JPH0693203A - ハロゲン含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

ハロゲン含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶およびそれを用いた電子写真感光体

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JPH0693203A
JPH0693203A JP26908092A JP26908092A JPH0693203A JP H0693203 A JPH0693203 A JP H0693203A JP 26908092 A JP26908092 A JP 26908092A JP 26908092 A JP26908092 A JP 26908092A JP H0693203 A JPH0693203 A JP H0693203A
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hydroxygallium phthalocyanine
crystal
phthalocyanine crystal
resin
halogen atom
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Katsumi Nukada
克己 額田
Katsumi Daimon
克己 大門
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な結晶型を有するハロゲン原子含有ヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶およびそれを用いた
電子写真感光体を提供する。 【構成】 ハロゲン原子含有ヒドロキシガリウムフタロ
シアニン結晶は、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の
(1)7.7°、16.5°、25.1°および26.
6°、(2)7.9°、16.5°、24.4°および
27.6°、(3)7.0°、7.5°、10.5°、
11.7°、12.7°、17.3°、18.1°、2
4.5°、26.2°および27.1°、(4)7.5
°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、
25.1°および28.3°、または(5)6.8°、
12.8°、15.8°および26.0°に強い回折ピ
ークを有する。これを感光層中に含有する電子写真感光
体は、高い光感度と優れた安定性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規結晶型を有するハ
ロゲン原子含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶
およびそれを用いた電子写真用感光体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】フタロシアニン化合物は、塗料、印刷イ
ンキ、触媒あるいは電子材料として有用な材料であり、
特に近年、電子写真感光体用材料、光記録用材料および
光変換材料として広範な用途が検討されている。一般
に、フタロアシアニン化合物は、その製造方法或いは処
理方法の相違により多数の結晶型を示すこと、そして、
その結晶型の違いはフタロシアニン化合物の光電変換特
性に大きな影響を及ぼすことが知られている。フタロシ
アニン化合物の結晶型については、例えば、銅フタロシ
アニンについてみると、安定系のβ型以外に、α、π、
χ、ρ、γ、δ等の結晶型が知られており、これらの結
晶型は、機械的歪力、硫酸処理、有機溶剤処理および熱
処理等により相互に転移が可能であることが知られてい
る。(例えば、米国特許第2770629号、同第31
60635号、同第3708292号および、同第33
57989号明細書等)。また、特開昭50−3854
3号公報等には、銅フタロシアニンの結晶型の違いと電
子写真感度について記載されている。銅フタロシアニン
以外にも、メタルフリーフタロシアニン、ヒドロキシガ
リウムフタロシアニン、クロルアルミニウムフタロシア
ニン、クロルインジウムフタロシアニン等について、種
々の結晶型のものを電子写真感光体に用いることが提案
されている。
【0003】ヒドロキシガリウムフタロシアニンについ
ては、特開平1−221459号公報には、アシッドペ
ースティング法によって得られた結晶型と電子写真特性
について記載されている。また、ヒドロキシガリウムフ
タロシアニンの製造については、Bull.Soc.C
him.,France,23(1962)にクロロガ
リウムフタロシアニンから硫酸を用いたアシッドペース
ティングを行ない製造する方法、Inorg.Che
m.(1980)、19,3131に水酸化アンモニウ
ムとピリジンを用いて加水分解する方法が報告されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、フタロ
シアニン化合物については、種々の提案がなされている
が、さらに高性能な材料の開発が望まれている。本発明
は、このような事情に鑑みてなされたものであって、そ
の目的は、特性の安定した電子写真感光体を製造するの
に有用な新規な結晶型を有するハロゲン原子含有ヒドロ
キシガリウムフタロシアニン結晶を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、特性の安定した電子写真感光
体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々のフ
タロシアニンの結晶型と電子写真特性という観点で検討
を行なった結果、ハロゲン原子を含有するヒドロキシガ
リウムフタロシアニンについて、新規な5種の結晶型を
見出だし、そしてこれらが電子写真感光体として優れる
ことを発見し、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明のハロゲン原子含有ヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶は、ブラッグ角度(2θ±0.
