JPH0543760A - 硬質塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

硬質塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH0543760A
JPH0543760A JP22649791A JP22649791A JPH0543760A JP H0543760 A JPH0543760 A JP H0543760A JP 22649791 A JP22649791 A JP 22649791A JP 22649791 A JP22649791 A JP 22649791A JP H0543760 A JPH0543760 A JP H0543760A
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JP
Japan
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vinyl chloride
copolymer
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resin composition
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JP22649791A
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Katsuoki Kamimura
勝興 上村
Hidefumi Omori
英史 大森
Ryoichi Ishida
良一 石田
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた耐衝撃強度ならびに成形加工性を有す
る硬質塩化ビニル系樹脂組成物を提供すること。 【構成】 塩化ビニルと末端に塩化ビニルと共重合可能
な重合基を有する重合性有機ケイ素化合物が0.01重
量%〜1重量%の範囲で含有された塩化ビニル共重合体
100重量部に対し、耐衝撃強化剤3〜30重量部添加
することを必須成分とする優れた耐衝撃強度を有する硬
質塩化ビニル系樹脂組成物。 【効果】 本発明の硬質塩化ビニル系樹脂組成物は、ポ
リ塩化ビニル系樹脂固有の優れた物理的、化学的性質と
共に、目標とする耐衝撃強度を得るために添加しなけれ
ばならない耐衝撃強化剤の量が大幅に削減されるのみな
らず、または充填剤の添加可能量を大幅に増量すること
ができることから、成形品の生産コストの低減が可能
で、工業上大変有用である。さらには、耐衝撃強化剤の
添加量が増加することによる不利益、例えば溶融時の流
動性低下による成形加工性の悪化、および耐候性の悪化
の防止が可能である。また、硬質塩化ビニル系樹脂組成
物の各種用途用の材料として非常に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた耐衝撃強度を有す
る塩化ビニル系樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、
耐衝撃強化剤を使用することによる成形加工性および耐
候性の悪化と製造コストの上昇を改善する硬質塩化ビニ
ル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】塩化ビニル系樹脂は、
剛性や引張特性などの機械的物性、透明性、難燃性およ
び耐薬品性や耐油性に優れた比較的安価な工業材料とし
て、広い用途にその特徴を生かして多量に使用されてい
る。この塩化ビニル系樹脂を硬質用途に使用する場合、
耐衝撃強度の向上を目的として塩化ビニル系樹脂に種々
の耐衝撃強化剤、例えばブタジエン・スチレン・メチル
メタクリレート共重合体やアクリルニトリル・ブタジエ
ン・スチレン共重合体などを配合している。しかしなが
ら、より優れた耐衝撃強度を得るために、配合する耐衝
撃強化剤量を増加させると溶融粘度が上昇し溶融時の流
動性が低下することから、成形加工性が悪化するという
