JPH0752246Y2 - プレファブルームの側壁構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、吊天井を支持する天井フレームと床フレーム
との間に壁パネルを並設してなる側壁構造に関する。

（従来の技術及び課題） 近年ビルジングの躯体建設後、屋内工事は、事前に一括
して工事等でユニット化した汎用の壁パネルや室内設
備、例えば便器或いは洗面台付パネル等の特殊な壁パネ
ル、それに配管や器材等を建物の中に搬入し、該壁パネ
ルを適宜建並べて室内壁面を構成すると共に配管や器材
等を設備して所謂プレファブ方式にインナールームを新
たに設けることにより行ない、以って施工の簡略化を図
る傾向にある。

このようなプレファブルームにおいては建物躯体の床上
に敷き回した床フレームと、吊天井を支持する天井フレ
ームとの間に、室内壁面である側壁が設けられる。そし
てこの側壁は、規格化された所定大きさの壁パネルを並
設してなるため、吊天井を壁パネルの上縁より上方に配
置すると、壁パネルの上縁と吊天井との間に隙間を生
じ、躯体の壁等が室内側に露出するという不具合があっ
た。

また従来では所定の大きさの壁パネルより上下方向に長
い壁パネルを特別に作る必要があり、壁パネルの種類が
増加するため、コスト上好ましくなかった。

そこで本考案の目的は、種々の異なる吊天井高さにおい
ても所定の大きさの壁パネルを用いることが出来る側壁
構造を提供するにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成すべく本考案は、建物躯体の床上に敷か
れた床フレームと、この床フレームに起設され、室内側
に所定高さの仕上材を貼り、室外側に補強材としての縦
框を付設し、且つこの縦框を仕上材の上縁より上方へ突
設し、また、仕上材の上縁に沿って上框を渡し、この上
框にダボを上方に突設した壁パネルと、仕上材の上縁よ
り上方に且つ縦框の上端より下方に設けられた吊天井
と、仕上材の上縁と吊天井との間の隙間を塞ぐために壁
パネルの上框に起設され、仕上材の上縁と吊天井の下面
との間隔を高さ寸法とし、下縁を長孔を介してダボに係
止し、上縁を縦框にねじ止めした小壁パネルとからなる
ことを特徴とする。

（作用） 仕上材の上縁と吊天井との間の隙間は小壁パネルで塞が
れる。

小壁パネルは、これの下縁の長孔を壁パネルの上框のダ
ボに係止することで壁パネルと位置合わされ、更に、小
壁パネルの上縁を縦框にねじ止めすることでこれに取付
けられる。

（実施例） 以下に本考案の好適実施例を添付図面に基づいて説明す
る。

先ず本考案に係る側壁構造を適用したプレファブルーム
の概要に付き、第５図を参照して説明する。

第５図は、プレファブルーム要部の横断面図であり、参
照番号Ｐはプレファブルーム全体を示す。プレファブル
ームＰは既設のビルジング内の所与のルームスペースＳ
中に吊天井システムとして設備されたものである。前記
プレファブルームＰは略々躯体の壁Wb沿いに側壁１を巡
らせることにより、躯体内に所望の室内空間Ｒを画成し
ている。側壁１は躯体の壁Wbから離して設けられた支柱
（図中ではコーナーポスト２のみを示した）間に壁パネ
ル３…を建並べて構成される。そしてこれらの壁パネル
３…同士の接合は、隣接する壁パネル3,3の下地枠34同
士をクリップジョイント3bにより挟持して行なわれる。

次に以上のようなプレファブルームに本考案に係わる側
壁構造を適用した場合について説明する。

第１図は第５図中Ｉ方向矢視図である。図中Fbは躯体の
床、Wbは躯体の壁である。躯体の床Fb上には側壁配設予
定位置に床フレーム４が敷き回される。そしてこの床フ
レーム４上には、壁パネル３が並設される。この壁パネ
ル３は第１図に示すように、室内側に所定高さの仕上材
31を貼り、室外側に補強材としての縦框36,36を付設
し、且つこの縦框36,36を仕上材31の上縁より上方へ突
設し、また、仕上材31の上縁に沿って上框35を渡し、こ
の上框35にダボ40,40を上方に突設し、これらを主要構
成となしている。すなわち、壁パネル３は裏面に下地枠
（補強フレーム）34を有する下地部材33と、該下地部材
33の表面に貼着した仕上材31とからなり、仕上材31の表
面にはタイル32…が貼着されている。前記下地枠（補強
フレーム）34は、左右の縦框36,36、該縦框36,36間を連
結する上・下の框35（上框のみ図示）及び縦框36,36の
夫々外側に有する取合用チャンネル39からなる。そして
前記縦框36の上端は上方に所定長さ延出されて取付部37
を形成する。この取付部37は内巾寸法11離間され、縦框
36の上部に水平に取付けられた天井受けビーム６に、Ｌ
字形の取付部材38を介して固定される。

なお、周知の如く、天井受けビーム6,6間に複数の横梁
（図示せず）を渡し、これら横梁から適宜吊りボルト
（図示せず）を下げ、これら吊りボルトで吊天井５を支
持する。吊天井５は、仕上材31の上縁より上方に且つ縦
框36の上端より下方に設けられる。また壁パネル３は、
下框（不図示）下面に長孔等の孔部を有し、この孔部に
床フレーム４上面のダボ4a…を挿入して位置決めされ
る。このような壁パネル３は規格化され、同寸法のもの
が用いられる。

