2の添加量(c値)を0〜0.6まで夫々変化さ
せた。このとき、Nd2O3の添加量(a値)を1.5OUT重量
%、ZnOの添加量(b値)を1.6OUT重量%とした。
試料番号19(c値=0)では、比誘電率ε(1550
0)、磁器密度、焼成温度(1120℃)及び絶縁抵抗IRに
ついては満足できる特性が得られるものの、誘電損失ta
n δが2.12%と極めて悪化してしまう。
試料番号24(c値=0.6)では、比誘電率ε(1400
0)、磁器密度、焼成温度(1120℃)についても満足で
きるものの、誘電損失tan δが1.50%、絶縁抵抗IRが9
×103と一桁も低下してしまう。
試料番号20〜23(c値=0.1〜0.5)では比誘電率εが
15000〜16600となり、誘電損失tan δ、磁器密度、焼成
温度(1120℃以下)及び絶縁抵抗IRの各特性についても
満足できる高誘電率系磁器組成物が得られる。
従って、チタンジルコン酸バリウムBa(Ti1-xZrx)O3
に添加するMnO2は0.1〜0.5OUT重量%が望ましい範囲で
ある。
以上のように、複合酸化物Ba(Ti1-xZrx)O3と表した
時、0.1≦x≦0.16とし、さらに、Ba(Ti1-xZrx)O3100
重量部に対して、マンガン化合物を0.8〜1.8OUT重量%
(Nd203に換算して)、ZnOが0.8〜2.0OUT重量%、ネオ
ジウム化合物が0.1〜0.5(MnO2に換算して)を含有して
成る高誘電率系磁器組成物では、比誘電率ε、誘電損失
tan δ、磁器密度及び絶縁抵抗IRの各特性についても満
足できるものとなる。
しかも、これらの焼成温度が1200℃未満で焼成するこ
とができるため、複数枚の誘電体磁器生シート間に、Ag
を主成分とするAg−Pd合金材料の内部電極となる導体膜
を介在されて、一体的に焼成できる。即ち、積層セラミ
ックコンデンサの内部電極に安価なAgを主成分とするAg
−Pd合金材料を用いることができ、積層セラミックコン
デンサの低コストが達成される。
続いて、上述の範囲を確認するために、複合酸化物Ba
(Ti1-xZrx)O3の添加するNd2O3、ZnO及びMnO2の添加
量、a値、b値、c値が全て範囲外となる組成について
特性をまとめた。
試料番号25は、a、b、c値が全て範囲に満たない。
即ち、a=0.7OUT重量%、b=0.7OUT重量%、c=0の
時である。この場合、比誘電率εが6500、誘電損失tan
δが2.4%、焼成温度が1220℃と成ってしまう。さらに
絶縁抵抗IR、磁器密度までも評価範囲外となってしま
い、積層セラミックコンデンサとして実用不可能なもの
となってしまう。
試料番号26は、a、b、c値が全て範囲に満える、即
ち、a=1.9OUT重量%、b=2.1OUT重量%、c=0.6OUT
重量%の時である。この場合も比誘電率εが9000、焼成
温度が1220℃と成ってしまい、絶縁抵抗IR、磁器密度ま
でも評価範囲外となってしまい、積層セラミックコンデ
ンサとして実用不可能に近い高誘電率系磁器となってし
まう。
最後に、チタンジルコン酸バリウムBa(Ti1-xZrx)O3
の平均粒径について検討した。本発明者は特にBa(Ti
1-xZrx)O3の平均粒径によって焼成温度が大きく変動す
ることを知見した。
試料番号27〜32は、高誘電率系磁器組成物の母材であ
るチタンジルコン酸バリウムBa(Ti1-xZrx)O3の平均粒
径を0.1〜1.0μmの範囲で変化させた。このときx、
a、b、cの値を夫々0.13、1.5、1.5及び0.2に固定し
た。
平均粒径が1.0μm以上の試料番号32においてのみ、
焼成温度(1250℃)と成ってしまう。
試料番号27〜31の平均粒径0.1〜0.9μmについては、
比誘電率εが12000〜17500となり、誘電損失tan δ、磁
器密度、焼成温度(1190℃以下)及び絶縁抵抗IRの各特
性についても満足できる高誘電率系磁器組成物が得られ
た。
〔発明の効果〕
以上のように、チタンジルコン酸バリウムBa(Ti1-xZ
rx)O3と表した時、0.1≦X≦0.16であり、さらに、Ba
(Ti1-xZrx)O3100重量部に対して、ネオジウム化合物
が0.8〜1.8OUT重量%(Nd2O3に換算して)、ZnOが0.8〜
2.0OUT重量%、マンガン化合物が0.1〜0.5OUT重量%(M
nO2に換算して)を含有した高誘電率系の誘電体磁器層
を有している積層セラミックコンデンサであるため、比
誘電率εが10000以上、比誘電率εが1.0%以下で、磁器
密度が5.7g/cm3、絶縁抵抗が105MΩ以上となる。また、
1200℃以下の焼成温度で完全に焼成できる誘電体磁器層
を形成することができるため、このことにより、内部電
極として、Agを主成分とするAg−Pd合金を用いることが
できる。
従って、上述の高誘電率系磁器組成物を使用した場
合、小型大容量のコンデンサが達成でき、さらに積層さ
れた生シート間に内部電極として、安価な銀−パラジウ
ム合金(Ag/Pd=70/30〜60/40)を使用することがで
き、安価な積層セラミックコンデンサとなる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高誘電率系磁器層と、内部電極とが交互に
    積層して成る積層セラミックコンデンサにおいて、 前記高誘電率系磁器層は、Ba(Ti1-xZrx)O3で表される
    複合酸化物のx値が0.1≦x≦0.16であり、Ba(Ti1-xZr
    x)O3100重量部に対して、ネオジウム化合物がNd2O3
    換算して0.8〜1.8OUT重量%、ZnOが0.8〜2.0OUT重量
    %、マンガン化合物がMnO2に換算して0.1〜0.5OUT重量
    %含有して構成され、 前記内部電極は、Agを主成分とするAg−Pd合金から構成
    されていることを特徴とする積層セラミックコンデン
    サ。
JP1170601A 1989-06-30 1989-06-30 積層セラミックコンデンサ Expired - Fee Related JP2821768B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1170601A JP2821768B2 (ja) 1989-06-30 1989-06-30 積層セラミックコンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1170601A JP2821768B2 (ja) 1989-06-30 1989-06-30 積層セラミックコンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0337157A JPH0337157A (ja) 1991-02-18
JP2821768B2 true JP2821768B2 (ja) 1998-11-05