2°)の ブラッグ角度(2θ±0.2°)の 1)7.7°、16.5°、25.1°および26.6
° 2)7.9°、16.5°、24.4°および27.6
° 3)7.0°、7.5°、10.5°、11.7°、1
2.7°、17.3°、18.1°、24.5°、2
6.2°および27.1° 4)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、1
8.6°、25.1°および28.3°、または 5)6.8°、12.8°、15.8°および26.0
° に強い回折ピークを有することを特徴とする。本発明の
電子写真感光体は、電荷発生材料として、感光層中に上
記の結晶型を有するハロゲン原子含有ヒドロキシガリウ
ムフタロシアニン結晶を含有することを特徴とする。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、ハロゲン原子含有ヒドロキシガリウムフ
タロシアニンを得るための原料としては、ハロゲン化ガ
リウムフタロシアニンが使用される。ハロゲン化ガリウ
ムフタロシアニンの合成方法については、D.C.
R.Acad.Sci.,(1956)、242、10
26に3塩化ガリウムとジイミノイソインドリンを反応
させる方法、特公平3−30854号公報に3塩化ガ
リウムとフタロニトリルを反応させる方法、特開平1
−221459号公報に3塩化ガリウムとフタロニトリ
ルをブチルセロソルブ中DBUを触媒に用いて反応させ
る方法、Inorg、Chem、(1980)、1
9,3131に3塩化ガリウムとフタロニトリルをキノ
リン中反応させる方法、特開昭59−133551号
公報に3臭化ガリウムとフタロニトリルを反応させる方
法、特開昭60−59354号公報に3ヨウ化ガリウ
ムとフタロニトリルを反応させる方法、等が記載されて
いるが、本発明においては、それ等の如何なる方法を用
いて合成してもよい。これらの方法で合成したハロゲン
化ガリウムフタロシアニンは、次いで酸または塩基を用
いて加水分解し、それによりハロゲン原子含有ヒドロキ
シガリウムフタロシアニンが得られる。
【0008】酸としては、溶解度の高いトリクロロ酢
酸、トリフルオロ酢酸、りん酸、メタンスルホン酸、塩
酸、硝酸、硫酸等を用いることができるが、特に硫酸が
溶解度が高く、発煙性もなく取り扱いやすいため好まし
い。用いる酸の量は、ハロゲン化ガリウムフタロシアニ
ン1部に対し2〜70部の範囲であるが、10〜50部
を用いることが好ましい。また、溶解させる温度として
は0〜100℃の範囲が採用され、5〜80℃が好まし
い。ヒドロキシガリウムフタロシアニンを析出させる溶
剤としては、水、水と有機溶剤の混合溶剤、水溶性アル
カリの水溶液などが用いられる。溶剤の量は、用いる酸
1部に対して、2〜20部の範囲が採用され、5〜15
部の範囲が好ましい。析出させる溶剤の温度は、激しい
発熱を避けるため、10℃以下に設定することが好まし
い。
【0009】また、塩基としては、水酸化アンモニウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強塩基が好
ましく、これらの水溶液あるいは、アルコール、ピリジ
ン、キノリン等の有機溶剤溶液が用いられる。塩基はハ
ロゲン化ガリウムフタロシアニンに対し、少なくとも1
当量以上用いる。また、加水分解を促進するために加熱
することも有効である。
【0010】上記のようにして加水分解により得られた
ヒドロキシガリウムフタロシアニンにはハロゲン原子が
含有されており、その推定構造式は、下記一般式で示さ
れる。
【化1】 (式中、XはCl、BrまたはIであり、nは0よりも
大きい数を表わす。)
【0011】上記のようにして得られたハロゲン原子含
有ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、次いで、溶剤
処理を行い、所望の結晶型のものを得る。その場合、直
接溶剤処理を行なってもよいが、合成によって得られた
ハロゲン原子含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結
晶を、溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニー
ダー等を用いて湿式粉砕処理を行なうか、溶剤を用いず
に乾式粉砕処理を行なった後に溶剤処理を行ってもよ
い。
【0012】上記の溶剤処理において使用される溶剤と
しては、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチル
ピロリドン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル
等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、
さらには数種の混合系、水とこれら有機溶剤の混合系等
があげられる。
【0013】具体的には、ブラッグ角度(2θ±0.
