JPH0534904A - 感光性組成物 - Google Patents

感光性組成物

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JPH0534904A
JPH0534904A JP20638791A JP20638791A JPH0534904A JP H0534904 A JPH0534904 A JP H0534904A JP 20638791 A JP20638791 A JP 20638791A JP 20638791 A JP20638791 A JP 20638791A JP H0534904 A JPH0534904 A JP H0534904A
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JP
Japan
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acid
compound
present
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photosensitive
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JP20638791A
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Inventor
Takeo Akiyama
健夫 秋山
Hideyuki Nakai
英之 中井
Mitsuru Sasaki
充 佐々木
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Mitsubishi Kasei Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた露光可視画性及びアンダー現像性を有
し、かつ高い感度を有する感光性平版印刷版及び該印刷
版に適する感光性組成物を提供する。 【構成】 少なくとも、置換もしくは無置換のナフトフ
リル基を直接又はビニル基を介して5位に有する2−ハ
ロメチル−1,3,4−オキサジアゾール化合物を含む
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性平版印刷版に用い
る感光性組成物に関し、更に詳しくは新規な露光可視画
剤を含有する感光性平版印刷版用感光性組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】感光性平版印刷版に複数のフィルム原稿
を位置を変えて次々と焼き付けする所謂“多面焼き付
け”を行なう際等、フィルム原稿間の位置合わせを容易
にするため、露光部と未露光部が区別できることが必要
である。このため、一般に、感光性平版印刷版に用いら
れる感光性組成物には、露光により可視画像を形成させ
る(以下、「露光可視画性」と称す)ためのプリントア
ウト材料が含まれている。該プリントアウト材料として
は、露光により酸もしくは遊離基を生成する化合物と、
これと相互作用することにより色調を変える色素とから
なっており、従来、露光により酸もしくは遊離基を生成
する化合物としては、例えば、特開昭55−77742
号公報等に記載されているハロメチル−ビニル−オキサ
ジアゾール化合物等が挙げられる。露光可視画性は通
常、このような化合物の添加量の増大に伴なって良くな
っていくが、一方で添加量を多くしすぎると感光性平版
印刷版の感度が低下したり、アルカリ溶解性が低下し
て、いわゆるアンダー現像性が悪化する等の欠点を有し
ている。すなわち、ポジ型の感光性平版印刷版の現像処
理は通常アルカリ水溶液から成る現像液中で行なわれる
が、現像液の現像能力は種々の条件で変動を受けやす
く、例えば多量処理による疲労や空気酸化による劣化で
現像能力が低下し、処理しても印刷版の非画像部の感光
層が完全に溶解されなくなる場合がある。このため、感
光性平版印刷版は、上記のような処理能力が低下した現
像液でも、標準現像液で処理した場合と同様の現像性を
示す幅広い現像許容性を有することが望まれている。こ
のような適正な現像結果が得られる現像能力低下の許容
範囲をアンダー現像性という。
【0003】従って、上記感度の低下及びアンダー現像
性の悪化がなく、優れた露光可視画性を有する感光性平
版印刷版の開発が望まれていた。
【0004】すなわち、本発明の目的は、優れた露光可
視画性及びアンダー現像性を有し、かつ高い感度を有す
る感光性平版印刷版及び該印刷版に適する感光性組成物
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題に
鑑みて鋭意研究の結果、本発明の上記目的は、少なくと
も、置換もしくは無置換のナフトフリル基を直接又はビ
ニル基を介して5位に有する2−ハロメチル−1,3,
4−オキサジアゾール化合物を含む感光性組成物を提供
することにより達成されることを見出した。
【0006】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0007】本発明に用いられる置換もしくは無置換の
ナフトフリル基を直接またはビニル基を介して5位に有
する2−ハロメチル−1,3,4−オキサジアゾール化
合物(以下、「本発明の化合物」と称す)としては、好
ましくは下記一般式〔I〕で表わされるものが挙げられ
る。
【0008】一般式〔I〕
【0009】
【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を表わし、R1 は水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表わし、A
は置換もしくは無置換のナフトフリル基を表わし、mは
1〜3の整数であり、nは0又は1である。)
【0010】上記一般式〔I〕において、Xで表わされ
るハロゲン原子としては好ましくは塩素原子、臭素原子
であり、R1 で表わされるアルキル基としては直鎖状、
分岐状、環状のいずれのものでもよく、炭素原子数1〜
6のものが好ましく挙げられ、代表的なものとしては、
メチル基、エチル基、ブチル基等があげられる。またR
1 で表わされるアリール基としてはフェニル基が代表的
なものとしてあげられる。
【0011】Aで表わされるナフトフリル基に置換して
いてもよい基としては、例えば水酸基、アルキル基、ア
ルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、フェノキシ基、フェ
ニル基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基等
があげられる。
