JPH0538214U - コーナー部における壁パネルの結合装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 不燃性を有する石膏ボード裏打ちパネルの使
用可能な中空スタッド方式でありながら、コーナー部に
おける柱部材が自立型構造を有しており、天井と床の施
工の前に側壁パネルの施工が可能であり、コーナー部に
おけるパーティションの寸法調整に融通性があるととも
に、パネルの現場切断によっても寸法調整をすることが
でき、現場での対応力にすぐれている上に、製造コスト
が安くつくクリーンルーム等の側壁コーナー部における
壁パネルの結合装置を提供する。 【構成】 コーナー柱部材(1) がアルミニウム中空押出
型材製であり、コーナー柱部材(1) の直交状の両壁パネ
ル取付部(1a)(1a)の長手方向の両側縁部に、水平断面コ
形の壁パネル縁部嵌込み用凹溝(4)(4)が設けられ、両壁
パネル取付部(1a)(1a)のそれぞれ凹溝(4)(4)同志の間
が、壁パネル(2)(3)上下両側の水平材(7)(8)とコーナー
柱部材(1) とを連結する金具(9)(9)の固定部(6)(6)とな
されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、例えばクリーンルーム、食品加工室等の側壁のコーナー部に適用 されるコーナー部における壁パネルの結合装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、工場内においてクリーンルーム、食品加工室等の側壁を構成するパーテ ィション（間仕切り）としては、不燃性を有する石膏ボード裏打ちパネルの使用 可能な中空スタッド方式を採用する場合が多い。

【０００３】 このようなパーティションの一般的構造は、例えば図３に示すようなものであ るが、これは、例えばアルミニウム押出形材製の柱部材(23)が内部に組み込まれ た第１壁パネル(21)の側縁部に、同アルミニウム押出形材製の補助柱部材(24)が ねじ(27)によって取り付けられ、補助柱部材(24)の両側縁部に２枚の石膏ボード (26)裏打ちパネル(25)が相互に対向状に取り付けられることにより、第２壁パネ ル(22)が形成され、第２壁パネル(22)が、いわゆる現場施工により設けられてい た。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の壁パネルのコーナー部の結合装置によれば、 柱部材および壁パネルが、いわゆる自立構造でないため、天井と床とを先に施工 したのちでないと、側壁パネルの施工ができず、しかも現場施工に非常に手間が かゝるという問題があった。そのうえ、従来の中空スタッド方式では、補助柱部 材(24)の両側縁部に石膏ボード(26)裏打ちパネル(25)が、押え金具(28)を用いて パネルの折返し縁部(25a) を押え止めることにより取り付けられていたから、パ ーティションのコーナー部における寸法調整に融通性がなく、また寸法調整のた めに、石膏ボード(26)裏打ちパネル(25)を現場において切断すると、パネル(25) の折返し縁部(25a) まで切り取られ、また切り口が表面に露出することになり、 従ってコーナー部における寸法調整を、石膏ボード(26)裏打ちパネル(25)の現場 切断によってすることはできず、現場での対応力が弱いという問題があった。

【０００５】 この考案の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、不燃性を有する石膏ボー ド裏打ちパネルの使用可能な中空スタッド方式でありながら、コーナー部におけ る柱部材が自立型構造を有しており、従って天井と床の施工の前に側壁パネルの 施工が可能であり、しかもコーナー部におけるパーティションの寸法調整に融通 性があるとともに、パネルの現場切断によっても寸法調整をすることができ、現 場での対応力にすぐれていて、非常に便利であるうえに、製造コストが安くつく コーナー部における壁パネルの結合装置を提供しようとするにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記の目的を達成するために、直交状に配置された壁パネル取付 部を有するアルミニウム中空押出型材製のコーナー柱部材と、各壁パネル取付部 に２枚ずつ対向状に取り付けられる壁パネルとを備え、コーナー柱部材の両壁パ ネル取付部のそれぞれ長手方向の両側縁部に、水平断面コ形の壁パネル縁部嵌込 み用凹溝が設けられ、両壁パネル取付部のそれぞれ凹溝同志の間が、壁パネルの 上下両側に配置された水平材とコーナー柱部材とを連結する連結金具の固定部と なされている、コーナー部における壁パネルの結合装置を要旨としている。

