JPH05345867A - チタニルフタロシアニン結晶分散液 - Google Patents
チタニルフタロシアニン結晶分散液Info
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- JPH05345867A JPH05345867A JP15683692A JP15683692A JPH05345867A JP H05345867 A JPH05345867 A JP H05345867A JP 15683692 A JP15683692 A JP 15683692A JP 15683692 A JP15683692 A JP 15683692A JP H05345867 A JPH05345867 A JP H05345867A
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- Japan
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- dispersion
- titanyl phthalocyanine
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 感度がよく、かつ湿度依存性の少ないチタニ
ルフタロシアニン結晶の安定な塗布液を提供し、もって
コストの安い感光体を提供する事にある。 【構成】 隣接OH基をもった化合物を特定のチタニル
フタロシアニン結晶の分散液に添加する。
ルフタロシアニン結晶の安定な塗布液を提供し、もって
コストの安い感光体を提供する事にある。 【構成】 隣接OH基をもった化合物を特定のチタニル
フタロシアニン結晶の分散液に添加する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチタニルフタロシアニン
顔料の分散液に関する。特にプリンタなどに使用され、
LED光、半導体レーザ光に対して有効な電子写真感光
体素材の分散液に関する。
顔料の分散液に関する。特にプリンタなどに使用され、
LED光、半導体レーザ光に対して有効な電子写真感光
体素材の分散液に関する。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の発達は著しいものがあ
り、コンピュータからのアウトに使うプリンタやデジタ
ルコピアの需要が高まっている。これらの機器は光源に
半導体レーザやLEDを使う関係で赤から近赤外光に感
応する感光体必要である。
り、コンピュータからのアウトに使うプリンタやデジタ
ルコピアの需要が高まっている。これらの機器は光源に
半導体レーザやLEDを使う関係で赤から近赤外光に感
応する感光体必要である。
【0003】これには従来のセレン系などの無機感光体
では不十分であり、フタロシアニン類を分散した有機感
光体(OPC)が数多く検討されている。
では不十分であり、フタロシアニン類を分散した有機感
光体(OPC)が数多く検討されている。
【0004】フタロシアニン類はその結晶型によって光
電子特性が異なることが知られており、中でも27.2度と
9.6度にピークを持つことが特徴なY型チタニルフタロ
シアニンは0.94と言う高い光量子効率を有する優れた素
材である(Japan Hardcopy 89,論文集 103,(1989))。し
かしながらこの素材は湿度によって感度が多少影響を受
けると言う欠点があった。この原因について幾つかの考
えがある。藤巻らはY型結晶の優れた物性を研究するう
ち、この素材が加熱または乾燥窒素雰囲気による可逆的
な脱水処理によって光量子効率の低下が起ることを見出
だした。これは常温常湿度で水を再吸収すると再び回復
する事からY型粒子は水を吸着した結晶であり、水分子
が光が当たって生じたチタニルフタロシアニン励起子か
らのホールと光電子の解離を幇助する。そのことがY型
チタニルフタロシアニンの高感度の一原因あり、かつ低
湿度で感度低下を起す原因ではないかと推測している
(Y.Fujimaki : IS&T's 7th International Cong
ress on Advance in Nonimpact Printing Technologie
s, Paper Summaries,269,(1991))。その考えからすれば
水の代りにOH基を持った化合物を付加させれば同様の
効果があると期待される。我々は1,2-ブタンジオール、
1,2-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジオールな
ど隣接OH基を持つ化合物の存在下にアモルファスのチ