【0012】以下に本発明の化合物の具体例をあげる
が、本発明の化合物はこれらに限定されるわけではな
い。
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】本発明の化合物はOrganic Syn
theses Collective Volume
5 p.251〜254に記載のベンゾフランの合成法
と同様にして、あるいはP.Emmatt and
R.Livingstone,Journal of
Chemical Society 1957,314
4〜3148に記載の方法に従いナフトフラン、あるい
はナフトフランのカルボン酸誘導体を合成した後、特開
昭59−148784号公報明細書に記載の方法に従っ
て合成することにより得られる。以下に本発明の化合物
の合成例を示す。
【0018】〔合成例−1〕 例示化合物(1)の合成 NaOH24g,水84mlに2−ヒドロキシ−1−ナ
フトアルデヒド50g,モノクロル酢酸28gを加え攪
拌し3時間加熱還流した。この溶液を塩酸酸性にした
後、水蒸気蒸留により未反応アルデヒドを除去して、冷
却,濾過した。この濾取物に対し、無水酢酸ソーダ52
g,無水酢酸130ml,酢酸130mlを加え、8時
間加熱還流した後、800mlの氷水中に注ぎ、エーテ
ル抽出を行い、エーテル層をアルカリ洗浄した後、エー
テルを除去して、ナフト〔2,1−b〕フランを得た。
次に、氷冷したジメチルホルムアミド14gに、オキシ
塩化リン27gを滴下し、これにナフト〔2,1−b〕
フラン28gを加え、約80℃で2時間反応した後、氷
水中に注ぎ70℃で30分加熱攪拌した後、冷却濾過し
て2−ナフト〔2,1−b〕フランカルボアルデヒドを
得た。この2−ナフト〔2,1−b〕フランカルボアル
デヒド30gとマロン酸18gをピリジン40mlに加
え、3時間加熱反応させ、塩酸酸性にして結晶析出させ
た後濾過して3−(ナフト〔2,1−b〕フラン−2−
イル)アクリル酸を得た。
【0019】この3−(ナフト〔2,1−b〕フラン−
2−イル)アクリル酸40gとトリエチルアミン20m
lをアセトン200mlに加え15gのクロロアセトニ
トリルを滴下混合し、4時間加熱還流した後、水1リッ
トルを加えて結晶化させ、濾過,水洗しシアノメチル−
β−(2−ナフト〔2,1−b〕フリル)アクリレート
を得た。
【0020】このシアノメチル−β−(2−ナフト
〔2,1−b〕フリル)アクリレート40gをメタノー
ル400mlに加え、攪拌しつつヒドラジン20gを加
え、30分加熱還流した後、水500mlを加えて冷却
し、析出した結晶を濾過,水洗して3−(ナフト〔2,
1−b〕フラン−2−イル)アクリロヒドラジドを得
た。この3−(ナフト〔2,1−b〕フラン−2−イ
ル)アクリロヒドラジド30gをアセトニトリル200
mlに加え、ヘキサクロルアセトン32gを加え、約6
0℃で30分間放置したのち冷却,濾過してN′−β−
(2−ナフト〔2,1−b〕フリル)アクリロイル−N
−トリクロロアセトヒドラジドを得た。このN′−β−
(2−ナフト〔2,1−b〕フリル)アクリロイル−N
−トリクロロアセトヒドラジド40gをオキシ塩化リン
570gに加え6時間加熱還流後、冷却し、氷水中に注
いで過剰のオキシ塩化リンを分解した後、生じた沈殿物
を濾過,水洗後アセトン−水より再結晶して2−〔2−
(ナフト〔2,1−b〕フラン−2−イル)ビニル〕−
5−(トリクロロメチル)−1,3,4−オキサジアゾ
ールを得た。この化合物の融点は206〜207℃であ
った。
【0021】上記本発明の化合物は感光性組成物中に好
ましくは0.01〜20重量%,更に好ましくは0.1
〜20重量%含有される。
【0022】本発明においては本発明の効果を損なわな
い範囲内において、上記本発明の化合物と併用して活性
光線の照射により酸又は遊離基を発生する化合物として
他のトリハロアルキル化合物又はジアゾニウム塩化合物
を用いることができる。
【0023】本発明においては、上記本発明の化合物の
光分解生成物と相互作用することによってその色調を変
える変色剤を含有することができる。このような変色剤
としては、発色するものと退色又は変色するものとの2
種類がある。退色又は変色する変色剤としては、例えば
ジフェニルメタン、トリフェニルメタン系チアジン、オ
キサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノ
ナフトキノン系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用
いられる。
【0024】これらの例としては具体的には次のような
ものが挙げられる。すなわち、ブリリアントグリーン、
エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチ
ルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフク
シン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリ
アジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メ
チルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベン
ガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、
キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジ
フェニルチオカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセ
イン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプル
プリン4B、α−ナフチルレッド、ナイルブルー2B、
ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレッ
ト、マラカイトグリーン、パラフクシン、ビクトリアピ
ュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製)、オイルブ
ルー#603〔オリエント化学工業(株)製〕、オイル
ピンク#312〔オリエント化学工業(株)製〕、オイ
ルレッド5B〔オリエント化学工業(株)製〕、オイル
スカーレット#308〔オリエント化学工業(株)
製〕、オイルレッドOG〔オリエント化学工業(株)
製〕、オイルレッドRR〔オリエント化学工業(株)
製〕、オイルグリーン#502〔オリエント化学工業
(株)製〕、スピロンレッドBEHスペシャル〔保土谷
