JPH0478577B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0478577B2
JPH0478577B2 JP59274754A JP27475484A JPH0478577B2 JP H0478577 B2 JPH0478577 B2 JP H0478577B2 JP 59274754 A JP59274754 A JP 59274754A JP 27475484 A JP27475484 A JP 27475484A JP H0478577 B2 JPH0478577 B2 JP H0478577B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric constant
value
composition
temperature
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59274754A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61155245A (ja
Inventor
Yohachi Yamashita
Osamu Furukawa
Mitsuo Harada
Takashi Takahashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Shibaura Electric Co Ltd filed Critical Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Priority to JP59274754A priority Critical patent/JPS61155245A/ja
Priority to EP85113411A priority patent/EP0180132B1/en
Priority to DE8585113411T priority patent/DE3586118D1/de
Priority to CA000493775A priority patent/CA1266374A/en
Publication of JPS61155245A publication Critical patent/JPS61155245A/ja
Priority to US07/157,149 priority patent/US4818736A/en
Publication of JPH0478577B2 publication Critical patent/JPH0478577B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
[発明の技術分野] 本発明は高誘電率磁器組成物に係り、特に、
Pb(Zn1/3Nb2/3)O3を主体とした誘電率温度係数
(T.C.C.)温度変化の小さい高誘電率磁器組成物
に関する。 [発明の技術的背景とその問題点] 誘電体材料として要求される電気的特性として
は、誘電率、誘電率温度係数、誘電損失、誘電率
バイアス電界依存性、容量抵抗積等があげられ
る。 特に容量抵抗積(CR値)は、十分高い値を取
る必要があり、EIAJ(日本電子機械工業会)の電
子機器用積層磁器コンデンサ(チツプ型)規格
RC−3698Bに常温で500MΩ・μF以上と規定され
ている。さらにより厳しい条件でも使用できるよ
うに、高温(例えば米国防省規格MILC−55681B
では125℃でのCR値が定められている。)でも高
いCR値を維持することが要求される。 また、誘電率温度係数の小さいことが要求され
るが、一般に誘電率(K)の大きい材料では、
T.C.C.が大きい傾向がありK/T.C.C.が大きいこ
と、すなわち、誘電率の変化の相対値の小さいこ
とが要求される。 さらに積層タイプの素子を考えた場合、電極層
と誘電体層とは一体的に焼成されるため、電極材
料としては誘電体材料の焼成温度でも安定なもの
を用いる必要がある。従つて誘電体材料の焼成温
度が高いと白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の高
価な材料を用いなければならず、銀(Ag)等の
安価な材料を使用できるように、1100℃以下程度
の低温での焼成が可能であることが要求される。 従来から知られている高誘電率磁器組成物とし
てチタン酸バリウムをベースとして、これに錫酸
塩、ジルコン酸塩、チタン酸塩等を固溶したもの
がある。確かに誘電率の高いものを得ることはで
