JPH0546919A - 磁気ヘツド及びその製造方法 - Google Patents

磁気ヘツド及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0546919A
JPH0546919A JP20775191A JP20775191A JPH0546919A JP H0546919 A JPH0546919 A JP H0546919A JP 20775191 A JP20775191 A JP 20775191A JP 20775191 A JP20775191 A JP 20775191A JP H0546919 A JPH0546919 A JP H0546919A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
core
sliding contact
magnetic film
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20775191A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriaki Mukaide
徳章 向出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
Original Assignee
Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd, Kansai Nippon Electric Co Ltd filed Critical Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Priority to JP20775191A priority Critical patent/JPH0546919A/ja
Publication of JPH0546919A publication Critical patent/JPH0546919A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度記録化に伴って磁気ギャップのトラッ
ク幅が小さくなっても、ヘッド出力が低下することな
く、而も、摺動ノイズが発生することのないようにす
る。 【構成】 一対の強磁性体コア(21)を接合一体化して
その媒体摺接面(23)に磁気ギャップgを設けたコアチ
ップ(22)からなる磁気ヘッドにおいて、上記コアチッ
プ(22)の主要部をなす強磁性体部分(24)の頂部に媒
体摺動方向に沿って傾斜面(25)を形成し、その傾斜面
(25)に高飽和磁束密度を有する金属磁性膜(27)を被
着すると共にその金属磁性膜(27)上に第1の非磁性体
(28)を設け、上記金属磁性膜(27)の第1の非磁性体
(28)と反対側に第2の非磁性体(29)を設けて媒体摺
接面(23)を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、S−VHS用VTR、
高密度記録用FDDやHDD装置などに搭載される高密
度記録用の磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】S−VHS用VTR、高密度記録用FD
DやHDD装置などに搭載される磁気ヘッドは、積層ラ
ミネート型ヘッドやMIGヘッドが一般的である。
【0003】まず、積層ラミネート型ヘッドを図12に示
して説明する。このヘッドは、高飽和磁束密度を有する
センダスト等の金属磁性膜(1)とSiO2やAl23
等の絶縁薄膜(2)とを交互に積層したラミネート層
(3)を、セラミック等の非磁性体板(4)で両側から
挟み込んだ一対のコア(5)を接合一体化したコアチッ
プ(6)からなり、コア(5)の接合面間に、ギャップ
スペーサとなるSiO2等の非磁性体薄膜〔図示せず〕
を介在させることによりコアチップ(6)の媒体摺接面
(7)に磁気ギャップgを形成する。尚、磁気ギャップ
gはラミネート層(3)の厚みがトラック幅となる。ま
た、コアチップ(6)の巻線溝(8)及び巻線窓(9)
を利用して線材を巻回することによりコイルが形成され
る。
【0004】積層ラミネート型ヘッドは図13の(a)〜
(d)に示す各工程を経て製造される。まず、図13の
(a)に示すように表面に金属磁性膜(1)と絶縁薄膜
(2)とを交互にスパッタリング等により積層してラミ
ネート層(3)を形成した非磁性体基板(4)を複数用
意し、図13の(b)に示すようにこれらを重ね合わせて
熱圧着することにより母材(10)を得る。そして、図13
の(c)に示すようにこの母材(10)を重合方向に沿っ
て切断分割することにより一対のコアブロック(11)を
