JPH05325126A - 積層型磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

積層型磁気ヘッドおよびその製造方法

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JPH05325126A
JPH05325126A JP4135144A JP13514492A JPH05325126A JP H05325126 A JPH05325126 A JP H05325126A JP 4135144 A JP4135144 A JP 4135144A JP 13514492 A JP13514492 A JP 13514492A JP H05325126 A JPH05325126 A JP H05325126A
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Japan
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magnetic
film
forming
head
laminated
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JP4135144A
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English (en)
Inventor
Kunio Omi
邦夫 近江
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/147Structure or manufacture of heads, e.g. inductive with cores being composed of metal sheets, i.e. laminated cores with cores composed of isolated magnetic layers, e.g. sheets
    • G11B5/1475Assembling or shaping of elements

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 50MHz以上の周波数帯域におけるS/N
比などの特性を向上させることができる積層型磁気ヘッ
ドを提供する。 【構成】 薄膜積層型ヘッド10はヘッドコア11,1
2を備える。一方のヘッドコア11は、一対の基板13
および磁性膜14からなる。各基板13は、非磁性体部
13aを構成する非磁性セラミックス材と、磁性体部1
3bを構成する酸化物磁性材と、非磁性体部13cを構
成するガラス材との複合基材からなる。各基板13の非
磁性体部13aと磁性体部13bとにまたがる領域に
は、巻線用穴16を形成するための溝が形成されてい
る。他方のヘッドコア12は、ヘッドコア11と同様
に、複合基材からなる一対の基板17および磁性膜14
からなる。各基板17の磁性体部17bは基板13の巻
線用穴16を形成するための溝に対向するように配置さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性薄膜と絶縁膜との
多層膜構造からなる磁性膜が基板に形成されている積層
型磁気ヘッドに関し、特に、高品位用VTRなどの高密
度記録媒体を用いる記録再生装置に適する積層型磁気ヘ
ッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、処理される情報量の増加に伴い大
きな記憶容量を有する磁気記録再生装置が出現し、該磁
気記録再生装置には、記憶容量を大きくするために、高
い抗磁力Hcを有する磁性材料からなる高密度記録媒体
が用いられている。
【0003】高密度記録媒体の実用化に伴い磁気ヘッド
には、ヘッドコア材の高飽和磁束密度化、高周波数帯域
での高透磁率化などの性能向上に対する高い要求がなさ
れている。この要求を満足する磁気ヘッドとして、高飽
和磁束密度を有するFe-Al-Si合金材(通称、セメンダス
ト)からなる合金磁性薄膜を用いている薄膜積層型ヘッ