タニルフタロシアニンを結晶変換して目的とするチタニ
ルフタロシアニン付加体を得た。
電子特性が異なることが知られており、中でも27.2度と
9.6度にピークを持つことが特徴なY型チタニルフタロ
シアニンは0.94と言う高い光量子効率を有する優れた素
材である(Japan Hardcopy 89,論文集 103,(1989))。し
かしながらこの素材は湿度によって感度が多少影響を受
けると言う欠点があった。この原因について幾つかの考
えがある。藤巻らはY型結晶の優れた物性を研究するう
ち、この素材が加熱または乾燥窒素雰囲気による可逆的
な脱水処理によって光量子効率の低下が起ることを見出
だした。これは常温常湿度で水を再吸収すると再び回復
する事からY型粒子は水を吸着した結晶であり、水分子
が光が当たって生じたチタニルフタロシアニン励起子か
らのホールと光電子の解離を幇助する。そのことがY型
チタニルフタロシアニンの高感度の一原因あり、かつ低
湿度で感度低下を起す原因ではないかと推測している
(Y.Fujimaki : IS&T's 7th International Cong
ress on Advance in Nonimpact Printing Technologie
s, Paper Summaries,269,(1991))。その考えからすれば
水の代りにOH基を持った化合物を付加させれば同様の
効果があると期待される。我々は1,2-ブタンジオール、
1,2-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジオールな
ど隣接OH基を持つ化合物の存在下にアモルファスのチ
タニルフタロシアニンを結晶変換して目的とするチタニ
ルフタロシアニン付加体を得た。
【0005】これらの物は予期した通り高感度でかつ湿
度依存性のない優れた感光体を与えた。しかしながら、
これらの結晶は粉体、あるいは溶媒のない完成された感
光体中では安定であるものの分散液中では安定結晶とは
言い難く、分散液中で長期間保存されると他の結晶型が
混じって性能が劣化してくる問題がある。研究段階でス
プレー塗布などの技術で感光体ドラムの製造を行う場合
は分散液の大部分を消費するので問題がない。しかし将
来は扨置き、現在行われているディプ(浸漬)塗布では
塗布液の極く一部がドラムに付着持去られるのみであり
残された塗布液の保存性が製造コストに占める割合は大
きい。
度依存性のない優れた感光体を与えた。しかしながら、
これらの結晶は粉体、あるいは溶媒のない完成された感
光体中では安定であるものの分散液中では安定結晶とは
言い難く、分散液中で長期間保存されると他の結晶型が
混じって性能が劣化してくる問題がある。研究段階でス
プレー塗布などの技術で感光体ドラムの製造を行う場合
は分散液の大部分を消費するので問題がない。しかし将
来は扨置き、現在行われているディプ(浸漬)塗布では
塗布液の極く一部がドラムに付着持去られるのみであり
残された塗布液の保存性が製造コストに占める割合は大
きい。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は上記した事情に鑑み、感
度がよく、かつ湿度依存性の少ないチタニルフタロシア
ニン結晶の安定な塗布液を提供し、もってコストの安い
感光体を提供する事にある。
度がよく、かつ湿度依存性の少ないチタニルフタロシア
ニン結晶の安定な塗布液を提供し、もってコストの安い
感光体を提供する事にある。
【0007】
【発明の構成とその作用】本発明の目的は隣接OH基を
もった化合物を特定のチタニルフタロシアニン結晶の分
散液に添加することによって達せられた。特定のチタニ
ルフタロシアニン結晶とは隣接OHを含む化合物(以
下、隣接ジオール化合物)との付加体の事である。付加
していることは、そのチタニルフタロシアニン結晶を熱
分析(TG)すると沸点よりも100℃以上高い温度で重
量減少が見られ、その隣接OH類を放出することから分
かる。重量減少分からは隣接ジオール化合物/チタニル
フタロシアニン=1/2である。
もった化合物を特定のチタニルフタロシアニン結晶の分
散液に添加することによって達せられた。特定のチタニ
ルフタロシアニン結晶とは隣接OHを含む化合物(以
下、隣接ジオール化合物)との付加体の事である。付加
していることは、そのチタニルフタロシアニン結晶を熱
分析(TG)すると沸点よりも100℃以上高い温度で重
量減少が見られ、その隣接OH類を放出することから分
かる。重量減少分からは隣接ジオール化合物/チタニル
フタロシアニン=1/2である。
【0008】本発明の隣接ジオール化合物のチタニルフ
タロシアニン付加体の例としては次のようなものがあげ