2°)の7.7°、16.5°、25.1°および2
6.6°に強い回折ピークを有する結晶型のハロゲン原
子含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(図4参
照)を得るためには、メタノール、エタノール等のアル
コール類、エチレングリコール、グリセリン、ポリエチ
レングリコール等のグリコール類、トルエン、キシレン
等の芳香族類、ジメチルスルホキシド等が使用される。
同じく7.9°、16.5°、24.4°および2
7.6°に強い回折ピークを有する結晶型のハロゲン原
子含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(図5参
照)を得るためには、ジメチルホルムアミド、N−メチ
ルピロリドン等のアミド類、ピリジン、ピペリジン等の
有機アミン類、ジメチルスルホキシド等が使用される。
同じく7.0°、7.5°、10.5°、11.7
°、12.7°、17.3°、18.1°、24.5
°、26.2°および27.1°に強い回折ピークを有
する結晶型のハロゲン原子含有ヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン結晶(図6参照)を得るためには、ベンジル
アルコール等の芳香族アルコール類等が使用される。
同じく7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、
18.6°、25.1°および28.3°に強い回折ピ
ークを有する結晶型のハロゲン原子含有ヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶(図3および図8参照)を得る
ためには、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン等のアミド類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エス
テル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等
が使用される。同じく6.8°、12.8°、15.
8°および26.0°に強い回折ピークを有する結晶型
のハロゲン原子含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶(図7参照)を得るためには、エチレングリコー
ル、グリセリン、ポリエチレングリコール等のグリコー
ル類等が使用される。
【0014】これ等の溶剤の使用量は、ヒドロキシガリ
ウムフタロシアニンに対して、1〜200部の範囲であ
り、好ましくは10〜100部の範囲で用いる。処理温
度は、0〜150℃の範囲であり、好ましくは室温〜1
00℃の範囲に設定される。また、粉砕の際に食塩、ぼ
う硝酸等の磨砕助剤を用いることもできる。磨砕助剤
は、顔料に対し0.5〜20部、好ましくは1〜10部
の範囲で用いる。
【0015】次に、上記の方法で製造したハロゲン原子
含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用いた本
発明の電子写真用感光体について説明する。図9ないし
図12は、本発明の電子写真用感光体の一例の断面を示
す模式図である。図9においては導電性支持体3上に電
荷発生層1が設けられ、その上に電荷輸送層2が設けら
れている。図10においては、導電性支持体3上にさら
に下引層4が設けられており、また、図11において
は、表面に保護層5が設けられている。さらに図12に
おいては、下引層4と保護層5の両者が設けられてい
る。なお、以下には、感光層が積層構造を有する場合に
ついて説明するが、本発明における電子写真感光体にお
いて、感光層は単層構造を有していてもよい。
【0016】導電性支持体としては、アルミニウム、ニ
ッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、およびアル
ミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレ
ス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO
等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等あるいは導電
性付与剤を塗布、または、含浸させた紙、およびプラス
チックフィルム等があげられる。これらの導電性支持体
は、ドラム状、シート状、プレート状等、適宜の形状の
ものとして使用されるが、これらに限定されるものでは
ない。さらに必要に応じて導電性支持体の表面は、画質
に影響のない範囲で各種の処理を行うことができる。例
えば、表面の酸化処理、薬品処理および着色処理等の表
面処理または砂目立て等の乱反射処理等を行なうことが
できる。
【0017】また、導電性支持体と電荷発生層の間にさ
らに下引層を設けてもよい。この下引層は、帯電時にお
いて、導電性支持体から感光層への電荷の注入を阻止す
るとともに、感光層を導電性支持体に対して一体的に接
着保持させる接着層としての作用、あるいは場合によっ
ては導電性支持体の反射光防止作用等を示す。この下引
層に用いる樹脂は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂、アクリル樹脂等があげられ、さらにジルコニウム
キレート化合物、チタニルキレート化合物、チタニルア
ルコキシド化合物、有機チタニル化合物、シランカップ
リング剤等の公知の材料を用いることができる。下引層
の厚みは0.01〜10μmの範囲に設定され、好まし
くは0.05〜2μmの範囲である。