きるが、誘電率が高くなるとT.C.C.が大きくな
り、また、バイアス電界依存性も大きくなつてし
まうという問題があつた。さらに、チタン酸バリ
ウム系の材料の焼成温度は1300〜1400℃程度と高
温であり、電極材料として必然的に白金、パラジ
ウム等の高温で耐えうる高価な材料を用いなけれ
ばならず、コスト高の原因となる。 このチタン酸バリウム系の問題点を解消すべ
く、各種組成物の研究がなされている。例えば鉄
ニオブ酸鉛を主体としたもの(特開昭57−57204
号)、マグネシウム・ニオブ酸鉛を主体としたも
の(特開昭55−51758)、マグネシウム・タングス
テン酸鉛を主体としたもの(特開昭52−21699号)
等がある。鉄ニオブ酸鉛を主体としたものは、
CR値の焼成温度による変化が大きく、特に高温
におけるCR値の低下が大きいという問題点があ
る。マグネシウム・ニオブ酸鉛を主体としたもの
は焼成温度が比較的高く、また、マグネシウム・
タングステン酸鉛を主体としたものは、CR値が
大きいと誘電率が小さく、誘電率が大きいとCR
値が小さいという問題点が有つた。さらにこれら
の材料のT.C.C.はチタン酸バリウム系より優れて
はいるものの十分ではない。 さらに、マグネシウムニオブ酸鉛とチタン酸鉛
との固溶体で必要に応じ鉛の一部をバリウム、ス
トロンチウム、カルシウムで置換した材料につい
ても研究されている(特開昭55−121959号)。し
かしながらこの材料のT.C.C.は−25〜85℃で最良
のものでも−59.8%であり、十分とは言えない。
さらに、コンデンサ材料として最も重要なCR値
については述べられておらず、コンデンサ材料と
しての有用性は明らかではない。 また、特開昭57−25607号にはマグネシウム・
ニオブ酸鉛と亜鉛ニオブ酸鉛との固溶体の材料に
ついても研究されている。しかしながらCR値、
及びT.C.C.について延べられておらず、コンデン
サ材料としての有用性は明らかではない。 [発明の目的] 本発明は以上の点を考慮してなされたもので、
誘電率が大きく、かつその温度係数の小さい高誘
電率磁器組成物を提供することを目的とする。 [発明の概要] 本発明は、一般式 xPb(Zn1/3Nb2/3)O3−yPb(Mg1/3Nb2/3)O3
zPbTiO3で表わしたとき、それぞれの成分を頂
点とする三元図の a(x=0.50,y=0.00,z=0.50) b(x=1.00,y=0.00,z=0.00) c(x=0.20,y=0.80,z=0.00) d(x=0.05,y=0.90,z=0.05) で示される各点を結ぶ線内の組成(ただし、ab
を結ぶ線分上は除く)のPbの一部を1〜35mol%
のBa及びSrの少なくとも1種で置換した高誘電
率磁器組成物である。 従来から誘電体材料として各種のペロブスカイ
ト型の磁器材料が検討されているが、亜鉛・ニオ
ブ酸鉛(Pb(Zn1/3Nb2/3)O3は磁器とした場合、
ペロブスカイト構造を取りにくく、誘電体材料と
しては適さないと考えられていた(NEC
Research & Development No.29April
1973p.15〜21参照)。本発明者等の研究によれば、
Pb(Zn1/3Nb2/3)O3のPbサイトをBaまたはSrで
適量置換することにより、磁器で安定なペロブス
カイト構造を形成できることがわかつた。さら
に、この様な磁器組成物は、非常に高い誘電率お
よび絶縁抵抗を示し、かつ、その温度特性も極め
て良好であることがわかつた。また、機械的強度
も優れたものであることがわかつた。さらに研究
を進めた結果、この亜鉛ニオブ酸鉛にマグネシウ
ム・ニオブ酸鉛およびチタン酸鉛とを組合せるこ
とにより、さらに高い誘電率と絶縁抵抗を合せ持
つ高誘電率磁器組成物が得られることを見出した
のである。 以下に本発明組成物の組成範囲について説明す
る。 Me=Ba,Srは上記した一般式のペロブスカイ
ト構造を形成するために必要な元素であり、
1mol%以下だと、パイロクロア構造が混在し、
高い誘電率および高い絶縁抵抗を示さない。
35mol%以上では誘電率が1000程度以下と小さく
なつてしまつたり、焼成温度が1100℃以上と高く
なつたりしてしまう。よつて、Me線分での置換
量は、(Pb1-〓Me〓)と表わしたとき 0.01<α<0.35 とする。 誘電体材料においては常温における容量を高く
するため、キユリー温度が常温付近(0〜30℃)
にくるようにする。本発明のMe成分は上述した
ようにペロブスカイト構造を形成するための必須
成分であるが、また、本発明磁器組成物のキユリ
