JPH05250916A - 非還元性誘電体磁器組成物 - Google Patents
非還元性誘電体磁器組成物Info
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- JPH05250916A JPH05250916A JP4083323A JP8332392A JPH05250916A JP H05250916 A JPH05250916 A JP H05250916A JP 4083323 A JP4083323 A JP 4083323A JP 8332392 A JP8332392 A JP 8332392A JP H05250916 A JPH05250916 A JP H05250916A
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Abstract
しかも結晶粒径が小さいにもかかわらず、大きな誘電率
が得られる、非還元性誘電体磁器組成物を提供する。 【構成】 次の一般式、{ (Ba1-x-y Srx Cay )
O}m ( Ti1-o-p ZroNbp ) O2+p/2 で表され、
x,y,o,pおよびmが、0.05≦x≦0.35、
0.005≦y≦0.12、0<o≦0.20、0.0
005≦p≦0.010、1.002≦m≦1.04の
関係を満足し、前記主成分100モルに対して、Mn,
Fe,Cr,Co,Niの各酸化物をMnO2 ,Fe2
O3 ,Cr2O3 ,CoO,NiOと表したとき、各酸
化物の少なくとも一種類が0.02〜2.0モル添加さ
れ、前記主成分を100重量部として、BaO−SrO
−Li2 O−SiO2 を主成分とする酸化物ガラスを
0.05重量部〜5.0重量部含む、非還元性誘電体磁
器組成物である。
Description
成物に関し、特にたとえば積層セラミックコンデンサな
どに用いられる非還元性誘電体磁器組成物に関する。
は、まず、その表面に内部電極となる電極材料を塗布し
たシート状の誘電体材料が準備される。この誘電体材料
としては、たとえばBaTiO3 を主成分とする材料な
どが用いられる。この電極材料を塗布したシート状の誘
電体材料を積層して熱圧着し、一体化したものを自然雰
囲気中において1250〜1350℃で焼成して、内部
電極を有する誘電体磁器が得られる。そして、この誘電
体磁器の端面に、内部電極と導通する外部電極を焼き付
けて、積層セラミックコンデンサが製造される。
のような条件を満たす必要がある。
成されるので、誘電体磁器が焼成される温度以上の融点
を有すること。
化されず、しかも誘電体と反応しないこと。
は、白金,金,パラジウムあるいはこれらの合金などの
ような貴金属が用いられていた。
特性を有する反面、高価であった。そのため、積層セラ
ミックコンデンサに占める電極材料費の割合は30〜7
0%にも達し、製造コストを上昇させる最大の要因とな
っていた。
i,Fe,Co,W,Moなどの卑金属があるが、これ
らの卑金属は高温の酸化性雰囲気中では容易に酸化され
てしまい、電極としての役目を果たさなくなってしま
う。そのため、これらの卑金属を積層セラミックコンデ
ンサの内部電極として使用するためには、誘電体磁器と
ともに中性または還元性雰囲気中で焼成される必要があ
る。しかしながら、従来の誘電体磁器材料では、このよ
うな還元性雰囲気中で焼成すると著しく還元されてしま
い、半導体化してしまうという欠点があった。
ば特公昭57−42588号公報に示されるように、チ
タン酸バリウム固溶体において、バリウムサイト/チタ
ンサイトの比を化学量論比より過剰にした誘電体材料が
考え出された。このような誘電体材料を使用することに
よって、還元性雰囲気中で焼成しても半導体化しない誘
電体磁器を得ることができ、内部電極としてニッケルな
どの卑金属を使用した積層セラミックコンデンサの製造
が可能となった。
スの発展に伴い電子部品の小型化が急速に進行し、積層
セラミックコンデンサも小型化の傾向が顕著になってき
た。積層セラミックコンデンサを小型化する方法として
は、一般的に大きな誘電率を有する材料を用いるか、誘
電体層を薄膜化することが知られている。しかし、大き
な誘電率を有する材料は結晶粒が大きく、10μm以下
のような薄膜になると、1つの層中に存在する結晶粒の
数が減少し、信頼性が低下してしまう。
特開昭58−223669号公報、特開昭59−861
