JP2819745B2 - バナジルフタロシアニン結晶、その製造方法及び電子写真感光体 - Google Patents

バナジルフタロシアニン結晶、その製造方法及び電子写真感光体

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、光導電材料として有用なバナジルフタロシ
アニンの新規な結晶、その製造方法及びそれを用いた電
子写真感光体に関する。
(従来の技術) 従来、電子写真感光体における感光材料としては、種
々ものもが提案されており、そして、感光層を電荷発生
層と電荷輸送層とに分離した積層型の電子写真感光体に
関しても、電荷発生材料として種々の有機化合物が提案
されている。
近年、従来提案された有機光導電材料の感光波長域
を、近赤外線の半導体レーザーの波長(780〜830nm)に
まで伸ばし、レーザープリンター等のデジタル記録用の
感光体として使用することの要求が高まっており、この
観点から、スクエアリリウム化合物(特開昭49−105536
号及び同58−21416号公報)、トリフェニルアミン系ト
リスアゾ化合物(特開昭61−151659号公報)、フタロシ
アニン化合物(特開昭48−34189号及び同57−148745号
公報)等が、半導体レーザー用の光導電材料として提案
されている。
半導体レーザー用の感光材料として、有機光導電材料
を使用する場合は、まず、感光波長域が長波長まで伸び
ていること、次に、形成される感光体の感度、耐久性が
よいことなどが要求される。前記の有機光導電材料は、
これ等の諸条件を十分に満足するものではない。
これ等の欠点を克服するために、前記の有機光導電材
料について、結晶型と電子写真特性の関係が検討されて
おり、特にフタロシアニン化合物については多くの報告
が出されている。
一般に、フタロシアニン化合物は、製造方法、処理方
法の違いにより、幾つかの結晶形を示し、この結晶型の
違いは、フタロシアニン化合物の光電変換特性に大きな
影響を及ぼすことが知られている。フタロシアニン化合
物の結晶型については、例えば、銅フタロシアニンにつ
いてみると、安定系のβ型以外に、α、ε、π、x、
ρ、γ、δ等の結晶型が知られており、これ等の結晶型
は、機械的歪力、硫酸処理、有機溶剤処理及び熱処理等
により、相互に移転が可能であることが知られている
(例えば米国特許第2,770,629号、同第3,160,635号、同
第3,708,292号及び同第3,357,989号明細書)。また、特
開昭50−38543号公報には、銅フタロシアニンの結晶型
の違いと電子写真特性について、α、β、γ及びε型の
比較では、ε型が最も高い感度を示すことが記載されて
いる。
また、バナジルフタロシアニンに関しては、特開昭55
−64249号、同57−146255号公報等に電子写真への応用
が記載され、特開昭63−18361号公報に非晶質のバナジ
ルフタロシアニンの電子写真特性が記載され、米国特許
第4,557,868号明細書にバナジルフタロシアニンの製造
方法と電子写真特性が記載されている。さらに特開平1
−268763号及び同1−204968号公報には、特定のブラッ
グ角度を有するバナジルフタロシアニン及びそれを用い
た電子写真感光体が記載されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記した従来提案されているフタロシ
アニン化合物は、感光材料として使用した場合の光感度
と耐久性の点が、未だ十分満足のいくものではなく、ま
た、その製造に際しても、結晶型の変換操作が複雑であ
ったり、結晶型の制御が難しい等の問題があった。
本発明は、従来の技術における上記のような問題に鑑
みてなされたものである。
すなわち、本発明の目的は、バナジルフタロシアニン
の新規な結晶及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、バナジルフタロシアニンの新規
な結晶よりなる高い感度と耐久性を有する光導電材料、
及びそれを含有する電子写真感光体を提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、検討の結果、合成によって得られたバ
ナジルフタロシアニンを簡単な処理を行うことによっ
て、光導電材料として高い感度と耐久性を有する新規な
結晶が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
すなわち、本発明の新規なバナジルフタロシアニン結
晶は、ブラッグ角度(2θ±0.2)の少なくとも14.3
゜、18.0゜、24.1゜及び27.3゜に回折ピークを示すこと
を特徴とするものである。
本発明の上記バナジルフタロシアニン結晶は、合成に
よって得られたバナジルフタロシアニンを、濃硫酸に溶
解又はスラリー化した後、アルコール系溶媒、芳香族系
溶媒、アルコール系溶媒と水との混合溶媒、アルコール
系溶媒と芳香族系溶媒との混合溶媒、又は芳香族系溶媒
と水との混合溶媒で希釈して結晶を析出させ、単離する
か、またはさらに、析出した結晶をアルコール系溶媒、
芳香族系溶媒、アルコール系溶媒と水との混合溶媒、又
は芳香族系溶媒と水との混合溶媒で処理することによっ
て製造することができる。
本発明の上記バナジルフタロシアニン結晶は、電子写
真感光体用の光導電材料として有用なものである。感光
層に含有させて電子写真感光体を製造することができ
