JPH09143385A - チタニルフタロシアニン結晶及びそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

チタニルフタロシアニン結晶及びそれを用いた電子写真感光体

Info

Publication number
JPH09143385A
JPH09143385A JP30235495A JP30235495A JPH09143385A JP H09143385 A JPH09143385 A JP H09143385A JP 30235495 A JP30235495 A JP 30235495A JP 30235495 A JP30235495 A JP 30235495A JP H09143385 A JPH09143385 A JP H09143385A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanyl phthalocyanine
crystal
phthalocyanine crystal
parts
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30235495A
Other languages
English (en)
Inventor
Okimasa Okada
興昌 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP30235495A priority Critical patent/JPH09143385A/ja
Publication of JPH09143385A publication Critical patent/JPH09143385A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導電材料として光感度と耐久性に優れた新
規な結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶及び高
感度かつ高耐久性の電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 本発明の新規なチタニルフタロシアニン
結晶は、CuKα(波長1.541オングストローム)
を用いて測定したX線回折図において、ブラッグ角度
(2θ±0.2°)の少なくとも7.0°、9.2°、
9.8°、12.0°、13.2°、14.9°、1
7.5°、20.9°、及び26.6°に回折ピークを
有することを特徴とする。また、本発明の電子写真感光
体は、導電体支持体上に、上記チタニルフタロシアニン
結晶を含有する感光層を形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光導電材料として有用
なチタニルフタロシアニンの新規な結晶及びそれを用い
た電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真用感光体には、光導電性
材料として、酸化亜鉛、セレン、硫化カドミウム等の無
機材料が使用されてきた。しかし、これらの材料は、電
子写真特性が十分ではなかった。さらに、これらの材料
は、毒性が強く、廃棄処理等の点で問題を持っている。
このような問題点を改善するために、光導電性の材料と
して、種々の有機材料を感光層に使用するようになって
きている。有機材料には、無毒性、易加工性、軽量等の
利点があることから、これまでに多くの研究がなされて
きているが、感度及び耐久性の面で十分ではなかった。
【0003】近年、従来提案された有機光導電材料の感
光波長域を、近赤外線の半導体レーザーの波長(780
〜830nm)にまで伸ばし、レーザープリンター等の
デジタル記録用感光体として使用することの要求が高ま
っており、この観点から、スクエアリリウム化合物(特
開昭49−105536号公報及び同58−21416
号公報)、トリフェニルアミン系トリスアゾ化合物(特
開昭61−151659号公報)、フタロシアニン化合
物(特開昭48−34189号公報及び同57−148
745号公報)等が、半導体レーザー用の光導電材料と
して提案されている。
【0004】半導体レーザー用の感光体として、有機光
導電材料を使用する場合には、先ず、感光波長域が長波
長まで伸びていること、次に、形成される感光体の感
度、耐久性がよいこと等が要求される。前記の有機光導
電材料は、これらの諸条件を十分に満足するものではな
い。これらの欠点を克服するために、前記の有機光導電
材料について、結晶型と電子写真特性の関係が検討され
ており、特に、フタロシアニン化合物については多くの
報告がなされている。
【0005】一般に、フタロシアニン化合物は、製造方
法、処理方法の違いにより、幾つかの結晶型を示すこと
が知られており、この結晶型の違いは、フタロシアニン
化合物の光電変換特性に大きな影響を及ぼすことも知ら
れている。フタロシアニン化合物の結晶型については、
例えば、銅フタロシアニンについてみると、安定系のβ
型以外に、α、ε、π、x、ρ、γ、σ、δ等の結晶型
が知られており、これらの結晶型は、機械的歪力、硫酸
処理、有機溶剤処理および熱処理等により、相互に転移
が可能であることが知られている(例えば米国特許第
2,770,629号、同第3,160,635号、同
第3,708,292号および同第3,357,989
号明細書)。また、特開昭50−38543号公報に
は、銅フタロシアニンの結晶型の違いと電子写真特性に
ついて、α、β、γ及びε型の比較では、ε型が最も高
い感度を示すことが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されているフタロシアニン化合物は、光導電材料とし
て使用した場合の光感度と耐久性の点で、未だ十分満足
のいくものではなく、新たな結晶型のフタロシアニン化
合物の開発が望まれている。本発明は、従来の技術にお
ける上記のような実情を鑑みてなされたものであり、本
発明の目的は、光導電材料として光感度と耐久性に優れ
た新規な結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶及
び高感度かつ高耐久性の電子写真感光体を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、検討の結
果、チタニルフタロシアニンに簡単な処理を施すことに
よって、光導電材料として感度と耐久性を有する新規な
結晶が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明の新規なチタニルフタロ
シアニン結晶は、CuKα(波長1.541オングスト
ローム)を用いて測定したX線回折図において、ブラッ
グ角度(2θ±0.2°)の少なくとも7.0°、9.