得る。その後、一方のコアブロック(11)の内外側面に
その長手方向に沿って巻線溝(8)及び巻線窓(9)と
なる凹溝(12)(13)を切削加工する。次に、図13の
(d)に示すようにコアブロック(11)の内側面をギャ
ップスペーサとなるSiO2等の非磁性体薄膜〔図示せ
ず〕を介して突き合わせて加熱し接合一体化し、接合一
体化されたコアブロック(11)の頂端面を研磨加工して
媒体摺接面を形成し、コアブロック(11)を定ピッチで
スライスして図12に示すコアチップ(6)を得る。
【0005】次に、MIGヘッドを図14に示して説明す
る。このヘッドは、フェライト等の強磁性体からなる一
対のコア(14)を接合一体化したコアチップ(15)から
なり、両コア(14)の接合面に高飽和磁束密度を有する
センダスト等の金属磁性膜(16)を被着形成し、ギャッ
プスペーサとなるSiO2 等の非磁性体薄膜〔図示せ
ず〕を介在させることによりコアチップ(15)の媒体摺
接面(17)に磁気ギャップgが形成される。この媒体摺
接面(17)では磁気ギャップgの媒体が摺動する前後で
金属磁性膜(16)が配置されることになり、その磁気ギ
ャップgの両側にガラス(18)が配置される。
【0006】上記MIGヘッドは図15の(a)〜(c)
に示す各工程を経て製造される。まず、図15の(a)に
示すようにフェライト等の強磁性体からなる一対のコア
ブロック(19)を用意し、両コアブロック(19)の接合
面にトラック溝(20)を形成し、その後、図15の(b)
に示すようにトラック溝(20)を形成したコアブロック
(19)の接合面に高飽和磁束密度を有するセンダスト等
の金属磁性膜(16)をスパッタリング等により被着形成
する。そして、図15の(c)に示すようにトラック溝
(20)にモールドによりガラス(18)を充填した上でそ
の接合面を鏡面研磨加工し、コアブロック(19)の接合
面をギャップスペーサとなるSiO2等の非磁性体薄膜
〔図示せず〕を介して突き合わせて加熱し接合一体化す
る。次に、接合一体化されたコアブロック(19)を定ピ
ッチでスライスして図14に示すコアチップ(15)を得
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した積
層ラミネート型ヘッド及びMIGヘッドには以下のよう
な問題があった。
【0008】積層ラミネート型ヘッドでは、近年の益々
の高密度記録化により磁気ギャップgでのトラック幅が
非常に小さくなる傾向にある。このようにトラック幅の
挟小化によりラミネート層(3)の厚みが小さくなる
と、磁路を構成するのがラミネート層(3)であるので
磁路の全体積が減少してヘッド出力が低下することにな
る。その結果、少しのノイズが発生しただけでもそのノ
イズがヘッド出力に与える影響が大きくなり、即ち、S
/N比が非常に高くなるという問題があった。
【0009】また、積層ラミネート型ヘッドの製造で
は、ラミネート層(3)が被着形成された複数の非磁性
体基板(4)を重ね合わせ、この状態で重合方向から非
磁性体基板(4)を熱圧着し、これにより得られた母材
(10)を重合方向に沿って切断分割することにより一対
のコアブロック(11)を得るというふうに、一対のコア
ブロック(11)を得るために工数が非常に多くなるとい
う問題もあった。
【0010】一方、MIGヘッドでは、高密度記録化に
よるトラック幅が挟小化されても、磁路を構成するのが
フェライト等の強磁性体部分であるので磁路の全体積が
減少することがなくヘッド出力が低下することはない。
また、MIGヘッドの製造においても積層ラミネート型
ヘッドのように工数が多くなるということもない。
【0011】しかしながら、MIGヘッドでは、コアチ
ップ(15)をフェライト等の強磁性体部分で構成してい
るため、媒体摺接面(17)にフェライト等の強磁性体部
分が露呈するため、ヘッド出力にフェライト特有の摺動
ノイズが発生するという問題があった。
【0012】そこで、本発明は上記問題点に鑑みて提案
されたもので、その目的とするところは、高密度記録化
に伴ってトラック幅が挟小化されても、ヘッド出力が低
下することなく、而も、摺動ノイズが発生することのな
い磁気ヘッド及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の技術的手段として本発明における磁気ヘッドは、一対
の強磁性体コアを接合一体化してその媒体摺接面に磁気
ギャップを設けたコアチップにおいて、上記コアチップ
の主要部をなす強磁性体部分の頂部に媒体摺動方向に沿
って傾斜面を形成し、その傾斜面に高飽和磁束密度を有
する金属磁性膜を被着すると共にその金属磁性膜上に第
1の非磁性体を設け、上記金属磁性膜の第1の非磁性体
と反対側に第2の非磁性体を設けて媒体摺接面を形成し