ー温度を下げるシフターの働きがある。さらに、
絶縁抵抗を著しく増加させ、機械的強度も向上さ
せる。 Me成分によるPbの置換量はキユリー温度等を
考慮して適宜設定することが可能であるが、亜鉛
ニオブ酸鉛およびチタン酸鉛の多き領域(x>
0.5,z>0.1)では、10mol%以上が好ましく、
マグネシウム・ニオブ酸鉛の多い領域(y>0.6,
z<0.05)では、1mol%以上で十分その置換の
効果を発揮する。 第1図に本発明磁器組成物の組成範囲を示す。 線分adの外側では焼成温度が1100℃以上と高
くなつてしまい、また絶縁抵抗も低下し高いCR
値を得ることができない。 また、線分cdの外側では、キユリー温度がも
ともと常温付近にあるため、Me成分による置換
でキユリー点が大幅に低温側に移動して、常温に
おける誘電率が大幅に低下してしまう。また、d1
(x=0.10,y=0.80,z=0.10)としたとき、線
分cd1の内側がより好ましい。 またマグネシウム・ニオブ酸鉛は少量の添加・
含有でその効果を発揮するが実用上は1mol%以
上含有することが望ましい。 また、CR値を考慮すると、亜鉛・ニオブ酸鉛
を15mol%以上含有することが好ましく、さらに
は、20mol%以上含有することがより好ましい。
20mol%以上含有する時は、誘電損失も特に小さ
い。 またc1(x=0.40,y=0.60,z=0.00), d2(x=0.15,y=0.70,z=0.15), d3(x=0.20,y=0.60,z=0.20), c2(x=0.45,y=0.55,z=0.00)としたと
き、線分c1d1の外側では、緻密な磁器を得るのが
比較的困難である。 このように、CR値、T.C.C.,焼結性等を考慮
すると線分c1d2の内側、特に線分c2d2、さらには
線分c2d3の内側が好ましい。しかしながら誘電率
等を考慮した場合には、この様な線分で区切られ
た組成系でも十分な特性を有している。 第2図は亜鉛・ニオブ酸鉛50mol%、マグネシ
ウム・ニオブ酸鉛50mol%の組成系でのMe量に
よるCR値と誘電率の変化を示したものである。
同図から明らかなように、少量のMe成分の添加
含有によつて、大幅に特性が向上していることが
分る。特にCR値における効果は顕著であり、セ
ラミツクコンデンサとしての信頼性に優れてい
る。 本発明は、前記一般式で表わされるものを主体
とするものであるが、多少化学量論比がずれても
構わない。この組成物を酸化物に換算すると、 PbO 46.13〜69.09wt% BaO 0.00〜18.10wt% SrO 0.00〜12.99wt% ZnO 0.42〜 9.13wt% Nb2O5 15.15〜27.13wt% TiO2 0.00〜14.31wt% MgO 0.04〜 3.73wt% (ただし、BaOとSrOとの合計で0.32〜
18.10wt%) となる。 また、本発明の効果を損わない範囲での不純
物、添加物、置換物等の含有も構わない。例え
ば、MnO2,CoO,NiO,MgO,Sb2O3,ZrO2
La2O3等の遷移金属やランタニド元素があげられ
る。これらの添加物の含有量は、多くても1wt%
程度である。 特にMn,Coは有効であり、0.01〜0.5wt%程
度の少量の添加が効果的である。 次に本発明組成物の製造方法について説明す
る。 出発原料としてPb,Ba,Sr,Zn,Nb,Ti,
Mgの酸化物もしくは焼成により酸化物になる炭
酸塩、しゆう酸塩等の塩類、水酸化物、有機化合
物等を所定の割合で秤量し、十分混合した後に仮
焼する。この仮焼は700℃〜850℃程度で行う。余
り仮焼温度が低いと焼結密度が低下し、また、余
り高いと、やはり焼結密度が低下し、絶縁抵抗が
低下する。次いで仮焼物を粉砕し原料粉末を製造
する。平均粒径は0.8〜2μm程度が好ましく、余
り大きいと焼結体中にポアーが増加し、小さいと
成型性が低下する。この様な原料粉末を用い所望
の形状に成型した後、焼成することにより、高誘
電率セラミツクを得る。本発明の組成物を用いる
ことにより焼成は1100℃以下、980〜1080℃程度
と比較的低温で行うことができる。 積層タイプの素子を製造する場合は、前述の原
料粉末にバインダー、溶剤等を加えスラリー化し
て、グリーンシートを形成しこのグリーンシート
上に内部電極を印刷した後、所定の枚数を積層・
圧着し、焼成することにより製造する。この時、
本発明の誘電体材料は低温で焼結ができるため、
内部電極材料として例えばAg主体の安価な材料
を用いることができる。 また、このように低温で焼成が可能であること