化学工業(株)製〕、m−クレゾールパープル、クレゾ
ールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、ファース
トアシッドバイオレットR、スルホローダミンB、オー
ラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフト
キノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチルア
ミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボステアリ
ルアミノ−4−p−ジヒドロオキシエチルアミノ−フェ
ニルイミノナフトキノン、p−メトキシベンゾイル−
p′−ジエチルアミノ−o′−メチルフェニルイミノア
セトアニリド、シアノ−p−ジエチルアミノフェニルイ
ミノアセトアニリド、1−フェニル−3−メチル−4−
p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン、
1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイ
ミノ−5−ピラゾロン等。
【0025】また、発色する変色剤としてはアリールア
ミン類を挙げることができる。この目的に適するアリー
ルアミン類としては、第一級、第二級芳香族アミンのよ
うな単なるアリールアミンのほかにいわゆるロイコ色素
も含まれ、これらの例としては次のようなものが挙げら
れる。
【0026】ジフェニルアミン、ジベンジルアニリン、
トリフェニルアミン、ジエチルアニリン、ジフェニル−
p−フェニレンジアミン、p−トルイジン、4,4′−
ビフェニルジアミン、o−クロロアニリン、o−ブロモ
アニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、o−
ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、1,2,3−トリ
フェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミンジフェ
ニルメタン、アニリン、2,5−ジクロロアニリン、N
−メチルジフェニルアミン、o−トルイジン、p,p′
−テトラメチルジアミノジフェニルメタン、N,N−ジ
メチル−p−フェニレンジアミン、1,2−ジアニリノ
エチレン、p,p′,p″−ヘキサメチルトリアミノト
リフェニルメタン、p,p′−テトラメチルジアミノト
リフェニルメタン、p,p′−テトラメチルジアミノジ
フェニルメチルイミン、p,p′,p″−トリアミノ−
o−メチルトリフェニルメタン、p,p′,p″−トリ
アミノトリフェニルカルビノール、p,p′−テトラメ
チルアミノジフェニル−4−アニリノナフチルメタン、
p,p′,p″−トリアミノトリフェニルメタン、p,
p′,p″−ヘキサプロピルトリアミノトリフェニルメ
タン。
【0027】上記の変色剤の感光性組成物中に占める割
合は、0.01〜10重量%であることが好ましく、更
に好ましくは0.02〜5重量%で使用される。
【0028】本発明の感光性組成物においては感光性物
質として種々の公知のものを用いることができるが、o
−ナフトキノンジアジド化合物が特に好ましく用いられ
る。
【0029】本発明に用いられるo−ナフトキノンジア
ジド化合物としては、例えばo−ナフトキノンジアジド
スルホン酸と、フェノール類及びアルデヒド又はケトン
の重縮合樹脂とのエステル化合物が好ましく用いられ
る。
【0030】前記フェノール類としては、例えば、フェ
ノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾ
ール、3,5−キシレノール、カルバクロール、チモー
ル等の一価フェノール、カテコール、レゾルシン、ヒド
ロキノン等の二価フェノール、ピロガロール、フロログ
ルシン等の三価フェノール等が挙げられる。前記アルデ
ヒドとしてはホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、ア
セトアルデヒド、クロトンアルデヒド、フルフラール等
が挙げられる。これらのうち好ましいものはホルムアル
デヒド及びベンズアルデヒドである。また、前記ケトン
としてはアセトン、メチルエチルケトン等が挙げられ
る。
【0031】前記重縮合樹脂の具体的な例としては、フ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾール・ホ
ルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホルムアルデヒ
ド樹脂、m−,p−混合クレゾール・ホルムアルデヒド
樹脂、レゾルシン・ベンズアルデヒド樹脂、ピロガロー
ル・アセトン樹脂等が挙げられる。
【0032】前記o−ナフトキノンジアジド化合物のフ
ェノール類のOH基に対するo−ナフトキノンジアジド
スルホン酸の縮合率(OH基1個に対する反応率)は、
15〜80%が好ましく、より好ましくは20〜60%
である。
【0033】更に本発明に用いられるo−ナフトキノン
ジアジド化合物としては特開昭58−43451号公報
明細書に記載のある以下の化合物も使用できる。すなわ
ち例えば1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エス
テル、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド
などの公知の1,2−キノンジアジド化合物、さらに具
体的にはジェイ・コサール(J.Kosar)著「ライ
ト・センシティブ システムズ」(“Light−Se
nsitive Systems”)第339〜352
頁(1965年)、ジョン・ウィリー アンド サンズ
(John Willey & Sons)社(ニュー
ヨーク)やダブリュー・エス・ディー・フォレスト
(W.S.De Forest)著「フォトレジスト」
(“Photoresist”)第50巻,(1975
年)、マグローヒル(McGraw−Hill)社(ニ
ューヨーク)に記載されている1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホン酸シクロヘキシルエステル、1−
(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル)−
3,5−ジメチルピラゾール、1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホン酸−4″−ヒドロキシジフェニル
−4″−アゾ−β−ナフトールエステル、N,N−ジ−
