JPH0544606U - バイアス形の空気入りタイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案のタイヤは、特に航空機タイヤ用であ
るので、タイヤのトレッド領域における変形の結果とし
て生ずる望ましくない多種の応力／ひずみを避けるよう
な構造のものとする。 【構成】 ベルト構造が、左および右の両方のコード角
度がタイヤの赤道面に対して１０°ないし３０°の範囲
にある平行なコードで成る６枚の環状層を有していて各
環状層の終端が他の５枚の層の終端に対して食違いにな
っている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バイアス形の空気入りタイヤに関する。

【０００２】

【従来の技術】

航空機タイヤに課せられる要求は、乗用車の場合と比べれば非常に厳しい。着 陸、離陸および地上滑走の際のトレッドの苛酷な変形は、タイヤのプロフィルの 全体にわたって相当な応力またはひずみの少なくとも一方を生ぜしめ、結果的に はタイヤの損傷につながる。完全な損傷に至る前に、航空機タイヤは普通には、 タイヤのショルダ領域におけるたわみの最も大きいところ、またはプライの分離 したところでチャック作用を失う。残念なことに、これらの要求は引続いており 、それらが起こす問題は依然として存在している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

したがって、本考案の目的は、トレッドの苛刻な変形に耐え、タイヤの損傷を 極力少なくするような構造を有する、バイアス形の空気入りタイヤを提供するこ とである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案のバイアス形の空気入りタイヤは、ａ）複数のプライを有し、各プライ はタイヤの赤道面に対して約２０°ないし５０°の角度をなして斜めにタイヤを 横切って延びている複数の補強用コードを含む、トロイダル形のカーカスと、ｂ ）各々が少なくとも一つの補強用コードによって包まれている複数のビードと、 ｃ）カーカスと一体になっているトレッドと、ｄ）トレッドの下にあってビード には結合されておらず、左および右の両方のコード角度がタイヤの赤道面に対し て１０°ないし３０°の範囲にある平行なコードで成る６枚の環状層を有してい て各々の環状層の終端が残りの５枚の環状層の終端に対して食違いになっている ベルト構造と、を含む。

【０００５】 そして、このバイアス形の空気入りタイヤは、以下の要件を備えているもので あることが望ましい。

【０００６】 カーカスが８枚のプライを有するもの。

【０００７】 カーカスの各プライにおける補強コードが、タイヤの赤道面に対して約２６° ないし３３°の角度で斜めにタイヤを横切って延びているもの。

【０００８】 タイヤが合計４個のビードを有するもの。

【０００９】 ベルト構造における平行なコードのコード角度が、タイヤの赤道面に対して約 ２１°ないし２６°の範囲内にあるもの。

【００１０】 ベルト構造におけるコードがナイロン製であること。

【００１１】 トレッドに最も近いすなわち最上の環状層の終端がその下方にある四つの環状 層の終端をオーバラップしているもの。

【００１２】 トレッドが３本の溝を有しているもの。

【００１３】 そして、そのうち２本の溝の各々が、内側のエッジが外側のエッジに比べてよ り大きい半径を有することにより非対称になっているもの。

【００１４】

【実施例】

次に、本考案の実施例について図面を参照して説明する。

【００１５】 図１は、本考案のバイアス形の空気入りタイヤの一実施例の断面図である。

【００１６】 図１を参照すれば、このバイアス形の空気入りタイヤ１は、トロイダル形のカ ーカス３を有していて、そのカーカスは、複数のプライ５ａ，５ｂ，５ｃ，５ｄ ，５ｅ，５ｆ，５ｇ，５ｈを有していて、その各々は、タイヤ１の赤道面Ｅ−Ｐ に対して約２０°ないし５０°の角度をなしてタイヤ１を横切って斜め方向に延 びている補強コード６，７，８，９，１０，１１を含んでいる。各カーカスプラ イにある補強コードが、タイヤ１の赤道面Ｅ−Ｐに対して約２６°ないし３３° の角度をなしてビード１３，１５からビード１７，１９へとタイヤ１を斜めに横 切って延びているのが望ましい。カーカスの中のプライ数は、約４から１２の間 で変わっていることが望ましく、８プライが特に望ましい。図１に示されている ように、２枚のターンアッププライ５ｃと５ｄが、一つのビード１５の回りを、 タイヤ１の内側から外側に向かって廻り進んでいる。２枚のターンアッププライ ５ｅと５ｆは、他方の一つのビード１３の回りを、タイヤ１の内側から外側に向 かって廻り進んでいる。２枚のプライ５ａ，５ｂは、両方のビード１３，１５の 回りを、タイヤ１の内側から外側に向かって廻り進んでいる。他の２枚のプライ ５ｇ，５ｈは、外側のビード１３の回りを廻り進み、タイヤ１のトウ部１４の領 域で終わっている。各プライ５ａなどの各構造の補強コード６，７，８は相互に 平行である。コード６，７，８とこれに対するコード９，１０，１１は、交互の 層で相互に反対側の角度で走っている。