問題がある。この問題を解決するために、安定剤や滑剤
を改良して、溶融時の流動性を改良しようという方法が
試みられているが、多大な効果を発現する方法は見出さ
れていない。さらには、配合するブタジエン・スチレン
・メチルメタクリレート共重合体などの耐衝撃強化剤の
種類によっては、耐候性を悪化させるという問題が生じ
る。この問題を解決するために、ブタジエン系ゴムをア
クリル系ゴムに代替するという方法が試みられている
が、製造コストが大幅に上昇するという新たな問題を生
じさせている。また、比較的耐候性を必要としない用途
であっても耐衝撃強化剤が高価であるために経済的に不
利益であるという問題が生じることから、十分な耐衝撃
強度を得ることができないでいる。このような状況の中
で、優れた耐衝撃強度を有する安価な塩化ビニル系樹脂
材料の出現が望まれているが、いまだにこのような要望
を満足するような提案はなされていない。特公昭62−
30,207号は、下記の構成を有する塩化ビニル系共
重合体の製造方法を開示している。すなわち、塩化ビニ
ル単量体50〜95重量部と一般式 CH2 CRCOO (CH2)m(Q1)(Q2)Si〔O(R1)( R2)Si〕n3 で示される重合性シロキサン化合物50〜5重量部と塩
化ビニルと共重合し得る他の単量体0〜20重量部とを
ラジカル共重合させることを特徴とする塩化ビニル系共
重合体の製造方法。ただし、 R;H又はC1 〜C3 のアルキル基 Q1 ,Q2 ;C1 〜C5 のアルキル基またはフェニル基 R1 ,R2 ;C1 〜C5 のアルキル基,フェニル基また
はトリメチルシロキシ基 m1 ,n;それぞれ1〜3,1〜5の整数 しかし、同法により得られた塩化ビニル系共重合体の目
的は酸素透過性の改良にあり、重合性シロキサン化合物
の使用量が5重量部未満では、酸素透過性の改良効果が
不十分であるとされている。また、該共重合体の具体的
用途は、包装材料(生鮮食料品関係)または医療用材料
であって、本発明の目的とは異なる。特開昭62−10
6942号は、下記の構成を有する導電性樹脂組成物を
開示している。すなわち、(1)重合性有機ケイ素化合
物と塩化ビニルとの共重合体およびカーボンブラックが
含有された導電性樹脂組成物。そして、重合性有機ケイ
素化合物の上記共重合体中における含有量は好ましくは
0.1〜4重量%であり(同公報特許請求の範囲第2
項)、カーボンブラックの好ましい含有量は、上記共重
合体100重量部に対し、5〜40重量部である(同公
報特許請求の範囲第4項)。そして同発明の組成物の目
的・用途は、熱安定性、耐衝撃性に優れ、かつ、成形性
の良好な導電性樹脂組成物である。しかしながら、同組
成物は、カーボンブラックなしでは成立たない。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者らは、かか
る技術的課題にかんがみ鋭意研究を重ねた結果、重合性
有機ケイ素化合物と塩化ビニルとの共重合体を用い、こ
れに耐衝撃強化剤を配合することにより、成形加工性お
よび耐候性の悪化と経済的不利益という従来の諸欠点を
大幅に改善できる優れた耐衝撃強度を有する新規な硬質
塩化ビニル系樹脂組成物を得ることができることを発見
し、本発明を完成した。以上の記述から明らかなように
本発明の目的は優れた耐衝撃強度を有し、かつ成形加工
性と耐候性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を安価に提
供することにある。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は、下記(1)
〜(4)の構成を有する。 (1)重合性有機ケイ素化合物0.01〜1重量%と塩
化ビニルと99〜99.99重量%からなる共重合体7
0〜97重量%と耐衝撃強化剤3〜30重量%からなる
硬質塩化ビニル系樹脂組成物。 (2)重合性有機ケイ素化合物0.01〜1重量%と塩
化ビニル49.01〜98.99重量%と塩化ビニルと
共重合可能な単量体1〜49.99重量%からなる共重
合体70〜97重量%と耐衝撃強化剤3〜30重量%か