(1,2−ナフトキシノンジアジド−5−スルホニル)
−アニリン、2′−(1,2−ナフトキノンジアジド−
5−スルホニルオキシ)−1−ヒドロキシ−アントラキ
ノン、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸
−2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンエステル、1,
2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸−2,3,
4−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル、1,2−
ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド2モル
と4,4′−ジアミノベンゾフェノン1モルの縮合物、
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリ
ド2モルと4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ジフェ
ニルスルホン1モルの縮合物、1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホン酸クロリド1モルとプルプロガリ
ン1モルの縮合物、1,2−ナフトキノンジアジド−5
−(N−ジヒドロアビエチル)−スルホンアミドなどの
1,2−キノンジアジド化合物を例示することができ
る。また特公昭37−1953号、同37−3627
号、同37−13109号、同40−26126号、同
40−3801号、同45−5604号、同45−27
345号、同51−13013号、特開昭48−965
75号、同48−63802号、同48−63803号
各公報に記載された1,2−キノンジアジド化合物をも
挙げることができる。
【0034】更に本発明に用いられるo−ナフトキノン
ジアジド化合物としては例えば、1,2−ナフトキノン
ジアジド−4−スルホン酸シクロヘキシルエステル、1
−(1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル)
−3,5−ジメチルピラゾール、1,2−ナフトキノン
ジアジド−4−スルホン酸−4″−ヒドロキシジフェニ
ル−4″−アゾ−β−ナフトールエステル、2′−
(1,2−ナフトキノジアジド−4−スルホニルオキ
シ)−1−ヒドロキシ−アントラキノン、1,2−ナフ
トキノンジアジド−4−スルホン酸−2,4−ジヒドロ
キシベンゾフェノンエステル、1,2−ナフトキノンジ
アジド−4−スルホン酸−2,3,4−トリヒドロキシ
ベンゾフェノンエステル、1,2−ナフトキノンジアジ
ド−4−スルホン酸−2,3,4′,4′−テトラヒド
ロキシベンゾフェノンエステル、1,2−ナフトキノン
ジアジド−4−スルホン酸クロリド2モルと4,4′−
ジヒドロキシ−1,1′−ジフェニルスルホン1モルの
縮合物、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン
酸クロリド1モルとプルプロガリン1モルの縮合物等の
ポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノン−2−ジ
アジド−4−スルホン酸エステル化合物が挙げられる。
【0035】また更に下記のようなポリウレタン樹脂の
o−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物も
使用しうる。
【0036】
【化6】
【0037】また、本発明においてはo−ナフトキノン
ジアジド化合物としてフェノール性水酸基を有するビニ
ル重合体とo−ナフトキノンジアジドスルホン酸とのエ
ステル化合物も使用することができる。このようなエス
テル化合物を形成するフェノール性水酸基を有するビニ
ル重合体としてはフェノール性水酸基を有する単位を分
子構造中に有する重合体であり、好ましくは、後述する
アルカリ可溶性樹脂として用いられるフェノール性水酸
基を有する構造単位を分子構造中に有するビニル系重合
体と同様のものが用いられる。
【0038】本発明に用いられるo−ナフトキノンジア
ジド化合物としては上記化合物を各々単独で用いてもよ
いし、2種以上組合わせて用いてもよい。本発明に用い
られるo−ナフトキノンジアジド化合物の感光性組成物
中に占める割合は、5〜60重量%が好ましく、特に好
ましくは、10〜50重量%である。
【0039】本発明の感光性組成物には、通常アルカリ
可溶性樹脂が用いられ、このような樹脂としては、当分
野において公知の種々の樹脂が使用可能であるが、特に
ノボラック樹脂及びフェノール性水酸基を有する構造単
位を分子構造中に有するビニル系重合体が好ましい。
【0040】本発明に用いられるノボラック樹脂として
は、フェノール類とホルムアルデヒドを酸触媒の存在下
で縮合して得られる樹脂が挙げられ、該フェノール類と
しては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレ
ゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、2,
4−キシレノール、2,5−キシレノール、カルバクロ
ール、チモール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノ
ン、ピロガロール、フロログルシン等が挙げられる。上
記フェノール類化合物は単独で又は2種以上組み合わせ
てホルムアルデヒドと縮合し樹脂を得ることができる。
これらのうち好ましいノボラック樹脂は、フェノール、
m−クレゾール(又はo−クレゾール)及びp−クレゾ
ールから選ばれる少なくとも1種とホルムアルデヒドと
を共重縮合して得られる樹脂であり、例えば、フェノー
ル・ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホルムア
ルデヒド樹脂、o−クレゾール・ホルムアルデヒド樹
脂、フェノール・p−クレゾール・ホルムアルデヒド共
重合体樹脂、m−クレゾール・p−クレゾール・ホルム
アルデヒド共重縮合体樹脂、o−クレゾール・p−クレ
ゾール・ホルムアルデヒド共重縮合体樹脂、フェノール
・m−クレゾール・p−クレゾール・ホルムアルデヒド
共重縮合体樹脂、フェノール・o−クレゾール・p−ク
レゾール・ホルムアルデヒド共重縮合体樹脂が挙げられ
る。更に上記のノボラック樹脂のうち、フェノール・m
−クレゾール・p−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂
が好ましい。