【0018】電荷発生層は、上記した方法により製造さ
れたハロゲン原子含有ヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン結晶および結着樹脂から構成される。結着樹脂は、広
範な絶縁性樹脂から選択することができ、また、ポリ−
N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポ
リビニルピレン等の有機光導電性ポリマーから選択する
こともできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニル
ブチラール、ポリアリレート(ビスフェノールAとフタ
ル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共合体、
ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、
ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン等の絶縁性樹脂をあげることがで
きる。
【0019】ハロゲン原子含有ヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン結晶と結着樹脂の配合比(重量比)は10:
1〜1:10の範囲が好ましい。また、これら結晶を分
散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライタ
ー分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いるこ
とができるが、この際、分散によって前記ハロゲン原子
含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の結晶型が
変化しない条件が必要とされる。ちなみに本発明で実施
する前記の分散法のいずれについても、分散前後で結晶
型が変化していないことが確認されている。さらにこの
分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μ
m以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイ
ズにすることが有効である。またこれらの分散に用いる
溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセ
ルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロラ
イド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通
常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いるこ
とができる。また、電荷発生層の厚みは、一般には0.
1〜5μmの範囲であり、好ましくは0.2〜2.0μ
mの範囲である。
【0020】本発明の電子写真用感光体における電荷輸
送層は、電荷輸送材料を適当な結着樹脂中に含有させて
形成されている。電荷輸送材料としては、2,5−ビス
(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1−[ピリジ
ル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−
5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピ
ラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、ジベンジルアニ
リン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N′−ジフェ
ニル−N,N′−ビス−(3−メチルフェニル)−
[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン等の芳
香族第3級ジアミノ化合物、4−ジエチルアミノベンズ
アルデヒド−1,1′−ジフェニルヒドラゾン等のヒド
ラゾン誘導体、p−(2,2′−ジフェニルビニル)−
N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体
等公知の電荷輸送材料を用いることができる。また、ポ
リ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリビ
ニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアク
リジン、ポリ−9−ビフェニルアントラセン、ピレン−
ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムア
ルデヒド樹脂等の半導電性高分子も用いることもできる
が、これらに限定されるものではない。また、これらの
電荷輸送材料は単独あるいは2種以上混合して用いるこ
とができる。
【0021】さらに電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹
脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート
樹脂、スチレンブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重
合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェ
ノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド
樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の公知の樹脂を
用いることができるが、これらに限定されるものでな
い。またこれらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合
して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との
配合比(重量比)は10:1〜1:5が好ましい。電荷
輸送層の厚みは一般的には、5〜50μm、好ましくは
10〜30μmが適当である。
【0022】さらに必要に応じて電荷輸送層の上に保護
層を設けてもよい。保護層は公知の樹脂材料を用いて形
成することができ、所望に応じて導電性微粉末を含有さ
せることができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。 合成例1 α−クロロナフタレン1500mlに、3塩化ガリウム
100部、オルトフタロニトリル291部を加え、窒素
気流下200℃で4時間反応した後、生成したクロロガ
リウムフタロシアニン結晶をろ別した。得られたウエッ
トケーキをジメチルホルムアミド(DMF)1000m
lに分散させ、150℃で30分加熱撹拌した。ろ別
後、メタノールで十分洗浄し、乾燥して、156部(4
4.1%)のクロロガリウムフタロシアニン結晶を得
た。分析の結果、塩素原子の含有量は、5.84%であ
った。なお、計算値(C32166 GaClとして)は
5.74%である。
【0024】合成例2 α−クロロナフタレン100mlに、3塩化ガリウム1
0部、オルトフタロニトリル29.1部を加え、窒素気
流下200℃で24時間反応した後、生成したクロロガ
リウムフタロシアニン結晶をろ別した。得られたウエッ
トケーキをDMF1000mlに分散させ、150℃で
30分加熱撹拌した。ろ別後、メタノールで十分洗浄
し、乾燥して、28.9部(82.5%)のクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶を得た。塩素原子の含有量は、
6.49%であった。
【0025】合成例3 o−ジクロロベンゼン100ml、3塩化ガリウム10
部、オルトフタロニトリル29.1部を加え、窒素気流
下で4時間反応した後、生成したクロロガリウムフタロ
シアニン結晶をろ別した。得られたウエットケーキをD
MF1000mlに分散させ、150℃で30分間加熱
撹拌した。ろ別後、メタノールで十分洗浄し、乾燥し
て、12.2部(34.6%)のクロロガリウムフタロ
シアニン結晶を得た。塩素原子の含有量は、10.09
%であった。
【0026】合成例4 o−ジクロロベンゼンの代わりにp−ジクロロベンゼン
を用いた以外は、合成例2と同様に反応させ、洗浄し
て、5.1部(14.5%)のクロロガリウムフタロシ
アニン結晶を得た。塩素原子の含有量は、9.73%で
あった。
【0027】合成例5 合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
6部を濃硫酸180部に0℃にて溶解した後、5℃で蒸
留水900部に上記溶液を滴下し、結晶を再析出させ
た。蒸留水で十分に洗浄し、粉末X線回折を測定した。
粉末X線回折図を図1に示す。さらに、希アンモニア水
を加えると、濃緑色から濃青色に変色した。その粉末X
線回折図を図2に示す。さらに蒸留水で十分洗浄した
後、乾燥して、5.1部のハロゲン原子含有ヒドロキシ
ガリウムフタロシアニン結晶を得た。塩素原子の含有量
は、0.35%であった。
【0028】合成例6〜8 合成例2〜4で得られたクロロガリウムフタロシアニン
結晶6部を用いた以外は合成例5と同様にして塩素原子
含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。塩
素原子の含有量は、それぞれ0.96%(合成例6)、
4.78%(合成例7)および4.35%(合成例8)
であった。
【0029】実施例1〜8 上記合成例5〜8で得られた塩素原子含有ヒドロキシガ
リウムフタロシアニン結晶0.5部を、表2に示す溶剤
15部に入れ、直径1mmのガラスビーズ30部ととも
に24時間ミリングした後、結晶を分離し、メタノール
で洗浄乾燥して、塩素原子含有ヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン結晶を得た。それらの粉末X線回折図を図3
〜図8に示す。それらの関係を表1にまとめて示す。な
お、表中、HOGaPc−Clx は塩素原子含有ヒドロ
キシガリウムフタロシアニン結晶を意味する。
【0030】
【表1】
【0031】実施例9 アルミニウム基板上にジルコニウム化合物(商品名:オ
ルガチックスZC540、マツモト製薬社製)10部お
よびシラン化合物(商品名:A1110、日本ユニカー
社製)1部とi−プロパノール40部およびブタノール
20部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、1
50℃において10分間加熱乾燥して、膜厚0.5μm
の下引層を形成した。次に実施例1で得られた塩素原子
含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.1部を
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−
S、積水化学社製)0.1部および酢酸n−ブチル10
部と混合し、ガラスビーズと共にペイントシェーカーで
1時間処理して分散した後、得られた塗布液を、上記下
引層上にワイヤーバーNo.5で塗布し、100℃にお