【００１７】 タイヤ１は複数のビード１３，１５，１７，１９を有している。ここにおいて ビードとは、プライのコードによって包まれていて、設計のリムに合わせるため のフリッパー、チッパー、アペックス、トウガード、およびチェイファーのよう な他の補強要素を伴っているか、または伴っていない環状の張力部材を含むタイ ヤ１の部品を意味する。図１に示した実施例は、二重ビードのタイヤとして知ら れており、４個のビード１３，１５，１７，１９を有しているが、本考案は用い られるビードの総数が２，４，６または８までである場合を含んでよい。

【００１８】 本考案のタイヤは、カーカス３と一体になったトレッド２１を有している。ト レッドという用語は、モールド成形されたゴムでの構成部分を意味しており、タ イヤのカーカス３に接合されたときに、タイヤ１が正常にふくらませられ正常な 荷重下にあるときに地面と接触することになるタイヤ１の部分を含んでいる。図 １に示したタイヤ１は、３本の溝２３，２４，２５、すなわちトレッド２１の回 りで周方向に真すぐに延びている一方に長い空所領域を含んでいる。トレッド２ １は、タイヤの所望の使用され方に応じてどんな数の溝を有してもよく、また種 々のプロフィルの溝を有してよい。図１に示されているトレッド２１は航空機に 使用するのに特に適している。外側の２本の溝２３，２７の各々は、内側のエッ ジ２４，２６が外側のエッジ２８，３０に比べてより大きい曲率半径を有すると いうことで非対称になっている。

【００１９】 本考案の一つの本質的局面は、トレッド２１の下にあってビード１３，１５， １７，１９には結合されないで左および右のコード角度がタイヤ１の赤道面Ｅ− Ｐに対して１０°ないし３０°の範囲にある平行なコードで成る６枚の環状層３ １ａ，３１ｂ，３１ｃ，３１ｄ，３１ｅ，３１ｆを有しているベルト構造２９で ある。コード角度は、タイヤ１の赤道面Ｅ−Ｐに対して約２１°ないし２６°の 範囲にあるのが望ましい。それら平行なコードは、交互の層において相反する角 度で走っている。

【００２０】 ベルト構造２９の中で用いられるコードは、レーヨン、ナイロン、ポリエステ ル、ガラス繊維、鋼ワイヤ、または同様のものであってよい。コードはナイロン であるのが望ましい。本考案の場合、在来の直径とコードが用いられ得る。

【００２１】 各環状層の終端３２，３４，３６，３８，４０，４２，４４，４６，４８，５ ０，５２，５４は、互いに残りの５枚の層の終端に対して食違いになっている。 トレッド２１に最も近いすなわち最上の環状層３１ａの終端３２は、それの下方 にある残りの４枚の環状層３１ｂ，３１ｃ，３１ｄ，３１ｅの終端３４，３６， ３８，４０をオーバーラップしている。同様に、トレッド２１に最も近いすなわ ち最上層３１ａの他方の終端４４は、それの下にある４枚の環状層３１ｂ，３１ ｃ，３１ｄ，３１ｅの終端４６，４８，５０，５２をオーバーラップしている。

【００２２】 タイヤサイズが２５．８×８．０−１４である、図１に示したような航空機用 試験タイヤを造った。ベルトの６枚の環状層のうちの最も上の２層と最も下の２ 層はナイロン６，６（１２６０／２）のコードを含むものとした。６枚の層のう ちの真中の２層はナイロン６，６（８４０／２）でできたコードを含むものとし た。６枚の環状層のうちの上側の２層でのコードの角度は２２°とした。６枚の 環状層のうちの真中の２枚でのコードの角度は２３°とした。６枚の環状層のう ちの下方の２枚でのコードの角度は２４°とした。各々の相隣る層で互いにコー ドが反対の角度にあるようにした。