【0041】本発明においては、上記ノボラック樹脂は
単独で用いてもよいし、また2種以上組合わせて用いて
もよい。
【0042】上記ノボラック樹脂の分子量(ポリスチレ
ン標準)としては、重量平均分子量Mwが2.0×10
3 〜2.0×104 で、数平均分子量Mnが7.0×1
2 〜5.0×103 の範囲内の値であることが好まし
く、更に、好ましくは、Mwが3.0×103 〜6.0
×103 、Mnが7.7×102 〜1.2×103 の範
囲内の値である。本発明におけるノボラック樹脂の分子
量の測定は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー法)によって行う。
【0043】また、本発明に好ましく用いられるフェノ
ール性水酸基を有する構造単位を分子構造中に有するビ
ニル系重合体としては、炭素−炭素二重結合が開裂し
て、重合してできた重合体であり下記一般式〔I〕〜
〔VI〕の少なくとも1つの構造単位を含む重合体が好ま
しく用いられる。
【0044】
【化7】 式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素原子、アルキル
基、またはカルボキシル基を表し、好ましくは水素原子
である。R3 は水素原子、ハロゲン原子またはアルキル
基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基、エチル
基等のアルキル基である。R4 は水素原子、アルキル
基、アリール基またはアラルキル基を表し、好ましくは
水素原子である。Aは窒素原子または酸素原子と芳香族
炭素原子とを連結する置換基を有してもよいアルキレン
基を表し、mは0〜10の整数を表し、Bは置換基を有
してもよいフェニレン基または置換基を有してもよいナ
フチレン基を表す。本発明においては、これらのうち上
記一般式〔II〕で示される構造単位を少なくとも1つ含
む共重合体が好ましい。
【0045】前記ビニル系重合体としては共重合体型の
構造を有していることが好ましく、このような共重合体
において、前記一般式〔I〕〜〔VI〕の各々で示される
構造単位の少なくとも1種と組み合わせて用いることが
できる単量体単位としては、例えばエチレン、プロピレ
ン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のエチレ
ン系不飽和オレフィン類、例えばスチレン、α−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等
のスチレン類、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のア
クリル酸類、例えばイタコン酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸類、例えばアクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アク
リル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−ク
ロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、エタクリル酸エチル等のα−メチレン脂肪
族モノカルボン酸のエステル類、例えばアクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、例えばアク
リルアミド等のアミド類、例えばアクリルアニリド、p
−クロロアクリルアニリド、m−ニトロアクリルアニリ
ド、m−メトキシアクリルアニリド等のアニリド類、例
えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニ
ル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、例えばメチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニ
ルエーテル、β−クロロエチルビニルエーテル等のビニ
ルエーテル類、塩化ビニル、ビニリデンクロライド、ビ
ニリデンシアナイド、例えば1−メチル−1−メトキシ
エチレン、1,1−ジメトキシエチレン、1,2−ジメ
トキシエチレン、1,1−ジメトキシカルボニルエチレ
ン、1−メチル−1−ニトロエチレン等のエチレン誘導
体類、例えばN−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾ
ール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデン、
N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、等のビニ
ル系単量体がある。これらのビニル系単量体は不飽和二
重結合が開裂した構造で高分子化合物中に存在する。
【0046】上記の単量体のうち、一般式〔I〕〜〔I
V〕で示される構造単位の少なくとも1種と組み合わせ
て用いるものとして、(メタ)アクリル酸類、脂肪族モ
ノカルボン酸のエステル類、ニトリル類が総合的に優れ
た性能を示し、好ましい。より好ましくは、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アクリル
酸エチル等である。
【0047】これらの単量体は前記ビニル系重合体中に
ブロック又はランダムのいずれの状態で結合していても
よい。
【0048】前記ビニル系重合体中における、一般式
〔I〕〜〔VI〕のそれぞれで示される構造単位の含有率
は、5〜70モル%が好ましく、特に、10〜40モル
%が好ましい。
【0049】前記の重合体は1種のみで用いてもよい
が、2種以上併用して感光性組成物中に含んでいてもよ
い。
【0050】以下に本発明に用いられるビニル系重合体
の代表的な具体例をあげる。なお下記に例示の化合物に
おいて、Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量、
s,k,l,o,mおよびnは、それぞれ構造単位のモ
ル%を表す。
【0051】
【化8】
【0052】
【化9】
【0053】
【化10】
【0054】
【化11】
【0055】
【化12】
【0056】本発明の感光性組成物中における上記アル
カリ可溶性樹脂の占める割合は50〜95重量%が好ま
しく、更に好ましくは60〜90重量%である。
【0057】本発明の感光性組成物は必要に応じ更に有
機酸及び酸無水物を含むことができる。
【0058】本発明に用いられる有機酸としては公知の
種々の有機酸がすべて用いられるがpKa値が2以上で
ある有機酸が好ましく、更に好ましくはpKa値が3.
