JPH0567740B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、建物の入隅部分を含めて直交する２
壁面から突出するバルコニーを形成するための構
造に関する。

［従来の技術］ 従来にあつては、建物の入隅部分において直交
する２壁面に沿つてバルコニーを形成するには直
交する壁に沿つてバルコニー床架構体を現場で全
体を平面視でＬ型に枠組みし、この平面視でＬ型
に枠組みしたバルコニー床架構体の上に床材を敷
設していた。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、一般にバルコニー床架構体は長方形
状をしているものであつて、規格品としては長方
形状のものが用意されているのみであり、このた
め建物の入隅付近において直交する２壁面に沿つ
てバルコニーを形成するには特注により直交する
壁に沿つてバルコニー床架構体を現場で全体を平
面視でＬ型に枠組み形成しなければならず、構造
が複雑で、現場における作業も手間がかかり、ま
た規格化されている長方形のバルコニー床架構体
を有効利用できないという問題があつた。

本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明した
ものであつて、その目的とするところは、規格化
されている長方形状をしたバルコニー床架構体を
利用して建物の入隅部分を構成する直交する２壁
面に沿つてバルコニーを形成することができるバ
ルコニーの構造を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明のバルコニーの構造は、建物の入隅付近
において直交する２壁面のうち一方の壁１の入隅
から離れ位置に長方形をしたバルコニー床架構体
２を突設すると共に他方の壁１の入隅から離れた
位置に長方形をしたバルコニー床架構体２を突設
し、両バルコニー床架構体２の突出部分の互いに
建物の入隅に近い方の端部の突出先端部同士を近
接させ、両バルコニー床架構体２にバルコニー床
パネル３を載設するとともに、少なくとも一方の
バルコニー床パネル３の端部を突出させて両バル
コニー床架構体２の端部と建物の入隅部分とに囲
まれた部分の床部４として成ることを特徴とする
ものであつて、このような構成を採用すること
で、上記した本発明の目的を達成したものであ
る。

［作用］ すなわち、本発明にあつては、直交する壁１か
らそれぞれ長方形をしたバルコニー床架構体２を
突設し、両バルコニー床架構体１の突出部分の互
いに建物の入隅に近い方の端部の突出先端部同士
を近接させ、両バルコニー床架構体２にバルコニ
ー床パネル３を載設するとともに、少なくとも一
方のバルコニー床パネル３の端部を突出させて両
バルコニー床架構体２の端部と建物の入隅部分と
に囲まれた部分の床部４とすることで、従来から
規格化されている長方形状のバルコニー床架構体
２を用いてＬ状のバルコニーを構成できるように
なつたものである。

［実施例］ 以下本発明を実施例により詳述する。建物の入
隅部分において入隅を構成する２壁面のうち一方
の壁１の入隅から離れた位置に長方形をしたバル
コニー床架構体２を突設してあり、また他方の壁
１の入隅から離れた位置に長方形をしたバルコニ
ー床架構体２を突設してある。ここで、両バルコ
ニー床架構体２の突出部分の互いに建物の入隅に
近い方の端部の突出先端部同士は第１図に示すよ
うに近接している。上記した両バルコニー床架構
体２はいずれも次のような構造を有している。す
なわち、壁１の構造材である柱１ｂや梁１ａから
バルコニー片持梁５を突設し、このアルコール片
持梁５の先端間に前面梁６を配設してバルコニー
片持梁５と前面梁６とを前面梁取付け金具７を介
してボルト１２により連結することで壁１から平
面視で長方形状に突出するバルコニー床架構体２
が構成されるのである。そしてこの長方形状をし
たバルコニー床架構体２にはバルコニー片持梁５
間に水平ブレース８が掛け渡されるものである。
そして、両バルコニー床架構体２にバルコニー床
パネル３が載設されるものであり、この場合、少
なくとも一方のバルコニー床パネル３の端部を突
出させて両バルコニー床架構体２の端部と建物の
入隅部分とに囲まれた部分の床部４としてある。
第２図の実施例では両方のバルコニー床パネル３
の端部を突出させて両方のバルコニー床パネル３
の端部に床部４を設けてある。両床部４は先端部
が45度に切り欠かれた傾斜部４ａとなつており、
両床部４の傾斜部４ａを突き付けることができる
ようにしてある。バルコニー床パネル３はパネル
止め金具９によりバルコニー片持梁５に取り付け
るものであり、この場合、例えばパネル止め金具
９としてはバルコニー片持梁５の上のフランジに
パネル止め金具９の下部に設けたはめ込み用横溝
をはめ込むと共にパネル止め金具９の上部を釘に
よりバルコニー床パネル３に固着するようにした
ものを用いるものである。バルコニー片持梁５の
先端にはバルコニー用支柱１０の下部に設けた支
柱取付け金具１１がボルト１２により固着してあ
る。そして、このバルコニー用支柱１０の上部間
には継ぎ材１３が架設してある。前面梁６と継ぎ
材１３とを利用して第７図のように前面パネル１
４が固着具１５により固着してあり、また端部に
位置するバルコニー片持梁５に沿つて壁１の構造
材４である柱４ｂとバルコニー用支柱１０との間
には第５図、第６図に示すように袖壁パネル１６
が配設され、この袖壁パネル１６は柱４ｂと前面
パネル１４の端部とに固着具１５により固着して
ある。上記のような構成をしたバルコニーには更
にバルコニー水切り２２、バルコニー軒天井２３
等が取り付けられるものである。

