JPH055234U - タレツトパンチプレス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タレットパンチプレスに隣接して金型ストッ
カを設け、この金型ストッカとタレットパンチプレスの
金型交換位置との間で金型の交換が行なわれる金型自動
交換装置を備えたタレットパンチプレスにおいて、金型
ストッカにおける手動交換位置で手動で位置決めするこ
となく、かつ手動で金型ホルダを持ち上げることなく金
型ストッカから金型ホルダを出し入れできるようにし
た。 【構成】 タレットパンチプレス１のフレーム３に隣接
して複数の金型を保持収容する金型ストッカ２７を設け
ると共に、この金型ストッカ２７とタレットパンチプレ
ス１との間を金型交換装置３７を備えており、金型スト
ッカ２７の自動金型交換位置５９の反対側に手動金型交
換位置６１を設け、この手動金型交換位置６１で上部，
下部金型ホルダ５５，５７を上，下限位置にセットすべ
く上下動自在なセットアップ装置６３を設けたことを特
徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、タレットパンチプレスに係り、更に詳細には、このタレットパン チプレスとこのタレットパンチプレスに隣接して金型ストッカを設け、この金型 ストッカとタレットパンチプレスの交換位置との間で移動する金型セットの金型 交換装置を備えたタレットパンチプレスに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、タレットパンチプレスにおける金型交換装置で金型を交換するために金 型をストックしておく金型ストッカは、タレットパンチプレスに隣接して設けら れ、タレットパンチプレスの本体である門型フレームに金型ストッカがボルトな どにより締結して設けられている。そして金型ストッカは、例えば、無端状のチ ェンに金型ホルダを収納する複数個のホルダパレットを吊下げて構成され、電動 機等の駆動によりチェンを移動させ、所望の金型ホルダを工具交換位置あるいは 手動交換位置に位置決めせしめて、金型ホルダの交換を行なっているのが提案さ れている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述した手動交換位置において金型を装着した金型ホルダをセット するセットアップ装着は左右方向へ移動しなければならないと共に、上，下金型 ホルダを金型ストッカから抜き出す場合には、必らず下型より抜き出さなければ ならず、また、上金型を支えている部分が邪魔になって下型を抜き出す際に、ケ ガをする危険の恐れがあった。

【０００４】 また、金型ホルダ自体は重く、例えば上金型ホルダは約２６Kg程の重量がある ため、金型ホルダを持ち上げてセットアップ装置より他の場所へ移動させるのに は危険であり、重労働であった。

【０００５】 この考案の目的は、上記の課題を改善するため、手動交換位置で手動で位置決 めすることなく、かつ手動で金型ホルダを持ち上げることなく金型ホルダを金型 ストッカに出し入れできるようにしたタレットパンチプレスを提供することにあ る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、この考案は、多数の金型を支持したタレットを回 転自在に備えたタレットパンチプレスのフレームに隣接して複数の金型を保持収 容する金型ストッカを設け、この金型ストッカに対応した位置と前記タレットに 対応した位置との間を往復動自在に金型交換装置を備えてなり、前記金型ストッ カの金型交換装置側に自動金型交換位置を設け、この自動金型交換位置の反対側 に手動金型交換位置を設け、この手動交換位置で金型を装着した金型ホルダを上 ，下限位置にセットすべく上下動自在なセットアップ装置を設けてタレットパン チプレスを構成した。

【０００７】 前記タレットパンチプレスにおいて、前記セットアップ装置を上下動せしめる のにセットアップ装置に流体シリンダを接続し、この流体シリンダの作動をフッ トスイッチ装置で行なうべく構成されていることが望ましいものである。

【０００８】

【作用】

この考案のタレットパンチプレスを採用することにより、金型ストッカに収納 されている金型を装着した金型ホルダは自動金型交換位置に停止して位置決めさ れて金型交換装置に金型ホルダが出し入れされる。また、手動金型交換位置でセ ットアップ装置にセットされた上金型を装着した上金型ホルダはセットアップ装 置を上昇せしめて上限位置で出し入れされると共に、下金型を装着し下金型ホル ダはセットアップ装置を下降せしめて下限位置で出し入れされる。また、セット アップ装置をフットスイッチ装置により流体シリンダを作動せしめて上下動せし めることによって、作業者の両手で自由に金型の出し入れが行なわれる。

【０００９】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、タレットパ ンチプレスおよび金型交換装置の構成については概略的に説明する。