から、回路基板上等に印刷・焼成する厚膜誘電体
ペーストの材料としても有効である。 この様な本発明磁器組成物は、高誘電率かつ、
そのT.C.C.が良好である。また、CR値も大きく、
特に高温でも十分な値を有し、高温での信頼性に
優れている。 T.C.C.の小さいことは本発明の大きな特徴であ
り、これは、K≧10000のごとく大きな誘電率の
場合特に顕著である。この様に誘電率の大きい場
合には、(誘電率)/(温度変化率の絶対値)の
大きいことが要求される。本発明ではこの点に関
しても非常に優れている。 さらに、誘電率バイアス電界依存性も従来のチ
タン酸バリウム系の材料と比較して優れており、
誘電率の変化率が4KV/mmでも10%以下程度の
材料を得ることもできる。したがつて、高圧用の
材料として有効である。また誘電損失が小さく、
交流用、高周波用としても有効である。 さらに前述のごとくT.C.C.が小さいため、電歪
素子へ応用した場合でも変位量の温度変化の小さ
い素子を得ることができる。 さらに、焼成時のグレインサイズも1〜3μmと
均一化されるため耐圧性にも優れている。 以上電気的特性について述べたが、機械的強度
も十分に優れたものである。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、高誘電
率でかつ温度特性、バイアス特性に優れた高誘電
率磁器組成物を得ることができる。特に、この様
な各種特性に優れた磁器を低温焼成で得ることが
できるため、積層セラミツクコンデンサ、積層型
セラミツク変位発生素子等の積層タイプのセラミ
ツク素子への応用に適している。 [発明の実施例] 以下に本発明の実施例を説明する。 出発原料としてPb,Ba,Sr,Zn,Nb,Ti,
Mgの酸化物、炭酸化物等の出発原料をボールミ
ル等で混合し、700〜850℃で仮焼する。次いでこ
の仮焼体をボールミル等で粉砕し乾燥の後、バイ
ンダーを加え造粒し、プレスして直径17mm、厚さ
約2mmの円板状素体を形成した。混合、粉砕用の
ボールは、不純物の混入を防止するため、部分安
定化ジルコニアボール等の硬度が大きく、かつ靱
性の高いボールを用いることが好ましい。 この素体を空気中980〜1080℃、2時間の条件
で焼結し、両主面に銀電極を焼付け各特性を測定
した。誘電損失、容量は、1KHz、1Vrms,25℃
の条件でのデジタルLCRメーターによる測定値
であり、この値から誘電率を算出した。また、絶
縁抵抗は、100Vの電圧を2分間印加した後、絶
縁抵抗計を用いて測定した値から算出した。な
お、T.C.C.は、25℃の値を基準とし、−25℃,85
℃での変化率で表わした。容量抵抗積は、25℃お
よび125℃での(誘電率)×(絶縁抵抗)×(真空の
誘電率)から求めた。絶縁抵抗の測定は、空気中
の湿気の効果を除くためシリコーンオイル中で行
つた。その結果を第1表に示す。
【表】
【表】 第1表から明らかなように、本発明磁器組成物
は、高誘電率(K=2200以上)かつ、温度特性が
良好(−25〜85℃で−53%以内)である。CR値
も1900MΩ・μF(25℃)以上と大きく、特に、125
℃でも、350MΩ・μF以上であり、高温での信頼
性に優れている。また、T.C.C.の小さいことはK
≧10000のごとくの大きな誘電率の場合特に顕著
である。この様に誘電率の大きい場合には、(誘
電率)/(温度変化率の絶対値)の大きいことが
要求される。本発明実施例では、K≧10000のと
きこの値が220以上となり、非常に優れている。
さらに誘電率バイアス電界依存性も1KV/mmで
45%以内と優れている。また誘電損失が25℃、
1KHzで3.5%以下と小さい。 さらに、亜鉛・ニオブ酸鉛を15mol%以上含有
する組成では、CR値が2000MΩ・μF以上となり、
また、20mol%以上では3000MΩ・μF以上と極め
て優れた値を取る。また、20mol%以上では誘電
損失も2%以下と非常に小さい値を示す。 参考例は本発明組成の範囲外のものである。 Me成分を含まないものは(参考例1〜7)、誘
電率が小さく、またCR値も極めて小さく、誘電
損失が大きく、さらに、T.C.C.も大きくなつてし
まう。また、参考例8はMe成分を過剰に加えた
ものであるが、誘電率が小さく、その温度変化も
極めて大きい。 第3図に誘電率の温度特性を示す。比較のた
め、市販の積層コンデンサ用のチタン酸バリウム
系の材料の特性を合せて示した(参考例9,10)。
参考例9は25℃で12000程度の大きい誘電率を示
すものの−25℃および85℃では−80%以下のT.