03号公報に示されるように、チタン酸バリウム固溶体
にLa,Nd,Sm,Dyなどの希土類酸化物を添加し
た、結晶粒径の小さい誘電体磁器が知られている。この
ように結晶粒径を小さくすることによって、1つの層中
に存在する結晶粒の数を増やすことができ、信頼性の低
下を防ぐことができる。
た材料では、大きな誘電率を得ることができない上、焼
成するときに還元されやすくなり、特性の面で問題があ
った。
元性雰囲気中で焼成しても半導体化せず、しかも結晶粒
径が小さいにもかかわらず、大きな誘電率が得られ、こ
れを用いることによって積層セラミックコンデンサを小
型化することができる、非還元性誘電体磁器組成物を提
供することである。
がBa,Sr,Ca,Ti,ZrおよびNbの各酸化物
からなり、次の一般式、{ (Ba1-x-y Srx Cay )
O}m ( Ti1-o-p Zro Nbp ) O2+p/2 で表され、
x,y,o,pおよびmが、0.05≦x≦0.35、
0.005≦y≦0.12、0<o≦0.20、0.0
005≦p≦0.010、1.002≦m≦1.04の
関係を満足し、前記主成分100モルに対して、Mn,
Fe,Cr,Co,Niの各酸化物をMnO2 ,Fe2
O3 ,Cr2 O3 ,CoO,NiOと表したとき、各酸
化物の少なくとも一種類が0.02〜2.0モル添加さ
れ、前記主成分を100重量部として、BaO−SrO
−Li2 O−SiO2 を主成分とする酸化物ガラスを
0.05重量部〜5.0重量部含む、非還元性誘電体磁
器組成物である。
成しても還元されず、半導体化しない非還元性誘電体磁
器組成物を得ることができる。したがって、この非還元
性誘電体磁器組成物を用いて磁器積層コンデンサを製造
すれば、電極材料として卑金属を用いることができ、1
250℃以下と比較的低温で焼成可能であるため、積層
セラミックコンデンサのコストダウンを図ることができ
る。
いた磁器では、誘電率が11000以上あり、しかもこ
のように高誘電率であるにもかかわらず、結晶粒が3μ
m以下と小さい。したがって、積層セラミックコンデン
サを製造するときに、誘電体層を薄膜化しても、従来の
積層セラミックコンデンサのように層中に存在する結晶
粒の量が少なくならない。このため、信頼性が高く、し
かも小型で大容量の積層セラミックコンデンサを得るこ
とができる。
徴および利点は、以下の実施例の詳細な説明から一層明
らかとなろう。
aCO3 ,SrCO3 ,CaCO3 ,TiO2 ,ZrO
2 ,Nb2 O5 ,MnO2 ,Fe2 O3 ,Cr2 O3 ,
CoO,NiOを準備した。これらの原料を{ (Ba
1-x-y Srx Cay ) O}m( Ti1-o-p Zro Nbp )
O2+p/2 の組成式で表され、x,y,m,o,pが表
1に示す割合となるように配合して、配合原料を得た。
この配合原料をボールミルで湿式混合し、粉砕したのち
乾燥し、空気中において1100℃で2時間仮焼して仮
焼物を得た。この仮焼物を乾式粉砕機によって粉砕し、
粒径が1μm以下の粉砕物を得た。この粉砕物に、予め
準備した粒径1μm以下のBaO−SrO−Li2 O−
SiO2 を主成分とする酸化物ガラスを秤量し、純水と
酢酸ビニルバインダを加えて、ボールミルで16時間混
合して混合物を得た。
g/cm2 の圧力で成形し、直径10mm,厚さ0.5
mmの円板を得た。得られた円板を空気中において50
0℃まで加熱して有機バインダを燃焼させたのち、酸素
分圧が3×10-8〜3×10-10 atmのH2 −N2 −
空気ガスからなる還元雰囲気炉中において表2に示す温
度で2時間焼成し、円板状の磁器を得た。得られた磁器
の表面を、走査型電子顕微鏡で倍率1500倍で観察
し、グレインサイズを測定した。
焼き付けて測定試料(コンデンサ)とした。得られた試
料について、室温での誘電率(ε),誘電損失(tan
δ)および温度変化に対する静電容量(C)の変化率を
測定した。なお、誘電率および誘電損失は、温度25
℃,1kHz,1Vrms の条件で測定した。また、温度
変化に対する静電容量の変化率については、20℃での
静電容量を基準とした−25℃と85℃での変化率(Δ
C/C20)および−25℃から85℃の範囲内で絶対値
としてその変化率が最大である値(|ΔC/C
20|max )を示した。
0Vの直流電流を2分間印加したのちの絶縁抵抗値を測
定した。絶縁抵抗は、25℃および85℃の値を測定