第８図には本発明の他の実施例が示してある。
この実施例では建物の入隅部分において直交する
２壁面のうち一方の壁１に沿つてバルコニー側大
引１７が配設してある。このバルコニー側大引１
７は一端部にコーナ用連結金具１８を設けて入隅
に位置する梁１ａの端部中央の縦片１９にボルト
１２により固着してあり、またバルコニー側大引
１７の他方の端部は梁１ａの側面の取付けプレー
ト２０に直接ボルトにより固着してある（または
図示していないが連結金具を介して梁１ａの端部
中央の縦片１９に取り付ける場合もある）。そし
て、この実施例にあつては、両バルコニー床架構
体２にバルコニー床パネル３を載設するととも
に、一方のバルコニー床パネル３の端部を突出さ
せて両バルコニー床架構体２の端部と建物の入隅
部分とに囲まれた部分の床部４とし、この床部４
の先端部を上記バルコニー側大引１７の上面に載
置するものである。

第９図には本発明の更に他の実施例が示してあ
り、この実施例では両バルコニー床架構体１の突
出部分の入隅側端部同士を近接させるとともに近
接した両バルコニー床加構体１の突出部分の入隅
側端部同士をＬ状としたバルコニー片持梁継ぎ材
２１を介してボルト１２により固着して連結して
ある。このようにすることで、両バルコニー床架
構体１同士が強固に連結されるものである。

ところで、建物の入隅部分を構成する直交する
２つの壁面に沿うようにＬ状のバルコニーを形成
するに当たり、長方形状の一方のバルコニー床架
構体の側端部を入隅部分に突き当て、上記バルコ
ニー床架構体の突出先端部に他方のバルコニー床
架構体の側端部を突き合わせることも考えられる
が、金属製のバルコニー片持梁５へのバルコニー
用支柱１０の取付け位置、バルコニー用支柱１０
に取付ける継ぎ材１３の取付け位置等はあらかじ
め一定位置に決められていて規格化されていて工
場の設備等もこれに対応した設備となつており、
更に、前面パネル１４も規格化されており、この
ため本来なら図１０のイで示す部分に規格化され
た前面パネル１４が取付けられるのであるが、実
際には図１０のロで示す部分に前面パネル１４を
取付ける必要があり、このため、バルコニー片持
梁５へのバルコニー用支柱１０の取付け位置、バ
ルコニー用支柱１０に取付ける継ぎ材１３の取付
け位置、継ぎ材１３の長さ、前面パネル１４のサ
イズが異なり、このため、工場ではバルコニー片
持ち梁５への孔明け工程、継ぎ材１３の孔明け工
程、継ぎ材１３の切断工程、前面パネル１４の異
なるサイズの制作工程等に対応して生産設備の一
部変更等を行わなければならず、工場生産の効率
化がはかれないので採用しがたいものである。こ
れに対し、本発明のような構成とすると、工場で
はバルコニー床パネル３のサイズの異なるものの
みの作成に対応して設備の変更をすればよく、で
きるだけ、通常の一般的な規格化された長方形状
のバルコニーの各部材の生産設備を用いながら工
場生産の効率化がはかれることになる。

［発明の効果］ 本発明にあつては、叙述のように直交する壁か
らそれぞれ長方形をしたバルコニー床架構体を突
設し、両バルコニー床架構体の突出部分の互いに
建物の入隅に近い方の端部の突出先端部同士を近
接させ、両バルコニー床架構体にバルコニー床パ
ネルを載設するとともに、少なくとも一方のバル
コニー床パネルの端部を突出させて両バルコニー
床架構体の端部と建物の入隅部分とに囲まれた部
分の床部としてあるので、従来から規格化されて
いる長方形状のバルコニー床架構体を用いて建物
の入隅にそつたＬ状のバルコニーを簡単に構成で
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のバルコニー床架構体を突設し
た状態の概略平面図、第２図は同上のバルコニー
床パネルを敷設した状態の概略平面図、第３図は
同上の建物の入隅部分の近傍の水平断面図、第４
図は同上の縦断面図、第５図は袖壁パネルの取り
付けを示す斜視図、第６図は同上の水平断面図、
第７図は前面パネルの取り付けを示す一部分解斜
視図、第８図は本発明の他の実施例の建物の入隅
部分の近傍の水平断面図、第９図は本発明の更に
他の実施例の建物の入隅部分の近傍の水平断面
図、第１０図は比較例の概略平面図であつて、１
は壁、２はバルコニー床架構体、３はバルコニー
床パネル、４は床部である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 建物の入隅付近において直交する２壁面のう
   ち一方の壁の入隅から離れた位置に長方形をした
   バルコニー床架構体を突設すると共に他方の壁の
   入隅から離れた位置に長方形をしたバルコニー床
   架構体を突設し、両バルコニー床架構体の互いに
   建物の入隅に近い方の端部の突出先端部同士を近
   接させ、両バルコニー床架構体にバルコニー床パ
   ネルを敷設するとともに、少なくとも一方のバル
   コニー床パネルの端部を突出させて両バルコニー
   床架構体の端部と建物の入隅部分とに囲まれた部
   分の床部として成ることを特徴とするバルコニー
   の構造。