らなる硬質塩化ビニル系樹脂組成物。 (3)重合性有機ケイ素化合物0.01〜1重量%と塩
化ビニル49.01〜98.99重量%と塩化ビニルと
グラフト共重合可能な重合体1〜49.99重量%から
なるグラフト共重合体70〜97重量%と耐衝撃強化剤
3〜30重量%からなる硬質塩化ビニル系樹脂組成物。 (4)重合性有機ケイ素化合物が、分子末端に塩化ビニ
ルと共重合可能な重合基を有するシロキサン化合物であ
る前記第1項、第2項若しくは第3項に記載の硬質塩化
ビニル系樹脂組成物。
【0005】本発明の構成と効果につき以下に詳述す
る。本発明に係る前記(1)〜(3)に記載の共重合体
は、該共重合体を基準として0.01〜1重量%の重合
性有機ケイ素化合物をその構成成分とする。該共重合体
中の重合性有機ケイ素化合物単位が0.01重量部未満
では、目的とする耐衝撃強度の改良効果が小さく、一方
1重量部を越えると製造コストが上昇し、成形加工性が
悪化するので好ましくない。また、耐衝撃強化剤が3重
量部未満であれば、目的とする耐衝撃強度の改良効果が
小さく好ましくない。
【0006】該重合性有機ケイ素化合物としては、分子
中にエチレン性二重結合を有するメタクリロキシ基など
の塩化ビニルと共重合可能な重合性基を有するシロキサ
ン化合物が用いられ、具体的にはα−トリメチルシリル
−γ(3メタクルロキシプロピル)ポリジメチルシロキ
サン、トリス(γ−メチルポリジメチルシロキサン)3
メタクリロキシプロピルシラン、ペンタメチルジシロキ
サニルメタクリレート、ペプタメチルトリシロキサニル
エチルアクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)−
γ−メタクリルオキシプロピルシラン、フェニルテトラ
メチルジシロキサニルエチルアクリレート、フェニルテ
トラエチルジシロキサニルエチルメタクリレート、トリ
フェニルジメチルジシロキサニルメチルアクリレート、
イソブチルヘキサメチルトリシロキサニルメチルメタク
リレ−ト、メチルジ(トリメチルシロキシ)−メタクリ
ルオキシメチルシラン、n−プロピルオクタメチルテト
ラシロキサニルプロピルメタクリレート、ペンタメチル
ジ(トリメチルシロキシ)−アクリルオキシメチルシラ
ン、t−ブチルテトラメチルジシロキサニルエチルアク
リレート、n−ペンチルヘキサメチルトリシロキサニル
メチルメタアクリレート、トリ−i−プロピルテトラメ
チルトリシロキサニルエチルアクリレート、ビス(トリ
メチルシロキシ)メチルシロキサニルビス(トリメチル
シロキシ)メタクリロキシプロピルシラン、ビス[ビス
(トリメチルシロキシ)メチルシロキサニル)トリメチ
ルシロキシメタクリロキシプロピルシラン、ビス(トリ
メチルシロキシ)メチルシロキサニルモノペンタメチル
ジシロキサニルモノトリメチルシロキサニルメタクリロ
キシプロピルシランなどが挙げられる。
【0007】次に塩化ビニルと共重合可能な単量体また
はグラフト重合または重合体としては、エチレン、プロ
ピレンなどのα−オレフィン類、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどのビニルエステル
類、アクリル酸などの不飽和カルボン酸類、アクリロニ
トリなどの不飽和ニトリル類、ビニルメチルエーテル、
ビニルメチルエーテルなどのビニルエーテル類、塩化ビ
ニリデンなどのビニリデン化合物、エチレンと酢酸ビニ
ルとの共重合体、エチレンとアクリル酸エステルとの共
重合体、ポリ酢酸ビニル、塩素化ポリエチレンなどの単
体またはこれらの共重合体などが挙げられる。これらの
単量体または重合体の使用量比率は前述(2)または
(3)に述べるとおりである。
【0008】次に、末端に塩化ビニルと共重合可能な重
合基を有する重合性有機ケイ素化合物(以下に単に重合
性有機ケイ素化合物という)と塩化ビニルを共重合させ
る方法としては、通常塩化ビニル系単量体等の重合で実
施されている懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法、溶
