JP2542716B2 - ε型ニッケルフタロシアニン化合物およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

ε型ニッケルフタロシアニン化合物およびそれを用いた電子写真感光体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、X線回折図上に特定のX線回折ピークを有
するε型ニッケルフタロシアニン化合物であり、さらに
は、それを用いた電子写真感光体に関する。
(従来の技術) 従来の電子写真感光体は、セレン、セレン合金、酸化
亜鉛、硫化カドミウムおよびテルルなどの無機光導電体
が主として使用されてきた。近年になり半導体レーザー
の発展は目ざましく、小型で安定したレーザー発振器が
安価で入手出来るようになり、電子写真用光源として用
いられ始めている。従って、従来用いられた短波長領域
に感度を持つ材料を半導体レーザー用に使うには不適当
であり、長波長領域(780nm以上)に高感度を持つ材料
を開発する必要が生じてきた。最近は有機系の材料、特
に長波長領域に感度を持つことが期待されるフタロシア
ニンを使用した、積層型有機感光体の研究が盛んに行わ
れている。例えば、X型無金属フタロシアニン(X−H2
Pc)、τ型無金属フタロシアニン(τ−H2Pc)、二価金
属フタロシアニンとしては、ε型銅フタロシアニン(ε
−CuPc)が長波長領域に感度を持つ。三価、四価金属フ
タロシアニンとしては、クロロアルミニウムフタロシア
ニン(AlPcCl)、クロロガリウムフタロシアニン(GaPc
Cl)、クロロインジウムフタロシアニン(InPcCl)、バ
ナジウムフタロシアニン(VOPc)およびチタニウムフタ
ロシアニン(TiOPc)が盛んに研究されている(特開昭5
7−39484号,特開昭57−166959号,特開昭59−36254
号,特開昭59−204045号公報等)。しかしながら、上記
材料は電子写真感度、帯電性、暗減衰、繰り返し使用時
での電子写真特性や画像の安定性に問題がある。
以上の様に、半導体レーザーの発振波長領域に高感度
を有する実用的な電荷発生剤は未だ数少なく、その開発
が待たれているのが現状である。
プリンター様の光源として、発光ダイオード(LED)
も使用され、その発振波長は650nm前後である。フタロ
シアニン化合物は650nm前後にも吸収を持ち、LED用とし
ても期待されている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は新規結晶のε型ニッケルフタロシアニン化合
物である。さらには、この化合物を電荷発生剤に用い
た、優れた露光感度特性、波長特性に加え、長期にわた
る繰り返し使用時の耐劣化特性、耐刷性、画像安定性を
有する電子写真感光体を得ることにある。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段および作用) 本発明は、CuKα線を用いて測定したX線回折図上の
ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の7.6゜および9.2゜の位
置に明確なX線回折ピークを有することを特徴とするε
型ニッケルフタロシアニン化合物であり、さらには、7.