ドがある。
【0004】まず、従来の薄膜積層型ヘッドについて図
面を参照しながら説明する。図15は従来の薄膜積層型
ヘッドを示す斜視図、図16は図15の薄膜積層型ヘッ
ドのギャップ近傍部位を拡大して示す平面図である。
【0005】薄膜積層型ヘッドは、図15に示すよう
に、一対のヘッドコア1を備える。各ヘッドコア1は、
互いに接合されている非磁性の一対の基板1a,1b
と、該基板1a,1b間に挟み込まれている磁性膜2と
からなる。
【0006】一方のヘッドコア1には、巻線用溝4およ
び接合に用いられるガラス材充填用溝5が形成されてい
る。ヘッドコア1の一方と他方とはそれぞれの磁性膜2
が互いに突き合わされるように接合され、一方の磁性膜
2と他方の磁性膜2との間にはギャップ3が形成されて
いる。
【0007】磁性膜2は、図16に示すように、磁性薄
膜2aと絶縁膜2bとが交互に積層されている多層膜か
らなる。磁性薄膜2aは高飽和磁束密度を有する合金材
からなり、絶縁膜2bは二酸化けい素(SiO2 )から
なる。磁性膜2はスパッタリングなどの薄膜形成手段で
基板1aに形成され、磁性膜2と基板1bとはガラス膜
2cで接合されている。磁性膜2の厚さ寸法はトラック
幅に等しい。
【0008】薄膜積層型ヘッドでは、磁性薄膜2aおよ
び絶縁膜2bの多層膜からなるから、高い書込磁界強度
が得られ、また、渦電流損失量は磁性薄膜2aの一層の
厚さ(4〜5μm)分に対する量となり、渦電流損失は
少なくなる。よって、高い書込能力が得られるととも
に、かなりの高周波数帯域まで高い透磁率が得られる、
すなわち高い再生能力が得られる。また、基板1a,1
bが非磁性体からなるから、摺動ノイズの発生が少なく
なり、低ノイズの特性が得られる。
【0009】上述の長所を合せ持つことから、薄膜積層
型ヘッドは高密度記録媒体に最も適する磁気ヘッドとし
て期待されている。
【0010】しかし、磁性膜2の膜厚が磁路断面積を決
定するから、磁性膜2の膜厚で決定される磁路の断面積
は小さく、周波数が所定の数値以上に高くなると、透磁
率の低下による再生能力の低下が発生する。
【0011】透磁率の低下を防止するために、磁性膜2
を構成する磁性薄膜2aの厚さ寸法を小さくすることが
考えられるが、現在の状況では、初期層劣化、異方性の
出現などによって、磁性薄膜2aの厚さ寸法は4〜5μ
mに制限されるから、この厚さ寸法が制限されている磁
性膜2aでは50MHz以上の周波数帯域における透磁
率が1/3以下に低下し、この周波数帯域における再生
能力が大幅に低下する。よって、50MHz以上の周波
数帯域におけるS/N比は摺動ノイズが低いことを考慮
してもフェライト磁気ヘッドのS/N比より小さくな
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の薄膜積層型ヘッドでは、50MHz以上の周波数帯域
におけるS/N比がフェライト磁気ヘッドのS/N比よ
り小さくなり、S/N比を向上させることは難しい。
【0013】本発明は、上述の問題を解決すべく、50
MHz以上の周波数帯域におけるS/N比などの特性を
向上させることができる積層型磁気ヘッドおよびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る積層型磁
気ヘッドは、巻線用穴を形成するための穴がそれぞれ設
けられ、互いに対向する一対の基体であって少なくとも
一方が非磁性体と前記穴の近傍部位を構成する磁性体と
の複合基材からなる一対の基体と、該基体間に挟み込ま
れ、磁性薄膜および絶縁膜が交互に積層されている多層
膜からなる磁性膜であってその膜厚がトラック幅を規定
し、前記基体の穴と共働して前記巻線用穴を形成する穴
が設けられている磁性膜とを備える。
【0015】請求項2に係る積層型磁気ヘッドは、請求
項1のそれにおける前記基体を、記録媒体との摺動面を
規定するための摺動規定面から前記巻線用穴の近傍まで
の部位を構成する非磁性のセラミックス材と、前記巻線
用穴の近傍部位を構成する酸化物磁性材と、他の部位を
構成するガラス材との複合基材で形成するようにしたも
のである。
