JPH0342173Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はタイルパネル等から構成されるパネル
壁の上端に天井ユニツトを架設した構造に係り、
特に天井下地材の平坦な取付けを可能とした天井
ユニツトの架設構造に関する。

［従来の技術］ 建築物の天井構造として、コンクリートスラブ
に吊りボルトを間隔的に垂下し、これに吊金物等
を介して野縁を取付け、該野縁の下面に石膏ボー
ド等の天井板を貼装して構成されるものがある。

しかして、近時開発された自立式タイルパネル
等を利用する所謂ユニツト建築物の場合にも、こ
の吊り天井構造が承継され、通常はパネル壁の上
端に、天井を吊るための壁面連結部材を架設する
等の手段が採用されている。

ところが、該壁面連結部材には高強度が要求さ
れ構造が大掛りになると共に部品点数が多く、ま
た作業性が悪いなどの問題がある。そこで出願人
は、ユニツト化した天井パネル壁上端に連結固定
する構造を考案し、既に出願している。

これは例えば第２図及び第３図に示すように、
長方形状に組まれた周枠２の対向辺同士及び／又
は隣接辺同志を補強部材４によつて一体的に連結
した天井ユニツト６を形成する。そして該天井ユ
ニツト６を対向するパネル壁間８にかけ渡し、こ
のユニツトルーム下面に天井下地材１０を貼装す
るというものである。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記のものでは、天井ユニツト
６をパネル壁８の上端部に固定する受金具１２が
天井ユニツト６の上下面を挟持する支持片１２
ａ，１２ｂを有するものとなつている。このた
め、天井ユニツト６に天井下地材１０を貼装し、
タツピンねじ等で下方から締付けたとき、下部支
持片１２ａによつて天井ユニツト６の下面に形成
される凸段差の影響で、天井下地材１０が平滑に
ならない場合があつた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、ユニツトルームの４壁面を構成する
ようにパネル壁が立設され、このユニツトルーム
の天井を形成するための天井ユニツトが該パネル
壁の上端に固定されて架設された構造であつて、
該天井ユニツトは、複数個の矩形枠状の周枠を、
各周枠の辺部同志を結合して一体化したものであ
る天井ユニツトの架設構造において、該周枠の辺
部同志は、連結杆を該辺部同志の間に介在させて
連結されており、該連結杆の下端には、該連結杆
に接する周枠の下面に張り出す水平な張出片が設
けられており、該周枠の下面には該張出片を受け
入れる段状部が形成されており、該張出片が段状
部に下側から係合され、該張出片の下方から周枠
にねじ込まれたビスにより連結杆と周枠とが固着
され、かつ前記段状部は、該張出片及び該ビスの
頭部が段状部以外の部位の周枠下面から非突出と
なる深さとなつており、前記壁パネルの上端に嵌
合した下向きコ字形断面のチヤンネル部を有した
辺部支持金具に連結されることによつて該連結杆
が前記壁パネルの上端に支持されており、前記周
枠連結体よりなる天井ユニツトの４隅角部には、
周枠の下面に張り出す水平な下方を有するコーナ
部材が取り付けられており、該隅隅角部において
は該周枠の下面に該コーナ部材の下片の厚み以上
の深さの段状部が設けられ、該段状部に係合する
ことによつて該下片は周枠の下面から非突出とな
つており、かつこのコーナ部材が隅部支持金具に
よつて前記ユニツトルームの隅角部における前記
壁パネルの上端に支持されており、この隅部支持
金具は、前記ユニツトルーム隅角部で交叉する壁
パネルのそれぞれの上端に嵌合するように直交配
置された一対の下向きコ字形状のチヤンネル部を
備えてなることを特徴とするものである。

［作用］ 本考案においては、連結杆、コーナ部材、辺部
支持金具及び隅部支持金具のいずれも天井ユニツ
トの下面から突出しないので、天井ユニツトの下
面が平坦となり、天井下地材を平坦に取付けられ
る。

