JPS6117087B2 - - Google Patents
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- JPS6117087B2 JPS6117087B2 JP59094601A JP9460184A JPS6117087B2 JP S6117087 B2 JPS6117087 B2 JP S6117087B2 JP 59094601 A JP59094601 A JP 59094601A JP 9460184 A JP9460184 A JP 9460184A JP S6117087 B2 JPS6117087 B2 JP S6117087B2
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Landscapes
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- Ceramic Capacitors (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
〔発明の技術分野〕
本発明は高誘電率磁器組成物に係り、特に積層
セラミツクコンデンサ等に好適な低温焼結可能で
かつ誘電率の温度特性、直流電圧依存性等の電気
的諸特性に優れた高誘電率磁器組成物に関する。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 従来から誘電体磁器組成物としてチタン酸バリ
ウム(BaTiO3)を主成分としたものが良く知られ
ている。しかしながらBaTiO3系の材料は、その
焼結温度が1300〜1400℃と高温であり、焼結時の
熱エネルギーコスト増、焼成炉等の熱劣化の問題
があるためコスト上昇の一因となつていた。又、
積層形コンデンサを形成した場合、積層される内
部電極は磁器組成物と同時焼成であるため、前記
のような高温で耐え得る材料、例えばPd,Pt等
の高価な貴金属を用いる必要があり、やはりコス
ト増を招く要因となつていた。 近年、Pb(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3系磁器
組成物の特性が研究され(Soviet Physics Solid
State 2(1)P63−65(1960),N.N.Krainik)、こ
れを用いたモノリシツクコンデンサとして特開昭
52−21662号が提案されている。このPb
(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3系の磁器組成物は
1000℃以下程度の低温で焼結可能であるため、有
望な材料である。 このような系を改良したものとして、Pb
(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3−Pb
(Mg1/3W2/3)O3系(特開昭55−111011号)、
Pb(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3−Pb
(Mg1/3Ta2/3)O3系(特開昭55−117809号)、
Pb(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3−Pb
(Ni1/3Nb2/3)O3系(特開昭58−161972号)等
が提案されている。 ところで誘電体磁器組成物として要求される電
気的特性としては 誘電率が高いこと 誘電損失が小さいこと 絶縁抵抗が高いこと が基本的に挙げられる。誘電率は、自動車用、産
業機器への応用を考えた場合、広い温度範囲で変
化率の小さいことが要求される。一般に温度補償
用コンデンサは誘電率が小さく、高誘電率で、か
つ温度依存性の小さいものを得るのは困難であつ
た。さらには電圧変動、各種機器への応用を考え
ると直流電圧依存性も小さいことが要求される。 又、絶縁抵抗も高い温度でも高い値をとること
が好ましく、例えば米国防総省の規格である
Millitary SpecficationのMIL−C−55681Bに125
℃の値が定められているように、高信頼の部品を
得るめには必要な条件である。 このように、各種電気特性に優れ、かつ低温焼
結可能な高誘電率磁器組成物は、得られていない