たことを特徴とする。
【0014】上記磁気ヘッドにおいて、第1或いは第2
の非磁性体内にビッカース硬度が500以上でその第1
或いは第2の非磁性体と反応しない非磁性粒体を混入し
たり、金属磁性膜の少なくとも一方の面にビッカース硬
度が500以上の非磁性膜を被着形成したり、ビッカー
ス硬度が500以上の第2の非磁性体を高融点ガラスで
強磁性体部分の頂部に接着したり、或いは、媒体摺接面
と磁気ギャップの深さを規制するデプスエンドとの間で
金属磁性膜が媒体摺接面に対して垂直であることが望ま
しい。
【0015】また、本発明における磁気ヘッドの製造方
法は、強磁性体母材に板状の第2の非磁性体を接着する
か或いは第2のトラック溝を形成し、その溝内に第2の
非磁性体を充填する工程と、その強磁性体母材に第1の
トラック溝を形成し、その溝内に高飽和磁束密度を有す
る金属磁性膜を所定のトラック幅に相当する厚みで被着
形成した上でその金属磁性膜上に第1の非磁性体を充填
する工程と、その強磁性体母材を第1及び第2のトラッ
ク溝の形成方向と直交する方向に切断して対をなすコア
ブロックを形成する工程と、その対をなすコアブロック
の両切断面を鏡面研磨仕上げする工程と、その対をなす
コアブロックをその切断面を衝合面としてギャップスペ
ーサとなる非磁性膜を介して突き合わせる工程と、突き
合わせにより一体化されたコアブロックをその短手方向
に沿って所定のピッチでスライスしてコアチップを形成
する工程とを含むことを特徴とする。
【0016】上記磁気ヘッドの製造方法において、コア
ブロックを第1のトラック溝の側面と平行になるように
所定のチップ厚みにスライスする工程と、コアチップの
頂端部をコアブロックのスライス方向と直交する方向で
研磨して媒体摺接面を形成する工程とを含むようにする
ことが望ましい。
【0017】
【作用】本発明に係る磁気ヘッドでは、高密度記録化に
よりトラック幅が挟小化されても、磁路を構成するのが
フェライト等の強磁性体部分であるので磁路の全体積が
減少することがなくヘッド出力が低下することはない。
また、コアチップの媒体摺接面に露呈するのが金属磁性
膜とその両側に配置された第1及び第2の非磁性体であ
り、フェライト等の強磁性体部分が露呈しないため、ヘ
ッド出力にフェライト特有の摺動ノイズが発生すること
もない。
【0018】また、本発明に係る磁気ヘッドの製造方法
では、トラック溝を形成してそのトラック溝に金属磁性
膜を被着形成することができるので、一対のコアブロッ
クを得るための工数が多くなることもない。
【0019】
【実施例】本発明に係る磁気ヘッド及びその製造方法の
実施例を図1乃至図11に示して説明する。
【0020】まず、本発明の磁気ヘッドを図1乃至図3
に示す。図1はS−VHS用VTR装置に、図2は高密
度記録用FDD装置に、図3はHDD装置にそれぞれ搭
載される各タイプの磁気ヘッドを示す。この磁気ヘッド
は、同図に示すようにフェライト等の強磁性体からなる
一対のコア(21)を接合一体化したコアチップ(22)か
らなり、コア(21)の接合面間に、ギャップスペーサと
なるSiO2 等の非磁性体薄膜〔図示せず〕を介在させ
ることによりコアチップ(22)の媒体摺接面(23)に磁
気ギャップgを形成する。コアチップ(22)では、フェ
ライト等の強磁性体部分(24)の頂部に媒体摺動方向に
沿って第1、第2の傾斜面(25)(26)を形成する。第
1の傾斜面(25)には、高飽和磁束密度を有するセンダ
スト等の金属磁性膜(27)をスパッタリング等により形
成し、更に、第1の非磁性体である低融点ガラス(28)
をモールド等により形成する。また、第2の傾斜面(2
6)に第2の非磁性体である高融点ガラス(29)をモー
ルド等により形成する。この強磁性体部分(24)での第
1、第2の傾斜面(25)(26)における金属磁性膜(2
7)、低融点ガラス(28)及び高融点ガラス(29)の形
成により、コアチップ(22)の媒体摺接面(23)が形成
され、磁気ギャップgは、その媒体摺接面(23)に露呈
する金属磁性膜(27)の厚みがトラック幅となる。ここ
で、図示しないが所定のトラック幅を得るために上記金
属磁性膜(27)とSiO2 やAl23等の絶縁薄膜とを
交互に積層したラミネート層を形成するようにしてもよ
いのは勿論である。尚、コアチップ(22)の巻線溝(3
0)及び巻線窓(31)を利用して線材〔図示せず〕を巻
回することによりコイルが形成される。図3で示す(3
2)はスライダである。
【0021】上記磁気ヘッドでは、高密度記録化により
磁気ギャップgのトラック幅が小さくなっても、磁路を
構成するのがフェライト等の強磁性体部分(24)である
ので磁路の全体積が減少することがなくヘッド出力が低
下することはない。また、媒体摺接面(23)に露呈する
