JPH055279A - セルロース系繊維立毛製品の製造方法 - Google Patents

セルロース系繊維立毛製品の製造方法

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JPH055279A
JPH055279A JP3177216A JP17721691A JPH055279A JP H055279 A JPH055279 A JP H055279A JP 3177216 A JP3177216 A JP 3177216A JP 17721691 A JP17721691 A JP 17721691A JP H055279 A JPH055279 A JP H055279A
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JP
Japan
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cellulosic fiber
napped
fiber structure
cellulosic
dyeing
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JP3177216A
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English (en)
Inventor
Katsusuke Kawaguchi
克資 川口
Shuichi Sano
修一 佐野
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 立毛の先端部と根元部において異色であるセ
ルロース系繊維立毛製品を簡単かつ再現性よく得うる方
法の提供を提供する。 【構成】 セルロース系繊維構造物を、アルカリ共存下
セルロース系繊維と共有結合により反応しうる第4級ア
ンモニウム塩基含有化合物を含む処理液中を通過せし
め、搾液後、急速に乾燥し処理液にマイグレーションを
起こさしめ、その後に起毛し、染色することを特徴とし
ている。また、セルロース系繊維構造物を起毛した後、
アルカリ共存下セルロース系繊維と共有結合により反応
しうる第4級アンモニウム塩基含有化合物を含む処理液
中を通過せしめ、搾液後、急速に乾燥し処理液にマイグ
レーションを起こさしめ、その後に染色することを特徴
としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立毛の先端部と根元部
において染色濃度の異なるセルロース系繊維立毛製品の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、立毛製品の立毛の根元部を染
色するため基布の背後から染色液を浸透させたり、立毛
の先端部を染色するために、先端部にローラー等で染料
を含む糊剤例えば捺染糊剤のようなものを塗布したり、
先端部を染色液に浸漬する方法などが提案されている。
しかし、これらの方法では、均一に染料を立毛に付着さ
せることは、極めて困難であり、それを制御して所望の
状態に高精度に染色することは実際上不可能といってよ
い。
【0003】例えば、染色液を基布の背後から浸透させ
たり、立毛の先端部のみ染色液に浸漬する方法では、均
整で制御された染色は非常に困難でほとんど不可能であ
る。それは、立毛製品では立毛相互が接触したり束状に
なっておりその間に毛細管が形成され、染色液が毛細管
現象によって目的外の場所に不規則に拡散し、汚染を生
ずるからである。毛細管現象をさけるために、染色液に
糊剤を用いて粘性を高めると、そのような粘性物を倒れ
易い立毛に均整に目的の場所だけ付着させることは至難
となる。
【0004】かかる問題点を解決するために、特公昭6
1−36108号公報には、立毛を有する繊維構造物を
保持体に固定して回転させ、その遠心力によって起毛し
た立毛と、回転する容器に収められた遠心力によって円
筒状の界面を形成した染色又は脱色液とを、繊維構造物
の基布と界面との距離を場所により変化せしめて接触さ
せることを特徴とする3次元的に変化する色彩を有する
立毛製品の製造方法が提案されている。
【0005】しかしながら、かかる染色法は特殊な装置
を必要とし、工業的に安価に製造できないという問題が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はセルロース系
繊維立毛製品に対して立毛の先端部と根元部において染
色濃度の異なる外観を付与する場合における上記のよう
な問題を解決することを課題とするものである。
【0007】すなわち、本発明は立毛の先端部と根元部
において異色であるセルロース系繊維立毛製品を簡単か
つ再現性よく得うる方法の提供をその目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明は次の構成をとる。即ち、第1番目の発明は