のが現状である。 〔発明の目的〕 本発明は以上の点を考慮してなされたもので、
1000℃以下程度の低温で焼結ができ、特に電気的
特性の温度に対する安定性及び誘電率の直流電圧
依存性の小さい高誘電率磁器組成物を提供するこ
とを目的とする。 〔発明の概要〕 本発明は、実質的にマグネシウム・タングステ
ン酸鉛〔Pb(Mg1/2W1/2)O3〕、チタン酸鉛
〔PbTiO3〕及び銅・タングステン酸バリウム〔Ba
(Cu1/2W1/2)O3〕の3元系の磁器組成物で、必
要に応じ酸化マンガンを加えたものであり、磁器
組成物中におけるPb,Mg,W,Ti,Ba及びCu
の含有量が夫々酸化物に換算して、 PbO 54.8〜66.6% MgO 2.8〜4.0% WO3 19.1〜24.7% TiO2 6.9〜11.0% BaO 0.23〜8.3% CuO 0.06〜2.14% (%はすべて重量%) である高誘電率磁器組成物であり、必要に応じこ
の系100mol%に対し、MnをMnOに換算して
1.0mol%以下、好ましくは0.01〜1.0mol%含有さ
せた高誘電率磁器組成物である。 以下に本発明における組成範囲の限定理由につ
いて説明する 本発明で規定した磁器組成物は、xPb
(Mg1/2W1/2)O3−yPbTiO3−zBa
(Cu1/2W1/2)O33元図を示す第1図の斜線部
(境界を含む)内のものである。なお第1図中に
おける各点は、 A;(x=0.66,y=0.33,z=0.01) B;(x=0.545,y=0.45,z=0.005) C;(x=0.47,y=0.45,z=0.08) D;(x=0.48,y=0.43,z=0.14) E;(x=0.53,y=0.29,z=0.18) を表わしたものである。 A−B線よりBa(Cu1/2W1/2)O3の少ない
領域()では絶縁抵抗が、1010Ω・cm(125
℃)以下程度と小さく、又、機械的強度も500
Kg/cm2以下と小さくなつてしまう。 B−C−D線よりPbTiO3の多い領域()で
は、誘電損失(tanδ)が3%以上と大きく、ま
た高温での絶縁抵抗が1011Ω・cm(125℃)以下
と小さくなつてしまう。 C−D−E線よりBa(Cu1/2W1/2)O3の多
い領域()では、誘電率が2000(20℃)以下と
小さく、誘電損失が3%以上と大きすぎ、容量・
抵抗積(CR値)が1000以下と小さすぎ実用的で
はない。 A−E線よりPb(Mg1/2W1/2)O3の多い領
域()では、誘電率が1000(20℃)以下と小さ
くなりすぎる。 誘電率の温度依存性はキユリー温度(Tc)の
位置により、大きく影響されるが、A−B−C−
D−Eの領域内の組成物であれば−55℃〜+125
℃の範囲で室温値に対し+22%〜−33%以内の変
動におさまり、米国規格EIAX7Tを満た、優れた
温度に対する安定性を得ることができる。 このように本発明の組成物は、
セラミツクコンデンサ等に好適な低温焼結可能で
かつ誘電率の温度特性、直流電圧依存性等の電気
的諸特性に優れた高誘電率磁器組成物に関する。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 従来から誘電体磁器組成物としてチタン酸バリ
ウム(BaTiO3)を主成分としたものが良く知られ
ている。しかしながらBaTiO3系の材料は、その
焼結温度が1300〜1400℃と高温であり、焼結時の
熱エネルギーコスト増、焼成炉等の熱劣化の問題
があるためコスト上昇の一因となつていた。又、
積層形コンデンサを形成した場合、積層される内
部電極は磁器組成物と同時焼成であるため、前記
のような高温で耐え得る材料、例えばPd,Pt等
の高価な貴金属を用いる必要があり、やはりコス
ト増を招く要因となつていた。 近年、Pb(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3系磁器
組成物の特性が研究され(Soviet Physics Solid
State 2(1)P63−65(1960),N.N.Krainik)、こ
れを用いたモノリシツクコンデンサとして特開昭
52−21662号が提案されている。このPb
(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3系の磁器組成物は
1000℃以下程度の低温で焼結可能であるため、有