られるが、これらに限られるものではない。
タロシアニン付加体の例としては次のようなものがあげ
られるが、これらに限られるものではない。
【0009】以下、隣接ジオール化合物、結晶型名称、
X線回折スペクトルでの2θピークとを組にして列記し
た。結晶型名称は整理の都合上、下記仮称を用いた。
X線回折スペクトルでの2θピークとを組にして列記し
た。結晶型名称は整理の都合上、下記仮称を用いた。
【0010】 隣接ジオール化合物 結晶型 X線回折ピーク(度) 1,2-ブタンジオール N1型 9.6, 12.6, 16.1, 26.3 N2型 9.0, 9.3, 14.0, 16.3, 26.2 2,3-ブタンジオール P型 8.4, 9.5, 15.2, 19.0, 26.3 1,2-ヘキサンジオール R1型 7.1, 7.9, 26.0 R2型 7.2, 13.9, 24.3, 27.4 1,2-シクロヘキサンジオール U型 7.7, 12.2, 16.1, 16.4, 18.7, 19.3 26.0 本発明の炭素数4以上の隣接ジオール化合物には上記の
他、メトキシプロパンジオール、ジグリセリンなどをあ
げることができる。
他、メトキシプロパンジオール、ジグリセリンなどをあ
げることができる。
【0011】上記のX線回折スペクトルは次の条件で測
定した。
定した。
【0012】X線管球 Cu 電圧 40.0 kv 電流 100 mA スタート角度 6.00 deg. ストップ角度 35.00 deg. ステップ角度 0.020 deg. 測定時間 0.50 sec. 本発明の分散液はこれらチタニルフタロシアニンのジオ
ール化合物付加体の分散液に該ジオール化合物を添加し
て安定性向上を狙ったものある。該ジオール化合物の添
加量は全溶媒に対して0.01%もあれば良く、好ましくは
0.1〜5%である。実施例で説明するが安定化効果には著
しいものがある。即ちチタニルフタロシアニンのジオー
ル化合物付加体は準安定状態で分散液中で下式のような
平衡状態にある。
ール化合物付加体の分散液に該ジオール化合物を添加し
て安定性向上を狙ったものある。該ジオール化合物の添
加量は全溶媒に対して0.01%もあれば良く、好ましくは
0.1〜5%である。実施例で説明するが安定化効果には著
しいものがある。即ちチタニルフタロシアニンのジオー
ル化合物付加体は準安定状態で分散液中で下式のような
平衡状態にある。
【0013】 TiOPc付加体 ⇔ TiOPc+ジオール化合物 この系に微量のジオール化合物が添加されると平衡が左
に偏倚するものと思われる。
に偏倚するものと思われる。
【0014】本発明の分散液には高分子バインダを使う
事ができる。バインダとしては例えばポリカーボネート
樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン
−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニト
リル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコ
ーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−
ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アクリル共重合樹
脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバ
ゾール、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート
Z樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹
脂、ポリビニルアルコール樹脂などを挙げることができ
る。これらのバインダは単独での使用の他、2種以上の
混合物として使用することもできる。分散液に用いられ
る溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン、トルエン、ジクロルベンゼン、ジクロルメ
タン、ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどを挙げることができる。分散液
を作る手段としてはサンドグラインダ、ボールミル、超
音波など良く知られた手段を用いる事ができる。
事ができる。バインダとしては例えばポリカーボネート
樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン
−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニト
リル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコ
ーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−
ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アクリル共重合樹
脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバ
ゾール、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート
Z樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹
脂、ポリビニルアルコール樹脂などを挙げることができ
る。これらのバインダは単独での使用の他、2種以上の
混合物として使用することもできる。分散液に用いられ
る溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン、トルエン、ジクロルベンゼン、ジクロルメ
タン、ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどを挙げることができる。分散液
を作る手段としてはサンドグラインダ、ボールミル、超
音波など良く知られた手段を用いる事ができる。
【0015】
【実施例】以下合成例、実施例を説明する。
【0016】 (合成例1;N2型TiOPc結晶の合成) (TiOPc−アモルファス品の合成)1,3ジイミノイ
ソインドリン;29.2gをオルトジクロルベンゼン 200ml
に分散し、チタニウムテトラ-n-ブトキシド;20.4gを加
えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間加熱した。放冷
後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムで洗浄、2%
塩酸水溶液で洗浄、水洗、メタノール洗浄して、乾燥の
後26.2g(91.0%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。
このものの結晶型を図1に示す。ついでこの粗チタニル
フタロシアニン 20.0gを5℃以下で濃硫酸 200ml中で1
時間攪拌して溶かし、これを20℃の水4lに注ぎ込む。
析出した結晶を濾過し、水で充分に洗ってウエットペー
スト品 180gを得た。このものを乾燥し、粉末とした結
晶型は図2に示すごとく、アモルファス状態である。
ソインドリン;29.2gをオルトジクロルベンゼン 200ml
に分散し、チタニウムテトラ-n-ブトキシド;20.4gを加
えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間加熱した。放冷
後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムで洗浄、2%
塩酸水溶液で洗浄、水洗、メタノール洗浄して、乾燥の
後26.2g(91.0%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。
このものの結晶型を図1に示す。ついでこの粗チタニル
フタロシアニン 20.0gを5℃以下で濃硫酸 200ml中で1
時間攪拌して溶かし、これを20℃の水4lに注ぎ込む。
析出した結晶を濾過し、水で充分に洗ってウエットペー
スト品 180gを得た。このものを乾燥し、粉末とした結
晶型は図2に示すごとく、アモルファス状態である。
【0017】(本発明のN2型TiOPc結晶の作成)
フラスコにオルトジクロルベンゼン 100mlと1,2-ブタン
ジオール 50mlをとりこれに上記のクロルフリーTiO
Pc−アモルファス乾燥粉末8gを加えた。ついでこの
混合物を70℃で10時間攪拌した。 ついで、これをメタ
ノール 800mlに注いで結晶を析出させた。濾過し、メタ
ノールで洗浄し、乾燥して目的とするチタニルフタロシ
アニン結晶 8.4gを得た。図3に示す。ブラッグ角2
θ;9.0, 9.3, 14.0, 16.3, 26.2にピークを有する(N
2型結晶)である。
フラスコにオルトジクロルベンゼン 100mlと1,2-ブタン
ジオール 50mlをとりこれに上記のクロルフリーTiO
Pc−アモルファス乾燥粉末8gを加えた。ついでこの
混合物を70℃で10時間攪拌した。 ついで、これをメタ
ノール 800mlに注いで結晶を析出させた。濾過し、メタ