C.C.を示す。これに対し本発明では、K=11000
(25℃)のものでも(実施例8)わずか−41%以
内であり、K=6500(25℃)のものでは(実施例
3)−20%以内と極めて小さい。このT.C.C.は、
常温での値に対する負の変化より正の変化のほう
が重視され、+30%以上の変化を示す材料はEIA,
EIAJおよびJISのコンデンサのどの規格も満足せ
ず、コンデンサ材料としては全く実用性がない。
たとえば、参考例1,2,3,6,7,8等では
コンデンサ材料として全く実用的ではない。 第4図は直流バイアス電界依存性を示す図であ
る。一般に誘電率はバイアス電界が高くなるにつ
れ低下する傾向があり、この傾向は誘電率が高い
ほど顕著になる。参考例9は、誘電率が12000程
度であるが、1KV/mmで−80%,2KV/mmで−
93%と非常に大きな低下の傾向を示している。こ
れに対し実施例8は誘電率が11000とほぼ同等の
大きさであるにもかかわらず1KV/mmで−45%
と極めて小さく、2KV/mmでも−64%程度に過
ぎない。 さらにチタン酸バリウム(参考例10)は実施例
24と同程度の誘電率を示すが、4KV/mmで−50
%の変化を示すのに対し、実施例24では−10%と
極めて小さい。このように直流バイアス電界依存
性の小さい本発明組成物は高圧用のコンデンサ材
料として有効である。また、積層コンデンサを考
えた場合、同一形状で大容量化を考えた場合、誘
電体層一層当たりの厚みを薄くする必要がある
が、この場合、一層あたりの印加電界が高くなる
ことになる。しかしながら本発明の組成物はバイ
アス特性に優れているため、この様な素子に応用
した場合でも特性が低下することがない。また実
施例24の試料では誘電損失が0.01%と極めて小さ
いため、交流用としても適している。 第5図に実施例8の電気歪みを示す。電気歪み
は、接触型変位検出用ポテンシヨメータで縦効果
の変位を検出し、試料の印加電界の関数として、
XYレコーダーを用いて記録した。試料の形状は
1.00mm厚、直径12.0mmの円板状で、試料の両面に
銀ペーストを800℃で焼付けて電極としたものを
用いた。歪みと電界の関係は、ヒステリシスのほ
とんど見られない2次曲線となつており、
10KV/cmの電界印加時に0.85×10-4の縦効果電
歪を示した。第5図から明らかなように本発明の
磁器組成物は積層セラミツクアクチユエーター用
の材料としても使用できることがわかる。 第6図は実施例8のX線デイフラクシヨンパタ
ーン図であるが、ほぼ完全なペロブスカイト相と
なつている。従つて誘電率が11000,CR値
34000MΩ・μF(25℃),6000MΩ・μF(125℃)と
優れた値を示している。これに対しPbサイトの
Baによる置換のない参考例3の場合は、第7図
に示したように多量のパイロクロール相が見られ
る。従つて、誘電率が4500と小さく、CR値も
620MΩ・μF(25℃)と極めて小さく、全く実用的
ではない。 次いで実施例8の組成を用いて積相セラミツク
コンデンサを作成した実施例を説明する。まず、
この様な組成を有する焙焼粉にバインダー、有機
溶剤を加えてスラリー化した後ドクタープレイド
型キヤスターを用いて30μmのグリーンシートを
作成した。このグリーンシート上に80Ag/20Pd
の電極ペーストを所定のパターンで印刷し、この
様な電極パターンを有するシートを20層積層圧着
した。その後、所定の形状に切断し、脱脂を行い
1020℃、2Hの条件で焼成を行つた。焼結後、外
部電極としてAgペーストを焼付け、積層セラミ
ツクコンデンサを製造した。その電気的特性を第
2表に示す。
【表】 得られた積層セラミツクコンデンサの誘電率は
約11000であり、各特性が十分に優れていること
がわかる。特にT.C.C.は−25℃〜85℃で±50%以
内であり、JISのE特性およびEIAのZ5U特性を
満足するものである。 前述の如く、本発明の効果を損なわない範囲、
1wt%以下程度、好ましくは0.5wt%以下のMn,
Co等を添加しても良い。この様な添加物は、耐
圧の向上、T.C.C.の改良、誘電損失の低減等の効
果を得ることもでき、少量、0.01wt%程度でその
効果は現れる。第3表にMnO,CoOを添加した
場合の諸特性を示す。 また第2表と同様に実施例8の組成に0.1mol
%のMnO及びCoOを添加したものを用い、同様
に積層セラミツクコンデンサを製造した。その結
果を第4表に示す。 この様に、本発明による高誘電率磁器組成物
は、T.C.C.等の各種特性に優れており、特に積層
セラミツクコンデンサ用の材料として有効であ
る。
【表】
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の組成範囲を示す組成図、第
2図は、Me量による特性の変化を示す図、第3
図は、誘電率の温度特性曲線図、第4図は、誘電
率の直流バイアス電界特性曲線図、第5図は、電
気歪みを示す特性曲線図、第6図および第7図
は、X線デイフラクシヨンパターン図。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 xPb(Zn1/3Nb2/3)O3−yPb(Mg1/3Nb2/3)O3
    zPbTiO3で表わしたとき、それぞれの成分を頂
    点とする三元図の a(x=0.50,y=0.00,z=0.50) b(x=1.00,y=0.00,z=0.00) c(x=0.20,y=0.80,z=0.00) d(x=0.05,y=0.90,z=0.05) で示される各点を結ぶ線内の組成(ただし、ab
    を結ぶ線分上は除く)のPbの一部を1〜35mol%
    のBa及びSrの少なくとも一種で置換したことを
    特徴と高誘電率磁器組成物。 2 Mn及びCoの少なくとも一種を0.5wt%以下