2°、9.8°、12.0°、13.2°、14.9
°、17.5°、20.9°、及び26.6°に回折ピ
ークを有することを特徴とする。また、本発明の電子写
真感光体は、導電体支持体上に、上記チタニルフタロシ
アニン結晶を含有する感光層を形成したことを特徴とす
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明において、光導電材料として
使用されるチタニルフタロシアニン結晶は、CuKα
(波長1.541オングストローム)を用いて測定した
X線回折図において、ブラッグ角度(2θ±0.2°)
の少なくとも7.0°、9.2°、9.8°、12.0
°、13.2°、14.9°、17.5°、20.9
°、及び26.6°に回折ピークを有する新規な結晶で
あって、次のようにして製造することができる。
【0010】先ず、合成によって得られたチタニルフタ
ロシアニン、例えば、1,3−ジイミノイソインドリン
とチタニウムテトラブトキシドとの反応によって得られ
たチタニルフタロシアニンを、濃硫酸中に投入して溶解
させるか、またはスラリー化させる。次に、このチタニ
ルフタロシアニンの濃硫酸溶液またはスラリーを水中に
投入することにより、非晶質もしくは準非晶質のチタニ
ルフタロシアニンを析出させる。次に、この生成したチ
タニルフタロシアニンを芳香族系化合物と水の混合溶媒
で処理することによってチタニルフタロシアニン結晶を
析出させる。あるいは、1,3−ジイミノイソインドリ
ンとチタニウムテトラブトキシドとの反応によって得ら
れたチタニルフタロシアニンを、濃硫酸中に投入させる
か、またはスラリー化させ、次に、この濃硫酸溶液また
はスラリーをアルコールと水の混合溶媒、または芳香族
系化合物と水の混合溶媒に投入し、チタニルフタロシア
ニン結晶を析出させる。
【0011】また、このようにして得られたチタニルフ
タロシアニン結晶を、再び濃硫酸中に注入して溶解させ
た後、冷却したアルコール系溶媒中に注ぎ、さらに析出
した結晶を洗浄することによってチタニルフタロシアニ
ン結晶を得ることもできる。これらの方法により得られ
た結晶を、260〜450℃の温度範囲、好ましくは2
80℃程度まで加熱することにより、本発明の新規な結
晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を製造するこ
とができる。
【0012】上記の方法に使用するアルコール系溶媒と
しては、メタノール、エタノール等のアルコールまたは
それらのアルコールと水との混合溶媒が挙げられ、ま
た、芳香族系溶媒の芳香族系化合物としては、ベンゼ
ン、トルエン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、トリクロロベンゼン及びフェノール等が挙げられ
る。また、これらの溶媒を混合溶媒として用いる場合の
混合比(容量)は、アルコール系溶媒については、アル
コール/水=99/1〜10/90、好ましくは99/
1〜50/50の範囲、また、芳香族系溶媒について
は、芳香族系化合物/水=1/99〜50/50、好ま
しくは3/97〜60/40の範囲が採用される。
【0013】次に、上記チタニルフタロシアニン結晶を
感光層の光導電材料として使用する電子写真感光体につ
いて説明する。本発明の電子写真感光体において、感光
層は、単層よりなるものであっても、また、電荷発生層
と電荷輸送層よりなる積層型構造を有するものであって
もよい。先ず、電子写真感光体の感光層が、積層型構造
である場合について説明する。本発明において、電荷発
生層は、上記チタニルアフタロシアニン結晶及び結着樹
脂から構成される。電荷発生層に使用される結着樹脂と
しては、広範な絶縁性樹脂から選択することができ、ま
た、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアント
ラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマーか
ら選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、
ポリビニルブチラール、ポリアリレート(ビスフェノー
ルAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート、ポ
リエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、ウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン等の絶縁性樹脂を挙げる
ことができる。
【0014】電荷発生層は、上記結着樹脂を有機溶剤に
溶解した溶液に、上記チタニルフタロシアニン結晶を分
散させて塗布液を調製し、それを導電性支持体の上に塗
布することによって形成することができる。その場合、
使用するチタニルフタロシアニン結晶と結着樹脂との配
合比(重量)は、40:1〜1:10、好ましくは1
0:1〜1:4の範囲である。チタニルフタロシアニン
結晶の比率が高すぎる場合には、塗布液の安定性が低下
し、低すぎる場合には、感度が低下するので、上記範囲
に設定するのが好ましい。
【0015】使用する有機溶剤としては、下層を溶解し
ないものから選択するのが好ましく、具体的には、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等
ケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシ
ド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリ
コールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メ
チレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロルエ
チレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トル
エン、キシレン、リグロイン、モノクロルベンゼン、ジ
クロルベンゼン等の芳香族炭化水素等を挙げることがで
きる。
【0016】上記塗布液の塗布方法としては、浸漬コー
ティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーテ
ィング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーテ
ィング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティ
ング法及びカーテンコーティング法等を用いることがで
きる。また、その塗布された層を乾燥させるには、30
〜200℃の温度において5分〜2時間の範囲で静止ま
たは送風下で行う。また、電荷発生層の膜厚は、通常、
0.05〜5μmになるように塗布される。
【0017】本発明において、電荷輸送層は、電荷輸送
材料及び結着樹脂より構成される。電荷輸送層として
は、例えば、アントラセン、ピレン、フェナントレン等
の多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミ
ダゾール等の含窒素複素環を有する化合物、ピラゾリン
化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合
物、トリフェニルアミン化合物、エナミン化合物、スチ
ルベン化合物等、公知のものならば如何なるものでも使
用することができる。さらにまた、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリビニルアントラセン、ポリ−N−ビニルフェニ
ルアセナフチレン、ポリグリシジルカルバゾール、ピレ
ン・ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホル
ムアルデヒド樹脂等の光導電性ポリマーが挙げられ、こ
れらはそれ自体で層を形成してもよい。また、結着樹脂
としては、上記した電荷発生層に使用されるものと同様
な絶縁性樹脂が使用できる。
【0018】電荷輸送層は、上記した電荷輸送材料、結
着樹脂及び電荷発生層と同様の下層を溶解しない有機溶
剤を用いて塗布液を調製した後、同様に塗布して形成す
ることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比
(重量)は、通常5:1〜1:5の範囲で設定される。