ノールで洗浄し、乾燥して目的とするチタニルフタロシ
アニン結晶 8.4gを得た。図3に示す。ブラッグ角2
θ;9.0, 9.3, 14.0, 16.3, 26.2にピークを有する(N
2型結晶)である。
【0018】(合成例2;P型TiOPcの合成)フラ
スコにオルトジクロルベンゼン 100mlと2,3-ブタンジオ
ール 50mlをとり、これに合成例1の方法で得たチタニ
ルフタロシアニン−アモルファス乾燥粉末8gを加え
た。ついでこの混合物を7時間加熱還流させた。 放冷
後、これをメタノール 800mlに注いで結晶を析出させ
た。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して目的とする
チタニルフタロシアニン結晶 8.4gを得た。図4に示
す。ブラッグ角2θ;8.4, 9.5, 15.2, 19.0, 26.3にピ
ークを有する結晶(P型結晶)である。
スコにオルトジクロルベンゼン 100mlと2,3-ブタンジオ
ール 50mlをとり、これに合成例1の方法で得たチタニ
ルフタロシアニン−アモルファス乾燥粉末8gを加え
た。ついでこの混合物を7時間加熱還流させた。 放冷
後、これをメタノール 800mlに注いで結晶を析出させ
た。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して目的とする
チタニルフタロシアニン結晶 8.4gを得た。図4に示
す。ブラッグ角2θ;8.4, 9.5, 15.2, 19.0, 26.3にピ
ークを有する結晶(P型結晶)である。
【0019】(合成例3;R1型TiOPcの合成)フ
ラスコにオルトジクロルベンゼン 100mlと1,2-ヘキサン
ジオール 50mlをとりこれに合成例1の方法で得たチタ
ニルフタロシアニン−アモルファス乾燥粉末8gを加え
た。ついでこの混合物を70℃で5時間加熱した。放冷
後、これをメタノール 800mlに注いで結晶を析出させ
た。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して目的とする
チタニルフタロシアニン結晶 8.4gを得た。図5に示
す。ブラッグ角2θ;7.1, 7.9, 26.0にピークを有する
結晶(R1型結晶)である。
ラスコにオルトジクロルベンゼン 100mlと1,2-ヘキサン
ジオール 50mlをとりこれに合成例1の方法で得たチタ
ニルフタロシアニン−アモルファス乾燥粉末8gを加え
た。ついでこの混合物を70℃で5時間加熱した。放冷
後、これをメタノール 800mlに注いで結晶を析出させ
た。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して目的とする
チタニルフタロシアニン結晶 8.4gを得た。図5に示
す。ブラッグ角2θ;7.1, 7.9, 26.0にピークを有する
結晶(R1型結晶)である。
【0020】(合成例4;R2型TiOPcの合成)フ
ラスコにオルトジクロルベンゼン 100mlと1,2-ヘキサン
ジオール 50mlをとりこれに合成例1の方法で得たチタ
ニルフタロシアニン−アモルファス乾燥粉末8gを加え
た。ついでこの混合物を6時間加熱還流させた。放冷
後、これをメタノール 800mlに注いで結晶を析出させ
た。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して目的とする
チタニルフタロシアニン結晶 8.4gを得た。図6に示
す。ブラッグ角2θ;7.2, 13.9, 24.3, 27.4にピーク
を有する結晶(R2型結晶)である。
ラスコにオルトジクロルベンゼン 100mlと1,2-ヘキサン
ジオール 50mlをとりこれに合成例1の方法で得たチタ
ニルフタロシアニン−アモルファス乾燥粉末8gを加え
た。ついでこの混合物を6時間加熱還流させた。放冷
後、これをメタノール 800mlに注いで結晶を析出させ
た。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して目的とする
チタニルフタロシアニン結晶 8.4gを得た。図6に示
す。ブラッグ角2θ;7.2, 13.9, 24.3, 27.4にピーク
を有する結晶(R2型結晶)である。
【0021】(合成例5;U型TiOPcの合成)フラ
スコにオルトジクロルベンゼン 100mlと1,2-シクロヘキ
サンジオール 50mlをとり、これに合成例1の方法で得
たチタニルフタロシアニン−アモルファス乾燥粉末8g
を加えた。ついでこの混合物を6時間加熱還流させた。
放冷後、これをメタノール 800mlに注いで結晶を析出さ