【００２３】 地上滑走から離陸、着陸から地上滑走、長く続く地上滑走および地上滑走後の 離陸取り止めを含む実際の航空機の状態をシミュレートする一連の試験が行なわ れた。タイヤの空気圧力は３１０ｐｓｉ、タイヤ上のシミュレートされた荷重は １６，２００ｌｂ、最大速度は２５０ｍｐｈとした。タイヤは、損傷を生ずるこ となく、下記を達成した。

【００２４】 ２５０ｍｐｈの地上滑走から離陸 １５回 ２３０ｍｐｈの地上滑走から離陸 ３２回 １８０ｍｐｈでの着陸 ４７回 ３０，０００ｆｔの地上滑走 ２回 地上滑走後の離陸取り止め １回 上述した本考案の望ましい実施例の開示は、説明のためだけのものであり、開 示された種々の構造または動作上の特徴は、実用新案登録請求の範囲で示されて いるとおりの本考案の範囲と理念から逸脱したものを何ら含まない多くの方法で 変形、変更され得る、ということが理解されるであろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のバイアス形の空気入りタイヤの一実施
例の断面図である。

【符号の説明】

１ タイヤ ３ カーカス ５ａ〜５ｈ カーカスのプライ ６，７，８ 補強コード（プライ５ａの） ９，１０，１１ 補強コード（プライ５ｂの） １３，１５，１７，１９ ビード １４ トウ部 ２１ トレッド ２３，２５，２７ 溝 ２４，２６ 溝の内側のエッジ ２８，３０ 溝の外側のエッジ ２９ ベルト構造 ３１ａ〜３１ｆ ベルトの環状層 ３２，３４，３６，３８，４０，４２ ベルトの環状
層の終端（左） ４４，４６，４８，５０，５２，５４ ベルトの環状
層の終端（右） Ｅ−Ｐ 赤道面

フロントページの続き (72)考案者 デビツド チヤールス ワグナー アメリカ合衆国 44313 オハイオ州 ア クロン ケニルワース ドライブ 312

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ａ）複数のプライを有し、各プライはタ
   イヤの赤道面に対して約２０°ないし５０°の角度をな
   して斜めにタイヤを横切って延びている複数の補強用コ
   ードを含む、トロイダル形のカーカスと、ｂ）各々が少
   なくとも一つの補強用コードによって包まれている複数
   のビードと、ｃ）カーカスと一体になっているトレッド
   と、ｄ）トレッドの下にあってビードには結合されてお
   らず、左および右の両方のコード角度がタイヤの赤道面
   に対して１０°ないし３０°の範囲にある平行なコード
   で成る６枚の環状層を有していて各々の環状層の終端が
   残りの５枚の環状層の終端に対して食違いになっている
   ベルト構造と、 を含むバイアス形の空気入りタイヤ。
2. 【請求項２】 カーカスが８枚のプライを有する、請求
   項１記載のバイアス形の空気入りタイヤ。
3. 【請求項３】 カーカスの各プライにおける補強コード
   が、タイヤの赤道面に対して約２６°ないし３３°の角
   度で斜めにタイヤを横切って延びている、請求項１記載
   のバイアス形の空気入りタイヤ。
4. 【請求項４】 タイヤが、合計４個のビードを有する、
   請求項１記載のバイアス形の空気入りタイヤ。
5. 【請求項５】 ベルト構造における平行なコードのコー
   ド角度が、タイヤの赤道面に対して約２１°ないし２６
   °の範囲内にある、請求項１記載のバイアス形の空気入
   りタイヤ。
6. 【請求項６】 ベルト構造におけるコードがナイロン製
   である、請求項１記載のバイアス形の空気入りタイヤ。
7. 【請求項７】 トレッドに最も近いすなわち最上の環状
   層の終端がそれの下方にある４枚の環状層の終端をオー
   バーラップしている、請求項１記載のバイアス形の空気
   入りタイヤ。
8. 【請求項８】 トレッドが３本の溝を有している、請求
   項１記載のバイアス形の空気入りタイヤ。
9. 【請求項９】 外側の２本の溝の各々が、内側のエッジ
   が外側のエッジに比べて大きい半径を有することによ
   り、非対称になっている、請求項８記載のバイアス形の
   空気入りタイヤ。