JPH0535503Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は記録再生装置のカセツト収納室を閉
塞するカセツト蓋の取付け機構に関する。

［従来の技術］ 従来、カンガルポケツトを一体に形成したカセ
ツト蓋をテープレコーダ本体に回動自在に軸支し
たものが実開昭57−191965号公報に示されてい
る。このカセツト蓋はケース外表面と平坦になる
ようにケースの開口部に嵌合される。

ところが、カセツト蓋を開口部に合わせる場合
には取付け誤差を見込まなければならないため、
カセツト蓋を閉じたとき周囲に比較的大きな間隙
が生じて美観が著しく損なわれる。この間隙を小
さくしようとすると、ケースおよびカセツト蓋の
取付精度を高めなければならず、その分取付コス
トが高くなつてしまう問題がある。

そこで、現在ではケースの開口部にカンガルポ
ケツトタイプのカセツト蓋本体を開閉自在に取付
けた後、透明なカセツト窓を有する化粧部材を開
口部より嵌め込んだ状態で位置決めしながら接着
剤を用いて貼着することがなされている。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、上述の従来技術にあつてはカセツト
蓋本体に化粧部材を接着剤により貼着せしめてい
るため、接着剤が硬化するまで時間を要するばか
りでなく組立作業が煩雑になるとともに、位置決
めが難しくなるなどの問題があつた。

この考案は上記問題点に着目してなされたもの
で、カセツト蓋の組立を容易に行ない得るととも
に、化粧部材の位置決めを正確に行ない得るカセ
ツト蓋の取付け機構を提供することを目的として
いる。

［課題を解決するための手段および作用］ この考案のカセツト蓋の取付け機構は、開口部
を有する外装ケースと、デツキの基体に取り付け
られ開口部を介して開閉自在に設けられたカセツ
ト蓋本体と、カセツト蓋本体に弾性的に装着され
カセツト蓋本体に対してその厚み方向と直角方向
に摺動可能な化粧部材と、外装ケースに設けられ
化粧部材の端部と当接することにより化粧部材を
カセツト蓋本体に対して相対的に移動させ化粧部
材の外装ケースに対する取付け位置を規制するガ
イド部とを具備したことを特徴としている。

このように構成することにより、化粧部材をカ
セツト蓋本体へ嵌合させ蓋を閉じると、それに伴
つて化粧部材がカセツト蓋本体に対して相対的に
移動し、化粧部材の外装ケースに対する位置が自
動的に決まる。

［実施例］ 以下、図面を参照してこの考案の一実施例を説
明する。第１図はこの考案を適用した口述録音再
生装置の外観を示す。同図において、１は上外装
ケース２と下外装ケース３を接合させてなる口述
録音再生装置本体で、上外装ケース２の下段には
各種モードを操作する操作釦群４と口述内容の位
置と磁気テープの現在位置等を表示する表示部５
が配設され、上外装ケース２の上段の左側にカセ
ツト収納室６とエジエクト操作釦７が配置されて
いる。

上述のカセツト収納室６は第２図に示すように
デツキの基体にメカカバー板８、カンガルポケツ
トタイプのカセツト蓋本体９、透明なカセツト窓
部材１１を有する化粧部材１０により構成されて
いる。カセツト蓋本体９はメカカバー板８の両側
に設けられたヒンジ部８ａに開閉自在に軸支され
て、上外装ケース２の開口部２ａに組み込まれて
いる。このカセツト蓋本体９は弾性部材例えば引
張ばね１２により開放方向に付勢され、所定の角
度に開放したときでメカカバー板８の外側に設け
られたストツパ８ｂにカセツト蓋本体９のヒンジ
部９ａの延出端部が当接して停止するよう構成さ
れている。また、第３図に示すように、カセツト
蓋本体９の両側にポケツト部９ｂに係合するよう
にＬ形の保持片１０ａが一体に形成されている。
そして、この保持片１０ａには化粧部材１０とと
もに合成樹脂で形成することで左右方向に弾性を
もたせている。また、化粧部材１０のリブ１０ｂ
にカセツト蓋本体９を所定のガタをもたせて嵌合
させ、化粧部材１０をカセツト蓋本体９の厚み方
向と直角な方向に移動できるようにしてある。そ
して、カセツト窓部材１１にばね部材１３を一体
に形成し、このばね部材１３と保持片１０ａの先
端でカセツト蓋本体９を挟持している。