【０００７】 上記において、コーナー柱部材は、アルミニウム中空押出型材製で、垂直な荷 重を受けた場合でも座屈やねじれを生じない充分強度のある形状を有している。

【０００８】 また壁パネルは、例えば化粧鋼板に石膏ボードを裏打ちしたパネルを使用する 。コーナー柱部材と水平材（天井側の笠木部材あるいは床側の幅木部材）とを連 結する連結金具としては、例えばＬ形金具を使用する。

【０００９】

【作用】

上記コーナー部における壁パネルの結合装置によれば、コーナー柱部材は、ア ルミニウム中空押出型材製であるため、自立可能である。そして、コーナー柱部 材に対して壁パネルが２枚ずつ対向状に取り付けられる中空スタッド方式である ため、不燃性を有する石膏ボード裏打ちパネルが使用可能である。また各壁パネ ルの側縁部は、コーナー柱部材の壁パネル取付部の凹溝に嵌め入れるだけよく、 作業が簡単であるとともに、融通性があり、コーナー部において凹溝の深さ分だ け壁パネルの寸法調整が可能である。また寸法調整のために、石膏ボード裏打ち パネルを現場において切断しても、パネルの切り口が表面に露出しないので、コ ーナー部におけるパーティションの寸法調整を、パネルの現場切断によってもす ることができ、現場での対応力にすぐれている。また、上記のコーナー部を含む 側壁パネルの施工は、天井と床の施工の前にすることが可能である。

【００１０】

【実施例】

つぎに、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１１】 なお実施例は、この考案をクリーンルームに適用した場合を示すものである。 この考案の実施例を示す図１と図２において、例えばクリーンルームの側壁を 構成するパーティション（間仕切り）のコーナー部に配置されるコーナー柱部材 (1) は、平面よりみて略方形のアルミニウム中空押出型材製であり、これには直 交状に配置された壁パネル取付部(1a)(1a)が設けられている。

【００１２】 コーナー柱部材(1) は、このようにアルミニウム中空押出型材製であるため、 自立可能であり、またコーナー柱部材(1) の各壁パネル取付部(1a)(1a)に壁パネ ル(2)(3)が内外２枚ずつ対向状に取り付けられ、対向する壁パネル(2)(3)同志の 間に間柱（スタッド）(5) を立設する中空スタッド方式となされている。

【００１３】 ここで、壁パネル(2)(3)としては、それぞれ化粧鋼板(10)に石膏ボード(11)を 裏打ちした不燃性パネルを使用した。そして、これらの壁パネル(2)(3)の側縁部 が、コーナー柱部材(1) の両壁パネル取付部(1a)(1a)のそれぞれ長手方向の両側 縁部に設けられた水平断面コ形の壁パネル縁部嵌込み用凹溝(4)(4)に嵌め入れら れている。

【００１４】 コーナー柱部材(1) の両壁パネル取付部(1a)(1a)のそれぞれ凹溝(4)(4)同志の 間は、連結金具固定部(6)(6)となされており、該固定部(6)(6)には、Ｌ形連結金 具(9)(9)の垂直部(9a)(9a)が嵌め込まれて、ビス(12)によってそれぞれ取り付け られている。そして、コーナー柱部材(1) の壁パネル取付部(1a)(1a)のそれぞれ 上下両端部には、天井側のアルミニウム押出形材製の笠木部材（水平材）(7) 、 および床側のアルミニウム押出形材製の幅木部材（水平材）(8) の端部が、それ ぞれ接続されて、Ｌ形連結金具(9)(9)の水平部(9b)(9b)にビス(12)(12)で取り付 けられている。

【００１５】 上記において、予めセットした床側の幅木部材(8) のコーナー部に、まずコー ナー柱部材(1) を立て、この柱部材(1) の下端部をＬ形連結金具(9) を介して幅 木部材(8) の端部に接続する。ついでパネル幅に合わせて中間の間柱（スタッド ）(5) 、および天井側の笠木部材(7) をセットする。この状態では、クリーンル ームの側壁の骨格が完成され、またとくにコーナー部は自立型であり、これらに 対して壁パネル(2)(3)が外側ないしは内側から嵌め入れられる。パネル(2)(3)が 嵌め込まれると、側壁は、非常に安定した形となる。そして、最後に天井パネル (13)を上からのせ、コーチ・スクリューにより天井パネル(13)を笠木部材(7) に 固定し、クリーンルームの組立を完了する。