【００１０】 図６および図７を参照するに、タレットパンチプレス１は門型フレーム３を備 えており、この門型フレーム３内における中央には、回転自在な上タレット５と 下タレット７とからなるタレット９が、門型フレーム３に支承されている。この 上タレット５、下タレット７の円周上には、複数のパンチ，ダイからなる金型が 相対向して装着されている。前記タレット９は図７に示されているように、門型 フレーム３内に設けられた回転軸駆動部Ｔによって同期をとって回転駆動される 。

【００１１】 前記タレット９の左側には加工位置１１が設けられており、この加工位置１１ に前記門型フレーム３の上部フレームに設けられた駆動装置により、加工位置１ １の上方に設けられたストライカの上下動により、パンチとダイとが協働して加 工位置１１に位置決めされたワークＷの所望位置にパンチング加工が行なわれる ことになる。

【００１２】 前記門型フレーム３における下部には、固定したセンタテーブル１３が設けら れており、このセンタテーブル１３の両側にはＹ軸方向（図６および図７におい て左右方向）へ移動自在な可動テーブル１５が設けられている。この可動テーブ ル１５がＹ軸方向へ移動される際に、Ｙ軸方向へ延伸した複数のガイド１７に案 内されてスムーズに移動される。

【００１３】 前記可動テーブル１５の左端上にはキャレッジベース１９がＸ軸方向（図６に おいて図面に直交した方向、図７において上下方向）へ延伸して設けられており 、このキャレッジベース１９にはワーク移動位置決め装置２１が設けられている 。すなわち、キャレッジベース１９にはＸ軸方向へ移動自在なキャレッジ２３が 設けられており、このキャレッジ２３にはワークＷを把持する複数のワーククラ ンプ２５が取付けられている。

【００１４】 上記構成により、可動テーブル１５がＹ軸方向へ移動されると共に、キャレッ ジ２３がＸ軸方向へ移動されることにより、ワーククランプ２５に把持されたワ ークＷは、Ｘ軸、Ｙ軸方向へ移動され、加工すべき所望の位置が加工位置１１に 位置決めされてパンチング加工されることとなる。

【００１５】 前記門型フレーム３の右側に隣接して金型ストッカ２７が設けられている。こ の金型ストッカ２７には適数のパンチとダイからなる金型セット２９がＹ軸方向 へ適当な間隔で複数配置され、かつ上下にも相対向して配置された金型セット収 納部である金型セット２９を収納した金型ストッカ２７の一部であるホルダパレ ット３１が設けられている。しかも、このホルダパレット３１はＺ軸方向（図６ において上下方向）へ循環して移動できる構成となっている。

【００１６】 前記上タレット５と下タレット７からなるタレット９の円周上には、図７に示 されているように、金型セット２９を装着するために例えばほぼＵ字形状に切り かかれた金型セット装着領域３３が複数適宜な間隔で設けられている。しかも、 図７において、この金型セット装着領域３３のうちの１つの位置が金型交換位置 ３５となっている。

【００１７】 この金型交換位置３５並びに前記金型ストッカ２７のホルダパレット３１の前 側にＸ軸、Ｙ軸方向へ移動自在な金型自動交換装置３７が設けられており、この 金型自動交換装置３７には、前記複数の金型セット装着領域３３と少なくとも同 一の金型装着部であるハウジング３９が設けられている。

【００１８】 一方、タレットパンチプレス１の門型フレーム３には図６および図７に示され ているように、Ｙ軸方向に延伸したベース４１が設けられ、このベース４１に設 けた複数のガイドレール４３上に前記ハウジング３９が摺動自在に係合している 。そして、駆動モータ４５に連結したボールねじ４７に螺合したナット部材（図 示省略）を介してハウジング３９はＹ軸方向へ移動自在となっている。なお、ハ ウジング３９内には、金型セット装着領域３３の金型セット２９を交換したり、 金型ストッカ２７のホルダパレット３１に収納された金型セット２９を交換する ためのクランプ部材が設けられている。

【００１９】 上記構成により、駆動モータ４５を駆動させると、ボールねじ４７が回転する ので、ナット部材を介してハウジング３９がＹ軸方向へ移動されることになる。 なお、ハウジング３９がＹ軸方向へ移動される際、ガイドレール４３で案内され るのでスムーズに移動されることになる。そして、金型セット２９をホルダパレ ット３１から取出し、金型交換位置３５にあるタレット９の金型セット装置領域 ３３へ装着したり、あるいは金型セット２９を金型交換位置３５にある金型セッ ト装着領域３３から取外し、ホルダパレット３１へ収納したりすることができる 。