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における光導電材料として使用されるバナジル
フタロシアニン結晶は、ブラッグ角度(2θ±0.2)の
少なくとも14.3゜、18.0゜、24.1゜及び27.3゜に回折ピ
ークを示す新規な結晶である。
この新規な結晶は、次のようにして製造することがで
きる。
まず、合成によって得られたバナジルフタロシアニ
ン、例えば、フタロジニトリルと5酸化バナジウムとを
反応させることによって得られたバナジルフタロシアニ
ンを濃硫酸に投入し、溶解又はスラリー化させる。その
際の濃硫酸は、濃度70〜100%、好ましくは95〜100%の
ものが使用され、溶解又はスラリー化温度は0〜200
℃、好ましくは0〜70℃の範囲に設定される。濃硫酸の
量は、フタロシアニンの重量に対して1〜100倍、好ま
しくは3〜50倍の範囲に設定される。
次いで、得られた濃硫酸溶液又はスラリーを、溶媒中
に投入し、結晶を析出させる。溶媒としては、アルコー
ル系溶媒、芳香族系溶媒、アルコール系溶媒と水との混
合溶液、アルコール系溶媒と芳香族系溶媒との混合溶
媒、又は芳香族系溶媒と水との混合溶媒が使用され、そ
して具体的には、アルコール系溶媒として、メタノー
ル、エタノール等があげられ、芳香族系溶媒として、ベ
ンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、ジクロロベン
ゼン、トリクロロベンゼン及びフェノール等があげられ
る。また、これ等溶媒を混合溶媒として用いる場合、そ
の混合比(容量)としては、アルコール系溶媒/水=10
0/0〜10/90、好ましくは100/0〜50/50、アルコール系溶
媒/芳香族系溶媒=100/0〜0/100、好ましくは100/0〜5
0/50、芳香族系溶媒/水=100/0〜10/90、好ましくは60
/40〜10/90の範囲が採用される。
溶媒の使用量は、濃硫酸溶液又はスラリーの容量に対
して2〜50倍、好ましくは5〜20倍の範囲に設定され
る。また、溶媒の温度は−50〜100℃、好ましくは10℃
以下に設定される。
析出した結晶は、濾別して単離し、溶剤で洗浄する
か、または、溶剤処理を行う。溶剤処理は、単離された
バナジルフタロシアニンの結晶を、アルコール系溶媒、
芳香族系溶媒、アルコール系溶媒と水との混合溶液、又
は芳香族系溶媒と水との混合溶媒に添加し、室温ないし
100℃の温度で1〜5時間撹拌またはミリングして処理
する。溶媒の使用量は、バナジルフタロシアニンの重量
に対して5〜50倍の範囲が好ましい。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール
等があげられ、芳香族系溶媒としては、ベンゼン、トル
エン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリク
ロロベンゼン及びフェノール等があげられる。また、こ
れ等溶媒を混合溶媒として使用する場合、その混合比
(容量)としては、アルコール系溶液/水=100/0〜10/
90、好ましくは100/0〜50/50、芳香族系溶媒/水=100/
0〜5/95、好ましくは60/40〜5/95の範囲が採用される。
また、アシッドペースティングによって析出した結晶
を単離する前に、硫酸希釈溶液中で加熱撹拌することも
有効である。
次に、上記のバナジルフタロシアニン結晶を感光層に
おける光導電性材料として使用した電子写真感光体につ
いて、図面を参酌して説明する。
第9図ないし第14図は、本発明の電子写真感光体の層
構成を示す模式図である。第9図ないし第12図は、感光
層が積層型構成を有する例であって、第9図において
は、導電性支持体1上に電荷発生層2が形成され、その
上に電荷輸送層3が設けられており、第11図において
は、導電性支持体1上に電荷輸送層3が形成され、その
上に電荷発生層2が設けられている。また、第10図及び
第12図においては、導電性支持体1上に下引き層4が設
けられている。また、第13図及び第14図は、感光層が単
層構造を有する例であって、第13図においては、導電性
支持体1上に光導電層5が設けられており、第14図にお
いては、導電性支持体1上に下引き層4が設けられてい
る。
本発明の電子写真感光体が、第9図ないし第12図に記
載の如き積層構造を有する場合において、電荷発生層
は、上記バナジルフタロシアニン結晶及び結着樹脂から
構成される。結着樹脂は、広範な絶縁性樹脂から選択す
ることができ、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、
ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光
導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結
着樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリアリレー
ト(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリ
カーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル
樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリビニルピ
リジン、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン等の絶縁性樹脂をあげることができる。
電荷発生層は、上記結着樹脂を有機溶剤に溶解した溶
液に、上記バナジルフタロシアニン結晶を分散させて塗
布液を調製し、それを導電性支持体の上に塗布すること
によって形成することができる。その場合、使用するバ
ナジルフタロシアニン結晶と結着樹脂との配合比は、4
0:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:4である。バナジルフタ
ロシアニン結晶の比率が高すぎる場合には、塗布液の安
定性が低下し、低すぎる場合には、感度が低下するの
で、上記範囲に設定するのが好ましい。
使用する溶剤としては、下引き層或いは電荷輸送層を
溶解しないものから選択するのが好ましい。具体的な有
機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド
類、ジメチルスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等の
エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、
クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレン、四塩
化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、リグロイン、モ
ノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水
素等を用いることができる。
塗布液の塗布は、浸漬コーティング法、スプレーコー
ティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティ
ング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーテ
ィング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティ
ング法等のコーティング法を用いることができる。ま
た、乾燥は、室温における指触乾燥後、加熱乾燥する方
法が好ましい。加熱乾燥は、30〜200℃の温度で5分〜
2時間の範囲で静止又は送風下で行うことができる。ま
た、電荷発生層の膜厚は、通常、0.05〜5μm程度にな
るように塗布される。
電荷輸送層は、電荷輸送材料及び結着樹脂より構成さ
れる。
電荷輸送材料としては、例えばアントラセン、ピレ
ン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドー
ル、カルバゾール、イミダゾール等の含窒素複素環を有
する化合物、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、ト
リフェニルメタン化合物、トリフェニルアミン化合物、
エナミン化合物、スチルベン化合物等、公知のものなら
ば如何なるものでも使用することができるが、例えば、
下記式で示される化合物をあげることができる。
更にまた、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン
化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラ
セン、ポリ−N−ビニルフェニルアントラセン、ポリビ
ニルピレン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルアセナ
フチレン、ポリグリシジルカルバゾール、ピレンホルム
アルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒ
ド樹脂等の光導電性ポリマーがあげられ、これ等はそれ
自体で層を形成してもよい。
また、結着樹脂としては、上記した電荷発生層に使用
されるものと同様な絶縁性樹脂が使用できる。
電荷輸送層は、上記電荷輸送材料と結着樹脂及び上記
と同様な有機溶剤とを用いて塗布液を調製した後、同様
に塗布して形成することができる。電荷輸送材料と結着
樹脂との配合比は、通常5:1〜1:5の範囲で設定される。
また、電荷輸送層の膜厚は、通常5〜50μm程度に設定
される。
電子写真感光体が、第13図及び第14図に示される単層
構造を有する場合においては、感光層は上記のバナジル
フタロシアニン結晶が電荷輸送材料及び結着樹脂よりな
る層に分散された構成を有する光導電層よりなる。その
場合、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、1:20〜5:
1、バナジルフタロシアニン結晶と電荷輸送材料との配
合比は、1:10〜10:1程度に設定するのが好ましい。電荷
輸送材料及び結着樹脂は、上記と同様なものが使用さ
れ、上記と同様にして光導電層が形成される。
導電性支持体としては、電子写真感光体として使用す
ることが公知のものならば、如何なるものも使用するこ
とができる。
本発明において、第10図、第12図及び第14図に示すよ
うに、導電性支持体上に下引き層が設けられてもよい。
下引き層は、導電性支持体からの不必要な電荷の注入を
阻止するために有効であり、感光層の帯電性を高める作
