JPH0527220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案はプレス機械における金型取付装置に
係り、更に詳細には、金型交換作業を容易、迅速
化したプレス機械における金型取付装置に関す
る。

（従来の技術） 従来、例えば抜打ち加工、あるいは絞り加工等
を行なうプレス機械の金型取付装置にあつては、
金型の取付け、取外し等の交換作業は、人手によ
つて行なつていたため多くの時間と手間を要して
いた。

このため、作業時間を短縮し稼働率を高める手
段として、QDC（Quick Die Change）装置が採
用されている。

このQDC装置の一環として、ボルスタ内にこ
ろを上端に備えたバーを設け、このバーを油圧あ
るいはカム等により浮上させるダイリフタ機構が
使用され、金型交換を容易ならしめている。

しかし、上記の如きダイリフタ機構を使用した
場合は、ワークの落し穴の設定、及び、ワークス
クラツプの取出し、ダイクツシヨンの使用等の場
合、スペース的な問題で金型を直接ボルスタに取
付けることができない。そのために、金型とボル
スタとの間に金型と一体的なブロツクを設ける方
法をとつていた。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、金型交換時に別の加工を行なう
ための金型を取付ける際には、その金型に合つた
ブロツクを用意する必要があり、設備費を要し、
且つ、金型に合わせる段取り替えに多大の時間を
要するという問題があつた。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 前述のごとき従来の問題を鑑みて、本考案は、
プレス機械におけるボルスタに、対向した一対の
ブロツクを互に接近離反自在かつ上記ボルスタに
固定自在に設け、上記各ブロツクに、各ブロツク
の上面に対して出没自在かつ下部金型を移動自在
に支持自在のダイリフタ装置を設けると共に、前
記各ブロツクに対して前記下部金型を固定自在の
クランプ装置を前記各ブロツクに設けてなるもの
である。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

第４図は、この考案の金型取付装置を準備させ
たプレス機械の概略正面図を示し、プレス機械１
は、フレーム３の上部にラム５が昇降自在に取付
けられ、また、下部にはプレスボルスタ７が設け
られている。

前記ラム５の下部に固定したプレススライド９
には、上部金型１１を固定するための金型取付装
置１３が設けられ、このプレススライド９と対応
するプレスボルスタ７には、下部金型１５を固着
するための金型取付装置１３が装着してある。

この考案に係る前記金型取付装置１３につい
て、更に詳細に説明する。

第１図乃至第３図には下部金型１５に取付けて
いる金型取付装置１３を示しているが、上部金型
１１の金型取付もほぼ同様な構造であるため説明
を省略する。

金型取付装置１３は、プレスボルスタ７の上面
に設けられ、第１図にて左右方向に対向して配設
されたブロツク１７は、プレスボルスタ７に設け
たＴ型溝１９にそつて係合部材２１を介して左右
に移動自在に設けてある。

前記係合部材２１の構成は、第３図に示すごと
く、ブロツク１７に内蔵されたスプリング２３に
抗し流体圧を作動させてピストン２５を移動させ
ることにより、ピストン２５の先端に設けた前記
プレスボルスタ７のＴ型溝１９に嵌合した係止部
２７にて、ブロツク１７はプレスボルスタ７に係
脱自在となる。

ブロツク１７を左右に移動させる駆動機構２９
としては、第１図に示す如く、ねじ棒３１とスプ
ロケツト、チエーンなどから構成されている。プ
レスボルスタ７上に対向して配設したブロツク１
７は、複数のねじ棒３１により移動自在となる。
この各ねじ棒３１はプレス機械中心にて右ねじ部
３１ａと左ねじ部３１ｂとに振分けられ、プレス
ボルスタ７より両側に立設したブラケツト３３に
回転自在に設けたベアリング３５に支承され、ね
じ棒３１の片側例えば右側に設けたスプロツト３
７にチエーン３９等を掛回し、ハンドル４１によ
り同期して各ねじ棒３１は回転する。

前記ブロツク１７には、下部金型１５を固定す
るため複数配設されたクランプ装置４３が設けら
れ、更に、金型交換を容易ならしめるダイリフタ
装置４５が設けられている。

クランプ装置４３およびダイリフタ装置４５
は、従来使用されている構造と同一のため詳細な
説明は省略するが、クランプ装置４３は、第３図
に示すように、下部金型１５の上面をクランプす
るクランプ部材４７と、このクランプ部材４７の
ほぼ中間部を回動自在に支承させたクランプ台４
９とから構成されている。

このクランプ台４９は、プレスボルスタ７に設
けたＴ型溝１９と同一方向に形成されたガイド溝
５１に摺動自在に係合されている。

また、前記クランプ部材４７の下部金型１５と
反対側は、図示を省略したがクランプ台４９に内
蔵されたシリンダ機構のピストン５３に当接し、
シリンダ機構を作動させることにより、ピストン
５３を介してクランプ部材４７はピン５５を回動
支点とし、下部金型１５をクランプすることがで
きる。

また、ダイリフタ装置４５は、第３図に示すご
とく、ブロツク１７の上面に前後方向（紙面に対
して鉛直方向）に延伸したガイド溝５７が穿設さ
れており、このガイド溝５７内には、複数のガイ
ドローラ５９を適宜間隔に備えた昇降バー６１が
昇降自在かつブロツク１７の上面に対して出没自
在に収容されている。なお、昇降バー６１の昇降
は、前記ガイド溝５７の底部に配置した複数の流
体圧シリンダ６３の作用によつて行なわれるもの
である。