せた。濾過し、メタノールで洗浄し乾燥して、目的とす
るチタニルフタロシアニン結晶 8.4gを得た。図7に示
す。ブラッグ角2θ;7.7, 12.2, 16.1, 16.4, 18.7, 1
9.3, 26.0にピークを有する結晶(U型結晶)である。
スコにオルトジクロルベンゼン 100mlと1,2-シクロヘキ
サンジオール 50mlをとり、これに合成例1の方法で得
たチタニルフタロシアニン−アモルファス乾燥粉末8g
を加えた。ついでこの混合物を6時間加熱還流させた。
放冷後、これをメタノール 800mlに注いで結晶を析出さ
せた。濾過し、メタノールで洗浄し乾燥して、目的とす
るチタニルフタロシアニン結晶 8.4gを得た。図7に示
す。ブラッグ角2θ;7.7, 12.2, 16.1, 16.4, 18.7, 1
9.3, 26.0にピークを有する結晶(U型結晶)である。
【0022】実施例 合成例1で得た本発明のチタニルフタロシアニンN2型
結晶3部、シリコーン樹脂(『KR−5240、15%キ
シレンブタノール溶液』信越化学社製)20部、メチルエ
チルケトン100部(wt)をサンドグラインダで粉砕分散し
て分散液を得た。これに1,2-ブタンジオール0.5部を添
加した。(サンプル1) 同様に合成例2で得た本発明のチタニルフタロシアニン
P型結晶を使って分散液を得、これに2,3-ブタンジオー
ル0.5部を添加した。(サンプル2) 同様に合成例3で得た本発明のチタニルフタロシアニン
R1型結晶を使って分散液を得、これに1,2-ヘキサンジ
オール0.5部を添加した。(サンプル3) 同様に合成例4で得た本発明のチタニルフタロシアニン
R2型結晶を使って分散液を得、これに1,2-ヘキサンジ
オール0.5部を添加した。(サンプル4) 同様に合成例3で得た本発明のチタニルフタロシアニン
R1型結晶を使って分散液を得、これに1,2-シクロヘキ
サンジオール0.5部を添加した。(サンプル5) これら本発明の分散液を、ジオール類を添加していない
比較分散液とともに40℃の恒温ボックスで16週間強制劣
化試験をした。
結晶3部、シリコーン樹脂(『KR−5240、15%キ
シレンブタノール溶液』信越化学社製)20部、メチルエ
チルケトン100部(wt)をサンドグラインダで粉砕分散し
て分散液を得た。これに1,2-ブタンジオール0.5部を添
加した。(サンプル1) 同様に合成例2で得た本発明のチタニルフタロシアニン
P型結晶を使って分散液を得、これに2,3-ブタンジオー
ル0.5部を添加した。(サンプル2) 同様に合成例3で得た本発明のチタニルフタロシアニン
R1型結晶を使って分散液を得、これに1,2-ヘキサンジ
オール0.5部を添加した。(サンプル3) 同様に合成例4で得た本発明のチタニルフタロシアニン
R2型結晶を使って分散液を得、これに1,2-ヘキサンジ
オール0.5部を添加した。(サンプル4) 同様に合成例3で得た本発明のチタニルフタロシアニン
R1型結晶を使って分散液を得、これに1,2-シクロヘキ
サンジオール0.5部を添加した。(サンプル5) これら本発明の分散液を、ジオール類を添加していない
比較分散液とともに40℃の恒温ボックスで16週間強制劣
化試験をした。
【0023】これらの分散液をスライドガラスに塗布し
X線回折スペクトルを測定した。
X線回折スペクトルを測定した。
【0024】結果を図8〜12に示す。本発明のジオール
類を添加した分散液は変化がないのに反してジオール類
を添加していない比較分散液では結晶型が変化しつつあ
る。 参考例 実施例の本発明のジオール化合物を添加した分散液と比
較のしていない分散液を電子写真感光体に適用して分散
直後と強制劣化試験後に感光体に作成し比較評価した。
すなわち、アルミニウム蒸着ポリエステルベースに合成
例1〜5のチタニルフタロシアニン結晶分散液および隣
接ジオール化合物を添加していない比較の分散液を塗布
して膜厚 0.2μmのキャリア発生層を形成した。一方、
下記キャリア輸送物質(1)1部とポリカーボネート樹
脂(『ユーピロンZ200』三菱瓦斯化学社製)2部
(wt)およびシリコーンオイル(『KF−54』信越化
学社製)0.01部を1,2-ジクロルエタン15部(wt)に溶か
し、これを前記のキャリア発生層上にブレード塗布して
乾燥膜厚25μmのキャリア輸送層を形成し感光体を作っ
た。
類を添加した分散液は変化がないのに反してジオール類
を添加していない比較分散液では結晶型が変化しつつあ
る。 参考例 実施例の本発明のジオール化合物を添加した分散液と比
較のしていない分散液を電子写真感光体に適用して分散
直後と強制劣化試験後に感光体に作成し比較評価した。
すなわち、アルミニウム蒸着ポリエステルベースに合成