【００２０】 前記門型フレーム３の右側に隣接して設けられた金型ストッカ２７には適数の パンチとダイからなる金型セット２９がＹ軸方向へ適当な間隔で複数配置され、 かつ上下にも相対向して配置された金型セット収納部である金型セット２９を収 納したツールストッカの一部であるホルダパレット３１が設けられている。しか も、このホルダパレット３１はＺ軸方向（図６において上下方向）へ移動できる 構成となっている。

【００２１】 より詳細には、図５に示されているように、金型ストッカ２７の構成としては 、立設したツールストッカの一部である架台４９の上下に設けたチェンスプロケ ット５１に無端状のチェン５３が掛回され、このチェン５３に前記ホルダパレッ ト３１が複数個適所に吊下げられている。そして、ホルダパレット３１内へ金型 セット２９であるパンチが装着された上部金型ホルダ５５と、ダイが装着された 下部金型ホルダ５７とが収納されている。なお、図示を省略したが電動機等によ り伝達部材を介してチェンスプロケット５１は回転する。

【００２２】 更に、図５において架台４９の左側（前面側）には、金型自動交換装置３７の 自動金型交換位置５９が設けられていて、この自動金型交換位置５９において金 型自動交換装置３７に金型セット２９をボルダパレット３１内へ収納したり、取 出したりして交換が行なわれる。また、図５において架台４９の右側（後面側） における手動金型交換位置６１において、手動でホルダパレット３１より金型セ ット２９を取出したり収納したりして交換が行なわれる。

【００２３】 この手動金型交換位置６１には金型セットアップ６３が設けられている。この 金型セットアップ装置６３の具体的な構成は、図１，図２および図３に示されて いるように、金型ストッカ２７におけるフレーム２７Ｆの右側にセットアップ装 置６３の本体フレーム６５が左右方向（図１において左右方向，図２において紙 面に対し直交する方向，図３において上下方向）へ移動自在に設けられている。 図３において上下方向へ本体フレーム６５が移動されて図３において上部に設け られた作業台６７に位置決めされて、上部，下部金型ホルダ５５，５７のセット が手動で行なわれるものである。本体フレーム６５が図１，図２および図３に示 された位置にて金型ストッカ２７との間で上部，下部金型ホルダ５５，５７の出 し入れが行なわれることになる。

【００２４】 前記本体フレーム６５上には図２，図３において左右方向へ延伸した複数（本 施例では３対）のガイドレール６９が設けられており、このガイドレール６９に は上部，下部金型ホルダ５５，５７がセットされる。

【００２５】 前記金型ストッカ２７におけるフレーム２７Ｆには、図１および図２によく示 されているように、垂直支持プレート７１が複数のボルト７３で取付けられてお り、この垂直支持プレート７１には水平支持プレート７５が取付けられている。 この水平支持プレート７５には適宜な間隔でリンク支持フレーム７７，７９が設 けられている。

【００２６】 前記水平支持プレート７５には複数の軸受ブロック８１，８３，８５，８７が 設けられており、軸受ブロック８１と８５および８３と８７とは連結シャフト８ ９，９１で連結されている。この連結シャフト８９にはリンク９３，９５；９７ ，９９の一端が、連結シャフト９１にはリンク１０１，１０３の一端が連結され ている。このリンク１０１，１０３の他端はピン１０５，１０７でリンク１０９ に連結されている。

【００２７】 前記垂直支持プレート７１の下部にはピン１１１で流体シリンダ１１３の下部 が枢支されていると共に、流体シリンダ１１３に装着されたピストンロッド１１ ５の先端は前記リンク１０９にピン１１７で連結されている。

【００２８】 前記本体フレーム６５の下面には支持プレート１１９が取付けられており、こ の支持プレート１１９には図１において左右方向へ延伸した溝１２１を備えた複 数の支持ブロック１２３が設けられている。この各支持ブロック１２３の溝１２ １には案内ローラ１２５が転動すべく設けられている。この案内ローラ１２５に は前記リンク９３，９５，９７，９９の他端が取付けられている。

【００２９】 前記支持プレート１１９には図１，図２において上下方向へ延伸した複数の上 下動用のガイドロッド１２７の一端が取付けられており、このガイドロッド１２ ７の他端は前記水平支持プレート７５に貫通して上下方向へ摺動すべく設けられ ている。