【0016】請求項3に係る積層型磁気ヘッドの製造方
法は、非磁性セラミックス材などの非磁性体上に置かれ
ている磁性体の上方から溶融ガラス材を流し込み、前記
磁性体が前記ガラス材からなるガラス体と前記非磁性体
との間に包み込まれた構造体を形成する工程と、前記構
造体から前記非磁性体と前記ガラス体との間に前記磁性
体が配置されている複合基板を形成する工程と、磁性薄
膜と絶縁膜とが交互に積層されている多層膜からなる磁
性膜を前記複合基板面に形成し、該磁性膜上にガラス膜
を形成する工程と、前記ガラス膜が形成されている複合
基材を重ね合わせ、加熱、加圧処理を施すことによって
互いに接合されている複合基板からなるブロックを形成
する工程と、前記ブロックから、前記複合基板間に前記
磁性膜が挟み込まれているウェハ対を形成する工程と、
前記ウェハ対の少なくとも一方の前記磁性体で構成され
る部分に巻線用溝を形成し、該ウェハの一方と他方とを
それぞれの磁性膜間にギャップが形成されるように接合
する工程とを有する。
【0017】
【作 用】請求項1に係る積層型磁気ヘッドでは、前記
基体の内の少なくとも一方が非磁性体と前記巻線用穴の
近傍部位を構成する磁性体との複合基材からなる。
【0018】前記基体の巻線用穴の近傍部位が前記磁性
体から構成されるから、磁路の断面積は前記磁性体によ
って前記磁性膜の膜厚で決定される磁路の断面積より増
し、磁気抵抗が低下する。よって、50MHz以上の周
波数帯域におけるS/N比などの特性が向上する。
【0019】特に、記録媒体との摺動面が形成されてい
る前記基体部分を非磁性のセラミックス材で構成すれ
ば、高い耐摩耗性が得られ、また、前記基体の巻線用穴
の近傍部位を酸化物磁性材で構成することによって、イ
ンダクタンスの過上昇を阻止することができ、単位イン
ダクタンス当りの再生出力を大きくすることができる。
【0020】請求項3に係る積層型磁気ヘッドの製造方
法では、前記構造体から前記複合基板を形成し、該複合
基板間に前記磁性膜が挟み込まれているウェハ対を形成
し、該ウェハ対の一方に巻線用溝を形成した後にウェハ
対の接合をすることによって、基体の巻線用穴近傍部位
が磁性体からなる積層型磁気ヘッドが容易に得られる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0022】図1は本発明の積層型磁気ヘッドの一実施
例を示す斜視図、図2は図1の積層型磁気ヘッドのギャ
ップ近傍部位を拡大して示す平面図である。
【0023】薄膜積層型ヘッド10は、図1に示すよう
に、一対のヘッドコア11,12を備える。一方のヘッ
ドコア11は、互いに接合されている一対の基板13
と、該基板13間に挟み込まれている磁性膜14とから
なる。
【0024】各基板13は、非磁性体部13aを構成す
る非磁性セラミックス材と、磁性体部13bを構成する
酸化物磁性材と、非磁性体部13cを構成するガラス材
との複合基材からなる。各基板13の非磁性体部13a
には、記録媒体との摺動面を規定するための摺動規定面
が設けられている。各基板13の非磁性体部13aと磁
性体部13bとにまたがる領域には、巻線用穴16を形
成するための溝が形成されている。各基板13の非磁性
体部13cには、ガラス材充填用穴16を形成するため
の溝が設けられている。磁性体部13bの平面領域を表
すための寸法m,nは、100μmにそれぞれ設定され
ている。
【0025】他方のヘッドコア12は、一方のヘッドコ
ア11と同様に、互いに接合されている一対の基板17
と、該基板17間に挟み込まれている磁性膜14とから
なる。各基板17は、非磁性体部17aを構成する非磁
性セラミックス材と、磁性体部17bを構成する酸化物
磁性材と、非磁性体部17cを構成するガラス材との複
合基材からなる。各基板17の非磁性体部17aには、
記録媒体との摺動面を規定するための規定摺動面が設け
られている。磁性体部17bは基板13の巻線用穴16
を形成するための溝に対向するように基板17に配置さ
れている。磁性体部17bの平面領域を表すための寸法
nは、100μmに設定されている。
【0026】各ヘッドコア11,12はそれぞれの磁性
