JPH057989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、パネル工法によつて構築される家屋
の外壁へのフラワーボツクスの取付構造に関する
ものである。

［背景技術］ プレハブ住宅において、その外壁は外壁パネル
を並べて各外壁パネルを結合させるパネル工法に
よつて形成される。従つてこのようなパネル工法
による外壁には柱が存在しない。ここで、家屋の
窓の下縁において外壁の外側にフラワーボツクス
を取り付けることが望まれることがあるが、フラ
ワーボツクスを取り付けるにあたつてはフラワー
ボツクスは片持梁で強固に支持させる必要のある
ところ、このようにパネル工法の外壁には柱がな
いために柱に片持梁を固定するようなことができ
ず、フラワーボツクスの強固な取り付けが非常に
困難なものであつた。

［考案の目的］ 本考案は、上記の点に鑑みて為されたものであ
り、パネル工法で形成される外壁にフラワーボツ
クスを簡単な構造で強固に支持して取り付けるこ
とのできる外壁へのフラワーボツクスの取付構造
を提供することを目的とするものである。

［考案の開示］ しかして本考案に係る外壁へのフラワーボツク
スの取付構造は、構造材１の外面にパネル２を張
つて形成される外壁パネル３を直交させた外壁の
コーナー部にフラワーボツクスを取り付けるため
の構造であつて、構造材１に一端を固定して外壁
パネル３の外側に配設された端部片持梁４ａと、
一対の固定材１４を直角に結合させると共に結合
端部から各固定材１４の延長線上に梁片１５をそ
れぞれ延長させて全体の平面形状が略十字型に形
成され、外壁のコーナー部において両外壁パネル
３の外側に沿つて配設される各固定材１４が各外
壁パネル３の構造材に固定されたコーナー片持梁
４ｂと、各外壁パネル３の外側において端部片持
梁４ａとコーナー片持梁４ｂの梁片１５の先端間
に取り付けられると共に対向する端部同士が結合
された前梁５と、前梁５の外面に取り付けられた
フラワーボツクス化粧幕板６と、前梁５の内側に
取り付けられたフラワーボツクス床材７とを具備
して成ることを特徴とするものであり、外壁パネ
ル３を構成する構造材１を利用して片持梁４を強
固に支持固定できるようにし、もつて上記目的を
達成したものであつて、以下本考案を実施例によ
り詳述する。

外壁パネル３はコ字型の鋼材で四角枠状に形成
されるパネル枠１０の外面にパネル２を張つて形
成されるもので、パネル２の内側においてパネル
枠１０内にはコ字型の鋼材で形成される補強桟
（竪胴縁）１１が縦方向で複数本取り付けてある。
このパネル枠１０と補強桟１１とが外壁パネル３
の構造材１となるものである。そしてこの外壁パ
ネル３を並べ、パネル枠１０同士の結合などによ
つて複数枚の外壁パネル３で家屋の外壁を形成さ
せるものである。

そしてこのパネル工法で形成される外壁にフラ
ワーボツクスＡを取り付けるにあたつては、第３
図に示すような片持梁４を用いる。ここで、第１
４図のように外壁のコーナーを越えて外壁の二面
に亘るようにフラワーボツクスＡを取り付ける場
合には、フラワーボツクスＡの端部部分を支持す
ることになる第３図ａのような端部片持梁４ａ
と、フラワーボツクスＡのコーナー部分を支持す
ることになるコーナー片持梁４ｂとを用いること
になる。端部片持梁４ａは基部に固定プレート１
２を先端に取付プレート１３をそれぞれ設けて鋼
材によつて形成されるものである。またコーナー
片持梁４ｂは第３図ｂに示すように一対の固定材
１４，１４を具備して形成されるものであつて、
一対の固定材１４，１４のうち一方は長目の型鋼
１４ａで他方は短目の型鋼１４ｂでそれぞれ作成
するようにしてあり、長目の型鋼１４ａの先部の
側面に短目の型鋼１４ｂの先端を溶接等して接合
し、長目の型鋼１４ａの他方の側面に短目の型鋼
１４ｂの延長線上において短い型鋼１５ａを溶接
等して接合すると共にこの短目の型鋼１４ｂと短
い型鋼１５ａの上面間に渡して接続プレート４０
を取り付けることによつて、コーナー片持梁４ｂ
を形成するようにしてある。このようにしてコー
ナー型持梁４ｂは長目の型鋼１４ａの先部及び短
い型鋼１５ａがそれぞれ梁片１５，１５として固
定材１４，１４から延長して突出された形態に形
成されるものであり、全体の平面形状は略十字型
に形成されるものである。