いて10分間加熱乾燥して、膜厚約0.15μmの電荷
発生層を形成した。この場合、分散後の前記ヒドロキシ
ガリウムフタロシアニン結晶の結晶形はX線回折によっ
て分散前の結晶形と比較して変化していないことを確認
した。次に、下記式(I)で示される化合物2部と下記
式(II)で示される単量体単位よりなるポリカーボネー
ト樹脂3部を、モノクロロベンゼン20部に溶解し、得
られた塗布液を、電荷発生層が形成されたアルミニウム
基板上に浸漬コーティング法で塗布し、120℃におい
て1時間加熱乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形
成した。
【化2】
【0032】このようにして得られた電子写真用感光体
について、フラットプレートスキャナーを用いてその電
子写真特性の評価を行った。すなわち、常温常湿(20
℃、40%RH)の環境下、−2.5μAのコロナ放電
を行ない、V0 (V)に帯電させ、1秒放置しVDDP
(V)を測定し、暗減衰率DDR(DDR=V0 −VDD
P /V0 ×100(%)を計算した。その後、タングス
テンランプの光を、モノクロメーターを用いて780n
mの単色光にし、感光体表面上で0.25μmW/cm
2 になるように調整して照射し、初期感度(dV/d
E、V・cm2 /erg)を測定した。その結果を表2
に示す。
【0033】実施例10〜16、比較例1 表2に示す塩素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶を用いた以外は、実施例9と同様に電子写真用感光
体を作製し、同様に評価した。それらの結果を表2に示
す。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明のハロゲン原子含有ヒドロキシガ
リウムフタロシアニン結晶は、新規な結晶型を有するも
のであって、電荷発生材料として電子写真感光体を製造
するのに有用なものである。また、このハロゲン原子含
有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用いて得ら
れた本発明の電子写真感光体は、上記実施例の結果から
も明らかなように、高い光感度を有し、安定性に優れた
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成例5で得られた粗製塩素含有ヒドロキシ
ガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図。
【図2】 合成例5で得られた精製塩素含有ヒドロキシ
ガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図。
【図3】 実施例1で得られた塩素含有ヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図。
【図4】 実施例2で得られた塩素含有ヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図。
【図5】 実施例3で得られた塩素含有ヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図。
【図6】 実施例4で得られた塩素含有ヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図。
【図7】 実施例5で得られた塩素含有ヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図。
【図8】 実施例7で得られた塩素含有ヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図。
【図9】 本発明の電子写真用感光体の一例の断面を示
す模式図。
【図10】 本発明の電子写真用感光体の他の一例の断
面を示す模式図。
【図11】 本発明の電子写真用感光体の他の一例の断
面を示す模式図。
【図12】 本発明の電子写真用感光体の他の一例の断
面を示す模式図。
【符号の説明】
1…電荷発生層、2…電荷輸送層、3…導電性支持体、
4…下引層、5…保護層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラッグ角度(2θ±0.2°)の 1)7.7°、16.5°、25.1°および26.6
    ° 2)7.9°、16.5°、24.4°および27.6
    ° 3)7.0°、7.5°、10.5°、11.7°、1
    2.7°、17.3°、18.1°、24.5°、2
    6.2°および27.1° 4)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、1
    8.6°、25.1°および28.3°、または 5)6.8°、12.8°、15.8°および26.0
    ° に強い回折ピークを有するハロゲン原子含有ヒドロキシ
    ガリウムフタロシアニン結晶。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のハロゲン原子含有ヒドロ
    シガリウムフタロシアニン結晶を感光層中に含有するこ
    とを特徴とする電子写真用感光体。
JP26908092A 1992-08-26 1992-09-14 ハロゲン含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶およびそれを用いた電子写真感光体 Pending JPH0693203A (ja)

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