膜14が互いに突き合わされるように接合され、一方の
磁性膜14と他方の磁性膜14との間にはギャップ18
が形成されている。ギャップ18のデプスエンドは、非
磁性体部13aに位置する。
【0027】各磁性膜14は、図2に示すように、磁性
薄膜14aと絶縁膜14bとが交互に積層されている多
層膜からなる。磁性薄膜14aは高飽和磁束密度を有す
る合金材からなり、絶縁膜14bは二酸化けい素(Si
2 )からなる。各磁性膜14はスパッタリングなどの
薄膜形成手段で基板13,17の一方にそれぞれ形成さ
れ、各磁性膜14と対応する一方の基板13,17とは
ガラス膜14cでそれぞれ接合されている。各磁性膜1
4の厚さ寸法はトラック幅に等しい。
【0028】次に、積層型磁気ヘッド10の再生時の磁
束の流れについて説明する。
【0029】ギャップ18から流入する磁束は、磁性膜
14のデプス近傍部位を通過した後、磁性膜14と磁性
体部13b,17bとに分流する。分流した各磁束は、
巻線用穴15の周囲を周回した後、デプス近傍部位の磁
性膜14を通過し、ギャップ18に戻る。よって、磁性
体部13b,17bによる磁路の断面積の増大に伴い磁
気抵抗が大きく低下するから、磁束が増加し、再生出力
が増す。
【0030】なお、磁気抵抗の低下と同時にインダクタ
ンスも増加するが、磁気ヘッドの性能の比較にはその基
準としてインダクタンスが用いられるから、インダクタ
ンスの増加分を考慮した結果でなければ再生出力が向上
していると判断することはできない。そこで、インダク
タンスの増加分と再生出力との関係を検討し、その検討
の結果、再生出力とインダクタンスの増加率との比が磁
性体部13b,17bの形状、寸法に応じて決定される
ことが明らかになった。
【0031】次に、周波数と単位インダクタンス当りの
出力増加率との関係を図3に示す。図3は図1の積層型
磁気ヘッドにおける周波数と単位インダクタンス当りの
出力増加率との関係を示す図である。なお、図中の比較
例としては、記録媒体との摺動面から巻線用穴の近傍ま
での部位が非磁性セラミックス材で構成され、他の部位
が酸化物磁性体で構成されている基板を備える積層型磁
気ヘッドが用いられている。
【0032】図3の比較例から明らかなように、磁性体
部分の体積が所定の値以上に大きくなると、磁性体部分
は再生出力の向上よりインダクタンスの増加に貢献し、
出力向上効果が低減される。この現象は、再生時の磁束
が巻線用穴の近傍部位を通過する傾向になることから、
定性的に理解される。
【0033】インダクタンスの増加率に対する再生出力
の増加率は、次の(1)式で求められる。
【0034】
【数1】 ただし、δVL ・・・単位インダクタンス当りの出力増
加率 δV ・・・単位巻数当りの出力増加率 δL ・・・単位巻数当りのインダクタンス増加率 なお、本実施例では、磁性体部13aの寸法m,nをそ
れぞれ100μmとし、磁性体部17aの寸法nを10
0μmとすることによって単位インダクタンス当りの出
力の最大値を得ている。
【0035】また、記録媒体との摺動面を形成する非磁
性体部13a,17aが非磁性セラミックス材からなる
から、高い周波数帯域まで摺動ノイズの発生がほぼ抑え
られ、高いS/N比を得ることができる。
【0036】さらに、高飽和磁束密度を有する磁性薄膜
14aを用いているから、高い書込磁界強度を得ること
ができる。
【0037】さらに、磁性体部13b,17bを設ける
ことによって磁性膜14の出来上がり精度に起因する再
生特性のばらつきを安定させることができ、歩留まりの
向上を図ることができる。
【0038】次に、積層型磁気ヘッドの製造方法につい
て図面を参照しながら説明する。図4ないし図14は図
1の磁気ヘッドの製造方法を示す図であって、それぞれ
の第1の工程ないし第11の工程を示す。
【0039】まず、図4に示すように、厚板状の非磁性
セラミックス体21が準備される。非磁性セラミックス
体21の一つの面には、棒状の一対の酸化物磁性体22
が互いに平行になるように置かれる。非磁性セラミック
ス体21の酸化物磁性体22の上方から溶融されたガラ
ス材が流し込まれ、該ガラス材を固化するための冷却処
理が行われる。