望な材料である。 このような系を改良したものとして、Pb
(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3−Pb
(Mg1/3W2/3)O3系(特開昭55−111011号)、
Pb(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3−Pb
(Mg1/3Ta2/3)O3系(特開昭55−117809号)、
Pb(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3−Pb
(Ni1/3Nb2/3)O3系(特開昭58−161972号)等
が提案されている。 ところで誘電体磁器組成物として要求される電
気的特性としては 誘電率が高いこと 誘電損失が小さいこと 絶縁抵抗が高いこと が基本的に挙げられる。誘電率は、自動車用、産
業機器への応用を考えた場合、広い温度範囲で変
化率の小さいことが要求される。一般に温度補償
用コンデンサは誘電率が小さく、高誘電率で、か
つ温度依存性の小さいものを得るのは困難であつ
た。さらには電圧変動、各種機器への応用を考え
ると直流電圧依存性も小さいことが要求される。 又、絶縁抵抗も高い温度でも高い値をとること
が好ましく、例えば米国防総省の規格である
Millitary SpecficationのMIL−C−55681Bに125
℃の値が定められているように、高信頼の部品を
得るめには必要な条件である。 このように、各種電気特性に優れ、かつ低温焼
結可能な高誘電率磁器組成物は、得られていない
のが現状である。 〔発明の目的〕 本発明は以上の点を考慮してなされたもので、
1000℃以下程度の低温で焼結ができ、特に電気的
特性の温度に対する安定性及び誘電率の直流電圧
依存性の小さい高誘電率磁器組成物を提供するこ
とを目的とする。 〔発明の概要〕 本発明は、実質的にマグネシウム・タングステ
ン酸鉛〔Pb(Mg1/2W1/2)O3〕、チタン酸鉛
〔PbTiO3〕及び銅・タングステン酸バリウム〔Ba
(Cu1/2W1/2)O3〕の3元系の磁器組成物で、必
要に応じ酸化マンガンを加えたものであり、磁器
組成物中におけるPb,Mg,W,Ti,Ba及びCu
の含有量が夫々酸化物に換算して、 PbO 54.8〜66.6% MgO 2.8〜4.0% WO3 19.1〜24.7% TiO2 6.9〜11.0% BaO 0.23〜8.3% CuO 0.06〜2.14% (%はすべて重量%) である高誘電率磁器組成物であり、必要に応じこ
の系100mol%に対し、MnをMnOに換算して
1.0mol%以下、好ましくは0.01〜1.0mol%含有さ
せた高誘電率磁器組成物である。 以下に本発明における組成範囲の限定理由につ
いて説明する 本発明で規定した磁器組成物は、xPb
(Mg1/2W1/2)O3−yPbTiO3−zBa
(Cu1/2W1/2)O33元図を示す第1図の斜線部
(境界を含む)内のものである。なお第1図中に
おける各点は、 A;(x=0.66,y=0.33,z=0.01) B;(x=0.545,y=0.45,z=0.005) C;(x=0.47,y=0.45,z=0.08) D;(x=0.48,y=0.43,z=0.14) E;(x=0.53,y=0.29,z=0.18) を表わしたものである。 A−B線よりBa(Cu1/2W1/2)O3の少ない
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℃)以下程度と小さく、又、機械的強度も500
Kg/cm2以下と小さくなつてしまう。 B−C−D線よりPbTiO3の多い領域()で
は、誘電損失(tanδ)が3%以上と大きく、ま
た高温での絶縁抵抗が1011Ω・cm(125℃)以下
と小さくなつてしまう。 C−D−E線よりBa(Cu1/2W1/2)O3の多
い領域()では、誘電率が2000(20℃)以下と
小さく、誘電損失が3%以上と大きすぎ、容量・
抵抗積(CR値)が1000以下と小さすぎ実用的で
はない。 A−E線よりPb(Mg1/2W1/2)O3の多い領
域()では、誘電率が1000(20℃)以下と小さ
くなりすぎる。 誘電率の温度依存性はキユリー温度(Tc)の
位置により、大きく影響されるが、A−B−C−
D−Eの領域内の組成物であれば−55℃〜+125
℃の範囲で室温値に対し+22%〜−33%以内の変
動におさまり、米国規格EIAX7Tを満た、優れた
温度に対する安定性を得ることができる。 このように本発明の組成物は、
以上説明したように本発明によれば、誘電率の
温度依存性、直流電圧依存性が少なく、かつ低温
焼結ができる高誘電率磁器組成物を得ることがで
きる。 〔発明の実施例〕 以下に本発明の実施例を説明する。 出発原料として、Pb,Mg,W,Ti,Ba,Cu
及び必要に応じてMnの酸化物、もしくは焼結後
に酸化物になる炭酸塩、又はシユウ酸塩等の金属
の有機化合物を所定の配合比となるように秤量
し、各原料を例えばボールミル中で混合を行な
い、750〜800℃程度で仮焼する。次いでこの粉末
をボールミル等で粉砕し、乾燥の後、バインダー
を加え造粒後プレスし、直径17mm厚さ約2mmの円
板状素体を形成した。 この素体を空気中850〜950℃2時間の条件で焼
結し、両主面に銀電極を焼付け、各特性を測定し
た。誘電損失、容量は1kHz、1Vrms、20℃の条
件でのデジタルLCRメーターによる測定の値で
あり、この値から誘電率を算出した。又、絶縁抵
抗は100Vの電圧を1分間印加して、絶縁抵抗計
を用いて測定した値から算出した比抵抗で表わ
す。なお誘電率の温度特性は、20℃の値を基準と
し、−55℃、+125℃の温度での変化率で表わし
た。 (容量・抵抗積は、20℃のε(誘電率)×ρ(絶縁
抵抗)×ε0(真空の誘電率)) さらに機械的強度は、13mm×2mm×0.5mmの矩
形状試料を用い、3点法により I=3Pm・l/(2W・t2) 〔Kg/cm2〕 (ただし、Pm;破壊荷重 l;支点間距離 9mm W;試料幅 2mm t;試料厚 0.5mm) なる式により得られる抵抗強度で表わした。 この結果を第1表に示す。
温度依存性、直流電圧依存性が少なく、かつ低温
焼結ができる高誘電率磁器組成物を得ることがで
きる。 〔発明の実施例〕 以下に本発明の実施例を説明する。 出発原料として、Pb,Mg,W,Ti,Ba,Cu
及び必要に応じてMnの酸化物、もしくは焼結後
に酸化物になる炭酸塩、又はシユウ酸塩等の金属
の有機化合物を所定の配合比となるように秤量
し、各原料を例えばボールミル中で混合を行な
い、750〜800℃程度で仮焼する。次いでこの粉末
をボールミル等で粉砕し、乾燥の後、バインダー
を加え造粒後プレスし、直径17mm厚さ約2mmの円
板状素体を形成した。 この素体を空気中850〜950℃2時間の条件で焼
結し、両主面に銀電極を焼付け、各特性を測定し
た。誘電損失、容量は1kHz、1Vrms、20℃の条
件でのデジタルLCRメーターによる測定の値で
あり、この値から誘電率を算出した。又、絶縁抵
抗は100Vの電圧を1分間印加して、絶縁抵抗計
を用いて測定した値から算出した比抵抗で表わ
す。なお誘電率の温度特性は、20℃の値を基準と
し、−55℃、+125℃の温度での変化率で表わし
た。 (容量・抵抗積は、20℃のε(誘電率)×ρ(絶縁
抵抗)×ε0(真空の誘電率)) さらに機械的強度は、13mm×2mm×0.5mmの矩
形状試料を用い、3点法により I=3Pm・l/(2W・t2) 〔Kg/cm2〕 (ただし、Pm;破壊荷重 l;支点間距離 9mm W;試料幅 2mm t;試料厚 0.5mm) なる式により得られる抵抗強度で表わした。 この結果を第1表に示す。
【表】
【表】
第1表から明らかなごとく、本発明の範囲に含
まれるものは、誘電率が低いもので2000以上、高
いものは6000以上と高く、誘電損失が2.5%以下
と小さいものを1000℃以下程度の低温で焼結でき
る。又、比抵抗が大きく、高温に到つても減少は
極めて少ない。これはC・R値が1000〜5000と大
きいことからもわかる。さらに誘電率の温度変化
も±32%以内と非常に良好である。 このように本発明の範囲に含まれるものは、低
温焼結ができ、かつ温度変化の少ない高誘電率、
高い温度でも安定な絶縁抵抗、十分な機械的強度
を得ることができる。 試料1は前述の領域に属する比較例である
が、誘電率が小さく、実用的ではない。試料3は
領域に属する比較例であるが、強度が著しく劣
り、誘電率の温度変化も大きく、比抵抗も小さ
い。試料13は領域に属する比較例であるがtan
δが大きく、CR値が小さく、誘電率の温度変化
が大きい。試料14は領域に属する比較例である
が、高温における比抵抗の減少、誘電率の温度変
化及びtanδが大きく、実用上好ましくない。 又、試料15〜31は酸化マンガンを含有するもの
である。表から明らかなようにtanδを1/2〜1/3
に低減し、さらに誘電率の温度特性を改善する効
果がある。又、強度的にも向上する。しかしなが
ら、添加量が多いと(試料32,33)誘電率、CR
値、絶縁抵抗が低下してしまい、tanδが増加し
てしまい、添加による効果が得られないばかり
か、かえつて特性を劣化させてしまう。又、Ba
(Cu1/2W1/2)O3を含まない2元系ではMnOの
添加効果(試料34)は得られない。 第2図は試料7にMnOを添加した時の特性の
変化を示す図である。実線は誘電率であり、点線
はtanδである。MnOの添加に伴ない、誘電率の
ピークが2個でてくることがわかる。Aは試料
7、Bは試料23、Cは試料33を表わす。MnOが
多いと2つのピークが消えてしまう。この効果は
本発明の3元系にのみ現われ、第3図に2元系の
もの(試料3D、試料34E)ではみられない。 第1表からもMnO含有の効果は明らかである
が、前述のごとく誘電率の温度特性には2つの近
接したピークがあらわれるため、フラツトな特性
が得られ、狭い温度範囲では、より効果が顕著で
ある。第2表にMnOのみが異なる試料を用いて
−25℃〜+85℃の誘電率の20℃での誘電率に対す
る変化を示す。
まれるものは、誘電率が低いもので2000以上、高
いものは6000以上と高く、誘電損失が2.5%以下
と小さいものを1000℃以下程度の低温で焼結でき
る。又、比抵抗が大きく、高温に到つても減少は
極めて少ない。これはC・R値が1000〜5000と大
きいことからもわかる。さらに誘電率の温度変化
も±32%以内と非常に良好である。 このように本発明の範囲に含まれるものは、低
温焼結ができ、かつ温度変化の少ない高誘電率、
高い温度でも安定な絶縁抵抗、十分な機械的強度
を得ることができる。 試料1は前述の領域に属する比較例である
が、誘電率が小さく、実用的ではない。試料3は
領域に属する比較例であるが、強度が著しく劣
り、誘電率の温度変化も大きく、比抵抗も小さ
い。試料13は領域に属する比較例であるがtan
δが大きく、CR値が小さく、誘電率の温度変化
が大きい。試料14は領域に属する比較例である
が、高温における比抵抗の減少、誘電率の温度変
化及びtanδが大きく、実用上好ましくない。 又、試料15〜31は酸化マンガンを含有するもの
である。表から明らかなようにtanδを1/2〜1/3
に低減し、さらに誘電率の温度特性を改善する効
果がある。又、強度的にも向上する。しかしなが
ら、添加量が多いと(試料32,33)誘電率、CR
値、絶縁抵抗が低下してしまい、tanδが増加し
てしまい、添加による効果が得られないばかり
か、かえつて特性を劣化させてしまう。又、Ba
(Cu1/2W1/2)O3を含まない2元系ではMnOの
添加効果(試料34)は得られない。 第2図は試料7にMnOを添加した時の特性の
変化を示す図である。実線は誘電率であり、点線
はtanδである。MnOの添加に伴ない、誘電率の
ピークが2個でてくることがわかる。Aは試料
7、Bは試料23、Cは試料33を表わす。MnOが
多いと2つのピークが消えてしまう。この効果は
本発明の3元系にのみ現われ、第3図に2元系の
もの(試料3D、試料34E)ではみられない。 第1表からもMnO含有の効果は明らかである
が、前述のごとく誘電率の温度特性には2つの近
接したピークがあらわれるため、フラツトな特性
が得られ、狭い温度範囲では、より効果が顕著で
ある。第2表にMnOのみが異なる試料を用いて
−25℃〜+85℃の誘電率の20℃での誘電率に対す
る変化を示す。
【表】
このように1.0mol%以下のMnOを加えた場合
(試料23)は11%以内の変動巾面でであるのに対
し、MnOを加えない場合(試料7)は15%、加
えすぎた場合(試料32)は、加えない場合よりさ
らに悪く19%となつてしまう。 又、直流電圧依依存性であるが、試料23の組成
で、厚み100μmのものにAl電極を蒸着した試料
を用いて測定し、その結果を第4図に示す(曲線
α)。測定は1kHz1Vrmsの交流に重畳して行なつ
