JP2593813Y2 - プレス機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、プレス機に係り、上
金型，下金型の金型を交換する金型交換装置を備えたプ
レス機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、プレス機としては、フレームの前
側に設けられたボルスタ上に下金型が着脱可能に設けら
れていると共に、ボルスタの上方にはフレームに上下動
自在にスライドが設けられ、このスライドの下部には上
金型が着脱可能に設けられている。したがって、下金型
上にワークを載置固定し、スライドを上下動せしめるこ
とにより、下金型と上金型との協働でワークにプレス加
工が行われる。

【０００３】プレス機のフレーム内には金型交換用のガ
イドレールが前後方向へ延伸して設けられており、この
ガイドレールの後方には渡りガイドレールが上下動自在
に設けられている。この渡りガイドレールに直交した方
向すなわち左右方向へ移動自在な金型台車が配置されて
いる。この金型台車上には金型を取付け、取外しする取
付けステージ，取外しステージが設けられている。

【０００４】金型を交換する際には、交換用のスタート
ボタンをＯＮにすると、スライドが下降し下死点に停止
されて上金型が下金型上に載せられる。下金型，上金型
がアンクランプされると、スライドが上昇して上死点で
停止される。次いで、ダイリフタを上昇させる。

【０００５】一方、金型台車を移動させて取外しステー
ジを渡りガイドレールの部分に位置決めすると共に渡り
ガイドレールを下降せしめ、フックを前進端に移動させ
る。

【０００６】フックを金型にひっかけてフックを後進端
まで移動せしめると金型が取外しステージに載せられ
る。渡りガイドレールを上昇せしめると共に、金型台車
を移動させ取付けステージを位置決めせしめる。渡りガ
イドレールを下降せしめた後、取付けステージ上の金型
をフックでひっかけてフックを前進端まで移動させると
金型がダイリフタ上に載せられる。

【０００７】ダイリフタを下降せしめると金型がボルス
タ上に乗り、下金型をクランプし、スライドを下死点ま
で移動させる。次いで上金型をクランプし、スライドを
上死点まで移動させる。一方、フックも後進端まで移動
させた後、渡りガイドレールを上昇させると共に金型台
車を移動させて取付けステージを位置決めさせることに
よって金型交換の一連の動作が終了する。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のプレス機の構造では金型台車には取付けステージと
取外しステージとを有しているため設置スペースが大き
い。また、金型を交換する際の交換時間が非常に長くか
かるという問題がある。

【０００９】この考案の目的は、設置スペースを極力小
さくすると共に金型を交換する交換時間を従来よりも短
縮するようにしたプレス機を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前述のごとき従来の問題
に鑑みて、本考案は、プレス機におけるサイドフレーム
の前側下部に備えた下部フレーム上にボルスタを設けた
前記プレス機において、上記ボルスタ上の金型を前後方
向へ移動自在に支持する複数のローラを備えたダイリフ
タを上記ボルスタに上下動自在に設け、前記ボルスタの
後方で前記サイドフレームの間の領域内に、前記ボルス
タから後方へ移動される金型を支持する第１のテーブル
と前記ボルスタ上へ移動するための交換金型を支持する
第２のテーブルとを上下に離隔して備えたテーブルを上
下動自在に設け、かつ前記第１，第２のテーブルに対し
て金型を受け渡し自在の金型置台を、前記テーブルの後
方に配置して設けると共に、金型置台の高さを、前記ボ
ルスタと同一高さに設けた構成である。

【００１１】

【実施例】以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

【００１２】図１および図２を参照するに、プレス機１
は、フレームとしてのサイドフレーム３を両側に備えて
おり、このサイドフレーム３間の前側における下部には
下部フレーム５が設けられていると共に上部には上部フ
レーム７が設けられている。この上部フレーム７にはす
でに公知の上下動機構によって上下動自在なスライド９
が設けられている。このスライド９の下部には図３も併
せて参照するに、スライド９に上金型Ｐをクランプ，ア
ンクランプせしめる上金型用クランプ１１が複数取付け
られている。

【００１３】前記下部フレーム５上にはボルスタ１３が
設けられている。このボルスタ１３上には下金型Ｄが載
置される際に下金型Ｄを位置決めするストッパピン１５
が複数設けられている。また、前記下部フレーム５の左
右側（図２において上下側）には前後方向（図２におい
て左右方向）へ延伸したローラガイド１７Ｒ，１７Ｌが
敷設されている。このローラガイド１７Ｒ，１７Ｌに前
後方向へ適宜な間隔で複数のガイドローラ１９が回転可
能に支承されている。

