JPH0542616U - オーバーヘツドカム機構の潤滑構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転初期や低速運転時にもバルブリフタ及び
カムの全体を確実に潤滑する。 【構成】 バルブリフタ６をカム９にて直接駆動する直
動型オーバーヘッドカム機構において、シリンダヘッド
１の上面のバルブリフタ６の周囲にすり鉢状のオイル溜
め１０を形成し、カムシャフト３のジャーナル部２から
オイル溜め１０の外側に流出したオイルをオイル溜め１
０のカムシャフト軸心方向の中央部に案内するリブ１１
又は溝をシリンダヘッド１の上面に形成し、ジャーナル
部２から流出したオイルをすり鉢状のオイル溜め１０に
てバルブリフタの全周に分配し、さらにオイル溜め１０
の外側に流出したオイルをリブ１１又は溝にてオイル溜
め１０のカムシャフト軸心方向の中央部に流し込むよう
にした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は直動型オーバーヘッドカム機構においてそのバルブリフタとカムの潤 滑を行うための潤滑構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

バルブリフタをカムにて直接駆動する直動型オーバーヘッドカム機構において は、例えば実開昭５９−１０３８１２号公報や実開平１−１４１３１３号公報に 開示されているように、カムシャフトのジャーナル部からシリンダヘッド上面に 流出したオイルにてバルブリフタとカムの潤滑を行っている。

【０００３】 図４を参照して説明すると、シリンダヘッド２１上に設けられたジャーナル部 ２２にてカムシャフト２３が回転自在に支持され、シリンダヘッド２１上面に出 退動自在に突出付勢された吸気バルブ２４及び排気バルブ２５上端のバルブリフ タ２６をカム２７にて直接駆動するようににて構成され、このバルブリフタ２６ とカム２７の潤滑はカムシャフト２３のジャーナル部２２から矢印の如く流出し たオイルにて行うように構成されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記のような潤滑構造では、特にエンジンの運転初期や低速運転時に おいて、ジャーナル部２２から流出したオイルがバルブリフタ２６やカム２７に 対してジャーナル部２２に近い部分にしか供給されず、例えば図４に斜線で示す ようにカム２７の片面にしか潤滑されず、カム摩耗等が発生するという問題があ った。

【０００５】 本考案は、このような従来の問題点に鑑み、運転初期や低速運転時にもバルブ リフタ及びカムの全体を確実に潤滑できるオーバーヘッドカム機構の潤滑構造を 提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、バルブリフタをカムにて直接駆動する直動型オーバーヘッドカム機 構においてカムシャフトのジャーナル部から流出したオイルにてバルブリフタと カムの潤滑を行う潤滑構造であって、シリンダヘッド上面のバルブリフタのガイ ド孔の周囲にすり鉢状のオイル溜めを形成し、カムシャフトのジャーナル部から オイル溜めの外側に流出したオイルをオイル溜めのカムシャフト軸心方向の中央 部に案内する案内手段をシリンダヘッド上面に形成したことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

本考案によれば、シリンダヘッド上面のバルブリフタのガイド孔の周囲にすり 鉢状のオイル溜めが形成されているので、ジャーナル部から流出してオイル溜め 内に流入したオイルはバルブリフタの全周に向けて分配され、さらにオイル溜め の外側に流出したオイルも案内手段にて案内されて、最もオイル溜めの全体に分 配し易いオイル溜めのカムシャフト軸心方向の中央部に流れ込むため、運転初期 や低速運転時においてもバルブリフタ及びカムの全体を確実に潤滑することがで きる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１〜図３を参照して説明する。

【０００９】 図３において、シリンダヘッド１上に設けられたジャーナル部２にてカムシャ フト３が回転自在に支持されている。４と５は各気筒毎に設けられた吸気バルブ と排気バルブであり、これらバルブ４、５の上端に取付けられたバルブリフタ６ がシリンダヘッド１の上部に形成されたガイド孔７にてシリンダヘッド１の上面 に対して出退動自在に案内されている。また、これらバルブリフタ６はコイルバ ネ８にて上方に突出付勢され、カムシャフト３に各バルフリフタ６に対応して設 けられた各カム９に当接されている。以上の構成により、カムシャフト３の回転 に伴ってカム９にて直接バルブリフタ６が昇降駆動され、所定のタイミングで吸 気バルブ４と排気バルブ５にて吸気口と排気口が開閉される。