液重合法のいずれの方法も採用することができる。な
お、重合性有機ケイ素化合物の重合器への仕込み方法は
これを全量当初から仕込む方法あるいは逐次追加する方
法もしくは連続追加する方法等のいずれでもよい。この
重合に際しての他の条件、重合器への水性媒体、塩化ビ
ニル単量体、場合によっては他の単量体、重合体、懸濁
剤、重合開始剤等の仕込み方法は通常、塩化ビニル単量
体の重合において実施されている方法と同様にして行え
ばよく、これらの仕込み割合、重合温度などの重合条件
もまた同様でよい。さらに、塩化ビニル系の重合に適宜
使用される重合調整剤、連鎖移動剤、pH調整剤、酸化
防止剤、帯電防止剤、スケール防止剤、ゲル化改良剤な
どを添加することも可能である。
【0009】このようにして得られた共重合体には、さ
らに耐衝撃強度を改良するために耐衝撃強化剤が含有さ
れる。耐衝撃強化剤は通常の混合機を用いて混合もしく
は混練することにより共重合体中に分散され、硬質塩化
ビニル系樹脂組成物とされる。耐衝撃強化剤には例え
ば、ブタジエン・スチレン・メチルメタクリレート共重
合体、塩素化ポリエチレン、アクリルニトリル・ブタジ
エン・スチレン共重合体、ニトリルゴムなどを単独使用
もしくは併用することができる。その使用量比率につい
ては前述(1)に述べたとおりである。該比率が3重量
%未満では効果不十分であり30重量%を超えると成形
性又は他の物性が低下する。このほかにも必要に応じて
配合剤を添加してもよく、例えば安定剤、安定化助剤、
酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収
剤、導電性付与剤、難燃剤、耐カビ剤、充填剤、着色剤
などが挙げられる。安定剤としては、三塩基性硫酸鉛、
二塩基性亜硫酸鉛等の鉛塩系安定剤、ステアリン酸鉛、
ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸系安定剤、オクチ
ルすずメルカプタイド、ジブチルすずマレート等の有機
すず系安定剤等が挙げられる。安定化助剤としては、エ
ポキシ系安定化助剤、亜リン酸エステルキレーター系安
定化助剤等が挙げられる。酸化防止剤としては、2,
2’−メチレンビス(4−メチル−6−第3ブチルフェ
ノール)等のビスフェノール系酸化防止剤、2,6−ジ
−第3ブチル−4−メチルフェノール等のフェノール置
換体系酸化防止剤等が挙げられる。帯電防止剤として
は、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、エ
チレングリコール系帯電防止剤、ソルビタン系帯電防止
剤、ベタイン系帯電防止剤等が挙げられる。滑剤として
は、カルシウムステアレート等の金属石鹸系滑剤、天然
パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス等
の炭化水素系滑剤、ステアリン酸等の脂肪酸系滑剤、ス
テアリン酸アミド、メチレンビスアミド等の脂肪酸アミ
ド系滑剤、ブチルステアレート等の脂肪酸エステル系滑
剤、ステアリルアルコール等の高級アルコール系滑剤等
が挙げられる。紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ
−4−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系
紫外線吸収剤、2(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫
外線吸収剤、フェニルサリチレート等のサリチル酸エス
テル系紫外線吸収剤等が挙げられる。導電性付与剤とし
ては、カーボンブラック、銀粉等が挙げられる。難燃剤
としては、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、塩
素化パラフィン類、トリクロロエチルホスフェート等の
リン酸エステル系可塑剤等が挙げられる。本発明にかか
わる塩化ビニル系樹脂組成物は以上のようにして得られ
るが、これを用いて成形加工する場合、通常実施されて