更に、ブロツク１７の前面側（第２図にて左
側）に、金型交換時のみ取付け、加工中は取外さ
れている脱着式のプリローラ装置６５を設けて構
成してある。なお、第１図においてプレスボルス
タ７の中央部には落し穴６７が形成されている。

上記の構成によりその作用としては、金型を装
着する場合は、装着する金型の大きさに合わせる
ための操作を行なう。この操作は、駆動機構２９
を回転させることにより左右に対向して配設した
ブロツク１７を、プレス中心に対し同量左あるい
は右に移動させて金型の大きさに合わせる。な
お、本実施例は手動ハンドル４１にて行なうが、
例えば電動機等の駆動源を用いても良いことは勿
論である。

次にブロツク１７の位置が決つたら、ブロツク
１７とプレスボルスタ７間に設けた係合部材２１
であるピストン２５を作動させ係合部２７により
両者を固定する。

プレスボルスタ７にブロツク１７を固定したら
プリローラ装置６５をブロツク１７に装着し、ブ
ロツク１７に設けたダイリフタ装置４５を作動さ
せてガイドローラ５９をブロツク１７の上面より
突出させる。ガイドローラ５９が突出したことに
より、下部金型１５を挿入時に軽い力で迅速に挿
入することができる。

金型１５の位置が決まつたらダイリフタ装置４
５のガイドローラ５９を下降させ、クランプ装置
４３を作動させクランプ部材４７にて下部金型１
５をブロツク１７上に固定して、一連の挿着操作
を終了する。

また、プレス機械１から下部金型１５を取外す
場合は、クランプ装置４３の作動圧を解放するこ
とによりクランプ部材４３と金型１５とは固着状
態から解放され、ダイリフタ装置４５を作動させ
ガイドローラ５９にて金型１５を浮上させる。

このため、金型１５はガイドローラ５９上を転
送でき軽い力で引出し作業を行なうことができ
る。

上述のごとく、金型の大きさが変化しても駆動
機構２９を操作することにより、ブロツク１７の
位置を変化させ金型に合つた位置を設定できるた
め、数多くのブロツクを在庫する必要がなく、コ
ストダウンとなり、かつ、簡単な操作でセツトで
きるため段取り時間を著しく削減することができ
る。

なお、上述した実施例に限定されることなく、
本考案の要旨を逸脱しない範囲において種々変更
を加え得ることは勿論である。

［考案の効果］ 以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、要するに本考案は、プレス機械におけるボル
スタ７に、対向した一対のブロツク１７を互に接
近離反自在かつ上記ボルスタ７に固定自在に設
け、上記各ブロツク１７に、各ブロツク１７の上
面に対して出没自在かつ下部金型１５を移動自在
に支持自在のダイリフタ装置４５を設けると共
に、前記各ブロツク１７に対して前記下部金型１
５を固定自在のクランプ装置４３を前記各ブロツ
ク１７に設けてなるものである。

上記構成より明らかなように、本考案におい
て、対向して互に接近離反自在かつボルスタ７に
固定自在に設けた一対の各ブロツク１７には、下
部金型１５を移動自在に支持自在のダイリフタ装
置４５が各ブロツク１７の上面に対して出没自在
に設けてあると共に、前記下部金型１５を各ブロ
ツク１７に固定自在のクランプ装置４３が装着し
てある。

したがつて本考案によれば、一対の各ブロツク
１７の位置決めを行なうことにより、ダイリフタ
装置４５とクランプ装置４３との位置決めが行な
われることとなり、かつ前記各ブロツク１７を移
動した場合であつても、前記ダイリフタ装置４５
とクランプ装置４３との相互の位置的関係は常に
一定である。

よつて、下部金型１５の大きさに対応して一対
の各ブロツク１７の位置調節を行なえば良いもの
であり、各種寸法の下部金型１５に対して容易に
対応し得るものである。また、従来の既存のプレ
ス機械に対しても、一対の各ブロツク１７を装着
することによつて容易に実施し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの考案の一実施例を示す
金型取付装置を示し、第１図は配置的構成を概念
的に示した平面図、第２図は第１図の−線に
沿つた拡大断面図、第３図は第２図の−線に
沿つた断面図である。第４図はこの考案の金型取
付装置を装備したプレス機械の配置的構成を概念
的に示した正面図である。 １……プレス機械、７……プレスボルスタ、１
３……金型取付装置、１５……下部金型、１７…
…ブロツク、４３……クランプ装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス機械におけるボルスタ７に、対向した一
   対のブロツク１７を互に接近離反自在かつ上記ボ
   ルスタ７に固定自在に設け、上記各ブロツク１７
   に、各ブロツク１７の上面に対して出没自在かつ
   下部金型１５を移動自在に支持自在のダイリフタ
   装置４５を設けると共に、前記各ブロツク１７に
   対して前記下部金型１５を固定自在のクランプ装
   置４３を前記各ブロツク１７に設けてなることを
   特徴とするプレス機械における金型取付装置。