のが金属磁性膜(27)とその両側に配置された低融点ガ
ラス(28)及び高融点ガラス(29)であり、フェライト
等の強磁性体部分(24)が露呈しないため、ヘッド出力
にフェライト特有の摺動ノイズが発生することもない。
【0022】S−VHS用VTR装置に搭載される磁気
ヘッドの場合、媒体摺接面(23)に媒体である磁気テー
プが摺動するため、媒体摺接面(23)での耐磨耗性が要
求される。この媒体摺接面(23)での耐磨耗性の向上を
図るため、図4に示すように低融点ガラス(28)にビッ
カース硬度が500以上でその低融点ガラス(28)と反
応しない非磁性粒体、例えば、SiO2、Al23、C
a・TiO3等の粒体(33)を混入する。ここで、粒体
(33)のビッカース硬度が500よりも小さいと媒体摺
接面(23)での耐磨耗性が低下するので好ましくない。
このように低融点ガラス(28)に粒体(33)を混入すれ
ば、媒体摺接面(23)上を磁気テープが摺動して低融点
ガラス(28)が磨耗しようとしてもビッカース硬度が大
きい粒体(33)でその磨耗が阻止されることになる。特
に、本発明の磁気ヘッドでは、強磁性体部分(24)の第
1の傾斜面(25)にトラック幅を規制する金属磁性膜
(27)が傾斜配置されている。その結果、媒体摺接面
(23)が磨耗すると、トラック幅が位置ずれすることに
なり、この媒体摺接面(23)での耐磨耗性が大きな問題
となる。従って、上記のように低融点ガラス(28)に粒
体(33)を混入させることによって媒体摺接面(23)で
の耐磨耗性を向上させることの効果は大である。
【0023】尚、上述では、粒体(33)を耐磨耗性が低
い低融点ガラス(28)に混入したが、高融点ガラス(2
9)の方は耐磨耗性が高いので必要としない。しかしな
がら、より一層、媒体摺接面(23)での耐磨耗性を向上
させるためには、図5に示すように媒体摺接面(23)で
の金属磁性膜(27)の低融点ガラス(28)と反対側に、
ビッカース硬度が500以上の、例えば、Ca・TiO3
等の非磁性体(34)を配置すればよい。この場合、非磁
性体(34)は強磁性体部分(24)の頂部に高融点ガラス
(35)で接着することになる。
【0024】また、上述したように低融点ガラス(28)
に粒体(33)を混入したり、或いは、非磁性体(34)を
配置したりする以外にも、媒体摺接面(23)での耐磨耗
性を向上させる目的を達成する具体的手段として、例え
ば、図6に示すように金属磁性膜(27)の少なくとも一
方の側面〔図では両側面〕にビッカース硬度が500以
上の、例えば、SiO2、Al23等の非磁性膜(36)
を被着形成するようにしてもよい。
【0025】次に、本発明における磁気ヘッドの製造方
法を図7(a)〜(e)、図8(a)〜(c)に示す。
まず、図7の(a)に示すようにフェライト等の強磁性
体からなる母材(37)を用意し、この母材(37)に多数
のトラック溝(39)〔第2のトラック溝と称す〕を定ピ
ッチで刻設する。そして、図7の(b)に示すように第
2のトラック溝(39)に高融点ガラス(29)をモールド
により充填する。その後、図7の(c)に示すように第
2のトラック溝(39)間に多数のトラック溝(38)〔第
1のトラック溝と称す〕を定ピッチで刻設する。その上
で、図7の(d)に示すようにセンダスト等の金属磁性
膜(27)をスパッタリングにより第1のトラック溝(3
8)に被着形成する。この時、第1のトラック溝(38)
が母材(37)の表面に対して傾斜面を有するV溝形状で
あるため、金属磁性膜(27)の成膜において所定の厚み
に設定することが容易である。その後、第1のトラック
溝(38)に低融点ガラス(28)をモールドにより充填す
る。そして、図7の(e)に示すように母材(37)を所
定の寸法だけ研磨加工することにより媒体摺接面(23)
を形成する。そして、図8の(a)に示すように上述の
ようにして得られた母材(37)を用意し、図8の(b)
に示すように第1、第2のトラック溝(38)(39)の形
成方向と直交する方向に切断して対をなす長尺なコアブ
ロック(40)を得る。ここで、コアブロック(40)の内
外側面にその長手方向に沿って巻線溝(30)及び巻線窓
(31)となる凹溝(41)(42)を切削加工し、コアブロ
ック(40)の切断面である内側面を鏡面研磨仕上げす
る。その上で、図8の(c)に示すように一対のコアブ
ロック(40)の内側面をギャップスペーサとなるSiO
2等の非磁性体薄膜〔図示せず〕を介して突き合わせて
加熱し接合一体化し、次に、接合一体化されたコアブロ
ック(40)を定ピッチでスライスして図1乃至図3に示
すコアチップ(22)を得る。
【0026】本発明方法では、第1のトラック溝(38)
を刻設した上でその第1のトラック溝(38)の傾斜面に