し、それぞれの体積抵抗率の対数(logρ)を算出し
た。これらの測定結果を表2に示す。
る。
o Nbp ) O2+p/2 において、試料番号1のように、ス
トロンチウム量xが0.05未満の場合、誘電率が11
000未満で、誘電損失が2.0%を超え、静電容量の
温度変化率も大きくなり好ましくない。また、試料番号
17のように、ストロンチウム量xが0.35を超える
と、磁器の焼結性が悪く、誘電率が11000未満で、
静電容量の温度変化率がJIS規格のF特性を満足しな
くなり好ましくない。
量yが0.005未満であれば、磁器の焼結性が悪く、
誘電損失が2.0%を超え、絶縁抵抗の低下が生じ好ま
しくない。一方、試料番号18のように、カルシウム量
yが0.12を超えると、焼結性が悪くなり、誘電率が
低下し好ましくない。
0の場合、誘電率が11000未満になり、静電容量の
温度変化率が大きくなり好ましくない。一方、試料番号
19のように、ジルコニウム量oが0.20を超える
と、焼結性が低下し、誘電率が11000未満になり好
ましくない。
005未満の場合、誘電率が11000未満になり、結
晶粒径が3μmより大きくなり、積層セラミックコンデ
ンサにした場合、誘電体層を薄膜化できず好ましくな
い。一方、試料番号20のように、ニオブ量pが0.0
1を超えると、還元性雰囲気で焼成したときに、磁器が
還元され、半導体化して絶縁抵抗が大幅に低下し好まし
くない。
x Cay ) O}m ( Ti1-o-p Zro Nbp ) O2+p/2
のモル比mが1.002未満では、還元性雰囲気中で焼
成したときに磁器が還元され、半導体化して絶縁抵抗が
低下してしまい好ましくない。一方、試料番号21のよ
うに、モル比mが1.04を超えると、焼結性が極端に
悪くなり好ましくない。
(A)としてのMnO2 ,Fe2 O3 ,Cr2 O3 ,C
oO,NiOの添加量が0.02モル未満の場合、85
℃以上での絶縁抵抗が小さくなり、高温中における長時
間使用の信頼性が低下し好ましくない。一方、試料番号
22のように、これらの添加物の量が2.0モルを超え
ると、誘電損失が2.0%を超えて大きくなり、同時に
絶縁抵抗も劣化し好ましくない。
としてのBaO−SrO−Li2 O−SiO2 を主成分
とする酸化物ガラスの添加量が0.05重量部未満の場
合、焼結性が悪くなり、誘電損失が2.0%を超えて好
ましくない。一方、試料番号23のように、BaO−S
rO−Li2 O−SiO2 を主成分とする酸化物ガラス
の添加量が5.0重量部を超えると、誘電率が1100
0未満に低下するとともに、結晶粒径が3μmより大き
くなり好ましくない。
磁器組成物を用いれば、誘電率が11000以上と高
く、誘電損失が2.0%以下で、温度に対する静電容量
の変化率が、−25℃〜85℃の範囲でJIS規格に規
定するF特性規格を満足する誘電体磁器を得ることがで
きる。さらに、この誘電体磁器では、25℃,85℃に
おける絶縁抵抗は、体積抵抗率の対数で表したときに1
2以上と高い値を示す。また、この発明の非還元性誘電
体磁器組成物は、焼成温度も1250℃以下と比較的低
温で焼結可能であり、粒径についても3μm以下と小さ
い。
Claims (1)
- 【請求項1】 その主成分がBa,Sr,Ca,Ti,
ZrおよびNbの各酸化物からなり、次の一般式 { (Ba1-x-y Srx Cay ) O}m ( Ti1-o-p Zro Nbp ) O2+p/2 で表され、x,y,o,pおよびmが、 0.05≦x≦0.35 0.005≦y≦0.12 0<o≦0.20 0.0005≦p≦0.010 1.002≦m≦1.04 の関係を満足し、前記主成分100モルに対して、M
n,Fe,Cr,Co,Niの各酸化物をMnO2 ,F
e2 O3 ,Cr2 O3 ,CoO,NiOと表したとき、
各酸化物の少なくとも一種類が0.02〜2.0モル添
加され、前記主成分を100重量部として、BaO−S
rO−Li2 O−SiO2 を主成分とする酸化物ガラス
を0.05重量部〜5.0重量部含む、非還元性誘電体
磁器組成物。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08332392A JP3321823B2 (ja) | 1992-03-04 | 1992-03-04 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