用がある。さらに感光層と導電性支持体との密着性を高
める作用もある。下引き層を構成する材料としては、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルピリジン、セルロースエーテル類、セルロースエステ
ル類、ポリアミド、ポリウレタン、カゼイン、ゼラチ
ン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、ア
ミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ジル
コニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化
合物、有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合
物、チタニルアルコキシド化合物、有機チタニル化合
物、シランカップリング剤等があげられる。下引き層の
膜厚は、0.05〜2μm程度に設定するのが好ましい。
(実施例) 以下、実施例によって本発明を説明する。
バナジルフタロシアニンの合成例 フタロジニトリル10部、五酸化バナジウム1.2部をエ
チレングリコール34部中で170℃において4時間反応さ
せた後、生成物を濾過し、ジメチルホルムアミド(DM
F)、イソプロパノールで洗浄し、バナジルフタロシア
ニン結晶6.0部を得た。得られたバナジルフタロシアニ
ン結晶の粉末X線回折図を、第6図に示す。
実施例1 合成例1で得たバナジルフタロシアニン6.0部を97%
硫酸300部に60℃で溶解した後、氷冷したトルエン1200
部とメタノール1800部の混合溶媒中に注ぎ、析出した結
晶を濾過し、メタノール、希アンモニア水、次いで水で
洗浄した後、乾燥して、4.9部のバナジルフタロシアニ
ン結晶を得た。得られたバナジルフタロシアニン結晶の
粉末X線回折図を第1図に示す。
実施例2 合成例1で得たバナジルフタロシアニン結晶6.0部を9
7%硫酸3000部に60℃で溶解した後、氷冷したメタノー
ル3000部中に注ぎ、析出した結晶を濾過し、メタノー
ル、希アンモニア水、次いで水で洗浄した後、乾燥し
て、5.0部のバナジルフタロシアニン結晶を得た。得ら
れたバナジルフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を第
2図に示す。
実施例3 実施例2で得たバナジルフタロシアニン結晶1.0部を
トルエン10部中で、室温において4時間撹拌した。得ら
れた結晶の粉末X線回折図を第3図に示す。
実施例4 実施例1で得たバナジルフタロシアニン結晶1.0部を
水10部、モノクロロベンゼン1部の混合溶媒中で、室温
において2時間撹拌し、濾過した後、メタノールと水で
洗浄した。得られた結晶の粉末X線回折図を第4図に示
す。
実施例5 1,3−ジイミノイソインドリン3部、チタニウムブト
キシド1.7部を1−クロルナフタレン20部中で、190℃に
おいて5時間反応した後、生成物を濾過し、アンモニア
水、水、アセトンで洗浄し、チタニルフタロシアニン4.
0部を得た。このチタニルフタロシアニン1.0部と、合成
例1で得たバナジルフタロシアニン結晶2.0部を、97%
硫酸150部に60℃で溶解した後、氷冷したメタノール150
部中に注ぎ、析出した結晶を濾過し、メタノール、希ア
ンモニア水、次いで水で洗浄した後、乾燥して、2.5部
のフタロシアニン混合物を得た。得られたフタロシアニ
ン混合物の粉末X線回折図を第5図に示す。
比較例1 合成例1で得たバナジルフタロシアニン6.0部を、97
%硫酸300部に50℃で溶解した後、氷水4中に注ぎ、
バナジルフタロシアニンの析出物を濾過し、メタノー
ル、希アンモニア水、次いで水で洗浄した後、乾燥し
て、4.8部のバナジルフタロシアニン粉末を得た。得ら
れたバナジルフタロシアニン粉末の粉末X線回折図を第
7図に示す。
比較例2 比較例1で得たバナジルフタロシアニン粉末をトルエ
ン中で、室温において4時間撹拌した。得られた結晶の
粉末X線回折図を第8図に示す。
以下に、電子電子写真感光体の実施例及び比較例を示
す。
実施例6 実施例1で得たバナジルフタロシアニン結晶1部をポ
リビニルブチラール(商品名;エレックスBM−1、積水
化学(株)製)1部及びシクロヘキサノン100部と混合
し、ガラスビーズと共にペイントシェーカーで1時間処
理して分散した後、得られた塗布液を、浸漬コーティン
グ法でアルミニウム基板上に塗布し、100℃において5
分間加熱乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成し
た。
次に、前記例示化合物(37)2部と下記構造式 で示されるポリ(4,4−シクロヘキシリデンジフェニレ
ンカーボネート)3部を、モノクロロベンゼン20部に溶
解し、得られた塗布液を、電荷発生層が形成されたアル
ミニウム基板上に、浸漬コーティング法で塗布し、120
℃において1時間加熱乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層
を形成した。
得られた電子写真感光体を、常温常湿(20℃、50%R
H)の環境の中で、静電複写紙試験装置(EPA−8100、川
口電機(株)製)を用いて、−6KVのコロナ放電を行い
帯電させた後、タングステンランプの光を、モノクロメ
ーターを用いて800nmの単色光にし、感光体表面上で1