施工にあたつては、まず第４図に示すように外
壁パネル３の外側に端部片持梁４ａを配置すると
共にコーナーにおける外壁パネル３間に跨がるよ
うにとコーナー片持梁４ｂを配置し、第１図ａ及
び第１図ｃに示すように端部片持梁４ａの固定プ
レート１２をパネル２を介して外壁パネル３の構
造材１である補強桟１１にネジ１６によつて固定
させる。また第１図ａ及び第１図ｃのようにコー
ナー片持梁４ｂの固定材１４をパネル２を介して
外壁パネル３の構造材１であるパネル枠１０や補
強桟１１にネジ１６によつて固定させる。このよ
うにして端部片持梁４ａを外壁パネル３から突出
するように取り付けると共に梁片１５がコーナー
部分から突出するようにコーナー片持梁４ｂの取
り付けをおこなうものである。そしてさらに、第
５図に示すように端部片持梁４ａに設けた連結プ
レート１７とコーナー片持梁４ｂの固定材１４の
端部に設けた連結プレート１８との間に根太受け
１９を配設し、タツピングネジ２０などでこの根
太受け１９を端部片持梁４ａとコーナー片持梁４
ｂとの間に取り付ける。根太受け１９はさらにタ
ツピングネジ２０などで外壁パネル３のパネル２
や構造材１へも固定するようにするのがよい。次
に、第６図に示すように端部片持梁４ａ，４ａの
先端とコーナー片持梁４ｂの梁部１５の先端との
間に一対の前梁５，５を配設し、第７図のように
前梁５の一方の端部を端部片持梁４ａの先端の取
付プレート１３にネジ２１などで固定すると共に
前梁５の他方の端部をネジ２１などでコーナー片
持梁４ｂの梁片１５の先端部に固定し、さらに前
梁５，５の他端同士をネジ２１で結合する。さら
に第８図や第９図に示すように前梁５の下端の下
片２２と根太受け１９やコーナー片持梁４ｂの固
定材１４との間に多数の根太２３を架設し、タツ
ピングネジ２０などで根太２３の固定をおこな
う。

このようにして第２図のように端部片持梁４ａ
とコーナー片持梁４ｂとの片持梁４と、前梁５、
根太受け１９、根太２３とでフラワーボツクスＡ
の基礎部分を形成したのちに、第１０図のように
フラワーボツクス化粧幕板６，６と端部フラワー
ボツクス化粧幕板２４，２４を前梁５の外面と端
部片持梁４ａの外面とに配設し、第１１図のよう
にジヨイナー２５でフラワーボツクス化粧幕板６
と端部フラワーボツクス化粧幕板２４とを連結す
ると共にフラワーボツクス化粧幕板６，６の端部
間をジヨイナー２５で連結する。フラワーボツク
ス化粧幕板６の固定は、第１２図のようにフラワ
ーボツクス化粧幕板６の内面に突設した固定片２
６を前梁５の下片２２にタツピングネジ２０など
で結合すると共にフラワーボツクス化粧幕板２４
の上端のフランジ片２７の先端を前梁５の上片３
４にタツピングネジ２０などで結合することによ
つて、おこなうことができる。端部フラワーボツ
クス化粧幕板２４もタツピングネジ２０などで端
部片持梁４ａに固定する。さらに第１１図のよう
に外壁パネル２に取り付けた壁際水切２８の凹溝
２９とフラワーボツクス化粧幕板６の下端の凹溝
３０とに天井材３１の両端縁をはめ込んで、天井
材３１の取り付けをおこなう。そして最後に第１
３図のように根太２３間上にフラワーボツクス床
材７を掛け渡し、フラワーボツクス床材７をタツ
ピングネジ２０で根太２３に固定して取り付ける
ことによつて、第１４図のような外壁の窓３２の
下縁に沿つて設けられるフラワーボツクスＡの取
り付けがおこなえるものである。第１４図におい
て３３は壁幕板である。