【００１０】 シリンダヘッド１に設けられたオイル通路（図示せず）を通してジャーナル部 ２に供給され、このジャーナル部２を潤滑したオイルはその側面から矢印の如く シリンダヘッド１の上面に流出する。この流出したオイルによってバルブリフタ ６とカム９の潤滑を行うように、図１、図２に示すように、シリンダヘッド１上 面のガイド孔７の周囲にはすり鉢状のオイル溜め１０が形成されている。このす り鉢状のオイル溜め１０のシリンダヘッド１の上面に対する傾斜角θは、図では 見易いように大きく表現しているが、実際には１度程度である。

【００１１】 さらに、オイル溜め１０からカムシャフト３の軸心方向に対して直交する直径 方向の外方に向けてリブ１１が突出形成され、カムシャフト３のジャーナル部２ からオイル溜め１０の外側に流出したオイルをオイル溜め１０のカムシャフト軸 心方向の中央部に案内するように成されている。リブ１１のガイド孔７側の端部 １１ａはカム９と干渉しないように必要に応じて傾斜面にて切欠かれている。

【００１２】 以上の構成によると、シリンダヘッド１の上面におけるバルブリフタ６のガイ ド孔７の周囲にすり鉢状のオイル溜め１０が形成されているので、ジャーナル部 ２から流出したオイルがオイル溜め１０内に流入して溜まり、バルブリフタ６の 全周に向けて分配される。又、オイル溜め１０の外側に流出したオイルもリブ１ １にてオイル溜め１０のカムシャフト軸心方向の中央部に案内されるため、オイ ル溜め１０の全体に速やかにオイルが分配される。そのため、運転初期や低速運 転時においてもバルブリフタ６及びカム９の全体が確実に潤滑される。

【００１３】 尚、上記実施例ではオイル溜め１０の外側に流出したオイルを、オイル溜め１ ０のカムシャフト３軸心方向中央部に案内する手段としてリブ１１を突出形成し た例を示したが、逆にシリンダヘッド１の上面に溝を形成してオイル溜め１０に 向けて流し込むようにしてもよい。

【００１４】

【考案の効果】

本考案のオーバーヘッドカム機構の潤滑構造によれば、シリンダヘッド上面の バルブリフタのガイド孔の周囲にすり鉢状のオイル溜めが形成されているので、 ジャーナル部から流出してオイル溜め内に流入したオイルをバルブリフタの全周 に向けて分配でき、さらにオイル溜めの外側に流出したオイルを案内手段にてオ イルを最も全体に分配し易いオイル溜めのカムシャフト軸心方向の中央部に流し 込むことができるため、運転初期や低速運転時においてもバルブリフタ及びカム の全体を確実に潤滑することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のオーバーヘッドカム機構の潤滑構造に
おける一実施例の要部の斜視図である。

【図２】同実施例の要部の部分断面正面図である。

【図３】同実施例の部分断面正面図である。

【図４】従来例のオーバーヘッドカム機構の潤滑構造の
部分断面正面図である。

【符号の説明】

１ シリンダヘッド ２ ジャーナル部 ３ カムシャフト ６ バルブリフタ ７ ガイド孔 ９ カム １０ オイル溜め １１ リブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バルブリフタをカムにて直接駆動する直
   動型オーバーヘッドカム機構においてカムシャフトのジ
   ャーナル部から流出したオイルにてバルブリフタとカム
   の潤滑を行う潤滑構造であって、シリンダヘッド上面の
   バルブリフタのガイド孔の周囲にすり鉢状のオイル溜め
   を形成し、カムシャフトのジャーナル部からオイル溜め
   の外側に流出したオイルをオイル溜めのカムシャフト軸
   心方向の中央部に案内する案内手段をシリンダヘッド上
   面に形成したことを特徴とするオーバーヘッドカム機構
   の潤滑構造。