金属磁性膜(27)をスパッタリング等により被着形成す
るようにしたから、従来の積層ラミネート型ヘッドの製
造方法と比較して一対のコアブロック(40)を製作する
上で工数が多くなることはない。
【0027】本発明では、前述した構成からなる磁気ヘ
ッドの製造方法として、上述した方法以外に、図9の
(a)(b)に示すように母材(37)に板状の高融点ガ
ラス(43)を接着固定した上で第1のトラック溝(38)
を刻設し、その第1のトラック溝(38)に金属磁性膜
(27)を被着形成し低融点ガラス(28)をモールドによ
り充填する。以下、上述した方法と同様にして一対のコ
アブロック(40)を製作し、そのコアブロック(40)か
ら図1乃至図3に示すコアチップ(22)を得る。
【0028】また、前述したようにS−VHS用VTR
装置に搭載され、媒体摺接面(23)での耐磨耗性が要求
される磁気ヘッドを製造する場合、媒体摺接面(23)で
の耐磨耗性の向上を図るため、低融点ガラス(28)に
は、ビッカース硬度が500以上でその低融点ガラス
(28)と反応しない非磁性粒体、例えば、SiO2、A
23、Ca・TiO3等の粒体(33)を混入したものを
使用する。
【0029】更に、媒体摺接面(23)での耐磨耗性をよ
り一層向上させるために、媒体摺接面(23)での金属磁
性膜(27)の低融点ガラス(28)と反対側に、ビッカー
ス硬度が500以上の、例えば、Ca・TiO3等の非磁
性体(34)を配置しようとする場合、上述したように母
材(37)に板状の高融点ガラス(43)を接着固定する代
わりに板状の非磁性体(34)を母材(37)上に高融点ガ
ラス(35)で接着固定すればよい。
【0030】また、上述したように低融点ガラス(28)
に粒体(33)を混入したり、或いは、非磁性体(34)を
配置したりする以外にも、媒体摺接面(23)での耐磨耗
性を向上させる目的で、金属磁性膜(27)の少なくとも
一方の側面〔図では両側面〕にビッカース硬度が500
以上の、例えば、SiO2、Al23等の非磁性体膜(3
6)を被着形成する場合には、母材(37)の第1のトラ
ック溝(38)を形成する前後に非磁性体膜(36)をスパ
ッタリング等により被着形成するようにすればよい。
【0031】以上説明した実施例での磁気ヘッド及びそ
の製造方法では、トラック幅を規制する金属磁性膜(2
7)が媒体摺接面(23)に対して傾斜した面上に形成し
ているため、前述したように上記媒体摺接面(23)での
磁気テープの走行により媒体摺接面(23)が磨耗した場
合、上記トラック幅が位置ずれすることがあり、これを
解決するために上述した各種手段を講じればよい。一
方、このような手段を講じなくても、例えば、図10に示
すように一対のコアブロック(40)を作製した上で、両
コアブロック(40)を突き合わせて接合一体化したもの
を、斜め方向にスライスしてコアチップ(22)を形成し
た後、そのコアチップ(22)の頂端面をそのスライス方
向と直交する方向に研磨加工することにより媒体摺接面
(23)を形成するようにすればよい。このようにすれ
ば、金属磁性膜(27)が媒体摺接面(23)に対して垂直
となるので、媒体摺接面(23)が磁気テープの走行によ
り磨耗しても、トラック幅を規制する金属磁性膜(27)
が位置ずれすることがない。
【0032】また、最後に、図11に示すように第1のト
ラック溝(38)に金属磁性膜(27)をスパッタリング等
により被着形成する場合、第1のトラック溝(38)を、
磁気ギャップの深さ寸法を示すデプスエンドDまでの短
い寸法だけ、母材(37)の表面に対して垂直となる部分
(m)を有するように形成すれば、その垂直部分(m)
が比較的短く第1のトラック溝(38)のエッジ部分とな
っているので、金属磁性膜(27)の形成時にスパッタリ
ング材料が所定の厚みとなるようにすることは容易であ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、高密度記録化によりト
ラック幅が挟小化しても、磁路を構成するのがフェライ
ト等の強磁性体部分であるので磁路の全体積が減少する
ことがなくヘッド出力が低下することはない。また、媒
体摺接面に露呈するのが金属磁性膜と第1、第2の非磁
性体であり、フェライト等の強磁性体部分が露呈しない
ため、ヘッド出力にフェライト特有の摺動ノイズが発生
することもない。更に、本発明に係る磁気ヘッドの製造
方法では、トラック溝を刻設しそのトラック溝に金属磁
性膜を形成することができるので、一対のコアブロック
を得るための工数が多くなることもない。このように製
作が非常に容易で出力効率の良好な高品質の磁気ヘッド
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】S−VHS用VTR装置に搭載される本発明の