DE69209417T DE69209417T2 (de) | 1991-09-25 | 1992-09-23 | Nichtreduzierbare dielektrische keramische Zusammensetzung |
SG1996009093A SG50701A1 (en) | 1991-09-25 | 1992-09-23 | Non-reducible dielectric ceramic composition |
EP92116223A EP0534378B1 (en) | 1991-09-25 | 1992-09-23 | Non-reducible dielectric ceramic composition |
US07/951,206 US5248640A (en) | 1991-09-25 | 1992-09-25 | Non-reducible dielectric ceramic composition |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08332392A JP3321823B2 (ja) | 1992-03-04 | 1992-03-04 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05250916A true JPH05250916A (ja) | 1993-09-28 |
JP3321823B2 JP3321823B2 (ja) | 2002-09-09 |
Family
ID=13799224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08332392A Expired - Lifetime JP3321823B2 (ja) | 1991-09-25 | 1992-03-04 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3321823B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05314817A (ja) * | 1992-05-01 | 1993-11-26 | Murata Mfg Co Ltd | 非還元性誘電体磁器組成物 |
US6962888B2 (en) | 2000-06-29 | 2005-11-08 | Tdk Corporation | Dielectric ceramic composition and electronic device |
JP2006176388A (ja) * | 2004-11-26 | 2006-07-06 | Kyocera Corp | 誘電体磁器およびその製法 |
JP2010132555A (ja) * | 1995-10-26 | 2010-06-17 | Solvay Barium Strontium Gmbh | 微粉化アルカリ土類金属炭酸塩 |
-
1992
- 1992-03-04 JP JP08332392A patent/JP3321823B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05314817A (ja) * | 1992-05-01 | 1993-11-26 | Murata Mfg Co Ltd | 非還元性誘電体磁器組成物 |
JP2010132555A (ja) * | 1995-10-26 | 2010-06-17 | Solvay Barium Strontium Gmbh | 微粉化アルカリ土類金属炭酸塩 |
US6962888B2 (en) | 2000-06-29 | 2005-11-08 | Tdk Corporation | Dielectric ceramic composition and electronic device |
JP2006176388A (ja) * | 2004-11-26 | 2006-07-06 | Kyocera Corp | 誘電体磁器およびその製法 |
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JP3321823B2 (ja) | 2002-09-09 |
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