いる成形方法、例えば押出成形、射出成形、カレンダー
成形、ブロー成形などの成形加工方法を任意に選択して
実施することができる。
【0010】
【発明の効果】本発明により得られた硬質塩化ビニル系
樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂が本来有する優れ
た物理的、化学的性質を備えていると共に、目標とする
耐衝撃強度を得るために添加しなければならない耐衝撃
強化剤の量を大幅に削減することができ、または充填剤
の添加可能となる量を大幅に増量することができること
から、生産コストの低減が期待でき、工業上大変有用で
ある。さらには、耐衝撃強化剤の添加する量が増加する
ことによる不利益、例えば溶融時の流動性低下による成
形加工性の悪化、および耐候性の悪化の改善などが期待
できる。また、経済的不利益、および成形加工性などの
物性上の悪化という理由から多量の耐衝撃強化剤を添加
することが、工業上困難であった硬質塩化ビニル系樹脂
組成物の各種用途、例えば著しく高い耐衝撃強度を必要
とする窓枠などの建材、高耐衝撃性パイプなどの材料と
して非常に有用とされるものである。
【0011】
【実施例】以下に本発明の効果を示すために実施例を例
示するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、実施例に用いた硬質塩化ビニル系樹脂組成物の品質
評価は次の方法で行った。 耐衝撃強度:塩化ビニル系樹脂100重量部に、強化
剤としてブタジエン・スチレン・メチルメタクリレート
共重合体(日本合成ゴム(株)製:JSR MBS 6
8K3)を所定量、すず系安定剤または鉛系安定剤を所
定量、加工助剤と滑剤をそれぞれ所定量を配合し、19
0℃の加熱ロール上で5分間混練したのち、膜厚1.2
mmのシートを作製し、ついで該シートを200℃,1
50kg/cm2 で2分間加圧したのち、30℃,18
0kg/cm2 で2分間冷却して厚み2mmの平滑な板
にプレス成形し、これを切削したものを20℃と0℃に
12時間保持したものを試料とし、JIS K6740
に準拠してアイゾット衝撃強度を測定した。 耐候性:前記プレス成形品を試料とし、63℃雨あり
の条件でウェザロ暴露を100時間実施したのち色調の
変化を目視にて以下の2段階で評価した。 ○:良好, ×:黄変 溶融流動性:前記ロール成形品を切削したものを試料
とし、JIS K7210に準拠して200℃、A法、
荷重10kg、予熱6分、L/D=8/2の条件でメル
トフローを測定した。 成形加工性:塩化ビニル系樹脂100重量部に、強化
剤としてブタジエン・スチレン・メチルメタクリレート
共重合体(日本合成ゴム(株)製:JSR MBS 6
8K3)を所定量、すず系安定剤または鉛系安定剤を所
定量、加工助剤と滑剤をそれぞれ所定量を配合したもの
を試料とし、成形温度160℃で、幅40mm、厚み3
mmの平板状に押出成形し、成形品の外観を目視にて以
下の3段階で評価した。 ◎:非常に良好, ○:良好, ×:劣る
【0012】実施例1 内容積200リットルのステンレス製重合器にイオン水
106kg,重合性有機ケイ素化合物としてα−トリメ
チルシリル−γ(3メタクルロキシプロピル)ポリジメ
チルシロキサン(チッソ(株)製:サイラプレーンFM
−0721)を210g,懸濁安定剤としてケン化度8
0%のポリビニルアルコール56gを仕込み、器内の空
気を除去したのち、塩化ビニル単量体70kgおよびラ
ジカル重合開始剤としてアゾビス2,4ジメチルバレロ
ニトリル48gを仕込み、攪拌下に66℃で4時間、重
合を行った。4時間後に重合を停止し、未反応の塩化ビ
ニル単量体を排出し、得られた塩化ビニル系樹脂の揮発
分を0.1重量%以下になるように乾燥し、塩化ビニル
系樹脂を得た。該塩化ビニル系樹脂を用いて、前記の品
質評価法によって、耐衝撃強化剤としてブタジエン・ス
チレン・メチルメタクリレート共重合体(日本合成ゴム
(株)製:JSR MBS 68K3)を6重量部、す
ず系安定剤としてメルカプタイド系有機すず安定剤2.