μW/cm2になるように調整し、照射した。そして、その
表面電位が初期VO(ボルト)の1/2になるまでの露光量
1/2(erg/cm2)を測定し、その後10ルックスのタング
ステン光を1秒間感光体表面上に照射し、残留電位VR
測定した。さらに、上記の帯電、露光を1000回繰り返し
た後のVO、E1/2、VRを測定した。その結果を第1表に
示す。
実施例7 アルミニウム基板上に、有機ジルコニウム化合物(商
品名:オルガチックスZC540、松本製薬(株)製)10
部、シランカップリング材(商品名:A1110、日本ユニカ
ー(株)製)11部、エタノール5部、n−ブタノール2
部からなる塗布液を用いて、浸漬コーティング法で塗布
し、150℃において5分間加熱乾燥して、膜厚0.1μmの
下引き層を形成した。次に、この下引き層の上に、実施
例6と同様の方法で、電荷発生層と電荷輸送層を形成し
た。得られた感光体を実施例6と同様の方法で評価し
た。得られた結果を第1表に示す。
実施例8 アルミニウム基板上に、ポリアミド(商品名;CM800
0、東レ(株)製)5部、メタノール4部、n−ブタノ
ール1部からなる塗布液を用いて、浸漬コーティング法
で塗布し、150℃において5分間加熱乾燥し、膜厚0.3μ
mの下引き層を形成した。
次に、この下引き層の上に、実施例6と同様の方法
で、電荷発生層と電荷輸送層を形成した。得られた感光
体を実施例6と同様の方法で評価した。得られた結果を
第1表に示す。
実施例9 アルミニウム基板上に、部分アセトアセタール化ポリ
ビニルアルコール1部、水1部、プロパノール8部から
なる塗布液を用いて、浸漬コーティング法で塗布し、15
0℃において5分間加熱乾燥し、膜厚0.2μmの下引き層
を形成した。
次に、この下引き層の上に、実施例6と同様の方法
で、電荷発生層と電荷輸送層を形成した。得られた感光
体を実施例6と同様の方法で評価した。得られた結果を
第1表に示す。
実施例10 アルミニウム基板上に、タイプ8ナイロン(商品名:
ラッカマイド5003、大日本インキ(株)製)5部、メタ
ノール3部、n−ブタノール2部からなる塗布液を用い
て、浸漬コーティング法で塗布し、150℃において5分
間加熱乾燥し、膜厚2μmの下引き層を形成した。
次に、この下引き層の上に、実施例6と同様の方法
で、電荷発生層と電荷輸送層を形成した。得られた感光
体を実施例6と同様の方法で評価した。得られた結果を
第1表に示す。
実施例11 実施例2で得られたバナジルフタロシアニン結晶を用
いた以外は、実施例6と同様の方法で電子写真感光体を
作製し、同様に評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例12 実施例3で得られたバナジルフタロシアニン結晶を用
いた以外は、実施例6と同様の方法で電子写真感光体を
作製し、同様に評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例13 実施例4で得られたバナジルフタロシアニン結晶を用
いた以外は、実施例6と同様の方法で電子写真感光体を
作製し、同様に評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例14 実施例5で得られたバナジルフタロシアニン結晶を用
いた以外は、実施例6と同様の方法で電子写真感光体を
作製し、同様に評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例15 電荷輸送材料として、前記例示化合物(35)を用いた
以外は、実施例6と同様の方法で電子写真感光体を作製
し、同様に評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例16 電荷輸送材料として、前記例示化合物(15)を用いた
以外は、実施例6と同様の方法で電子写真感光体を作製
し、同様に評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例17 電荷輸送材料として、前記例示化合物(11)を用いた
以外は、実施例6と同様の方法で電子写真感光体を作製
し、同様に評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例18 電荷輸送材料として、前記例示化合物(26)を用いた
以外は、実施例6と同様の方法で電子写真感光体を作製
し、同様に評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例19 電荷輸送材料として、前記例示化合物(28)を用いた
以外は、実施例6と同様の方法で電子写真感光体を作製
し、同様に評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例20 電荷輸送材料として、前記例示化合物(38)を用いた
以外は、実施例6と同様の方法で電子写真感光体を作製
し、同様に評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例21 電荷輸送材料として、前記例示化合物(52)を用いた
以外は、実施例6と同様の方法で電子写真感光体を作製
し、同様に評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例22 電荷輸送材料として、前記例示化合物(55)を用いた