また、電荷輸送層の膜厚は、通常5〜50μm程度に設
定される。
【0019】次に、電子写真感光体が単層構造である場
合には、感光層は上記のチタニルフタロシアニン結晶が
電荷輸送材料及び結着樹脂よりなる層に分散された構成
を有する光導電層よりなる。その場合、電荷輸送材料と
結着樹脂の配合比(重量)は、1:20〜5:1、チタ
ニルフタロシアニン結晶と電荷輸送材料との配合比(重
量)は、1:10〜10:1程度に設定するのが好まし
い。電荷輸送材料及び結着樹脂は、上記と同様のものが
使用され、上記と同様にして光導電層が形成される。
【0020】本発明において、導電性支持体としては、
電子写真感光体として使用することが公知のものなら
ば、如何なるものでも使用することができ、また、導電
性支持体上には下引き層が設けられてもよい。下引き層
は、導電性支持体からの不必要な電荷の注入を阻止する
ために有効なものであって、感光層の帯電性を高める作
用があり、さらに、感光層と導電性支持体との密着性を
高める作用もある。下引き層を構成する材料としては、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビ
ニルピリジン、セルロースエーテル類、セルロースエス
テル類、ポリアミド、ポリウレタン、カゼイン、ゼラチ
ン、ポリグルタミン酸、澱粉スターチアセテート、アミ
ノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ジルコ
ニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合
物、有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合
物、チタニルアルコキシト化合物、有機チタニル化合
物、シランカップリング剤等が使用できる。下引き層の
膜厚は、0.05〜2μm程度に設定するのが好まし
い。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例及び比較例における「部」
は、重量部を意味する。 合成例(チタニルフタロシアニンの合成) 1,3−ジイミノイソインドリン3部、チタニウムテト
ラブトキシド1.7部を1−クロルナフタレン20部中
に入れて、190℃において5時間反応させた後、反応
生成物を濾過し、これをアンモニア水、水及びアセトン
で順次洗浄することにより、チタニルフタロシアニン結
晶4.0部を得た。得られたチタニルフタロシアニン結
晶の粉末X線回折図を、図3に示す。
【0022】実施例1 合成例で得られたチタニルフタロシアニン結晶2.0部
を、97%硫酸100部に5℃で溶解させた後、氷水1
300部中に注ぎ込み、生成するチタニルフタロシアニ
ンの析出物を濾過し、希アンモニア水と水で洗浄した
後、乾燥することにより、チタニルフタロシアニン粉末
1.6部を得た。次に、このチタニルフタロシアニン粉
末1.0部を、水10部とモノクロロベンゼン1部との
混合溶媒中で、50℃において1時間撹拌した後、濾過
し、メタノールと水で洗浄することにより、チタニルフ
タロシアニン結晶0.9部を得た。この結晶を、電気炉
を用いて280℃に加熱することにより、チタニルフタ
ロシアニン結晶0.9部を得た。得られたチタニルフタ
ロシアニン結晶の粉末X線回折図を、図1に示す。
【0023】実施例2 合成例で得られたチタニルフタロシアニン結晶2.0部
を、97%硫酸100部に5℃で溶解した後、氷水13
00部中に注ぎ込み、生成するチタニルフタロシアニン
の析出物を濾過し、希アンモニア水と水で洗浄した後、
乾燥することにより、チタニルフタロシアニン粉末1.
6部を得た。次に、このチタニルフタロシアニン粉末
1.0部を、水10部とモノクロロベンゼン1部との混
合溶媒中で、50℃において1時間撹拌した後、濾過
し、メタノールと水で洗浄することにより、チタニルフ
タロシアニン結晶0.9部を得た。このチタニルフタロ
シアニン結晶2.0部を、97%硫酸100部に5℃で
溶解させた後、氷冷したメタノール400部と水400
部の混合溶媒中に注ぎ込み、析出した結晶を濾過し、メ
タノール、希アンモニア水、次いで水で洗浄した後、乾
燥させることにより、チタニルフタロシアニン結晶1.