0〜9.0であり、特に好ましくは3.5〜8.0の有
機酸が用いられる。但し、本発明で使用されるpKa値
は25℃における値である。
【0059】このような有機酸としては、例えば化学便
覧基礎編II(丸善(株)1966年,第1054〜10
58頁)に記載されている有機酸で、上記pKa値を示
し得る化合物をすべて挙げることができる。このような
化合物としては、例えば安息香酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、イソフタル酸、p−トルイル酸、q−トルイル
酸、β−エチルグルタル酸、m−オキシ安息香酸、p−
オキシ安息香酸、3,5−ジメチル安息香酸、3,4−
ジメトキシ安息香酸、グリセリン酸、グルタコン酸、グ
ルタル酸、p−アニス酸、コハク酸、セバシン酸、β,
β−ジエチルグルタル酸、1,1−シクロブタンジカル
ボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,1−
シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタン
ジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、
β,β−ジメチルグルタル酸、ジメチルマロン酸、α−
酒石酸、スペリン酸、テレフタル酸、ピメリン酸、フタ
ル酸、フマル酸、β−プロピルグルタル酸、プロピルマ
ロン酸、マンデル酸、メソ酒石酸、β−メチルグルタル
酸、β,β−メチルプロピルグルタル酸、メチルマロン
酸、リンゴ酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボ
ン酸、エルカ酸、ウンデセン酸、ラウリン酸、n−カプ
リン酸、ペラルゴン酸、n−ウンデカン酸等を挙げるこ
とができる。その他メルドラム酸やアスコルビン酸など
のエノール構造を有する有機酸も好ましく用いることが
できる。上記有機酸の感光層中に占める割合は0.05
〜10重量%が適当であり、好ましくは0.1〜5重量
%である。
【0060】また、本発明に用いる酸無水物としては公
知の種々の酸無水物がすべて用いられるが、好ましくは
環状酸無水物であり、このようなものとして例えば無水
フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸、3,6−エンドオキシ−Δ4 −テトラヒド
ロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水グル
タル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−
フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、ピロメリット
酸等が挙げられる。これらの酸無水物は感光層中に0.
05〜10重量%、特に0.1〜5重量%含有されるこ
とが好ましい。本発明の感光性組成物は更に分子構造中
に下記構造単位〔A〕及び〔B〕の少なくとも1種を有
する化合物を含有することもできる。
【0061】
【化13】 本発明に用いられる前記構造単位〔A〕及び〔B〕の少
なくとも1種を有する化合物としては、上記構造単位
〔A〕及び〔B〕の1方又は両方を有する化合物であれ
ばいかなるものでもよいが、特にnが2〜5000の範
囲内の整数であり、かつ沸点が240℃以上である化合
物が好ましく、更に好ましくはnが2〜5000の範囲
内の整数であり、かつ沸点が280℃以上である化合物
であり、最も好ましいものはnが3〜100の範囲内の
化合物である。
【0062】このような化合物としては、例えば、
【0063】
【化14】 (ただし、ブロックポリマー、ランダムポリマーを含
む)・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアル
キルエーテル(末端がアルキルエーテルを形成してい
る)(ただし、ランダムポリマーを含む)
【0064】
【化15】 ・ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(例えば、RCO
O(CH2 CH2 O)n H) ・ポリオキシエチレンアルキルアミン
【0065】
【化16】 等が挙げられる。
【0066】具体的には例えば以下のようなものが好ま
しい。すなわち、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビ
タントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン
モノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオ
レエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビ
ット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエ
チレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリ
コールモノオレエート、ポリエチレングリコールジステ
アレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
ホルムアルデヒド縮合物、オキシエチレンオキシプロピ
レンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール、テ
トラエチレングリコール等である。
【0067】上記構造単位〔A〕及び〔B〕の少なくと
も1種を有する化合物の感光性組成物中に占める割合は
全組成物に対して0.1〜20重量%が好ましく、より
好ましくは0.2〜10重量%である。
【0068】また、上記化合物は上記含有量の範囲内で
あれば、単独で用いてもよいし2種以上組合わせて使用
してもよい。
【0069】本発明の感光性組成物は上記のような素材
の他、必要に応じて更に増感剤、可塑剤、界面活性剤な
どを添加することができる。
【0070】本発明の感光性組成物は、前述の各成分を
溶媒に溶解させ、適当な支持体の表面に塗布乾燥させ、
感光層を形成することにより、感光性平版印刷版等の感
光性材料を得ることができる。
【0071】本発明の感光性組成物の各成分を溶解する
際に使用し得る溶媒としては、メチルセロソルブ、メチ
ルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブアセテート等のセロソルブ類;メチルカルビト
ール、エチルカルビトール、ジメチルカルビトール、ジ
エチルカルビトール、メチルカルビトールアセテート等
のジエチレングリコールのエーテル及び/又はエステル
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジ
オキサン、アセトン、シクロヘキサノン、トリクロロエ
チレン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらの
溶媒は、単独であるいは2種以上混合して使用すること
ができる。
【0072】本発明の感光性組成物を支持体表面に塗布
する際に用いる塗布方法としては、従来公知の方法、例
えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エ
アーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテ
ン塗布等が可能である。この際塗布量は用途により異な
るが、例えば固形分として0.5〜5.0g/m2 が好
ましい。
【0073】本発明の感光性組成物を用いた感光層を設
ける支持体としては、アルミニウム、亜鉛、鋼、銅等の
金属板、並びにクロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニ
ウム、鉄等がメッキ又は蒸着された金属板、紙、プラス
チックフィルム及びガラス板、樹脂が塗布された紙、ア
ルミニウム等の金属箔が張られた紙、親水化処理したプ
ラスチックフィルム等が挙げられる。このうち好ましい
のはアルミニウム板である。本発明の感光性組成物を用
いた感光性平版印刷版の支持体として砂目立て処理、陽
極酸化処理および必要に応じて封孔処理等の表面処理が
施されているアルミニウム板を用いることがより好まし
い。
【0074】これらの処理には公知の方法を適用するこ
とができる。
【0075】砂目立て処理の方法としては、例えば、機
械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられ
る。機械的方法としては、例えば、ボール研磨法、ブラ
シ研磨法、液体ホーニングによる研磨法、バフ研磨法等
が挙げられる。アルミニウム材の組成等に応じて上述の
各種方法を単独あるいは組み合わせて用いることができ
る。好ましいのは電解エッチングによる方法である。
【0076】電解エッチングは、りん酸、硫酸、塩酸、
硝酸等の無機の酸を単独ないし2種以上混合した浴で行
なわれる。砂目立て処理の後、必要に応じてアルカリあ
るいは酸の水溶液によってデスマット処理を行い中和し
て水洗する。
【0077】陽極酸化処理は、電解液として、硫酸、ク
ロム酸、シュウ酸、リン酸、マロン酸等を1種または2
種以上含む溶液を用い、アルミニウム板を陽極として電
解して行なわれる。形成された陽極酸化皮膜量は1〜5
0mg/dm2 が適当であり、好ましくは10〜40m
g/dm2 である。陽極酸化皮膜量は、例えば、アルミ
ニウム板をリン酸クロム酸溶液(リン酸85%液:35
ml、酸化クロム(VI):20gを1リットルの水に溶
解して作製)に浸漬し、酸化皮膜を溶解し、板の皮膜溶
解前後の重量変化測定等から求められる。
【0078】封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、ケ
イ酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理等が具体例と
して挙げられる。この他にアルミニウム板支持体に対し
て、水溶性高分子化合物や、フッ化ジルコン酸等の金属
塩の水溶液による下引き処理を施すこともできる。
【0079】また上記のように前処理された支持体の表
面に感光層を設ける前に、その表面を亜硝酸塩を含む水
溶液で処理しても良い。
【0080】これらの亜硝酸塩の例としては、周期律表
のIa,IIa,IIb,III b,IVa,IVb,VIa,VII
a及びVIII族の金属の亜硝酸塩またはアンモニウム塩、
すなわち亜硝酸アンモニウムが挙げられ、その金属塩と
しては、例えば、LiNO2 ,NaNO2 ,KNO2
Mg(NO2 2 ,Ca(NO2 2 ,Zn(NO2
2 ,Al(NO2 3 ,Zr(NO2 4 ,Sn(NO
2 4 ,Cr(NO2 3 ,Co(NO2 2 ,Mn
(NO2 2 ,Ni(NO2 2 等が好ましく、特に、
アルカリ金属亜硝酸塩が好ましい。このような亜硝酸塩
は、勿論2組以上併用することができ、更に亜硝酸と併
用することもできる。本発明においては亜硝酸塩は、こ
れらを含む水溶液中に、一般に0.001〜1.0重量
%含有されることが好ましい。
【0081】上記処理液で支持体表面を処理する場合の
処理条件としては、室温から約100℃の温度範囲で、
前処理された支持体を10〜300秒の間浸漬するか、
またはその処理液を支持体に塗布するのが好ましい。
【0082】本発明の感光性組成物を適用した感光性平
版印刷版は、通常の方法で現像処理することができる。
例えば、透明陽画フィルムを通して超高圧水銀灯、メタ
ルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンラン
プ等の光源により露光し、継いで、種々のアルカリ現像
液にて現像する。この結果未露光部分のみが支持体表面
に残り、ポジ−ポジ型のレリーフ像が形成される。
【0083】上記アルカリ現像液としては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウ
ム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム等の
アルカリ金属塩の水溶液が挙げられる。アルカリ金属塩
の濃度は0.1〜10重量%が好ましい。又、該現像液
中に必要に応じアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤
やアルコール等の有機溶媒を加えることができる。
【0084】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施
例に限定されるものではない。
【0085】実施例1 〔アルミニウム板の作製〕厚さ0.24mmのアルミニ
ウム板(材質1050、調質H16)を、5重量%の水
酸化ナトリウム水溶液中で60℃で1分間脱脂処理を行
った後、1リットルの0.5モル塩酸水溶液中におい
て、温度25℃、電流密度60A/dm2 、処理時間3
0秒の条件で電解エッチング処理を行った。次いで5重
量%水酸化ナトリウム水溶液中で60℃、10秒間のデ
スマット処理を施した後、20重量%硫酸溶液中で、温
度20℃、電流密度3A/dm2 、処理時間1分の条件
で陽極酸化処理を行った。更に、80℃の熱水で20秒
間熱水封孔処理を行い、平版印刷版用支持体のアルミニ
ウム板を作製した。
【0086】〔感光性組成物塗布液の塗布〕上記のよう
に作成したアルミニウム板に下記組成の感光性組成物塗
布液を回転塗布機を用いて塗布し、90℃で4分間乾燥
し、ポジ型感光性平版印刷版(試料No.1)を作製し
た。
【0087】この試料の乾燥塗布膜の膜厚は2.2g/
2 であった。
【0088】 〔感光性組成物塗布液組成〕 (1)ノボラック樹脂(1) 7.5g (2)o−ナフトキノンジアジド化合物 (QD−1) 1.7g (3)本発明の化合物(rad−1) 0.07g (4)ビクトリアピュアブルーBOH 0.07g (保土ヶ谷化学(株)製) (5)メチルセロソルブ 100ml
【0089】更に上記感光性組成物塗布液の(3)本発
明の化合物を表1及び表2に示すように代えた以外は、
試料No.1の作製と同様にして感光性平版印刷版試料
No.2〜10をそれぞれ作製した。
【0090】得られた試料No.1〜10の各々につい
て下記の方法にて感度、アンダー現像性及び露光可視画
性を評価した。
【0091】(1)ノボラック樹脂(1): フェノールとm−クレゾールとp−クレゾールとホルム
アルデヒドとの共重縮合樹脂(フェノール、m−クレゾ
ール及びp−クレゾールの各々のモル比が2.0:4.