以外は、実施例6と同様の方法で電子写真感光体を作製
し、同様に評価を行った。結果を第1表に示す。
比較例3 電荷発生材料として、比較例1で得たバナジルフタロ
シアニン粉末を用いた以外は、実施例6と同様の方法で
電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。結果を
第1表に示す。
比較例4 電荷発生材料として、比較例2で得たバナジルフタロ
シアニン結晶を用いた以外は、実施例6と同様の方法で
電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。結果を
第1表に示す。
(発明の効果) 本発明のバナジルフタロシアニン結晶は、上記のよう
に新規な結晶型を有するものであって、感光波長域が長
波長まで伸びているため、半導体レーザーを利用するプ
リンター等の電子写真感光体用の光導電材料として非常
に有用である。また、上記の新規な結晶型を有するバナ
ジルフタロシアニン結晶を用いて形成された本発明の電
子写真感光体は、優れた感度及び耐久性を有している。
【図面の簡単な説明】 第1図ないし第5図は、それぞれ実施例1ないし5のバ
ナジルフタロシアニン結晶のX線回折図、第6図は、合
成例のバナジルフタロシアニン結晶のX線回折図、第7
図は比較例1のバナジルフタロシアニン粉末のX線回折
図、第8図は比較例2のバナジルフタロシアニン結晶の
X線回折図、第9図ないし第14図は、それぞれ本発明の
電子写真感光体の模式的断面図を示す。 1……導電性支持体、2……電荷発生層、3……電荷輸
送層、4……下引き層、5……光導電層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 額田 克己 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 森山 弘朗 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 青沼 英一 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 大門 克己 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 橋場 成人 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 小林 智雄 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 山田 高徳 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (56)参考文献 特開 平1−204968(JP,A) 特開 平1−268763(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 67/50 C09B 67/12 C09B 67/16 C09B 47/04 - 47/32 C07F 9/00 C07D 487/22 G03G 5/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブラッグ角度(2θ±0.2)の少なくとも1
    4.3゜、18.0゜、24.1゜及び27.3゜に回折ピークを示す
    バナジルフタロシアニン結晶。
  2. 【請求項2】合成によって得られたバナジルフタロシア
    ニンを、濃硫酸に溶解又はスラリー化した後、アルコー
    ル系溶媒、芳香族系溶媒、アルコール系溶媒と水との混
    合溶媒、アルコール系溶媒と芳香族系溶媒との混合溶
    媒、又は芳香族系溶媒と水との混合溶媒で希釈して結晶
    を析出させることを特徴とするブラッグ角度(2θ±0.
    2)の少なくとも14.3゜、18.0゜、24.1゜及び27.3゜に
    回折ピークを示すバナジルフタロシアニン結晶の製造方
    法。
  3. 【請求項3】合成によって得られたバナジルフタロシア
    ニンを、濃硫酸に溶解又はスラリー化した後、アルコー
    ル系溶媒、芳香族系溶媒、アルコール系溶媒と水との混
    合溶液、アルコール系溶媒と芳香族系溶媒との混合溶
    媒、又は芳香族系溶媒と水との混合溶媒で希釈し、析出
    した結晶をアルコール系溶媒、芳香族系溶媒、アルコー
    ル系溶媒と水との混合溶媒、又は芳香族系溶媒と水との
    混合溶媒で処理することを特徴とするブラッグ角(2θ
    ±0.2)の少なくとも14.3゜、18.0゜、24.1゜及び27.3
    ゜に回折ピークを示すバナジルフタロシアニン結晶の製
    造方法。
  4. 【請求項4】ブラッグ角度(2θ±0.2)の少なくとも1
    4.3゜、18.0゜、24.1゜及び27.3゜に回折ピークを示す
    バナジルフタロシアニン結晶よりなる電子写真感光体用
    光導電材料。
  5. 【請求項5】支持体上に、X線回折図において、ブラッ
    グ角度(2θ±0.2)の少なくとも14.3゜、18.0゜、24.
    1゜及び27.3゜に回折ピークを示すバナジルフタロシア
    ニン結晶を含有する感光層を設けてなることを特徴とす
    る電子写真感光体。
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