【００１４】前記下部フレーム５上の左右側には下金型
Ｄをクランプ，アンクランプせしめる下金型用クランプ
２１が複数設けられていると共に各下金型用クランプ２
１は下部フレーム５上に左右方向へ延伸して敷設された
ガイドレール２３に沿って移動可能となっている。ま
た、前記下部フレーム５上の図２において右側の上下に
は型押しシリンダ２５が設けられている。

【００１５】上記構成により、上金型Ｐを載せた下金型
Ｄがボルスタ１３上にガイドローラ１９に案内されて移
動されてくるとストッパピン１５に当接されて位置決め
される。この状態で型押しシリンダ２５の作動で左右側
が位置決めされると共に、下金型クランプ２１で下金型
Ｄがクランプされる。そしてスライド９が下死点まで下
降すると上金型用クランプ１１で上金型Ｐをクランプせ
しめる。スライド９を上死点まで上昇せしめる。

【００１６】この状態で加工すべきワークを下金型Ｄ上
に載置固定し、スライド９を上下動せしめることによっ
て、上金型Ｐと下金型Ｄとの協働でワークに所望のプレ
ス加工が行われることになる。

【００１７】前記ボルスタ１３側にはダイリフタ２７が
設けられている。より詳細には下部フレーム５の後部
（図１，図２において右側）にはサブフレーム２９が一
体化されており、このサブフレーム２９と下部フレーム
５上におけるボルスタ１３の左右部には上下動自在な昇
降体３１Ｒ，３１Ｌが前後方向へ延伸して設けられてい
る。この昇降体３１Ｒ，３１Ｌには前後方向へ適宜な間
隔で複数のローラ３３が回転自在に支承されている。前
記下部フレーム５およびサブフレーム２９に設けられた
複数の油圧シリンダ３５によって昇降体３１Ｒ，３１Ｌ
が前記ボルスタ１３の上面よりわずか上方へ突出される
ようになっている。すなわちボルスタ１３の上面に対し
て出没自在に設けられている。

【００１８】前記サブフレーム２９上には駆動モータ３
７が取付けられており、この駆動モータ３７の出力軸に
は例えばスプロケット，チエンなどの伝達部材３９を介
して連結軸４１の一端が連結されている。この連結軸４
１の両端は左右側のローラ３３のうちの１つの軸に連結
されている。また、各ローラ３３は図示省略されている
が例えば複数のギヤなどによって回転駆動されるように
なっている。

【００１９】上記構成により、駆動モータ３７を駆動せ
しめると、出力軸，伝達部材３９を介して連結軸４１が
回転される。この連結軸４１の回転により連結軸４１に
連結されている左右のローラ３３が回転されるからすべ
てのローラ３３が回転されることになる。

【００２０】前記下部フレーム５の後方におけるサイド
フレーム３間の下部には油圧シリンダなどにより上下動
自在なテーブルリフタ４３が設けられている。このテー
ブルリフタ４３上にはテーブル４５が設けられている。
このテーブル４５は上テーブル４５Ｕと、上金型Ｐを載
せた下金型Ｄが通過可能な高さを有した下テーブル４５
Ｄとで一体的に構成されている。

【００２１】この上，下テーブル４５Ｕ，４５Ｄがそれ
ぞれ支持プレート４７とこの支持プレート４７の左右両
側にローラバー４９が設けられている。このローラバー
４９には前後方向へ適宜な間隔で複数のローラ５１が回
転自在に支承されている。

【００２２】前記支持プレート４７上には駆動モータ５
３が取付けられており、この駆動モータ５３の出力軸に
は例えばスプロケット，チエンなどの伝達部材５５を介
して連結軸５７の一端が連結されている。この連結軸５
７の両端は左右側のローラ５１のうちの１つの軸に連結
されている。また各ローラ５１は図示省略されているが
例えば複数のギヤなどによって回転駆動されるようにな
っている。

【００２３】前記各支持プレート４７上にはストッパシ
リンダ５９が設けられており、このストッパシリンダ５
９に装着されたストッパピン６１が上下動自在に設けら
れている。