磁気ヘッドを示す斜視図
【図2】高密度記録用FDD装置に搭載される本発明の
磁気ヘッドを示す斜視図
【図3】HDD装置に搭載される本発明の磁気ヘッドを
示す斜視図
【図4】図1の磁気ヘッドにおいて低融点ガラスに非磁
性粒体を混入したものを示す斜視図
【図5】図1の磁気ヘッドにおいて高融点ガラスの代わ
りに非磁性体を使用したものを示す斜視図
【図6】図1の磁気ヘッドにおいて金属磁性膜の両側に
非磁性膜を被着形成したものを示す斜視図
【図7】(a)〜(e)は本発明に係る磁気ヘッドの製
造方法を説明する各工程での母材の断面図
【図8】(a)〜(c)は本発明に係る磁気ヘッドの製
造方法を説明する各工程での母材及びコアブロックを示
す断面図
【図9】(a)は本発明方法において高融点ガラスをモ
ールドする代わりに板状の高融点ガラスを使用した母材
を示す斜視図、(b)は(a)の母材に金属磁性膜を被
着し低融点ガラスを充填した状態を示す断面図
【図10】本発明方法の変形例を説明するためのコアブロ
ックを示す断面図
【図11】本発明方法の他の変形例を説明するための母材
を示す断面図
【図12】積層ラミネート型ヘッドの具体例を示す斜視図
【図13】(a)〜(d)は図12の積層ラミネート型ヘッ
ドの製造方法を説明するための各工程でのコアブロック
を示す斜視図
【図14】MIGヘッドの具体例を示す斜視図
【図15】(a)〜(c)はMIGヘッドの製造方法を説
明するための各工程でのコアブロックを示す斜視図
【符号の説明】
21 コア 22 コアチップ 23 媒体摺接面 24 強磁性体部分 25 傾斜面〔第1の傾斜面〕 27 金属磁性膜 28 第1の非磁性体〔低融点ガラス〕 29 第2の非磁性体〔高融点ガラス〕

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の強磁性体コアを接合一体化してそ
    の媒体摺接面に磁気ギャップを設けたコアチップからな
    る磁気ヘッドにおいて、 上記コアチップの主要部をなす強磁性体部分の頂部に媒
    体摺動方向に沿って傾斜面を形成し、その傾斜面に高飽
    和磁束密度を有する金属磁性膜を被着すると共にその金
    属磁性膜上に第1の非磁性体を設け、上記金属磁性膜の
    第1の非磁性体と反対側に第2の非磁性体を設けて媒体
    摺接面を形成したことを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 第1或いは第2の非磁性体内にビッカー
    ス硬度が500以上でその第1或いは第2の非磁性体と
    反応しない非磁性粒体を混入したことを特徴とする請求
    項1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 金属磁性膜の少なくとも一方の面にビッ
    カース硬度が500以上の非磁性膜を被着形成したこと
    を特徴とする請求項1又は2記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 ビッカース硬度が500以上の第2の非
    磁性体を高融点ガラスで強磁性体部分の頂部に接着した
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の磁気ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 媒体摺接面と磁気ギャップの深さを規制
    するデプスエンドとの間で金属磁性膜が媒体摺接面に対
    して垂直であることを特徴とする請求項1、2、3、4
    又は5記載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 強磁性体母材に板状の第2の非磁性体を
    接着するか或いは第2のトラック溝を形成し、その溝内
    に第2の非磁性体を充填する工程と、その強磁性体母材
    に第1のトラック溝を形成し、その溝内に高飽和磁束密
    度を有する金属磁性膜を所定のトラック幅に相当する厚
    みで被着形成した上でその金属磁性膜上に第1の非磁性
    体を充填する工程と、その強磁性体母材を第1及び第2
    のトラック溝の形成方向と直交する方向に切断して対を
    なすコアブロックを形成する工程と、その対をなすコア
    ブロックの両切断面を鏡面研磨仕上げする工程と、その
    対をなすコアブロックをその切断面を衝合面としてギャ
    ップスペーサとなる非磁性膜を介して突き合わせる工程
    と、突き合わせにより一体化されたコアブロックをその
    短手方向に沿って所定のピッチでスライスしてコアチッ
    プを形成する工程とを含むことを特徴とする磁気ヘッド