6部を得た。この結晶を、電気炉を用いて280℃に加
熱することにより、チタニルフタロシアニン結晶1.6
部を得た。得られたチタニルフタロシアニン結晶の粉末
X線回折図を、図2に示す。
【0024】実施例3 導電性支持体として、アルミニウム基板を用意した。一
方、実施例1で得られたチタニルフタロシアニン結晶1
部をポリビニルブチラール(エスレックBM−1、積水
化学社製)1部及びシクロヘキサノン100部と混合
し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間
処理することにより分散させた。得られた塗布液を上記
アルミニウム基板上に浸漬コーティング法で塗布し、1
00℃において5分間加熱乾燥させることにより、膜厚
0.2μmの電荷発生層を形成した。膜形成後、X線回
折測定を行ったところ、チタニルフタロシアニン結晶は
結晶転移をしていないことが確認された。
【0025】次に、下記構造式(1)で示されるN,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス(m−トリル)ベン
ジジン2部および下記構造式(2)の繰り返し構造単位
で示されるポリ(シクロヘキシリデン−ビス−p−フェ
ニレンカーボネート)3部をモノクロロベンゼン20部
に溶解し、得られた塗布液を上記電荷発生層上に浸漬コ
ーティング法で塗布し、120℃で1時間加熱乾燥し
て、膜厚20μmの電荷輸送層を形成することにより、
電子写真感光体を作製した。
【0026】
【化1】 実施例4 実施例3において、電荷発生材料として、実施例1で得
られたチタニルフタロシアニン結晶に代えて実施例2で
得られたチタニルフタロシアニン結晶を用いた以外は、
実施例3と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0027】比較例1 実施例3において、電荷発生材料として、実施例1で得
られたチタニルフタロシアニン結晶に代えて合成例で得
られたチタニルフタロシアニン結晶を用いた以外は、実
施例3と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0028】比較例2 合成例で得られたチタニルフタロシアニン結晶10部
を、トリフルオロ酢酸30部、フェノール30部及びク
ロロホルム60部の混合溶媒に溶解させた。この溶液を
クロロホルム2000部中に撹拌しながら注入して再結
晶させた。これを濾過した後、クロロホルム1000部
中で懸濁洗浄を行った。これを再度濾過した後、メタノ
ール1000部中で懸濁洗浄を行った。さらに、この濾
過およびメタノール洗浄とからなる操作を3回繰り返し
行った。さらに濾過した後60℃で減圧乾燥することに
より、チタニルフタロシアニン結晶6部を得た。得られ
たチタニルフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を、図
4に示す。実施例3において、電荷発生材料として、実
施例1で得られたチタニルフタロシアニン結晶に代えて
上記で得られたチタニルフタロシアニン結晶を用いた以
外は、実施例3と同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0029】実施例3、4および比較例1、2で製造し
た各電子写真感光体について、下記のようにして電気特
性を測定した。静電複写紙試験装置(EPA−810
0、川口電機社製)を用いて、常温常湿(20℃、50
%RH)の環境下に−6kVのコロナ放電を行い、感光
体表面を帯電させた後、タングステンランプの光をモノ
クロメーターにより800nmの単色光に分光し、感光
体表面上で1μW/cm2 になるように調製し、照射し
た。そして、その初期表面電位VO (ボルト)の1/2
になるまでの露光量E1/2(erg/cm2 )を測定
し、その後10ルックスのタングステン光を感光体表面
に1秒間照射し、その残留電位VR (ボルト)を測定し
た。さらに、上記の帯電、露光を1000回繰り返した
後のVO 、E1/2 およびVR を測定した。それらの結果
を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明のチタニルフタロシアニン結晶
は、上記のように新規な結晶型を有するものであって、
感光波長域が長波長まで伸びているため、半導体レーザ
ーを利用するプリンター等の電子写真感光体用の光導電
材料として非常に有用である。また、上記の新規な結晶
型を有するチタニルフタロシアニン結晶を用いて形成さ
れた本発明の電子写真感光体は、優れた感度および耐久
性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたチタニルフタロシアニン
結晶の粉末X線回折図を示す。
【図2】 実施例2で得られたチタニルフタロシアニン
結晶の粉末X線回折図を示す。
【図3】 合成例で得られたチタニルフタロシアニン結
晶の粉末X線回折図を示す。
【図4】 比較例2で得られたチタニルフタロシアニン
結晶の粉末X線回折図を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CuKα(波長1.541オングストロ
    ーム)を用いて測定したX線回折図において、ブラッグ
    角度(2θ±0.2°)の少なくとも7.0°、9.2