【００２４】上記構成により、テーブルリフタ４３を作
動せしめることによって、上テーブル４５Ｕ，下テーブ
ル４５Ｄを一体化した状態でテーブル４５が上下動され
ることになる。また、各駆動モータ５３を駆動せしめる
と、出力軸，伝達部材５５を介して連結軸５７が回転さ
れる。この連結軸５７の回転により連結軸５７に連結さ
れている左右のローラ５１が回転されるからすべてのロ
ーラ５１が回転されることになる。

【００２５】前記テーブル４５の後部（図１，図２にお
いて右部）には、図１より理解されるように、前記ボル
スタ１３と高さの等しい金型置台６３が設けられてい
る。この金型置台６３は立設された支持フレーム６５を
備えており、この支持フレーム６５上には支持プレート
６７が設けられている。この支持プレート６７の左右両
側にはローラバー６９が設けられており、このローラバ
ー６９には前後方向へ適宜な間隔で複数のローラ７１が
回転自在に支承されている。

【００２６】前記支持プレート６７上には駆動モータ７
３が取付けられており、この駆動モータ７３の出力軸に
は例えばスプロケット，チエンなどの伝達部材７５を介
して連結軸７７の一端が連結されている。この連結軸７
７の両端は左右側のローラ７１のうちの１つの軸に連結
されている。また、各ローラ７１は図示省略されている
例えば複数のチェーンなどによって回転駆動されるよう
になっている。

【００２７】前記支持プレート６７上にはストッパシリ
ンダ７９が設けられており、このストッパシリンダ７９
に装着されたストッパピン８１が上下動自在に設けられ
ている。

【００２８】上記構成により、駆動モータ７３を駆動せ
しめると、出力軸，伝達部材７５を介して連結軸７７が
回転される。この連結軸７７の回転により連結軸７７に
連結されている左右のローラ７１が回転されるからすべ
てのローラ７１が回転されることになる。

【００２９】次に、上金型Ｐ，下金型Ｄを交換する交換
動作について、図４を用いて説明する。

【００３０】予めテーブルリフタ４３上の下テーブル４
５Ｄ上に上金型Ｐを載せた下金型Ｄからなる交換すべき
金型Ｂが一時的に保管されているとする。スライド９を
下死点まで下降させると共に上金型用クランプ１１をア
ンクランプせしめると、上金型Ｐが下金型Ｄ上に載置さ
れる。スライド７を上死点まで上昇せしめる。下金型用
クランプ２１をアンクランプせしめると、例えば図４
（Ａ）に示されているように、ボルスタ１３上に上金型
Ｐを載せた下金型Ｄからなる金型Ａが載置される。ダイ
リフタ２７の昇降体３１Ｒ，３１Ｌをわずか上昇せしめ
ると、金型Ａがローラ３３上に載る。

【００３１】金型置台６３の支持プレート６７に設けら
れたストッパシリンダ７９を作動せしめてストッパピン
８１を下降せしめる。ボルスタ１３，上テーブル４５Ｕ
及び金型置台６３が同一高であるから、ダイリフタ２７
のローラ３３を図１において時計方向回りに回転せしめ
ると共に、上テーブル４５Ｕのローラ５１および金型置
台６３のローラ７１を同方向へ回転せしめると、図４
（Ｂ）に示されているように、金型Ａが金型置台６３の
ローラ７１まで直接移動される。金型Ａがストッパピン
８１を通過すると、金型Ａが停止すると共にストッパピ
ン８１が上昇される。

【００３２】次いで、テーブルリフタ４３が上昇して、
図４（Ｃ）に示されているように、下テーブル４５Ｄの
上面がダイリフタ２７の上面と同じ面一になると停止さ
れると共に、下テーブル４５Ｄ上のストッパピン６１が
下降される。

【００３３】下テーブル４５Ｄのローラ５１およびダイ
リフタ２７のローラ３３を図１において反時計回りに回
転せしめることにより、金型Ｂが、図４（Ｄ）に示され
ているようにダイリフタ２７のローラ３３に直接移動さ
れてきて、ストッパピン１５に当接し位置決めされる。
次いで、ダイリフタ２７を下降させて金型Ｂがボルスタ
１３上に移し替えられる。

【００３４】図４（Ｅ）に示されているように、金型Ｂ
の下金型Ｄが下金型用クランプ２１でクランプされる。
また、スライド９が下死点まで下降されてきて、上金型
用クランプ１１で上金型Ｐがクランプされることによっ
て、金型Ａから金型Ｂに自動０交換されたことになる。

【００３５】金型Ｂでプレス加工を行っている間に、次
の金型Ｃが準備される。すなわち、図５（Ａ）に示され
ているように、金型置台６３のローラ７１上に金型Ｃが
載せられる。次いで、図５（Ｂ）に示されているよう
に、金型置台６３のローラ７１および下テーブル４５Ｄ
のローラ５１を図１において時計方向に廻りに回転させ
ると、金型Ｃがローラ５１上に載り、ストッパピン６１
に当接して位置決めされる。次いで、図５（Ｃ）に示さ
れているように、テーブルリフタ４３が下降して下テー
ブル４５Ｄがサイドフレーム３内に一時的に保管されて
待機されることになる。

【００３６】したがって、サイドフレーム３内に上下動
自在なテーブルリフタ４３を設け、このテーブルリフタ
４３上に上テーブル４５Ｕと下テーブル４５Ｄとからな
るテーブル４５を設けると共に、サイドフレーム３の後
部に金型置台６３を設けたことによって、設置スペース
を極力小さくすることができると共に、金型の交換時間
を従来よりも短縮させることができる。

【００３７】なお、この考案は、前述した実施例に限定
されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他
の態様で実施し得るものである。

【００３８】

【考案の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、本考案においては、ボルスタ１３の後側でプ
レス機のサイドフレームの間には、第１のテーブル４５
Ｕと第２のテーブル４５Ｄとを上下に離隔して備えたテ
ーブル４５が上下動自在に設けてあり、このテーブル４
５の後方に配置した金型置台６３はボルスタ１３と同一
高さに設けてある。

【００３９】したがって、本考案によれば、初期におい
てボルスタ１３上に金型をセットするとき、テーブル４
５における第１又は第２テーブル４５Ｄをボルスタ１３
の高さに合せると、ボルスタ１３，第２のテーブル４５
Ｄ及び金型置台６３が同一高さとなるから、金型置台６
３からボルスタ１３上へ金型を移動する際にテーブル４
５の高さを調整する必要がなく、円滑かつ迅速に金型を
移動することができるものである。また、ボルスタ１３
上から金型置台６３へ金型を直接移動する場合も同様で
ある。

【００４０】また、ホルスタ１３上の金型の交換を行う
とき、テーブル４５における第１又は第２テーブル４５
Ｄに予め位置せしめておいた交換金型をボルスタ１３上
へ直接移動できるものであり、移動距離が短く、短時間
での移動を行い得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案を実施する一実施例のプレス機の側面
図である。

【図２】図１における拡大平面図である。

【図３】図１におけるＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った矢視図
である。

【図４】金型を交換する交換動作の説明図である。

【図５】次の金型を準備する準備動作の説明図である。

【符号の説明】

１ プレス機 ３ サイドフレーム（フレーム） ９ スライド １１ 上金型用クランプ １３ ボルスタ ２１ 下金型用クランプ ２７ ダイリフタ ３３ ローラ ４３ テーブルリフタ ４５ テーブル ４５Ｕ 上テーブル ４５Ｄ 下テーブル ５１，７１ ローラ ６３ 金型置台 Ｐ 上金型 Ｄ 下金型

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プレス機（１）におけるサイドフレーム
   （３）の前側下部に備えた下部フレーム（５）上にボル
   スタ（１３）を設けた前記プレス機（１）において、上
   記ボルスタ（１３）上の金型を前後方向へ移動自在に支
   持する複数のローラ（３３）を備えたダイリフタ（２
   ７）を上記ボルスタ（１３）に上下動自在に設け、前記
   ボルスタ（１３）の後方で前記サイドフレーム（３）の
   間の領域内に、前記ボルスタ（１３）から後方へ移動さ
   れる金型を支持する第１のテーブル（４５Ｕ）と前記ボ
   ルスタ（１３）上へ移動するための交換金型を支持する
   第２のテーブル（４５Ｄ）とを上下に離隔して備えたテ
   ーブル（４５）を上下動自在に設け、かつ前記第１，第
   ２のテーブル（４５Ｕ，４５Ｄ）に対して金型を受け渡
   し自在の金型置台（６３）を、前記テーブル（４５）の
   後方に配置して設けると共に、金型置台（６３）の高さ
   を前記ボルスタ（１３）と同一高さに設けたことを特徴
   とするプレス機。