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 コアブロックを第1のトラック溝の側面
    と平行になるように所定のチップ厚みにスライスする工
    程と、コアチップの頂端部をコアブロックのスライス方
    向と直交する方向で研磨して媒体摺接面を形成する工程
    とを含むことを特徴とする請求項6記載の磁気ヘッドの
    製造方法。
JP20775191A 1991-08-20 1991-08-20 磁気ヘツド及びその製造方法 Pending JPH0546919A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20775191A JPH0546919A (ja) 1991-08-20 1991-08-20 磁気ヘツド及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20775191A JPH0546919A (ja) 1991-08-20 1991-08-20 磁気ヘツド及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0546919A true JPH0546919A (ja) 1993-02-26

Family

ID=16544943

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20775191A Pending JPH0546919A (ja) 1991-08-20 1991-08-20 磁気ヘツド及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0546919A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013091605A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Key Tranding Co Ltd 固形化粧料の製造装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013091605A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Key Tranding Co Ltd 固形化粧料の製造装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4899241A (en) Method of manufacturing a magnetic head having a thin film in a portion of its core
JP3057861B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JPH0475563B2 (ja)
JPH0546919A (ja) 磁気ヘツド及びその製造方法
JPS60231903A (ja) 複合型磁気ヘツドおよびその製造方法
JPH0475564B2 (ja)
KR0152601B1 (ko) 복합형 자기헤드 코아 및 그 제조방법
JP2648057B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JPS62222412A (ja) 磁気ヘツド及びその製造方法
JPS59203210A (ja) 磁気コアおよびその製造方法
JPS63288407A (ja) 磁気ヘツドの製造方法
JPH0585962B2 (ja)
JPH05174318A (ja) 磁気ヘッドコアの製造方法
JPS618710A (ja) 磁気ヘツドの製造方法
JPS61287023A (ja) 薄膜磁気ヘツドおよびその製造方法
JPH06215311A (ja) 浮上型磁気ヘッド
JP2004103177A (ja) 磁気ヘッドおよび磁気ヘッドの製造方法
JPH06208705A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法
JPH0795364B2 (ja) 磁気ヘツド
JPS62246110A (ja) 複合型磁気ヘツドとその製造方法
JPH05325126A (ja) 積層型磁気ヘッドおよびその製造方法
JP2001126209A (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JPS6342327B2 (ja)
JPH06150243A (ja) 磁気ヘッドのヘッドチップ製造方法及びヘッドチップ
JPS63112813A (ja) 複合磁気ヘツド及びその製法