【００１６】 上記パネル(2)(3)としては、化粧鋼板(10)に石膏ボード(11)を裏打ちしたパネ ルが使用され、化粧鋼板(10)の縁部には折返し部(10a) が形成されているが、各 壁パネル(2)(3)の側縁部は、コーナー柱部材(1) の壁パネル取付部(1a)(1a)の凹 溝(4)(4)に嵌め入れるだけよく、作業が簡単であるとともに、融通性があり、コ ーナー部において凹溝(4)(4)の深さ分だけ壁パネル(2)(3)の寸法調整が可能であ る。またコーナー部における寸法調整のために、これらの石膏ボード裏打ちパネ ル(2)(3)を現場において切断して、化粧鋼板(10)の折返し縁部(10a) を切り取っ ても、壁パネル(2)(3)の側縁部はコーナー柱部材(1) の凹溝(4)(4)内に嵌め入れ られるため、パネル(2)(3)の切り口は表面に露出することがない。従ってコーナ ー部における寸法調整を、壁パネル(2)(3)の現場切断によってもすることが可能 である。

【００１７】 なお、上記実施例においては、この考案をクリーンルームの側壁のコーナー部 に適用した場合を説明したが、この考案の装置は、その他食品加工室等の側壁の コーナー部にも同様に適用されるものである。

【００１８】

【考案の効果】

この考案によるコーナー部における壁パネルの結合装置は、上述のように、直 交状に配置された壁パネル取付部を有するアルミニウム中空押出型材製のコーナ ー柱部材と、各壁パネル取付部に２枚ずつ対向状に取り付けられる壁パネルとを 備え、コーナー柱部材の両壁パネル取付部のそれぞれ長手方向の両側縁部に、水 平断面コ形の壁パネル縁部嵌込み用凹溝が設けられ、両壁パネル取付部のそれぞ れ凹溝同志の間が、壁パネルの上下両側に配置された水平材とコーナー柱部材と を連結する連結金具の固定部となされているもので、上記直交状の壁パネル取付 部を有するコーナー柱部材は、アルミニウム中空押出型材製であるため、自立可 能であり、コーナー柱部材に対して壁パネルが２枚ずつ対向状に取り付けられる 中空スタッド方式であるため、不燃性を有する石膏ボード裏打ちパネルが使用可 能である。また天井と床の施工の前に側壁パネルの施工ができる。

【００１９】 そして、各壁パネルの側縁部は、コーナー柱部材の壁パネル取付部の長手方向 両側縁部に設けられた凹溝に嵌め入れられているので、融通性があり、コーナー 部において凹溝の深さ分だけ壁パネルの寸法調整が可能である。さらには寸法調 整のために、石膏ボード裏打ちパネルを現場において切断しても、パネルの切り 口が表面に露出しないので、コーナー部におけるパーティションの寸法調整を、 パネルの現場切断によってもすることができ、現場での対応力にすぐれており、 非常に便利である。さらに、壁パネル取付部を有するコーナー柱部材が自立する ため、他の材料との取り合いが少なくなり、かつ部品数が少なく、設計および施 工の工数を省略化でき、ひいてはクリーンルーム等の製造コストが安くつくとい う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示すクリーンルームのコー
ナー部の一部切欠き平面図である。

【図２】同実施例のクリーンルームのコーナー部の組立
状態を示す部分斜視図である。

【図３】従来のクリーンルームのコーナー部の例を示す
部分水平断面図である。

【符号の説明】

１ アルミニウム中空押出型材製のコーナー柱部材 １ａ 壁パネル取付部 ２ 壁パネル ３ 壁パネル ４ 水平断面コ形の壁パネル縁部嵌込み用凹溝 ５ 間柱（スタッド） ６ 固定部 ７ 笠木部材（水平材） ８ 幅木部材（水平材） ９ Ｌ形連結金具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 直交状に配置された壁パネル取付部(1a)
   (1a)を有するアルミニウム中空押出型材製のコーナー柱
   部材(1) と、各壁パネル取付部(1a)(1a)に２枚ずつ対向
   状に取り付けられる壁パネル(2)(3)とを備え、コーナー
   柱部材(1) の両壁パネル取付部(1a)(1a)のそれぞれ長手
   方向の両側縁部に、水平断面コ形の壁パネル縁部嵌込み
   用凹溝(4)(4)が設けられ、両壁パネル取付部(1a)(1a)の
   それぞれ凹溝(4)(4)同志の間が、壁パネル(2)(3)の上下
   両側に配置された水平材(7)(8)とコーナー柱部材(1) と
   を連結する連結金具(9)(9)の固定部(6)(6)となされてい
   る、コーナー部における壁パネルの結合装置。