Family

ID=15907874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1170601A Expired - Fee Related JP2821768B2 (ja) 1989-06-30 1989-06-30 積層セラミックコンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2821768B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015115878A1 (ko) 2014-02-03 2015-08-06 주식회사 엘지화학 고정전용량의 콘덴서용 권회형 적층체 및 이를 이용한 적층 권회형 콘덴서

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10132798C1 (de) * 2001-07-06 2003-01-16 Epcos Ag Keramikmaterial, keramisches Vielschichtbauelement und Verfahren zur Herstellung des Bauelements

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02123614A (ja) * 1988-11-02 1990-05-11 Tdk Corp 高誘電率系磁器組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015115878A1 (ko) 2014-02-03 2015-08-06 주식회사 엘지화학 고정전용량의 콘덴서용 권회형 적층체 및 이를 이용한 적층 권회형 콘덴서
US10784049B2 (en) 2014-02-03 2020-09-22 Lg Chem, Ltd. Winding-type stacked body for condenser with high electrostatic capacitance and stacked winding-type condenser using the same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0337157A (ja) 1991-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3046436B2 (ja) セラミックコンデンサ
JP2821768B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP3634930B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP2915217B2 (ja) 誘電体磁器及び磁器コンデンサ
JPH0244609A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH05190376A (ja) セラミックコンデンサ
JP2789110B2 (ja) 高誘電率系磁器組成物
JP2779740B2 (ja) 誘電体磁器及び磁器コンデンサ
JP3071449B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPS6234707B2 (ja)
JP2872513B2 (ja) 誘電体磁器及び磁器コンデンサ
JP3071452B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP3245313B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPH08119728A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0987014A (ja) 高誘電率磁器組成物の製造方法
JP3215003B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP2784864B2 (ja) 誘電体磁器及び磁器コンデンサ
JP2872512B2 (ja) 誘電体磁器及び磁器コンデンサ
JPH0478577B2 (ja)
JPH0536308A (ja) 高誘電率誘電体磁器組成物
JP2694975B2 (ja) 高誘電率磁器組成物の製造方法
JPH08169759A (ja) 誘電体磁器組成物
JPS63156062A (ja) 高誘電率磁器組成物及びその製造方法
JPH0360787B2 (ja)
JPH0845343A (ja) 誘電体磁器組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees