JPH0664931B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH0664931B2
JPH0664931B2 JP60255688A JP25568885A JPH0664931B2 JP H0664931 B2 JPH0664931 B2 JP H0664931B2 JP 60255688 A JP60255688 A JP 60255688A JP 25568885 A JP25568885 A JP 25568885A JP H0664931 B2 JPH0664931 B2 JP H0664931B2
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優 藤野
吾朗 西岡
淳一 今成
行雄 坂部
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この発明は誘電率が10,000以上と高く、焼結温度が950
〜1000℃と低い誘電体磁器組成物に関するものである。
＜従来の技術とその問題点＞ 従来、高誘電率系磁器コンデンサ材料としてBaTiO3を主
体し、これにCaTiO3、BaSnO3、CaZrO3、SrTiO3などを添
加したものが使用されてきた。これは室温での誘電率が
2000〜25,000と高い材料である。しかし、これらの組成
系はその焼結温度がいずれも1300〜1400℃と高い欠点を
有していた。このため焼成コストが高くつくほか、積層
磁器コンデンサにおいては、生の磁器シートの上に電極
を予め形成したものを複数枚積重ねてから焼成されるの
で、電極材料は1300℃以上の高温で溶融したり、酸化し
たり、誘電体と反応したりすることのない高融点の貴金
属類たとえば白金やパラジウムなどを用いなければなら
なかった。
以上の点を改良すべく本発明者らの１部はさきにPb(Mg
1/3Nb2/3)O3-Pb(Zn1/3Nb2/3)O3-PbTiO3系の組成物を提
案した（特開昭57-27974号）。
この組成物では比誘電率10,000以上、焼結温度1030〜11
50℃と低いものの、焼成時においてPbが揮発しやすいと
いう欠点を有しており、焼成に困難を伴っていた。
そこで、さらに焼結温度を950〜1000℃に低下させ、し
かも安定な焼成が行えること、また高誘電率が得られる
ことなどが望まれていた。
＜問題点を解決するための手段＞ 本発明者らは、上記の問題点を解決するためには誘電率
値が10,000以上と高く、焼結温度が950〜1000℃と低い
誘電体磁器組成物が有用であることを見出し、この発明
に至ったものである。
即ち、この発明はPb(Mg1/3Nb2/3)O3-Pb(Zn1/2W1/2)O3-P
bTiO3の３成分系の固溶体よりなる磁器組成物におい
て、この組成物を構成する個々の酸化物組成比率（重量
％）が Pb3O4 68.16〜69.98 MgO 2.64〜3.08 Nb2O5 17.44〜20.35 ZnO 0.25〜1.94 WO3 0.71〜5.53 TiO2 3.85〜5.63 であり、かつPb(Mg1/3Nb2/3)O3-Pb(Zn1/2-W1/2)O3-PbTi
O3と表わしたときのモル比率（％）が Pb(Mg1/3Nb2/3)O3 66.0〜75.0 Pb(Zn1/2-W1/2)O3 2.0〜16.0 PbTiO3 16.0〜23.0 となり、さらに上記組成物を100重量部としたとき、副
成分としてMgO、ZnO、NiO、CuOのうち一種以上を0.2〜
1.8重量部含有することを特徴とするものである。
＜作用＞ この発明は上記した主成分を ［Pb(Mg1/3Nb2/3)O3］ｘ［Pb(Zn1/2W1/2)O3]y[PbTiO3］
ｚ（但し、ｘ＋ｙ＋ｚ＝1 .00）と表わしたときに、図
面に示す３成分組成図において、以下の組成点、 Ａ （0.66、0.16、0.18） Ｂ （0.66、0.11、0.23） Ｃ （0.75、0.02、0.23） Ｄ （0.75、0.09、0.16） を結ぶ線上およびこの４点にて囲まれる組成範囲にある
ことを特徴とする誘電体磁器組成物である。
上記の主成分および副成分の範囲を限定した理由は次に
説明する。
まず、主成分の組成限定理由についてのべると、組成点
Ａ、Ｂを結ぶ線の外側では誘電率が10,000より低くなり
好ましくない。
組成点Ｂ、Ｃを結ぶ線の外側では、焼成温度が1000℃を
越えるため、好ましくない。
組成点Ｃ、Ｄを結ぶ線の外側では誘電率が10,000より低
くなり、焼成温度も1000℃を越えるため、好ましくな
い。
組成点Ｄ、Ａを結ぶ線の外側では誘電体損失が２％より
も大きくなり好ましくない。
次に、副成分のMgO、ZnO、NiO、CuOのうち一種以上の添
加量が主成分に対して0.2重量部未満の時は誘電率が10,
000より低くなり、焼成温度も1000℃を越えるため好ま
しくない。
またMgO、ZnO、NiO、CuOのうち一種以上の添加量が1.8
重量部をこえると、誘電率が10,000より低くなり好まし
くない。
さらにMnO2の添加量が主成分に対して0.2重量部をこえ
ると誘電率は10,000より低くなり好ましくない。
＜実施例＞ 以下、実施例によりこの発明を説明する。
出発原料として工業用のPb3O4、MgO、Nb2O5、ZnO、W
O3、TiO2、NiO、CuO、MnCO3などを用い、これらを秤量
し、予めPb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Zn1/2W1/2)O3、PbTiO3と
なるように、各々配合した。次にPbTiO3は950℃で、そ
の他の組成物は850℃でそれぞれ２時間仮焼し、所定の
化合物粉体を得た。次に、このようにして得られた化合
物を第１表に示す各所望の配合比となるように配合し、
結合剤としての酢酸ビニル系バインダを５重量部加え、
ボールミルによって湿式混合した。
その後蒸発乾燥し、整粒により粉末状にしてこれを１to
n／cm2の圧力で直径12mm、厚さ1.5mmの円板に成形し
た。
この円板をPb雰囲気を有する電気炉を用い、第１表の
「焼成温度」の欄に記載した各温度で１時間焼成した。
次いで電極としてAgペーストを800℃で焼きつけ、測定
試料とした。
各試料について、誘電率（ε）、および誘電率正接（ta
nδ）を測定し、それぞれの値を第１表に示した。なお
誘電率および誘電正接は25℃の条件下で測定したもので
ある。
また第１表中、＊印を付した試料はこの発明の範囲外の
ものであり、それ以外はこの発明の範囲内である。
＜発明の効果＞ 以上詳述の通り、この発明によれば誘電率が10,000以上
の高い値を示し、誘電正接が２％以下と小さく、焼結温
度が950〜1000℃と低い誘電体磁器組成物が得られ、磁
器コンデンサ、特に積層磁器コンデンサの小形化、大容
量化、コストダウン、省エネルギー化さらには安定生産
化を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明の組成物の配合比を示す３成分組成図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂部 行雄 京都府長岡京市天神２丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 昭62−78146（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−117205（ＪＰ，Ａ)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-Pb(Zn1/2-W1/2)O3-PbTi
    O3の３成分系の固溶体よりなる磁器組成物において、こ
    の組成物を構成する個々の酸化物組成比率（重量％）
    が、 Pb3O4 68.16〜69.98 MgO 2.64〜3.08 Nb2O5 17.44〜20.35 ZnO 0.25〜1.94 WO3 0.71〜5.53 TiO2 3.85〜5.63 であり、かつPb(Mg1/3Nb2/3)O3-Pb(Zn1/2-W1/2)O3-PbTi
    O3と表したときのモル比率（％）が Pb(Mg1/3Nb2/3)O3 66.0〜75.0 Pb(Zn1/2-W1/2)O3 2.0〜16.0 ＰｂＴｉＯ３ 16.0〜23.0 となり、さらに上記組成物を100重量部としたとき、副
    成分としてMgO、ZnO、NiO、CuOのうち一種以上を0.2〜
    1.8重量部含有することを特徴とする誘電体磁器組成
    物。
  2. 【請求項２】Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-Pb(Zn1/2W1/2)O3-PbTiO
    3およびMgO、ZnO、NiO、CuOのうちの一種以上からなる
    主成分に対して副成分としてMnをMnO2に換算して0.2重
    量部以下含有することを特徴とする特許請求の範囲第１
    項記載の誘電体磁器組成物。
JP60255688A 1985-11-14 1985-11-14 誘電体磁器組成物 Expired - Lifetime JPH0664931B2 (ja)

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