セルロース系繊維構造物を、アルカリ共存下セルロース
系繊維と共有結合により反応しうる第4級アンモニウム
塩基含有化合物を含む処理液中を通過せしめ、搾液後、
急速に乾燥し処理液にマイグレーションを起こさしめ、
その後に起毛し、染色することを特徴とするセルロース
系繊維立毛製品の製造方法を要旨とし、また第2番目の
発明はセルロース系繊維構造物を起毛した後、アルカリ
共存下セルロース系繊維と共有結合により反応しうる第
4級アンモニウム塩基含有化合物を含む処理液中を通過
せしめ、搾液後、急速に乾燥し処理液にマイグレーショ
ンを起こさしめ、その後に染色することを特徴とするセ
ルロース系繊維立毛製品の製造方法を要旨とする。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】本発明で用いるセルロース系繊維として
は、綿,麻,レーヨン,アセテートなどがあるが、発明
効果,利用価値の点から最も好ましいのは綿である。セ
ルロース系繊維は単独あるいは混紡,交編織により他の
繊維と混用して用いてもよく、混用の場合、セルロース
系繊維を50重量%以上含有するのが望ましい。繊維構
造物としては、織物,編物,不織布などの形態のものが
挙げられる。
【0011】本発明で用いる第4級アンモニウム塩基含
有化合物としては下記のものが挙げられる。下記の式
で表わされるクロロヒドリン基を有するもの。(例え
ば、長瀬化学工業(株)製ワイステッテスN−60,一
方社油脂(株)製カチオレンUK)。
【化1】
【化2】 下記の式で表わされるエポキシ基を有するもの。
【化3】 下記の式で表わされるトリアジン基を有するもの。
【化4】
【0012】この第4級アンモニウム塩基含有化合物は
有効成分として繊維構造物自体重量に対して0.4〜1
0重量%、好ましくは2〜8重量%用いる。2重量%未
満では、立毛の先端部と根元部において染色濃度が異な
るものが得られず、一方8重量%以上では風合が粗硬と
なる。
【0013】そして、かかる第4級アンモニウム塩基含
有化合物の反応を有利に進めるためにはアルカリ触媒を
用いる。アルカリ触媒としては、アルカリ金属の水酸化
物,アルカリ士族の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩等
を用いることができるが、好ましくは苛性ソーダが用い
られる。かかるアルカリ触媒は第4級アンモニウム塩基
含有化合物に対して10〜100重量%用いる。
【0014】本発明で云う起毛は、針布式起毛機による
方法、サンドペーパー等を巻きつけたエメリー起毛機に
よる方法等を用いることができるが、エメリー起毛機に
よる方法が好ましい。
【0015】次に本発明の一実施態様をのべると、起毛
しないセルロース系繊維構造物に、所定量の第4級アン
モニウム塩基含有化合物とアルカリ触媒に水を加えて処
理液を作り、これをパディング法によって施与する。次
に130〜170℃で急速に乾燥し、処理液にマイグレ
ーションを起こさしめ、次いで100〜150℃の乾熱
又は湿熱処理すると、第4級アンモニウム塩基含有化合
物が表面に付与され、表面のみがカチオン化された繊維
構造物が得られる。この繊維構造物を起毛すると、繊維
が内部から引き出されるために、引き出された立毛は立
毛先端部のカチオン化が弱いものとなる。
【0016】次に本発明のもうひとつの一実施態様をの
べると、起毛したセルロース系繊維構造物に、所定量の
第4級アンモニウム塩基含有化合物とアルカリ触媒に水
を加えて処理液を作り、これをパディング法によって施
与する。次に130〜170℃で急速に乾燥し、処理液
にマイグレーションを起こさしめ、次いで100〜15
0°の乾熱又は湿熱処理すると、第4級アンモニウム塩
基含有化合物が立毛の先端部に多く付与され、立毛の先
端部が強くカチオン化された繊維構造が得られる。
【0017】次に、本発明は、このようにして得られた
部分的にカチオン化の程度が異なる立毛を有するセルロ
ース系繊維構造物を、各種染料で染色し、カチオン化の
程度による染着性の差を利用して立毛の先端部と根元部
の染色濃度を異ならせるものである。染料としては反応
性染料,1,2型含金染料,酸性染料,クロム染料等が
用いられ、連続法や浸漬法により染色される。
【0018】染色後は必要に応じてマスキング剤処理を
行なう。マスキング剤は特に限定されないが、アニオン
系柔軟剤や、フェノール性水酸基を有する化合物等が挙
げられるが、特にフェノール性水酸基を有するものを用
いる場合には、一般式
【化5】 (ただし、nは2〜6の整数である)で表わされる化合
物を用いるのが好ましい。かかるマスキング剤は有効成
分として繊維構造物重量に対して0.4〜10重量%用
いる。かかるマスキング剤処理をすることによりその防
汚性(洗濯時の再汚染の完全防止性)を高めることがで
きる。
【0019】
【作用】本発明は、上記の様に構成したので第1の発明
においては、第4級アンモニウム塩基含有化合物がマイ
グレーションにより表面に付与され、表面のみがカチオ