    含有することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の高誘電率磁器組成物。
JP59274754A 1984-10-25 1984-12-28 高誘電率磁器組成物 Granted JPS61155245A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59274754A JPS61155245A (ja) 1984-12-28 1984-12-28 高誘電率磁器組成物
EP85113411A EP0180132B1 (en) 1984-10-25 1985-10-22 High dielectric constant type ceramic composition
DE8585113411T DE3586118D1 (de) 1984-10-25 1985-10-22 Keramische zusammensetzung mit hoher dielektrischer konstante.
CA000493775A CA1266374A (en) 1984-10-25 1985-10-24 High dielectric constant type ceramic composition
US07/157,149 US4818736A (en) 1984-10-25 1988-02-11 High dielectric constant type ceramic composition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59274754A JPS61155245A (ja) 1984-12-28 1984-12-28 高誘電率磁器組成物

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3236856A Division JPH0715855B2 (ja) 1991-08-26 1991-08-26 セラミックコンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61155245A JPS61155245A (ja) 1986-07-14
JPH0478577B2 true JPH0478577B2 (ja) 1992-12-11

Family

ID=17546115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59274754A Granted JPS61155245A (ja) 1984-10-25 1984-12-28 高誘電率磁器組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS61155245A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4882652A (en) * 1986-11-04 1989-11-21 Kabushiki Kaisha Toshiba High dielectric constant type ceramic composition
JPH01100051A (ja) * 1987-10-12 1989-04-18 Mitsubishi Mining & Cement Co Ltd 誘電体磁器組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61155245A (ja) 1986-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3046436B2 (ja) セラミックコンデンサ
JP2566995B2 (ja) 高誘電率磁器組成物及びセラミックコンデンサ
JP2004238251A (ja) 誘電体磁器組成物、及びセラミック電子部品
US4818736A (en) High dielectric constant type ceramic composition
JPH0785460B2 (ja) 積層型磁器コンデンサ
JP2915217B2 (ja) 誘電体磁器及び磁器コンデンサ
JP2660010B2 (ja) 高誘電率磁器組成物及びセラミックコンデンサ
JP2001278659A (ja) 誘電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及びその製造方法
JPH0478577B2 (ja)
KR890004286B1 (ko) 고유전율(高誘電率) 자기 조성물
JP2779740B2 (ja) 誘電体磁器及び磁器コンデンサ
JPS61251563A (ja) 高誘電率磁器組成物
JP2821768B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JPH0544763B2 (ja)
KR890002696B1 (ko) 고유전율 세라믹 재료 및 그 제조방법
JPH04363012A (ja) セラミックコンデンサ
JPH0460943B2 (ja)
JPS6117087B2 (ja)
JP2872513B2 (ja) 誘電体磁器及び磁器コンデンサ
JPS6226705A (ja) 高誘電率磁器組成物
JPH0588486B2 (ja)
JP2958826B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPS62254305A (ja) 高誘電率磁器組成物
JP2694975B2 (ja) 高誘電率磁器組成物の製造方法
JPS62153162A (ja) 高誘電率磁器組成物

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term