［考案の効果］ 上述のように本考案にあつては、構造材の外面
にパネルを張つて形成される外壁パネルの外側に
複数の片持梁を配設して片持梁を構造材に固定
し、片持梁の先端間に前梁を取り付け、前梁の外
面にフラワーボツクス化粧幕板を取り付けると共
に前梁の内側にフラワーボツクス床材を取り付け
るようにしたので、フラワーボツクス化粧幕板や
フラワーボツクス床材などで形成されるフラワー
ボツクスの支持をおこなう片持梁は、外壁パネル
の構造材によつて支持固定されることになり、外
壁パネルの強度を保持するために強固に形成され
ている構造材を利用して片持梁を強固に支持する
ことができるものであつて、柱が具備されないパ
ネル工法の外壁にあつても構造簡単で且つ強固に
フラワーボツクスの取り付けをおこなうことがで
きるものである。また、外壁パネルの外側に端部
片持梁を配設して端部片持梁を構造材に固定し、
一対の固定材を直角に結合させると共に結合端部
から一対の梁片を延長させて形成したコーナー片
持梁を外壁のコーナー部において両外壁パネルの
外側に配設して各固定材を各外壁パネルの構造材
に固定し、各外壁パネルの外側において端部片持
梁とコーナー片持梁の梁片の先端間に前梁を取り
付けると共に両前梁の端部同士を結合するように
したので、外壁のコーナー部を構成する各外壁パ
ネルにそれぞれ取り付けた端部片持梁と両外壁パ
ネルに跨がるように取り付けたコーナー片持梁と
で前梁を支持することができ、二個の端部片持梁
と一個のコーナー片持梁の三部材の片持梁で前梁
を支持して外壁のコーナー部にコーナーを跨ぐよ
うにフラワーボツクスを取り付けることができる
ものであり、少ない部材の片持梁で外壁のコーナ
ーを跨ぐフラワーボツクスの取付施工を容易にお
こなうことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂ，ｃは本考案の一実施例の一部の
水平断面図と縦断面図と縦断面図、第２図は同上
の一部の斜視図、第３図ａ，ｂは端部片持梁とコ
ーナー片持梁の斜視図、第４図は同上の一部の分
解斜視図、第５図は同上の一部の分解斜視図、第
６図は同上の概略縮小分解水平断面図、第７図は
同上の一部の分解斜視図、第８図は同上の概略縮
小水平断面図、第９図は同上の一部の斜視図、第
１０図は同上の概略縮小分解水平断面図、第１１
図は同上の一部の斜視図、第１２図は同上の縦断
面図、第１３図は同上の縦断面図、第１４図は同
上のフラワーボツクスの完成状態の斜視図であ
る。 １は構造材、２はパネル、３は外壁パネル、４
は片持梁、４ａは端部片持梁、４ｂはコーナー片
持梁、５は前梁、６はフラワーボツクス化粧幕
板、７はフラワーボツクス床材、１４は固定材、
１５は梁片である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 構造材の外面にパネルを張つて形成される外壁
   パネルを直交させた外壁のコーナー部にフラワー
   ボツクスを取り付けるための構造であつて、構造
   材に一端を固定して外壁パネルの外側に配設され
   た端部片持梁と、一対の固定材を直角に結合させ
   ると共に結合端部から各固定材の延長線上に梁片
   をそれぞれ延長させて全体の平面形状が略十字型
   に形成され、外壁のコーナー部において両外壁パ
   ネルの外側に沿つて配設される各固定材が各外壁
   パネルの構造材に固定されたコーナー片持梁と、
   各外壁パネルの外側において端部片持梁とコーナ
   ー片持梁の梁片の先端間に取り付けられると共に
   対向する端部同士が結合された前梁と、前梁の外
   面に取り付けられたフラワーボツクス化粧幕板
   と、前梁の内側に取り付けられたフラワーボツク
   ス床材とを具備して成ることを特徴とする外壁へ
   のフラワーボツクスの取付構造。