6゜,9.2゜14.2゜,16.8′,17.5゜,20.5゜,22.0゜,23.8゜
および28.4゜の位置に明確なX線回折ピークを有するε
型ニッケルフタロシアニン化合物である。
さらには、導電性支持体上に、電荷発生剤を使用して
なる電子写真感光体において、電荷発生剤が本ε型ニッ
ケルフタロシアニン化合物である電子写真感光体および
/または導電性支持体上に、電荷発生剤および電荷輸送
剤を使用してなる電子写真感光体において、電荷発生剤
が本ε型ニッケルフタロシアニン化合物である電子写真
感光体である。
さらには、導電性支持体上に、電荷発生剤および電荷
輸送剤を使用してなる電子写真感光体において、電荷発
生剤が請求項1または2記載のε型ニッケルフタロシア
ニン化合物であり、電荷輸送剤がヒドラゾン化合物およ
びスチリル化合物の少なくとも1種以上である電子写真
感光体である。
また、本発明のε型ニッケルフタロシアニン化合物
は、前記記載のブラッグ角度に明確なピークを持つもの
であれば、いずれの置換基を有していても良い。さらに
は、その置換基および置換基数は異なる2種以上の混合
物であっても良い。
本発明のε型ニッケルフタロシアニン化合物は、大別
して2種類の方法で製造できる。第1の方法は、合成し
たニッケルフタロシアニンクルードをアシッドペーステ
ィング法やアシッドスラリー法などによりα型に転移さ
せた後に、機械的磨砕法でε型に転移させる方法であ
る。第2の方法は、1−アミノ−3−イミノイソインド
レニンもしくはフタロジニトリルとニッケル金属または
ニッケル化合物または置換基を有する金属フタロシアニ
ンを非プロトン性極性溶媒中で加熱する方法である。
第1の方法を以下に記述する。
フタロシアニンは、フタロジニトリルと金属塩化物と
を加熱溶解または有機溶媒存在下で加熱するフタロジニ
トリル法、シアノベンズアミドと金属塩とを高温で反応
させる方法、ジリチウムフタロシアニンと金属塩を反応
させる方法があるが、これらに限定されるものではな
い。有機溶媒としては、α−クロルナフタレン、エチレ
ングリコール、ジアルキルエーテル、キノリン、スルフ
ォランおよびジクロルベンゼンなど反応不活性な高沸点
の溶媒が望ましい。
本発明で使用するニッケルフタロシアニンは、モーザ
ーおよびトーマスの「フタロシアニン化合物」(Moser
and Thomas“Phthalocyanine Compounds")等の公
知方法および前記の適切な方法によって得られた合成物
を、酸、アルカリ、アセトン、メチルエチルケトン、テ
トラヒドロフラン、ピリジン、キノリン、スルフォラ
ン、α−クロルナフタレン、トルエン、ジオキサン、キ
シレン、クロロフォルム、四塩化炭素、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、トリクロロプロパン、N,N′−ジ
メチルアセトアミド,N−メチルピロリドン,N,N′−ジメ
チルフォルムアミド等により精製して得られる。精製法
としては溶剤洗浄、再結晶法、ソックスレー抽出法およ
び熱懸濁法等がある。また、昇華精製することも可能で
ある。精製方法はこれらに限られるものではない。この
粗合成物は一般にβ型であるためα型に転移させるには
アシッドペースティングまたはアシッドスラリー法が最
も良く選択される。ここで、アシッドペースティングお
よびアシッドスラリー法とは硫酸中にフタロシアニン化
合物を溶解した後に、水へ注入して再析出させる方法を
示す。
以上の方法で得られたα型ニッケルフタロシアニン化
合物を機械的磨砕法によりε型に転移させる。磨砕は乾
式および湿式のいずれでも良い。必要があれば、食塩や
ぼう硝等の磨砕助剤を使用することも可能である。磨砕
時に使用される装置としては、ニーダー、アトライタ
ー、ボールミル、サンドミル、ロールミル等があるが、
これらに限られるものではない。また、機械的磨砕時に
フタロシアニン誘導体を添加することにより、更に効率
良くε型に転移できる。
第2の方法は、直接ε型ニッケルフタロシアニン化合
物を合成する方法であり、機械的磨砕を全く必要としな
い非常に効率的な方法である。この方法の工業的意義は
極めて大きい。合成時に使用する溶媒は、好ましくは沸
点100℃以上を有する溶媒であり、例えばn−ブチルア
ルコール、n−ヘキシルアルコール等のアルコール類、