た。 第4図には比較例としてBaTiO3系の従来材
((BaTiO3)0.835(CaZrO3)0.10(BaSnO3)0.065)
(比較例1)を曲線β、試料3を曲線γとして併
せて記載した。 同図から明らかなように、BaTiO3系の材料は
バイアス電圧0のときは誘電率が9000〜10000と
非常に高いが、電圧印加とともに急激に減少して
しまう。又、Pb(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3系
の2元系でも同様である。これに対し、本発明の
ものは、1000V/mmまで印加されても変化率は10
%以内である。これは本発明の範囲内の組成物で
得られる顕著な効果である。このように直流バイ
アス依存性が小さいと、例えば積層コンデンサを
考えた場合、一層あたりの厚みを薄くできるた
め、小型化、大容量化が達成できる。 第1表に示す試料17,23,25,26及び比較例と
して試料3,34、前述の比較例1について
1000V/mmの容量変化率を第3表に示す。
(試料23)は11%以内の変動巾面でであるのに対
し、MnOを加えない場合(試料7)は15%、加
えすぎた場合(試料32)は、加えない場合よりさ
らに悪く19%となつてしまう。 又、直流電圧依依存性であるが、試料23の組成
で、厚み100μmのものにAl電極を蒸着した試料
を用いて測定し、その結果を第4図に示す(曲線
α)。測定は1kHz1Vrmsの交流に重畳して行なつ
た。 第4図には比較例としてBaTiO3系の従来材
((BaTiO3)0.835(CaZrO3)0.10(BaSnO3)0.065)
(比較例1)を曲線β、試料3を曲線γとして併
せて記載した。 同図から明らかなように、BaTiO3系の材料は
バイアス電圧0のときは誘電率が9000〜10000と
非常に高いが、電圧印加とともに急激に減少して
しまう。又、Pb(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3系
の2元系でも同様である。これに対し、本発明の
ものは、1000V/mmまで印加されても変化率は10
%以内である。これは本発明の範囲内の組成物で
得られる顕著な効果である。このように直流バイ
アス依存性が小さいと、例えば積層コンデンサを
考えた場合、一層あたりの厚みを薄くできるた
め、小型化、大容量化が達成できる。 第1表に示す試料17,23,25,26及び比較例と
して試料3,34、前述の比較例1について
1000V/mmの容量変化率を第3表に示す。
【表】
第3表から明らかなように、本発明に属するも
のはいずれも10%以内の変動でおさまり、直流電
圧依存性の小さいことがわかる。 このように、Pb(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3
−Ba(Cu1/2W1/2)O3の3成分固溶型の本発
明の高誘電率磁器組成物は、誘電率が2000〜6000
と大きく、かつ−55℃〜125℃でも±22/33%以内
の小さい変化しか示さず;絶縁抵抗が125℃でも
1012Ωcmと大きく;tanδが2.5%以下と小さく;
さらに直流電圧依存性が1000V/mmでも15%以内
と小さい等の優れた特性を有し、かつ850〜1000
℃程度と低温で焼結できる。
のはいずれも10%以内の変動でおさまり、直流電
圧依存性の小さいことがわかる。 このように、Pb(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3
−Ba(Cu1/2W1/2)O3の3成分固溶型の本発
明の高誘電率磁器組成物は、誘電率が2000〜6000
と大きく、かつ−55℃〜125℃でも±22/33%以内
の小さい変化しか示さず;絶縁抵抗が125℃でも
1012Ωcmと大きく;tanδが2.5%以下と小さく;
さらに直流電圧依存性が1000V/mmでも15%以内
と小さい等の優れた特性を有し、かつ850〜1000
℃程度と低温で焼結できる。
第1図は本発明の範囲を示す、Pb
(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3−Ba
(Cu1/2W1/2)O3三元図、第2図及び第3図は
誘電率及び誘電損失の温度依存性を示す曲線図、