例1〜5のチタニルフタロシアニン結晶分散液および隣
接ジオール化合物を添加していない比較の分散液を塗布
して膜厚 0.2μmのキャリア発生層を形成した。一方、
下記キャリア輸送物質(1)1部とポリカーボネート樹
脂(『ユーピロンZ200』三菱瓦斯化学社製)2部
(wt)およびシリコーンオイル(『KF−54』信越化
学社製)0.01部を1,2-ジクロルエタン15部(wt)に溶か
し、これを前記のキャリア発生層上にブレード塗布して
乾燥膜厚25μmのキャリア輸送層を形成し感光体を作っ
た。
【0025】
【化1】
【0026】分散直後作成の感光体および、強制劣化試
験後の感光体をそれぞれの分散液について評価比較し
た。
験後の感光体をそれぞれの分散液について評価比較し
た。
【0027】評価………それぞれのサンプルをペーパア
ナライザEPA-8100(川口電気社製)を用いて評価し
た。 -80μAの放電条件で5秒間帯電し、帯電直後の表
面電位[Va]、5秒間暗中放置後の表面電位[V
i]、表面照度が2(luxになるように露光し、表面電
位が-600V から-100Vになるまでの露光量[E1/6(lux.s
ec)]を求めた。さらに式:D=(Va−Vi)/Va
×100により暗所における電位の減衰率[D (%)]を求
めた。結果を次ぎに示す。 Va E1/6 D 感光体サンプル1 分散直後作成 1560 0.85 5.2% 比較感光体サンプル1 分散直後作成 1540 0.80 5.2% 感光体サンプル1 強制劣化試験後 1550 0.86 5.1% 比較感光体サンプル1 強制劣化試験後 1510 0.95 9.0 隣接ジオール化合物を添加した本発明の分散液は分散直
後も強制劣化試験後も電子写真性能がほとんど変化しな
いのに反し、ジオール化合物を添加していない比較分散
液では強制劣化試験の後、Dが大幅に増えてくる。
ナライザEPA-8100(川口電気社製)を用いて評価し
た。 -80μAの放電条件で5秒間帯電し、帯電直後の表
面電位[Va]、5秒間暗中放置後の表面電位[V
i]、表面照度が2(luxになるように露光し、表面電
位が-600V から-100Vになるまでの露光量[E1/6(lux.s
ec)]を求めた。さらに式:D=(Va−Vi)/Va
×100により暗所における電位の減衰率[D (%)]を求
めた。結果を次ぎに示す。 Va E1/6 D 感光体サンプル1 分散直後作成 1560 0.85 5.2% 比較感光体サンプル1 分散直後作成 1540 0.80 5.2% 感光体サンプル1 強制劣化試験後 1550 0.86 5.1% 比較感光体サンプル1 強制劣化試験後 1510 0.95 9.0 隣接ジオール化合物を添加した本発明の分散液は分散直
後も強制劣化試験後も電子写真性能がほとんど変化しな
いのに反し、ジオール化合物を添加していない比較分散
液では強制劣化試験の後、Dが大幅に増えてくる。
【0028】
【発明の効果】本発明によって、感度がよく、かつ湿度
依存性の少ないチタニルフタロシアニン結晶の安定な塗
布液が提供され、もってコストの安い感光体を提供する
ことができる。
依存性の少ないチタニルフタロシアニン結晶の安定な塗
布液が提供され、もってコストの安い感光体を提供する
ことができる。
【図1】本発明のチタニルフタロシアニンの合成に用い
る粗チタニルフタロシアニンのX線回折スペクトル図。
る粗チタニルフタロシアニンのX線回折スペクトル図。
【図2】アモルファス−チタニルフタロシアニンのX線
回折スペクトル図。
回折スペクトル図。
【図3】N2型チタニルフタロシアニン結晶のX線回折
スペクトル図。
スペクトル図。
【図4】P型チタニルフタロシアニン結晶のX線回折ス
ペクトル図。
ペクトル図。
【図5】R1型チタニルフタロシアニン結晶のX線回折
スペクトル図。
スペクトル図。
【図6】R2型チタニルフタロシアニン結晶のX線回折
スペクトル図。
スペクトル図。
【図7】U型チタニルフタロシアニン結晶のX線回折ス
ペクトル図。
ペクトル図。
【図8】サンプル1及び比較サンプル(1)の生試料,
強制劣化試料のX線回折スペクトル図。
強制劣化試料のX線回折スペクトル図。
【図9】サンプル2及び比較サンプル(2)の生試料,
強制劣化試料のX線回折スペクトル図。
強制劣化試料のX線回折スペクトル図。
【図10】サンプル3及び比較サンプル(3)の生試
料,強制劣化試料のX線回折スペクトル図。
料,強制劣化試料のX線回折スペクトル図。
【図11】サンプル4及び比較サンプル(4)の生試
料,強制劣化試料のX線回折スペクトル図。
料,強制劣化試料のX線回折スペクトル図。
【図12】サンプル5及び比較サンプル(5)の生試