ブチルセロソルブ等のセロソルブ類があるが、これらに
限られるものではない。使用する金属または金属化合物
としては、ニッケルの金属粉、酸化物またはその塩化
塩、硫酸塩、硝酸塩および酢酸塩などが挙げられる。そ
の使用量はフタロジニトリルおよび1−アミノ−3−イ
ミノイソインドレニンに対して4分の1モル以上が好ま
しい。
また本発明に用いられるフタロシアニン誘導体は、フ
タロシアニン1分子中のベンゼン核の1個以上に置換基
を有する金属フタロシアニンを含むものである。
以上の方法で作製したε型ニッケルフタロシアニン化
合物を用いた積層型電子写真感光体の電荷発生層は、光
吸収効率の大きな均一層であり、電荷発生層中の顔料の
粒子間、電荷発生層と電荷輸送層の間、感光層と下引き
層または導電性基板の間の空隙が少ない。従って、繰り
返し使用時での電位や感度の安定性および鮮明な印字画
像、耐印刷性等の多くの要求を満足する電子写真感光体
を得ることが出来る。
n型感光体は導電性基板上に、下引き層、電荷発生
層、電荷輸送層の順に積層して作製されるものが一般的
である。また、p型感光体は導電性基板または下引き層
上に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層したものであ
る。または導電性基板または下引き層上に電荷発生剤と
適切な樹脂、必要があれば電荷輸送剤を加えて分散塗工
して作製したものがある。上記感光体は、必要があれば
活性ガスからの表面保護およびトナーによるフィルミン
グ防止等の意味でオーバーコート層を設けることも出来
る。
本発明のε型ニッケルフタロシアニン化合物は、上記
感光体にすべて好適に用いられる。
感光体の電荷発生層の塗工は、スピンコーター、アプ
リケーター、スプレーコーター、浸漬コーター、ローラ
ーコーター、カーテンコーターおよびビードコーター等
を用いて行い、乾燥は室温から200℃、10分から6時間
の範囲で静止または送風条件下で行う。乾燥後の膜厚は
0.01から5ミクロン、望ましくは0.1から1ミクロンに
なるように塗工される。
電荷発生層を形成する際に使用する樹脂は、広範な絶
縁性樹脂から選択出来る。また、ポリ−N−ビニルカル
バゾール、ポリビニルアントラセンやポリシラン類など
の有機光導電性ポリマーから選択出来る。好ましくは、
ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリカーボネ
ート、ポリエステル、フェノキシ、アクリル、ポリアミ
ド、ウレタン、エポキシ、シリコン、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、塩酢ビ共重合体、フェノールおよびメラ
ミン樹脂等の絶縁性樹脂を挙げることが出来る。電荷発
生層中に含有する樹脂は、100重量%以下が好ましいが
この限りではない。樹脂は2種類以上組み合わせて使用
しても良い。また、必要があれば樹脂を使用してなくて
もよい。
電荷発生層を形成する際に使用する溶剤は、下引き層
や電荷輸送層に影響を与えないのから選択することが好
ましい。具体的には、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭
化水素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコ
ール類、酢酸エチル、メチルセロソルブ等のエステル
類、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジク
ロロエタン、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化
炭化水素類、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳
香族ハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類等が用いられるがこれらに限られ
るものではない。
電荷輸送層は電荷輸送剤単体もしくは樹脂に溶解させ
て形成する。本感光体に使用される電荷輸送剤は、電荷
を輸送する能力のある化合物であれば、いかなる種類の
化合物であっても良いが、ヒドラゾン化合物およびスチ
リル化合物から選ばれる1種以上の化合物が望ましい。