【００３０】 上記構成により、流体シリンダ１１３を作動せしめてピストンロッド１１５を 図１において実線の位置から２点鎖線の位置へ伸張せしめると、リンク１０９を 介してリンク１０１，１０３が時計方向へ回動されると共に、リンク９３，９５ ；９７，９９が同方向へ回動し、案内ローラ１２５が支持ブロック１２３の溝１ ２１内を転動して本体フレーム６５が下降して上限位置から下限位置に位置決め されることになる。また、流体シリンダ１１３のピストンロッド１１５を縮ませ ることによって、上述の動作と逆の動作が行なわれて、本体フレーム６５が下限 位置から上限位置へ上昇されることになる。したがって、上部，下部金型ホルダ ５５，５７が手動でなく、自動的に上限位置と下限位置とに容易に位置決めする ことができる。而して、上限位置にて上部金型ホルダ５５を金型ストッカ２７に 出し入れすると共に、下限位置にて下部金型ホルダ５７を金型ストッカ２７に出 し入れすることができるから、作業者は自由に上部，下部金型ホルダ５５，５７ の出し入れ順を問わずに行なうことができる。

【００３１】 また、上部，下部金型ホルダ５５，５７の上，下限位置の設定はリンク機構を 用いているので、流体シリンダ１１３の圧がダウンしても本体フレーム６５は落 下することはない。

【００３２】 さらに、流体シリンダ１１３のポンプモータにフットスイッチ装置１２９を接 続し、フットスイッチ装置１２９を足で作動させることにより、作業者の両手が フリーとなって、両手で上部，下部金型ホルダ５５，５７の出し入れを行なうこ とができるから作業が非常にやり易くなると共に、危険を防止することができる 。

【００３３】 また、図４に示されているように、金型ストッカ２７の右側上部に上方へ折り たたみ可能な支持ブロック１３１を設け、この支持ブロック１３１に図４におい て左右方向へ移動自在なエアバランサ１３３を取付けると共に、このエアバラン サ１３１の下部に取り上げ治具１３４が設けてある。したがって、上部，下部金 型ホルダ５５，５７をこの取り上げ治具１３４で吊り上げてキャスタ１３５を備 えた移動台１３７上に置いたり、あるいは移動台１３７上においてある上部，下 部金型ホルダ５５，５７をセットアップ装置６３にセットすることも容易に行な うことができる。なお、この場合にも、セットアップ装置６３の本体フレーム６ ５は上述したごとく上，下限位置に上下動されることは言うまでもない。

【００３４】 なお、この考案は、前述した実施例に限定されることなく、適宜の変更を行な うことにより、その他の態様で実施し得るものである。

【００３５】

【考案の効果】

以上のごとき実施例の説明より理解されるように、この考案によれば、実用新 案登録請求の範囲に記載されたとおりの構成であるから、金型ストッカの手動交 換位置において、セットアップ装置を上，下限位置に自動的に位置決めすること ができるから、金型ストッカに対して上部，下部金型ホルダを手動で持ち上げる ことなく容易に出し入れを行なうことができる。また、フットスイッチ装置によ りセットアップ装置を上下動せしめることにより、作業者の両手が自由に使い得 るようになり、作業が非常にやり易くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の主要部を示し、図２の正面図であ
る。

【図２】図５におけるII矢視部の拡大詳細図である。

【図３】図２における平面図である。

【図４】図１に示したセットアップ装置に取り出し治具
を設けた別の説明図である。

【図５】図６における金型ストッカを拡大した側面図で
ある。

【図６】この考案を実施した一実施例のタレットパンチ
プレスの側面図である。

【図７】図６における平面図である。

【符号の説明】

１ タレットパンチプレス ５ 上タレット ７ 下タレット ２７ 金型ストッカ ３１ ホルダパレット ３３ 金型装着領域 ３７ 金型自動交換装置 ５９ 自動金型交換位置 ６１ 手動金型交換位置 ６３ セットアップ装置 ６５ 本体フレーム １１３ 流体シリンダ １２９ フットスイッチ装置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の金型を支持したタレットを回転自
   在に備えたタレットパンチプレスのフレームに隣接して
   複数の金型を保持収容する金型ストッカを設け、この金
   型ストッカに対応した位置と前記タレットに対応した位
   置との間を往復動自在に金型交換装置を備えてなり、前
   記金型ストッカの金型交換装置側に自動金型交換位置を
   設け、この自動金型交換位置の反対側に手動金型交換位
   置を設け、この手動交換位置で金型を装着した金型ホル
   ダを上，下限位置にセットすべく上下動自在なセットア
   ップ装置を設けてなることを特徴とするタレットパンチ
   プレス。
2. 【請求項２】 前記セットアップ装置を上下動せしめる
   のにセットアップ装置に流体シリンダを接続し、この流
   体シリンダの作動をフットスイッチ装置で行なうべく構
   成されていることを特徴とする請求項１記載のタレット
   パンチプレス。