5重量部、加工助剤を1重量部、滑剤を1.7重量部配
合して、耐衝撃強度、耐候性、成形加工性の測定を行っ
た。これらの結果を表1に示した。
【0013】実施例2 実施例1において得られた該塩化ビニル系樹脂を用い
て、前記の品質評価法によって、耐衝撃強化剤としてブ
タジエン・スチレン・メチルメタクリレート共重合体
(日本合成ゴム(株)製:JSR MBS 68K3)
を6重量部、鉛系安定剤として三塩基性硫酸鉛3重量部
および二塩基性ステアリン酸鉛を0.8重量部、加工助
剤を0.5重量部、滑剤を1重量部配合して、耐衝撃強
度、耐候性、成形加工性の測定を行った。これらの結果
を表1に示した。
【0014】実施例3 実施例1において重合性有機ケイ素化合物としてα−ト
リメチルシリル−γ(3メタクルロキシプロピル)ポリ
ジメチルシロキサン(チッソ(株)製:サイラプレーン
FM−0721)210gのかわりにトリス(γ−メチ
ルポリジメチルシロキサン)3メタクリロキシプロピル
シラン(チッソ(株)製:サイラプレーンTM−070
5)70gを用いる以外は、実施例1に準拠して重合、
乾燥し、塩化ビニル系樹脂を得た。該塩化ビニル系樹脂
を用いて、前記の品質評価法によって、耐衝撃強化剤と
してブタジエン・スチレン・メチルメタクリレート共重
合体(日本合成ゴム(株)製:JSR MBS 68K
3)を6重量部、すず系安定剤としてメルカプタイド系
有機すず安定剤2.5重量部、加工助剤を1重量部、滑
剤を1.7重量部配合して、耐衝撃強度、耐候性、成形
加工性の測定を行った。これらの結果を表1に示した。
【0015】実施例4 実施例1において得られた該塩化ビニル系樹脂を用い
て、前記の品質評価法によって、耐衝撃強化剤として塩
素化ポリエチレン(昭和電工(株)製:エラスレン30
3A)を6重量部、すず系安定剤としてメルカプタイド
系有機すず安定剤2.5重量部、加工助剤を1重量部、
滑剤を1.7重量部配合して、耐衝撃強度、耐候性、成
形加工性の測定を行った。これらの結果を表1に示し
た。
【0016】
【表1】
【0017】比較例1 実施例1において重合性有機ケイ素化合物としてα−ト
リメチルシリル−γ(3メタクルロキシプロピル)ポリ
ジメチルシロキサン(チッソ(株)製:サイラプレーン
FM−0721)を仕込まない以外は、実施例1に準拠
して重合、乾燥し、塩化ビニル系樹脂を得た。該塩化ビ
ニル系樹脂を用いて、前記の品質評価法によって耐衝撃
強化剤としてブタジエン・スチレン・メチルメタクリレ
ート共重合体(日本合成ゴム(株)製:JSR MBS
68K3)を6重量部、すず系安定剤としてメルカプ
タイド系有機すず安定剤2.5重量部、加工助剤を1重
量部、滑剤を1.7重量部配合して、耐衝撃強度、耐候
性、成形加工性の測定を行った。これらの結果を表2に
示した。
【0018】比較例2 比較例1において得られた塩化ビニル系樹脂を用いて、
前記の品質評価法によって耐衝撃強化剤としてブタジエ
ン・スチレン・メチルメタクリレート共重合体(日本合
成ゴム(株)製:JSR MBS 68K3)を10重
量部、すず系安定剤としてメルカプタイド系有機すず安
定剤2.5重量部、加工助剤を1重量部、滑剤を1.7
重量部配合して、耐衝撃強度、耐候性、成形加工性の測
定を行った。これらの結果を表2に示した。
【0019】比較例3 比較例1において得られた塩化ビニル系樹脂を用いて、
前記の品質評価法によって、耐衝撃強化剤としてブタジ
エン・スチレン・メチルメタクリレート共重合体(日本
合成ゴム(株)製:JSR MBS 68K3)を6重
量部、鉛系安定剤として三塩基性硫酸鉛3重量部および
二塩基性ステアリン酸鉛を0.8重量部、加工助剤を
0.5重量部、滑剤を1重量部配合して、耐衝撃強度、
耐候性、成形加工性の測定を行った。これらの結果を表
2に示した。