【0040】冷却処理後、図5に示すように、酸化物磁
性体22が非磁性セラミックス体21とガラス体23と
の間に包み込まれた構造体24が形成される。構造体2
4に機械加工を施すことによって構造体24の外形を直
方体状に成形した後、図6に示すように、構造体24は
予め設定されている切断線(図中の2点鎖線で示す)に
沿って切断される。
【0041】切断処理後、図7に示すように、非磁性セ
ラミックス体21とガラス体23との間に酸化物磁性体
22が埋め込まれている複数の複合基板25が得られ
る。
【0042】複合基板25面上には、図8に示すよう
に、磁性薄膜(図示せず)と絶縁膜(図示せず)とが交
互に積層され、磁性膜26が形成される。磁性膜26の
形成後、図9に示すように、磁性膜26の表面にはガラ
ス膜27が形成され、複合基板25に磁性膜26とガラ
ス膜27とが形成された基板28が得られる。
【0043】複数の基板28を形成した後、図10に示
すように、各基板28は重ね合わされる。互いに重ね合
わされている複数の基板28に対する加熱、加圧処理が
行われ、各基板28はガラス膜27の溶融固化によって
互いに一体的に接合される。
【0044】各基板28の接合後、図11に示すよう
に、互いに接合されている複数の基板28からなるブロ
ック29が得られ、ブロック29は、各酸化物磁性体2
2が2つに分割されるように予め設定されている切断線
(図中の2点鎖線で示す)に沿って切断される。なお、
切断によって得られるウェハの内、分割された酸化物磁
性体22の一方を有するウェハと他方の酸化物磁性体2
2を有するウェハとが対に用いられる。
【0045】対として用いられる一方のウェハ30に
は、図12に示すように、磁性膜26の膜厚方向に伸び
る2つの溝31,32が形成される。溝31は酸化物磁
性体22とが非磁性セラミックス体21とで構成される
部分に配置されている。溝32は、ガラス体23で構成
される部分に配置されている。
【0046】一方のウェハ30の溝31,32の形成
後、図13および図14に示すように、一方のウェハ3
0と他方のウェハ30とはそれぞれの酸化物磁性体22
が互いに対向するように突き合わされ、巻線用穴33お
よびガラス材充填用穴34が形成される。巻線用穴33
およびガラス材充填用穴34には棒状の低融点ガラス材
35がそれぞれ挿入され、低融点ガラス材35を溶融固
化することによってウェハ30の一方と他方とが一体的
に接合される。
【0047】ガラス接合によって得られた接合ウェハ3
6は、図14に示すように、磁性膜26に平行な切断線
(図中の2点鎖線で示す)に沿って切断され、複数のヘ
ッド基材が得られる。ヘッド基材に機械加工を施した
後、図1に示すように、積層型磁気ヘッド10が得られ
る。
【0048】以上により、50MHz以上の周波数帯域
におけるS/N比などの特性が高い積層型磁気ヘッド1
0を容易に得ることができる。
【0049】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明になる積
層型磁気ヘッドによれば、50MHz以上の周波数帯域
におけるS/N比などの特性を向上させることができ
る。
【0050】記録媒体との摺動面が形成されている前記
基板部分を非磁性のセラミックス材で構成することによ
って高い耐摩耗性が得られ、また、前記基板の巻線用穴
の近傍部位を酸化物磁性材で構成することによって、イ
ンダクタンスの過上昇を阻止することができ、単位イン
ダクタンス当りの再生出力を大きくすることができる。
【0051】また、本発明になる積層型磁気ヘッドの製
造方法によれば、50MHz以上の周波数帯域における
S/N比などの特性が高い積層型磁気ヘッドを容易に得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型磁気ヘッドの一実施例を示す斜
視図である。
【図2】図1の積層型磁気ヘッドのギャップ近傍部位を
拡大して示す平面図である。
【図3】図1の積層型磁気ヘッドにおける周波数と単位
インダクタンス当りの出力増加率との関係を示す図であ
る。
【図4】図1の積層型磁気ヘッドの製造方法の第1の工
程を説明するための図である。