［実施例］ 以下、図面に基いて本考案の好適な実施例を説
明する。

第１図及び第４図〜第１６図は本考案の一実施
例を示す。

第１図は前出の第３図と同じ部位を示す側面図
である。第１図において、２０は天井ユニツト、
２２は該天井ユニツト２０の下面に貼装された天
井下地材である。２６は天井ユニツト２０の下面
に貼着された天井仕上材である。これらが辺部支
持金具２８ａ、隅部支持金具２８ｂ及び後述の連
結杆３４並びにコーナ部材５４によつて、パネル
壁３０の上端に支持され、架設されている。な
お、天井下地材２２及び天井仕上材２６は支持枠
３２により、下方からも支持される。

概略的に説明すると、複数個の矩形枠状の周枠
２０ａを、各周枠２０ａの長辺同志の間に連結杆
を介在させて連結し、矩形の天井ユニツト２０と
する。この天井ユニツト２０の４隅部にコーナ部
材５４を固着する。なお、連結杆３４は、周枠２
０ａの一端から他端まで延在している。この連結
杆３４には、上方に突出する板状の上方突出部４
０が設けられている。

この天井ユニツト２０の下面には、後述する段
部３６が凹設されている。これにより、連結杆３
４の張出片やその固着用のビス３８、さらにはコ
ーナ部材５４の下片５４ｂが、天井ユニツト２０
の下面から非突出状態となつており、天井ユニツ
ト２０の下面は全体として突出物のない状態とな
つている。この結果、天井ユニツト２０の下面に
天井下地材２２を全体として〓間なくぴつたりと
重ね合せることができ、該天井下地材２２の下面
に天井仕上材２６を同様にぴつたりと重ね合せる
ことができる。

ユニツトルームを囲むようにパネル壁３０が立
設されており、天井ユニツト２０を架設するに際
し、まず隅部支持金具２８ｂをユニツトルームの
４隅部のパネル壁３０の上端部に嵌合させてお
く。これと共に、ユニツトルームの隅部同志の間
の部分（辺部）には、所要個数の辺部支持金具２
８ａをパネル壁３０上端に嵌合させておく。

天井下地材２２及び天井仕上材２６が装着され
ていない天井ユニツト２０を、ユニツトルーム内
において下方から上方に向つて水平状態を維持し
たまま持ち上げる。そして、連結杆３４の上方突
出部４０を１対の辺部支持金具２８ａで挟持す
る。また、コーナ部材５４を隅部支持金具２８ｂ
に対し固着する。各支持金具２８ａ，２８ｂと天
井ユニツトとボルト４６，５７でしつかりと固定
するとことにより、天井ユニツト２０の架設が行
なわれる。その後、該天井ユニツト２０の下面に
天井下地材２２及び天井仕上材２６を装着する。

次に、各構成部材の詳述を各個に説明する。

天井ユニツト２０は、第４図に示すように、長
辺２０ｃと短辺２０ｄとからなる矩形状の周枠２
０ａと、その内側に連結した縦杆２０ｂを有して
いる。なお、この周枠の長辺２０ｃを以下、横杆
２０ｃということがある。

辺部支持金具２８ａは、第５図〜第７図に示す
ように、天井ユニツト２０の隣接する一対の横杆
２０ｃを、断面Ｉ字形状部を有する連結杆３４を
介して支持する。即ち、互いに隣接する横杆２０
ｃの隣接縁側の上下面には段状部３６が形成され
ている。この段状部３６に連結杆３４の断面Ｉ字
形状部の水平張出片が係合して、ビス３８で固定
されている。連結杆３４には上方突出部４０が長
板状に突設されており、この上方突出部４０が一
辺の辺部支持金具２８ａで挟み付けられて支持さ
れる。

辺部支持金具２８ａは、第７図に示すように、
略三角形状の水平辺４２、立上り辺４３、及び下
面が開口するコ字形断面のチヤンネル部４４によ
つて一体構成されている。そして立上り辺４３で
連結杆３４の上方突出部４０を側方から挟持し、
ボルト４６で固定している（第５図及び第６図参
照）。チヤンネル部４４は、パネル壁３０の上端
に嵌合、係止し、かつ、上方から螺挿した押ボル
ト４８で高さ調整可能とされている。