第4図は誘電率の直流バイアス電圧依存性を示す
特性曲線図。
(Mg1/2W1/2)O3−PbTiO3−Ba
(Cu1/2W1/2)O3三元図、第2図及び第3図は
誘電率及び誘電損失の温度依存性を示す曲線図、
第4図は誘電率の直流バイアス電圧依存性を示す
特性曲線図。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 鉛、マグネシウム、タングステン、チタン、
バリウム及び銅が夫々酸化物に換算して、 PbO 54.8〜66.6% MgO 2.8〜4.0% WO3 19.1〜24.7% TiO2 6.9〜11.0% BaO 0.23〜8.3% CuO 0.06〜2.14% (%はすべて重量%) 含有されたことを特徴とした高誘電率磁器組成
物。 2 鉛、マグネシウム、タングステン、チタン、
バリウム及び銅が夫々酸化物に換算して、 PbO 54.8〜66.6% MgO 2.8〜4.0% WO3 19.1〜24.7% TiO2 6.9〜11.0% BaO 0.23〜8.3% CuO 0.06〜2.14% (%はすべて重量%) 含有された磁器組成物に対し、マンガンをMnO
に換算して1.0mol%以下含有したことを特徴とす
る高誘電率磁器組成物。 3 マンガンをMnOに換算して0.01〜1.0mol%含
有したことを特徴とする特許請求の範囲第2項記
載の高誘電率磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59094601A JPS60240006A (ja) | 1984-05-14 | 1984-05-14 | 高誘電率磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59094601A JPS60240006A (ja) | 1984-05-14 | 1984-05-14 | 高誘電率磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60240006A JPS60240006A (ja) | 1985-11-28 |
JPS6117087B2 true JPS6117087B2 (ja) | 1986-05-06 |
Family
ID=14114774
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59094601A Granted JPS60240006A (ja) | 1984-05-14 | 1984-05-14 | 高誘電率磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60240006A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6411996U (ja) * | 1987-07-10 | 1989-01-23 | ||
JPS6429198U (ja) * | 1987-08-13 | 1989-02-21 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62210613A (ja) * | 1986-03-12 | 1987-09-16 | 松下電器産業株式会社 | 積層コンデンサ素子 |
JP6032701B2 (ja) * | 2012-08-07 | 2016-11-30 | 国立大学法人 名古屋工業大学 | チューナブルキャパシタ |
-
1984
- 1984-05-14 JP JP59094601A patent/JPS60240006A/ja active Granted
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6411996U (ja) * | 1987-07-10 | 1989-01-23 | ||
JPS6429198U (ja) * | 1987-08-13 | 1989-02-21 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60240006A (ja) | 1985-11-28 |
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