【0020】比較例4 実施例1において重合性有機ケイ素化合物としてα−ト
リメチルシリル−γ(3メタクルロキシプロピル)ポリ
ジメチルシロキサン(チッソ(株)製:サイラプレーン
FM−0721)を1400g仕込む以外は、実施例1
に準拠して重合、乾燥し、塩化ビニル系樹脂を得た。該
塩化ビニル系樹脂を用いて、前記の品質評価法によって
耐衝撃強化剤としてブタジエン・スチレン・メチルメタ
クリレート共重合体(日本合成ゴム(株)製:JSR
MBS 68K3)を10重量部、すず系安定剤として
メルカプタイド系有機すず安定剤2.5重量部、加工助
剤を1重量部、滑剤を1.7重量部配合して、耐衝撃強
度、耐候性、成形加工性の測定を行った。これらの結果
を表2に示した。
【0021】比較例5 実施例1において重合性有機ケイ素化合物としてα−ト
リメチルシリル−γ(3メタクルロキシプロピル)ポリ
ジメチルシロキサン(チッソ(株)製:サイラプレーン
FM−0721)210gを3.5gに変えて仕込む以
外は、実施例1に準拠して重合、乾燥し、塩化ビニル系
樹脂を得た。該塩化ビニル系樹脂を用いて、前記の品質
評価法によって耐衝撃強化剤としてブタジエン・スチレ
ン・メチルメタクリレート共重合体(日本合成ゴム
(株)製:JSR MBS 68K3)を6重量部、す
ず系安定剤としてメルカプタイド系有機すず安定剤2.
5重量部、加工助剤を1重量部、滑剤を1.7重量部配
合して、耐衝撃強度、耐候性、成形加工性の測定を行っ
た。これらの結果を表2に示した。
【0022】比較例6 比較例1において得られた塩化ビニル系樹脂を用いて、
前記の品質評価法によって、耐衝撃強化剤として塩素化
ポリエチレン(昭和電工(株)製:エラスレン303
A)を6重量部、すず系安定剤としてメルカプタイド系
有機すず安定剤2.5重量部、加工助剤を1重量部、滑
剤を1.7重量部配合して、耐衝撃強度、耐候性、成形
加工性の測定を行った。これらの結果を表2に示した。
以上の結果から明らかなように、本発明により得られた
硬質塩化ビニル系樹脂組成物は、耐衝撃強度にすぐれ、
溶融時の流動性低下、耐候性の悪化および成形加工性の
悪化を改善できる。
【0023】
【表2】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性有機ケイ素化合物0.01〜1重
    量%と塩化ビニルと99〜99.99重量%からなる共
    重合体70〜97重量%と耐衝撃強化剤3〜30重量%
    からなる硬質塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 重合性有機ケイ素化合物0.01〜1重
    量%と塩化ビニル49.01〜98.99重量%と塩化
    ビニルと共重合可能な単量体1〜49.99重量%から
    なる共重合体70〜97重量%と耐衝撃強化剤3〜30
    重量%からなる硬質塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 重合性有機ケイ素化合物0.01〜1重
    量%と塩化ビニル49.01〜98.99重量%と塩化
    ビニルとグラフト共重合可能な重合体1〜49.99重
    量%からなるグラフト共重合体70〜97重量%と耐衝
    撃強化剤3〜30重量%からなる硬質塩化ビニル系樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 重合性有機ケイ素化合物が、分子末端に
    塩化ビニルと共重合可能な重合基を有するシロキサン化
    合物である請求項第1項、第2項若しくは第3項に記載
    の硬質塩化ビニル系樹脂組成物。
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