また、隅部支持金具２８ｂは、第８図に示すよ
うに、天井ユニツト２０の周枠支持用の三角形水
平板状の板状部５０と、この板状部５０の二辺に
一体連接した断面コ字形のチヤンネル部５２とを
有している。また、チヤンネル部５２には押ボル
ト４８が上側から螺装されている。

この隅部支持金具２８ｂを天井ユニツト２０の
隅部に連結させるために、第９図及び第１０図に
示すコーナ部材５４を用いる。このコーナ部材５
４は、平面形状が略直角三角形状であり、その直
交する２辺の部分にはコ字形断面部が設けられ、
これによつて平行な上片５４ａと下片５４ｂとが
設けられている。

天井ユニツト２０の４隅角部にこのコーナ部材
５４を次のようにして装着する。周枠２０ａの隅
角部の内側には、第１１図のように段部３６が上
下両面に設けられており、第１２図のようにコー
ナ部材５４の上片５４ａ、下片５４ｂで該段部３
６を挟むようにしてコーナ部材５４を周枠２０ａ
の隅角部に取り付け、ビス５５で止着する。

第１０図に示すように、このコーナ部材５４の
三角形板状部５４ｃの略中央部には透孔５４ｄが
開設されており、一方、隅部支持金具２８ｂの三
角形状の板状部５０にも透孔５１が開設されてい
る。そして、第１３図に示すように、コーナ部材
５４と隅部支持金具２８ｂとは、これら透孔５４
ｄ，５１に挿通されたボルト５７及びナツトによ
つて連結される。

天井ユニツト２０の第４図の上下両端に位置す
る周枠２０ａの縦杆２０ｂと横杆２０ｃとの接続
箇所のうち、辺部支持金具２８ａによつてパネル
壁上端に係止される部分にも、第１４図及び第１
５図に示すように、夫々コーナ部材５４が設けら
れる。即ち、天井ユニツト２０のこれらの箇所の
上下面には段部３６が形成されており、コーナ部
材５４の上片５４ａ及び下片５４ｂがこの段状部
３６に嵌合する。また、このコーナ部材５４の三
角形板状部５４ｃがボルト５８により、第１６図
の如く辺部支持金具２８ａに固定される。

次に天井ユニツト２０をパネル壁３０の上端に
支持ける手順を説明する。

まず、各支持金具２８ａ，２８ｂのチヤンネル
部４４，５２を、パネル壁３０の上端の所定位置
に嵌着する。そして、天井ユニツト２０をパネル
壁３０間に配置して所定高さまで押し上げ、順次
連結杆３４の上方突出部４０を辺部支持金具２８
ａで挟着し、ボルト締めする。また、コーナ部材
５４を隅部支持金具２８ｂ及びその他の辺部支持
金具２８ａとボルト５７，５８によつて締着す
る。これにより天井ユニツトがパネル壁３０の上
部に架け渡される。

しかる後、天井ユニツト２０に天井下地材２２
をタツピンねじ等で固着し、その後天井仕上材２
６を貼装する。なお、天井ユニツト２０の水平度
は支持金具２８の押ボルト４８を捻転させ、パネ
ル壁３０の上端部に対する当接度を加減して、調
節できる。

以上のようにして構成された天井では、連結杆
３４のＩ字形状部の下側の水平張出片やビス３
８、コーナ部材５４の下片５４ｂが天井ユニツト
２０の下面に対して非突出とされるので、段差が
なく、天井下地材２２が平滑に取付けられる。

また、押ボルト４８で天井ユニツト２０の高さ
調整が行えるので、第２図及び第３図の架設構造
と異なり、過度の寸法精度を要求されない。即
ち、第２図及び第３図のものでは、受金具１２が
パネル壁８の上端部に載置され、タツピンねじ１
４で固定されることから、パネル壁上端部と、天
井下地材１０との位置関係が一義的に定まり、そ
れらに高い寸法精度が要求された。これに対し、
本実施例では、押ボルト４８を介して高さ調整可
能としたので、寸法誤差があつても、微調整によ
り吸収できる。