【図5】図1の積層型磁気ヘッドの製造方法の第2の工
程を説明するための図である。
【図6】図1の積層型磁気ヘッドの製造方法の第3の工
程を説明するための図である。
【図7】図1の積層型磁気ヘッドの製造方法の第4の工
程を説明するための図である。
【図8】図1の積層型磁気ヘッドの製造方法の第5の工
程を説明するための図である。
【図9】図1の積層型磁気ヘッドの製造方法の第6の工
程を説明するための図である。
【図10】図1の積層型磁気ヘッドの製造方法の第7の
工程を説明するための図である。
【図11】図1の積層型磁気ヘッドの製造方法の第8の
工程を説明するための図である。
【図12】図1の積層型磁気ヘッドの製造方法の第9の
工程を説明するための図である。
【図13】図1の積層型磁気ヘッドの製造方法の第10
の工程を説明するための図である。
【図14】図1の積層型磁気ヘッドの製造方法の第11
の工程を説明するための図である。
【図15】従来の薄膜積層型ヘッドを示す斜視図であ
る。
【図16】図15の薄膜積層型ヘッドのギャップ近傍部
位を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
10 積層型磁気ヘッド 11,12 ヘッドコア 13,17 基板 13a,17a 非磁性体部 13b,17b 磁性体部 13c,17c 非磁性体部 14 磁性膜 14a 磁性薄膜 14b 絶縁膜 14c ガラス膜 15,33 巻線用穴 18 ギャップ 21 非磁性セラミックス体 22 酸化物磁性体 23 ガラス体 25 複合基板 26 磁性膜 28 基板 30 ウェハ 36 接合ウェハ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻線用穴を形成するための穴がそれぞれ設
    けられ、互いに対向する一対の基体であって少なくとも
    一方が非磁性体と前記穴の近傍部位を構成する磁性体と
    の複合基材からなる一対の基体と、 該基体間に挟み込まれ、磁性薄膜および絶縁膜が交互に
    積層されている多層膜からなる磁性膜であってその膜厚
    がトラック幅を規定し、前記基体の穴と共働して前記巻
    線用穴を形成する穴が設けられている磁性膜とを備えた
    ことを特徴とする積層型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】前記基体は、記録媒体との摺動面を規定す
    るための摺動規定面から前記巻線用穴の近傍までの部位
    を構成する非磁性のセラミックス材と、前記巻線用穴の
    近傍部位を構成する酸化物磁性材と、他の部位を構成す
    るガラス材との複合基材からなることを特徴とする請求
    項1に記載の積層型磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】非磁性セラミックス材などの非磁性体上に
    置かれている磁性体の上方から溶融ガラス材を流し込
    み、前記磁性体が前記ガラス材からなるガラス体と前記
    非磁性体との間に包み込まれた構造体を形成する工程
    と、 前記構造体から前記非磁性体と前記ガラス体との間に前
    記磁性体が配置されている複合基板を形成する工程と、 磁性薄膜と絶縁膜とが交互に積層されている多層膜から
    なる磁性膜を前記複合基板面に形成し、該磁性膜上にガ
    ラス膜を形成する工程と、 前記ガラス膜が形成されている複合基材を重ね合わせ、
    加熱、加圧処理を施すことによって互いに接合されてい
    る複合基板からなるブロックを形成する工程と、 前記ブロックから、前記複合基板間に前記磁性膜が挟み
    込まれているウェハ対を形成する工程と、 前記ウェハ対の少なくとも一方の前記磁性体で構成され
    る部分に巻線用溝を形成し、該ウェハの一方と他方とを
    それぞれの磁性膜間にギャップが形成されるように接合
    する工程とを有したことを特徴とする積層型磁気ヘッド
    の製造方法。
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