料,強制劣化試料のX線回折スペクトル図。
料,強制劣化試料のX線回折スペクトル図。
Claims (2)
- 【請求項1】 隣接OHを有する炭素数4以上の化合物
(隣接ジオール化合物)を付加したことを特徴とするチ
タニルフタロシアニン結晶の分散液。 - 【請求項2】 隣接OHを有する化合物が1,2-ブタンジ
オール、2,3-ブタンジオール、1,2-シクロヘキサンジオ
ール、1,2-ヘキサンジオールである事を特徴とするチタ
ニルフタロシアニン付加体の分散液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4156836A JP2973055B2 (ja) | 1992-06-16 | 1992-06-16 | チタニルフタロシアニン結晶分散液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4156836A JP2973055B2 (ja) | 1992-06-16 | 1992-06-16 | チタニルフタロシアニン結晶分散液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05345867A true JPH05345867A (ja) | 1993-12-27 |
JP2973055B2 JP2973055B2 (ja) | 1999-11-08 |
Family
ID=15636432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4156836A Expired - Fee Related JP2973055B2 (ja) | 1992-06-16 | 1992-06-16 | チタニルフタロシアニン結晶分散液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2973055B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0686656A2 (en) | 1994-06-08 | 1995-12-13 | Takasago International Corporation | Optically active biodegradable block copolyester and its preparation |
EP0801330A1 (en) * | 1996-04-10 | 1997-10-15 | Mitsubishi Chemical Corporation | Electrophotographic photoreceptor |
US7148308B2 (en) | 2001-10-02 | 2006-12-12 | Sunstar Giken Kabushiki Kaisha | One-part moisture-curing urethane composition |
-
1992
- 1992-06-16 JP JP4156836A patent/JP2973055B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0686656A2 (en) | 1994-06-08 | 1995-12-13 | Takasago International Corporation | Optically active biodegradable block copolyester and its preparation |
EP0801330A1 (en) * | 1996-04-10 | 1997-10-15 | Mitsubishi Chemical Corporation | Electrophotographic photoreceptor |
US5804346A (en) * | 1996-04-10 | 1998-09-08 | Mitsubishi Chemical Corporation | Electrophotographic photoreceptor |
US7148308B2 (en) | 2001-10-02 | 2006-12-12 | Sunstar Giken Kabushiki Kaisha | One-part moisture-curing urethane composition |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2973055B2 (ja) | 1999-11-08 |
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