従って吊天井５の位置を図示の如く壁パネル３の上縁3a
より上方に変更したい場合には、壁パネル３の上縁3aと
吊天井５との間に隙間を生ずる虞れがある。そこで本実
施例では、壁パネル３の上縁3aに接して側壁の高さ調節
用の小壁パネル７を配設する。この小壁パネル７は第１
図に示すように、仕上材31の上縁と吊天井５との間の隙
間を塞ぐために壁パネル３お上框35に起設され、仕上材
31の上縁と吊天井５の下面との間隔を高さ寸法とし、下
縁を長孔78,78を介して上記ダボ40,40に係止し、上縁を
上記縦框36,36にねじ止めするものである。

第２図は小壁パネルの平面図、第３図は同正面図、第４
図は同底面図である。図示の如く小壁パネル７は、表面
にタイル72…を貼着した壁装材71と、この壁装材71を裏
面側から補強する矩形状の補強フレーム73とからなる。
害補強フレーム73は、上枠74、下枠75及び巾寸法l2を有
して離間される左右の縦枠76,76からなり、上枠74上面
の両端には互いに対向するＬ字形の取付部材77が固設さ
れる。そして巾寸法l2は、壁パネル３の取付部37の内幅
寸法１と略等しく形成される。また下枠75には左右方
向に長さを有する長孔78が左右に離間して穿設される。

前記小壁パネル７は、第１図に示す如く、壁パネル３の
上框35の上面に上方に突設された一対のダボ40を小壁パ
ネル７の長孔78に挿入して位置決めされ、このとき小壁
パネル７の表面は、壁パネル３の表面と同一模様を有す
るとともに、略面一に配置される。そして小壁パネル77
の取付部材77を壁パネル３の取付部37にネジ等を介して
螺着する。尚、以上において一つの壁パネル３に対して
一つの小壁パネル７を用いて壁面を上方に延長したが、
例えば小壁パネル７の取付部材77を縦枠76に設けるか、
又は他の方法により固定して上面を平面にし、複数の小
壁パネル７を壁パネル３の取付部材38内に複数枚縦積す
る如く構成しても良い。またデザイン上、小壁パネル７
の表面模様を壁パネル３の表面模様と変更しても良い。

以上の実施例によれば、吊天井５の位置を所定の大きさ
の壁パネル３の上縁3aより上方に配置しても、壁パネル
３上縁3aと吊天井５との間に生ずる隙間を小壁パネル７
で覆うことが出来るため、躯体の壁Wb等が室内側に露出
することがなく、また吊天井５の高さを高くした場合に
おいても、従来用いられている規格化された壁パネル３
を用いることが出来る。

（考案の効果） 以上の説明から明らかな如く本考案によれば、仕上材の
上縁と吊天井との間の隙間を小壁パネルで塞いだため、
吊天井の高さを高くした場合において、躯体の壁等が室
内側に露出することがなく、従って吊天井の高さを自由
に変更出来るとともに、所定の大きさを有する規格化さ
れた壁パネルを用いることが出来る。また、床フレーム
に起設され、室内側に所定高さの仕上材を貼り、室外側
に補強材としての縦框を付設し、且つこの縦框を仕上材
の上縁より上方へ突設し、また、仕上材の上縁に沿って
上框を渡し、この上框にタボを上方に突設した壁パネル
と、仕上材の上縁より上方に且つ縦框の上端より下方に
設けられた吊天井と、仕上材の上縁と吊天井との間の隙
間を塞ぐために壁パネルの上框に起設され、仕上材の上
縁と吊天井の下面との間隔を高さ寸法とし、下縁を長孔
を介してダボに係止し、上縁を縦框にねじ止めした小壁
パネルとから、プレファブルームの側壁構造を構成した
ことにより、小壁パネルを壁パネルの上框に載置し且つ
小壁パネルの長孔をダボに係止することで壁パネルとの
位置合せをし、更に、小壁パネルの上縁を縦框にねじ止
めすることでこれを取付けるので、小壁パネルの取付け
が高所作業であるにもかかわらず、これの位置合せや取
付けが極めて簡単で、短時間で済ませることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第５図中Ｉ方向斜視図、第２図は小壁パネルの
平面図、第３図は同正面図、第４図は同底面図、第５図
はプレファブルーム要部の横断面図である。 尚図中、３は壁パネル、４は床フレーム、５は吊天井、
６は天井受けビーム、７は小壁パネル、31は仕上材、35
は上框、36は縦框、40はダボ、78は長孔、Fbは躯体の床
である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 藤田 由美 東京都港区虎ノ門１丁目１番28号 東陶機 器株式会社東京支社内 (72)考案者 滝崎 深雪 東京都港区虎ノ門１丁目１番28号 東陶機 器株式会社東京支社内 (56)参考文献 実開 昭59−158605（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−112502（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建物躯体の床上に敷かれた床フレームと、 この床フレームに起設され、室内側に所定高さの仕上材
   を貼り、室外側に補強材としての縦框を付設し、且つこ
   の縦框を前記仕上材の上縁より上方へ突設し、また、前
   記仕上材の上縁に沿って上框を渡し、この上框にダボを
   上方に突設した壁パネルと、 前記仕上材の上縁より上方に且つ前記縦框の上端より下
   方に設けられた吊天井と、 前記仕上材の上縁と前記吊天井との間の隙間を塞ぐため
   に前記壁パネルの上框に起設され、前記仕上材の上縁と
   前記吊天井の下面との間隔を高さ寸法とし、下縁を長孔
   を介して前記ダボに係止し、上縁を前記縦框にねじ止め
   した小壁パネルと からなることを特徴とするプレファブルームの側壁構
   造。