電荷輸送物質は2種類以上組み合わせて使用できる。電
荷輸送層に使用できる樹脂は、電荷発生層用樹脂として
記述した中から選択出来る。塗工方法も電荷発生層と同
様の方法で塗工することが出来る。乾燥後の膜厚は5か
ら50ミクロン、好ましくは10から20ミクロンが良い。
下引き層としてはポリアミド類、カゼイン、ポリビニ
ルアルコール、ゼラチン、ポリビニルブチラール等の樹
脂類、酸化アルミニウム等の金属酸化物などが用いられ
る。
本発明の材料は、電子写真感光体として複写機やプリ
ンターに使用されるだけではなく、太陽電池、光電変換
素子、エレクトロルミネッセンス(EL)素子および光デ
ィスク用吸収材料としても好適である。
(実施例) 以下、本発明の実施例について具体的に説明する。例
中で部とは重量部を示す。
実施例 1〜4 フタロジニトリル20部、無水酢酸ニッケル12.5部をキ
ノリン500部中210℃で7時間加熱撹拌した後に、水蒸気
蒸留で溶媒を除いた。次に、アセトンで洗浄後濾過して
21部のニッケルフタロシアニンクルードを得た。このニ
ッケルフタロシアニンクルード20部を5℃の98%硫酸40
0部の中に少しずつ溶解し、その混合物を約1時間、5
℃以下の温度を保ちながら撹拌する。続いて、その硫酸
溶液を高速撹拌した8000部の氷水中に、ゆっくりと注入
して析出した結晶を濾過する。結晶を酸がなくなるまで
蒸留水で洗浄し、アセトンで精製した後、乾燥して19部
のα型ニッケルフタロシアニンを得た。
以上の方法で作製したα型ニッケルフタロシアニンを
使用して、第1表の条件によりε型ニッケルフタロシア
ニンを製造した。
得られた試料は、ε型ニッケルフタロシアニンに転移
したことをX線回折測定により確認した後に、装置から
取り出して溶媒を取り除く。その後、2%の希硫酸中で
洗浄、濾過を行い試料を乾燥する。実施例1〜4で作製
したε型ニッケルフタロシアニンは、7.6゜,9.2゜14.2
゜,16.8゜,17.5゜,20.5゜,22.0゜,23.8゜および28.4゜
の位置に明確なX線回折ピークを有していた。
実施例 5 撹拌装置の付いた四ッ口フラスコに1−アミノ−3−
イミノイソインドレニン7部、ブチルセロソルブ30部を
入れ、撹拌下で加熱して60℃にすると溶液状態になる。
次に濃硫酸中でニッケルフタロシアニンと2−ピロリド
ンおよびホルムアルデヒドを縮合して得た下記フタロシ
アニン誘導体0.6部を (NiPcはニッケルフタロシアニン残基を示す) ブチルセロソルブ20部と共に60℃に加熱して得られる溶
液を前記溶液に撹拌して添加する。更に、塩化ニッケル
2部を加えた後に還流開始温度まで加熱する。加熱還流
下で2時間反応させた後、室温まで冷却して濾過する。
次いでメタノールおよび精製水で洗浄し、更に2%塩酸
500部中で1時間煮沸した後、濾過する。その後、水
洗、濾過、乾燥を行ってε型の結晶型を有するニッケル
フタロシアニン5部を得た。
次に、実施例1〜5のε型ニッケルフタロシアニンを
電荷発生剤として使用した電子写真感光体の作製方法を
述べる。
共重合ナイロン(アミランCM−8000;東レ(株)製)1
0部をエタノール190部と共にボールミルで3時間混合し
た後、その塗液をポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム上にアルミニウムを蒸着したシート上にワイヤ
ーバーで塗工する。乾燥した後、膜厚0.5ミクロンの下
引き層を持つシートを得た。実施例1〜5で得たε型ニ
ッケルフタロシアニン2部を充分に微細化した後に、テ
トラヒドロフラン97部にポリビチルブチラール樹脂1部
(BH−3;積水化学(株)製)を溶解した樹脂液と共にボ
ールミルで6時間分散した。この分散液を下引き層上に
塗工して、乾燥した後膜厚0.3ミクロンの電荷発生層を
作製した。
次の化合物(I)を電荷輸送剤として、電荷輸送剤1
部、ポリカーボネート樹脂(L−1250;帝人化成(株)
製)1部をジクロロメタン8部で混合溶解した。
この塗液を電荷発生層上に塗工して乾燥させた後に膜
厚20ミクロンの電荷輸送層を形成して、その電子写真特
性を測定した。
感光体の電子写真特性は、以下の方法で測定した。静
電複写紙試験装置(EPA−8100;川口電機製作所(株)
製)により、スタティックモード2、コロナ帯電は−5.