さらに、支持金具２８ａ，２８ｂにチヤンネル
部４４，５２を設けたので、パネル３０及び天井
ユニツト２０の連結体全体の剛性が高くなるとい
う利点も得られる。

なお、本考案においては、第１７図に示すよう
に、コーナ部材５４′に上方突出部５４ｅを設け、
支持金具２８ａをこのコーナ部材５４′の上方突
出部５４ｅに連結するなど、コーナ部材５４と支
持金具２８ａ，２８ｂとの連結方式は任意であ
る。また、連結杆３４と辺部支持金具２８ａとの
連結方式も図示の例に限定されない。

［効果］ 本考案によれば、天井ユニツトの下面に段差が
生じないので、天井下地材が平滑に取付けられ、
したがつて天井ユニツト全体の平滑度が向上し、
天井仕上材の外観向上、取付強度向上等が図れ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部断面図で
あつて、第４図の−線断面を示す。第２図は
先願の構成を示す斜視図、第３図は先願の構成を
示す要部側面図である。第４図〜第１６図は本考
案の一実施例を示し、第４図は平面図、第５図は
第４図の要部を拡大して示す平面図、第６図は第
５図の−線断面図、第７図は同部分の組立状
態を示す斜視図、第８図は支持金具斜視図、第９
図はコーナ部材の側面図、第１０図は同平面図、
第１１図、第１２図、第１４図及び第１５図は
夫々コーナ部材の取付方法を示す斜視図、第１３
図は及び第１６図は天井ユニツト接続部の側面
図、第１７図は本考案の他の実施例を示す斜視図
である。 ２０ａ……周枠、２０……天井ユニツト、２２
……天井下地材、２８ａ……辺部支持金具、２８
ｂ……隅部支持金具、３０……パネル壁、３４…
…連結杆、４０……上方突出部、４４，５２……
チヤンネル部、４８……押ボルト、５４……コー
ナ部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ユニツトルームの４壁面を構成するようにパネ
   ル壁が立設され、このユニツトルームの天井を形
   成するための天井ユニツトが該パネル壁の上端に
   固定されて架設された構造であつて、 該天井ユニツトは、複数個の矩形枠状の周枠
   を、各周枠の辺部同志を結合して一体化したもの
   である天井ユニツトの架設構造において、 該周枠の辺部同志は、連結杆を該辺部同志の間
   に介在させて連結されており、 該連結杆の下端には、該連結杆に接する周枠の
   下面に張り出す水平な張出片が設けられており、
   該周枠の下面には該張出片を受け入れる段状部が
   形成されており、該張出片が段状部に下側から係
   合され、該張出片の下方から周枠にねじ込まれた
   ビスにより連結杆と周枠とが固着され、かつ前記
   段状部は、該張出片及び該ビスの頭部が段状部以
   外の部位の周枠下面から非突出となる深さとなつ
   ており、 前記壁パネルの上端に嵌合した下向きコ字形断
   面のチヤンネル部を有した辺部支持金具に連結さ
   れることによつて該連結杆が前記壁パネルの上端
   に支持されており、 前記周枠連結体よりなる天井ユニツトの４隅角
   部には、周枠の下面に張り出す水平な下片を有す
   るコーナ部材が取り付けられており、 該隅角部においては該周枠の下面に該コーナ部
   材の下片の厚み以上の深さの段状部が設けられ、
   該段状部に係合することによつて該下片は周枠の
   下面から非突出となつており、かつこのコーナ部
   材が隅部支持金具によつて前記ユニツトルームの
   隅角部における前記壁パネルの上端に支持されて
   おり、 この隅部支持金具は、前記ユニツトルーム隅角
   部で交叉する壁パネルのそれぞれの上端に嵌合す
   るように直交配置された一対の下向きコ字形状の
   チヤンネル部を備えてなることを特徴とする天井
   ユニツトの架設構造。