8:3.2,Mw=6,000,Mw/Mn=5.0)
【0092】
【化17】
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】<感度及びアンダー現像性の評価>得られ
た感光性平版印刷版試料No.1〜10の各々に、感度
測定用ステップタブレット(イーストマン・コダック社
製No.2、濃度差0.15ずつで21段階のグレース
ケール)を密着して、2KWメタルハライドランプ(岩
崎電気社製 アイドルフィン2000)を光源として9
0cmの距離から露光した。次にこの試料をSDR−1
(コニカ(株)製)現像液を水で6倍に希釈した現像液
で27℃にて20秒間現像した。
【0096】上記ステップタブレットの3.0段が完全
にクリアーになる露光時間をもって感度とした。
【0097】また、上記SDR−1現像液を水で9倍に
希釈した現像液、10倍に希釈した現像液及び11倍に
希釈した現像液を用いて、それぞれ27℃にて20秒間
現像して得られた平版印刷版試料について、ハイデルG
TOにてマークファイブ紅インキ(東洋インキ(株)
製)を用いて印刷テストを行い、シャドー部の網点のカ
ラミの程度を目視で評価し、現像能力の低下した現像液
に対する現像性(アンダー現像性)の評価した。
【0098】<露光可視画性の評価>前記条件で同様に
露光した現像前の試料の露光部と未露光部の濃度差を黄
色灯下で目視で評価し、露光可視画性を評価した。ま
た、濃度計(コニカデンシトメーターPDA−65)を
用いて測定を行い、露光部と未露光部の濃度差の絶対値
ΔDを求めた。ΔDが大きい程、露光可視画性が良いこ
とを示している。
【0099】以上の評価の結果を表3に示す。
【0100】
【表3】 表3より本発明の感光性組成物を用いた試料No.1〜
7はいずれも感度が高く、露光により明瞭な可視画像が
得られ、かつアンダー現像性が良好なすぐれた印刷版を
与えることがわかる。
【0101】実施例2 感光性組成物塗布液を下記組成とし、本発明の化合物を
表4及び表5に示すようにした以外は実施例1と同様に
して感光性平版印刷版試料No.11〜18を各々作製
した。
【0102】 〔感光性組成物塗布液組成〕 (1)ノボラック樹脂(1) 7.8g (2)o−ナフトキノンジアジド化合物 (QD−2) 1.5g (3)本発明の化合物(表4及び表5に示す) 0.08g (4)エチルバイオレット 0.07g (5)メチルセロソルブ 100ml
【0103】得られた感光性平版印刷版試料No.11
〜18の各々について実施例1と同様に感度、アンダー
現像性及び露光可視画性を評価した。結果を表6に示
す。
【0104】
【表4】
【0105】
【表5】
【0106】
【表6】 表6に示した結果より、実施例1と同様本発明の効果は
明らかである。
【0107】実施例3 感光性組成物塗布液を下記組成とし、本発明の化合物を
表7に示すようにした以外は実施例1と同様にして、感
光性平版印刷版試料19及び20をそれぞれ作成した。
また実施例1で作成した平版印刷版用支持体のアルミニ
ウム板をさらに0.5重量%の亜硝酸ナトリウムを含む
水溶液中に80℃で10秒間浸漬してから水洗した後、
下記感光性組成物塗布液の本発明の化合物を表7に示す
ようにかえた以外は実施例1と同様にして感光性平版印
刷版試料No.21〜23を作成した。
【0108】 〔感光性組成物塗布液組成〕 (1)ノボラック樹脂(1) 7.2g (2)o−ナフトキノンジアジド化合物 (QD−1) 2.0g (3)本発明の化合物(rad−1) 0.07g (4)ビクトリアピュアルブルーBOH 0.07g (保土ヶ谷化学(株)製) (5)メチルセロソルブ 100ml
【0109】得られた感光性平版印刷版試料No.19
〜23の各々について実施例1と同様に感度及び露光可
視画性を評価した。またアンダー現像性についは現像液
の希釈倍率を10倍,11倍,12倍とした他は実施例
1と同様に評価を行った。結果を表8に示す。
【0110】表8に示した結果より実施例1及び2と同
様本発明の効果は明らかである。
【0111】
【表7】
【0112】
【表8】
【0113】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り優れた露光可視画性及びアンダー現像性を有し、かつ
高い感度を有する感光性平版印刷版に適する感光性組成
物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 充 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも、置換もしくは無置換のナフ
    トフリル基を直接又はビニル基を介して5位に有する2
    −ハロメチル−1,3,4−オキサジアゾール化合物を
    含む感光性組成物。
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