2(kV)、5(lux)の白色光または1(μW)の780nm
の単色光を照射して、帯電量が初期の1/2まで減少する
時間から半減露光量感度(E1/2)を調べた。結果を第2
表に示す。
第2表の結果より、実施例1〜5のε型ニッケルフタ
ロシアニンを使用した感光体は、帯電製、感度が良好で
あり、780nm以上の波長領域で1(μJ/cm2)以上の高感
度を有していた。
実施例 6〜10 電荷輸送剤を下記化合物(II)に変更する以外は実施
例1〜5と同様の方法で感光体を作製して、その電子写
真特性を測定した。結果を第3表に示す。
第3表の結果より、実施例6〜10のε型ニッケルフタ
ロシアニンを使用した感光体は、帯電性、感度が極めて
良好であり、780nm委譲の波長領域で1(μJ/cm2)以上
の高感度を有していた。
比較例 1 電荷発生剤として実施例1で作製したニッケルフタロ
シアニンクルード(β−NiPc)を使用する以外は、実施
例1と同様の方法で電子写真感光体を作製して、その電
子写真特性を測定した。
比較例 2 電荷発生剤として実施例1で作製したα型ニッケルフ
タロシアニンを使用する以外は、実施例1と同様の方法
で電子写真感光体を作製して、その電子写真特性を測定
した。
結果を第4表に示す。
第4表の結果、較例1,2の感体は実施例1〜10の感光
体に比べて、表面電位が低く、感度も大幅に劣ってい
た。
以上の結果より、本発明のε型ニッケルフタロシアニ
ンを電荷発生剤として使用した電子写真感光体は、電子
写真特性の優れた感光体であった。
〔発明の効果〕
本発明により、特異な結晶型を有するε型ニッケルフ
タロシアニンを得ることが出来た。さらには、これを電
荷発生剤として使用することにより、優れた露光感度特
性、波長特性を有する電子写真感光体を得ることが出来
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ニッケルフタロシアニンの粉末X線回折図、
a)α型、b)β型、c)ε型を示し、横軸は角度、2
θ(degree)を,縦軸は強度(Intensity)を表す。第
2図は、ニッケルフタロシアニンの赤外線吸収スペクト
ル、a)α型、b)β型、c)ε型を示し、横軸は波数
(Wavenumber)を、縦軸は透過率(Transmittance)を
表す。第3図は、ニッケルフタロシアニンの電子スペク
トル(UV−Vis)、a)α型、b)β型、c)ε型を示
し、横軸は波長(Wavelength)を,縦軸は吸光度(Abso
rbance)を表す。なお、試料はクロロホルム溶媒中に分
散した。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CuKα線を用いて測定したX線回折図上の
    ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の7.6゜および9.2゜の位
    置に明確なX線回折ピークを有することを特徴とするε
    型ニッケルフタロシアニン化合物。
  2. 【請求項2】CuKα線を用いて測定したX線回折図上の
    ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の7.6゜,9.2゜14.2゜,16.
    8′,17.5゜,20.5゜,22.0゜,23.8゜および28.4゜の位置
    に明確なX線回折ピークを有することを特徴とするε型
    ニッケルフタロシアニン化合物。
  3. 【請求項3】導電性支持体上に、電荷発生剤を使用して
    なる電子写真感光体において、電荷発生剤が請求項1ま
    たは2記載のε型ニッケルフタロシアニン化合物である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  4. 【請求項4】導電性支持体上に、電荷発生剤および電荷
    輸送剤を使用してなる電子写真感光体において、電荷発
    生剤が請求項1または2記載のε型ニッケルフタロシア
    ニン化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
  5. 【請求項5】導電性支持体上に、電荷発生剤および電荷
    輸送剤を使用してなる電子写真感光体において、電荷発
    生剤が請求項1または2記載のε型ニッケルフタロシア
    ニン化合物であり、電荷輸送剤がヒドラゾン化合物およ
    びスチリル化合物の少なくとも1種以上であることを特
    徴とする電子写真感光体。
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