    °、9.8°、12.0°、13.2°、14.9°、
    17.5°、20.9°、及び26.6°に回折ピーク
    を有することを特徴とする新規チタニルフタロシアニン
    結晶。
  2. 【請求項2】 導電体支持体上に、請求項1に記載のチ
    タニルフタロシアニン結晶を含有する感光層を形成した
    ことを特徴とする電子写真感光体。
JP30235495A 1995-11-21 1995-11-21 チタニルフタロシアニン結晶及びそれを用いた電子写真感光体 Pending JPH09143385A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30235495A JPH09143385A (ja) 1995-11-21 1995-11-21 チタニルフタロシアニン結晶及びそれを用いた電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30235495A JPH09143385A (ja) 1995-11-21 1995-11-21 チタニルフタロシアニン結晶及びそれを用いた電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09143385A true JPH09143385A (ja) 1997-06-03

Family

ID=17907909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30235495A Pending JPH09143385A (ja) 1995-11-21 1995-11-21 チタニルフタロシアニン結晶及びそれを用いた電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09143385A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3092270B2 (ja) 新規なジクロロスズフタロシアニン結晶の製造方法及びその結晶を用いた電子写真感光体
JP2584682B2 (ja) チタニルフタロシアニン結晶を用いた電子写真感光体
JPH05279591A (ja) ヒドロキシガリウムフタロシアニンの新規な結晶の製造方法とその方法で製造された結晶を用いる電子写真感光体
JPH05263007A (ja) ヒドロキシガリウムフタロシアニンの新規な結晶、その新規な結晶よりなる光導電材料およびそれを用いた電子写真感光体
JP3028004B2 (ja) クロロガリウムフタロシアニンの新規な結晶の製造方法及びその結晶を用いた電子写真感光体
US5362589A (en) Electrophotographic photoreceptor containing phthalocyanine mixed crystals
JP2541030B2 (ja) ヒドロキシインジウムフタロシアニンの新規結晶及びそれを用いた電子写真感光体
JP2819745B2 (ja) バナジルフタロシアニン結晶、その製造方法及び電子写真感光体
JPH09143385A (ja) チタニルフタロシアニン結晶及びそれを用いた電子写真感光体
JP2965400B2 (ja) ジクロロスズフタロシアニン結晶およびそれを用いた電子写真感光体
JP2541031B2 (ja) ジクロロスズフタロシアニン結晶およびそれを用いた電子写真感光体
JP2586854B2 (ja) ジクロロスズフタロシアニン結晶およびそれを用いた電子写真感光体
JPH05247361A (ja) クロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法
JPH0693203A (ja) ハロゲン含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶およびそれを用いた電子写真感光体
JPH0753559A (ja) 金属フタロシアニン化合物およびそれを用いた電子写真感光体
JPH08283599A (ja) チタニルフタロシアニン顔料の製造方法及びかかる方法によって得られるチタニルフタロシアニン顔料を含有する電子写真感光体
JPH0593150A (ja) ヒドロキシアルミニウムフタロシアニンの新規結晶、該新規結晶よりなる光導電材料及びそれを用いた電子写真感光体
JP2586855B2 (ja) ヒドロキシインジウムフタロシアニンの新規結晶及びそれを用いた電子写真感光体
JP2586856B2 (ja) ヒドロキシインジウムフタロシアニンの新規結晶及びそれを用いた電子写真感光体
JP2586859B2 (ja) ヒドロキシインジウムフタロシアニンの新規結晶及びそれを用いた電子写真感光体
JP2586858B2 (ja) ヒドロキシインジウムフタロシアニンの新規結晶及びそれを用いた電子写真感光体
JP3189495B2 (ja) 金属フタロシアニン化合物およびそれを用いた電子写真感光体
JP2586857B2 (ja) ヒドロキシインジウムフタロシアニンの新規結晶及びそれを用いた電子写真感光体
JP2542716B2 (ja) ε型ニッケルフタロシアニン化合物およびそれを用いた電子写真感光体
JPH06234937A (ja) フタロシアニン混合結晶、その製造方法および得られた混合結晶を用いた電子写真感光体