ン化されるようになり、これを起毛すると、繊維が内部
から引き出されるために、引き出された立毛は立毛先端
部のカチオン化が弱いものとなる。これを染色すると立
毛の先端部が淡く、一方立毛の根元部が濃く染色され、
立毛の先端部と根元部において染色濃度の異なる製品が
得られるようになる。
【0020】一方、第2の発明においては、第4級アン
モニウム塩基含有化合物がマイグレーションにより立毛
の先端部に多く付与され、立毛の先端部が強くカチオン
化されるようになり、これを染色すると立毛の先端部が
濃く、一方立毛の根元部が淡く染色され、立毛の先端部
と根元部において染色濃度の異なる製品が得られるよう
になる。
【0021】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。
【0022】実施例1 綿綾織物で経,緯20番手単糸,密度経108本/吋,
緯58本/吋のものを常法により毛焼,糊抜,精練,
晒,シルケットを行なった。
【0023】該綾織物を、第4級アンモニウム塩基含有
化合物としてワイステックス60(商標,ナガセ化成
(株)製,有効成分60%含有)100g/l,アルカ
リ触媒として苛性ソーダ40g/lからなる処理液中を
通過せしめ、ピックアップ率60%に搾液後、140℃
で2分乾燥し、処理液にマイグレーションを起こさし
め、次いで150℃で3分間熱処理し、ソーピング,乾
燥を行なった。
【0024】次に該綾織物を、180メッシュのサンド
ペーパーを巻き付けたエメリー起毛機を1日通し、起毛
を行なった。
【0025】更に該綾織物を、反応性染料としてCib
acron Yellow 6G(Ciba−Geig
y(株)社製)8g/l,反応性染料としてCibac
ron Blue 4GN(Ciba Geigy
(株)社製)10g/l,保湿剤として尿素50g/
l,アルカリとしてソーダ灰20g/l,還元防止剤と
してダイアテックスDY−60(ナガセ化成(株)社
製)8g/lからなる処理液中を通過せしめ、ピックア
ップ率70%に搾液後、102℃で45秒スチーム処理
を行ない、次いでソーピング,乾燥を行なった。
【0026】次に該綾織物を、アニオン系柔軟剤として
サンソフターFX(日華化学(株)社製)30g/lか
らなる処理液中を通過せしめ、ピックアップ率60%に
搾液後、120℃で2分乾燥し、実施例1の製品を得
た。
【0027】実施例1で得られた製品は立毛の先端部が
淡い緑色で、一方立毛の根元部が濃い緑色となり、シャ
ンブレー調の効果を有するものであった。
【0028】実施例2 実施例1と同様の生地を用い、シルケット上りに実施例
1と同様の起毛を行ない、またカチオン化処理の後の起
毛を行なわなかった他は実施例1と同様の処理を施し、
実施例2の製品を得た。
【0029】実施例2で得られた製品は立毛の先端部が
濃い緑色で、一方立毛の根元部が淡い緑色となり、シャ
ンブレー調の効果を有するものであった。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば立
毛の先端部と根元部において染色濃度が異なる製品を簡
単かつ再現性よく得ることができ頗る有用である。
【0031】また本発明で得られた製品はシャンブレー
調の極めて複雑な外観を有し、カジュアル用途等として
頗る有用である。また本発明の製品は必要に応じて任意
に色彩を制御することが出来るので、天然皮革以上の意
匠性をもたすことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06C 11/00 Z 7199−3B 27/00 A 7199−3B D06M 13/46 D06P 5/22 B 9160−4H 7199−3B D06M 21/00 Z

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 セルロース系繊維構造物を、アルカリ共
    存下セルロース系繊維と共有結合により反応しうる第4
    級アンモニウム塩基含有化合物を含む処理液中を通過せ
    しめ、搾液後、急速に乾燥し処理液にマイグレーション
    を起こさしめ、その後に起毛し、染色することを特徴と
    するセルロース系繊維立毛製品の製造方法。 【請求項2】 セルロース系繊維構造物を起毛した後、
    アルカリ共存下セルロース系繊維と共有結合により反応
    しうる第4級アンモニウム塩基含有化合物を含む処理液
    中を通過せしめ、搾液後、急速に乾燥し処理液にマイグ
    レーションを起こさしめ、その後に染色することを特徴
    とするセルロース系繊維立毛製品の製造方法。
JP3177216A 1991-06-21 1991-06-21 セルロース系繊維立毛製品の製造方法 Pending JPH055279A (ja)

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