一方、カセツト蓋本体９の回動基点側に位置す
る開口部２ａの端縁に第４図に示すように湾曲状
のガイド部１４を形成し、このガイド部１４に化
粧部材１０の後端部を押し付けた状態でカセツト
蓋本体９を閉じることで、化粧部材１０がカセツ
ト蓋本体９に対して相対的に移動し、化粧部材１
０の前後方向（第４図では左右方向）の取付け位
置が規制されるようになつている。また、ガイド
部１４の両側には第５図に示すようにカセツト蓋
本体９のヒンジ部９ａと対応する位置に切欠部１
５が設けられ、その近傍に化粧部材１０の左右方
向の取付け位置を規制する突起状のガイド部１６
を設けている。

いま、下外装ケース３に上外装ケース２を組み
込んだ後、カセツト蓋本体９を開放させて開口部
２ａより突出させる。このカセツト蓋本体９の両
側に化粧部材１０の保持片１０ａを外側に広げな
がら化粧部材１０を弾性的に装着させる。このと
き、化粧部材１０の左右のリブ１０ｂ，１０ｂが
ガイド部１６，１６間に挟まれて左右位置が規制
される。この状態においてカセツト蓋本体９を閉
じると、化粧部材１０の後端部がガイド部１４の
湾曲面に当接しながら移動して前方に押し出され
る。このとき化粧部材１０はカセツト蓋本体９上
を摺動し前方の位置が規制される。

したがつて、この構成によればカセツト蓋本体
９を第４図中の二点鎖線の開状態から閉じること
で化粧部材１０はガイド部１４によつて前後方向
の位置が規制され、またガイド１６により左右方
向の位置が規制されるため、開口部２ａに対して
化粧部材１０を正確にかつ容易に位置決めするこ
とができる。

また、化粧部材１０をカセツト蓋本体９に弾性
的に装着させることができるため、組立が簡単に
なりコストの低減を図ることができる。

なお、この考案は上記実施例に限定されるもの
ではなく、要旨を変更しない範囲で変形して実施
することができる。

［考案の効果］ この考案によれば、カセツト蓋本体に化粧部材
を弾性的に装着させることでカセツト蓋の組立を
容易に行い得るとともに、外装ケースに化粧部材
の位置を規制するガイド部を設けることで外装ケ
ースに対する化粧部材の取付け位置を正確に規制
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係わる口述録音
再生装置の外観を示す斜視図、第２図は同実施例
の要部であるカセツト収納室を示す組立図、第３
図および第４図は同実施例の概略的な構成を示し
第３図はカセツト収納室の縦断面図、第４図は右
側面図で、第５図は同実施例の要部を拡大して示
す斜視図である。 １……口述録音再生装置、２……上外装ケー
ス、２ａ……開口部、３……下外装ケース、４…
…操作釦群、５……表示部、６……カセツト収納
室、７……エジエクト操作釦、８……メカカバー
板、８ａ……ヒンジ部、８ｂ……ストツパ、９…
…カセツト蓋本体、９ａ……ヒンジ部、９ｂ……
ポケツト部、１０……化粧部材、１０ａ……保持
片、１０ｂ……リブ、１１……カセツト窓部材、
１２……引張ばね、１３……ばね部、１４……ガ
イド部、１５……切欠部、１６……ガイド部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 開口部を有する外装ケースと、 デツキの基体に取り付けられ開口部を介して開
   閉自在に設けられたカセツト蓋本体と、 カセツト蓋本体に弾性的に装着されカセツト蓋
   本体に対してその厚み方向と直角方向に摺動可能
   な化粧部材と、 外装ケースに設けられ化粧部材の端部と当接す
   ることにより化粧部材をカセツト蓋本体に対して
   相対的に移動させ化粧部材の外装ケースに対する
   取付け位置を規制するガイド部と、 を具備したことを特徴とするカセツト蓋の取付け
   機構。