JP2827915B2 - 電子写真用感光材料およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

電子写真用感光材料およびそれを用いた電子写真感光体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なベンジジン系化
合物よりなる電子写真用感光材料およびそれを用いた電
子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ベンジジン化合物を電子写真感光体の光
導電材料として用いることは、よく知られている。例え
ば、特公昭39−11546号公報、特公昭39−11
549号公報、特開昭61−132955号公報、米国
特許第4,047,948号明細書、米国特許第4,2
99,897号明細書等に種々のベンジジン化合物およ
びそれを用いた電子写真感光体が提案されている。この
うち、特に、テトラアリールベンジジン化合物が有効で
ある。電子写真感光体に用いられる電荷輸送材料には、
溶解性、モビリティー、酸化電位のマッチング等の種々
の特性が要求されるが、これら要求を満たすためには、
置換基を導入して、物性をコントロールすることが一般
に知られている。テトラアリールベンジジン化合物の置
換基としては、米国特許第4,047,948号明細
書、米国特許第4,299,897号明細書に示された
ようなアルキル基、特開昭61−132955号公報に
示されたようなハロゲン原子およびアルコキシ基、特開
昭62−267749号公報に示されたようなカルボア
ルコキシ基およびジアルキルアミノ基、特開平3−13
8654号公報に示されたようなアルデヒドヒドラゾン
基、特開平4−290851号公報に示されたようなス
チリル基、特開平5−6010号公報に示されたような
フルオロアルキル基が知られている。また、ベンジジン
化合物は電子写真用感光体のみでなく、特開昭63−2
95695号公報および特開平4−300854号公報
に開示されているように、有機電界発光素子の材料とし
ても有効である。また、ベンジジン系化合物を種々の電
荷発生材料と組み合わせて用いることも種々提案されて
いる。例えば、特開昭61−124949号公報にはト
リスアゾ化合物、特開昭62−95536号公報にはジ
ブロモアントアントロン、特開昭62−112163号
公報にはシアニン色素、特開昭62−200360号公
報には酸化亜鉛、特開昭63−113468号公報には
スクアリリウム化合物、特開昭63−113467号公
報にはビスアゾ化合物、特開昭63−210943号公
報には無金属フタロシアニンを、それぞれベンジジン化
合物と組み合わせた電子写真用感光体が開示されてい
る。以上のように、ベンジジン化合物は、電子写真感光
感光体および有機電子デバイスにおいて有効な材料であ
るが、一方で、溶剤や樹脂に対する溶解性、相溶性が悪
いため、結晶化しやすいという製造上或いは特性上に欠
点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような実情に鑑みてなされたものであ
る。したがって、本発明の目的は、溶解性、相溶性に優
れたベンジジン系化合物よりなる新規な電子写真用感光
材料を提供することにある。本発明の他の目的は、新規
なベンジジン系化合物を含有する電子写真感光体を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記欠点
に鑑み鋭意検討した結果、特定のアルコキシ、アリール
オキシまたはベンジルオキシ置換アルキル基を有する一
連の新規なテトラアリールベンジジン化合物が、溶解
性、相溶性に優れており、そして電子写真用感光材料と
して、従来提案されているビスアゾ顔料、フタロシアニ
ン顔料、スクアリリウム顔料、ペリレン顔料、ジブロモ
アントアントロン等の如何なる電荷発生材料とも組み合
わせて用いることができること、さらに、本発明者等が
提案した特開平5−98181号公報に開示されたハロ
ゲン化ガリウムフタロシアニン結晶、特開平5−140
472号公報および特開平5−140473号公報に開
示されたハロゲン化スズフタロシアニン結晶、特開平5
−263007号公報および特開平5−279591号
公報に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン結
晶、特開平4−189873号公報および特開平5−4
3813号公報に開示されたチタニルフタロシアニン水
和物結晶を用いることにより、特に高感度で、繰り返し
安定性に優れた電子写真感光体が得られることを見出だ
し、本発明を完成するに至った。
【0005】本発明の電子写真用感光材料は、下記一般
式(I)で示されるベンジジン系化合物よりなることを
特徴とする。
【化3】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基または置換ア
ミノ基を表し、R4 はアルキル基、置換または未置換の
アリール基、またはアラルキル基を表し、nは1〜5の
整数を意味する。) 本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を
設けてなり、該感光層が、電荷輸送材料として、上記一
般式(I)で示されるベンジジン系化合物を含有するこ
とを特徴とする。
【0006】本発明の上記一般式(I)で示されるベン
ジジン系化合物は、文献未記載の新規な化合物であっ
て、ヒドロキシアルキル基を有するテトラアリールベン
ジジン化合物を硫酸ジアルキルまたはヨウ化アルキル等
と反応させてヒドロキシアルキル基をエーテル化する方
法、またはJ. Amer. Chem. Soc., 94, 3659 (1972)に記
載されたように、カルボニル基を有するテトラアリール
ベンジジン化合物を所望のアルコール系溶剤中でトリア
ルキルシランを用い、酸触媒の存在下で還元エーテル化
する方法によって合成することができる。また、Protec
tive Group in Organic Synthesis (1981), (John Wile
y & Sons, Inc.出版) に記載されているエトキシチタン
でチタン化した後、アルキルハライドを用いエーテル化
する方法、またはジアゾメタンでメチルエーテル化する
方法等によって合成することができる。
【0007】ヒドロキシアルキル基をエーテル化する方
法により合成する場合、使用する試薬としては、具体的
には、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、ヨウ化メチル、ヨ
ウ化エチル等から任意に選ぶことができ、ヒドロキシア
ルキル基に対し0.9〜3当量、好ましくは1〜2当量
用いればよい。その際、塩基触媒として、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウムおよびナトリ
ウム金属から任意に選ばれたものを、ヒドロキシアルキ
ル基に対し0.9〜3当量、好ましくは1〜2当量用い
ればよい。反応は、0℃ないし使用溶剤の沸点の範囲内
の温度で行うことができる。また、その際用いる溶媒と
しては、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、テトラヒ
ドロフラン、N,N′−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスホキシド、N−メチルピロリドンおよび1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン等があげられ、それらか
ら選択された単独の溶媒或いは2〜3種の混合溶媒を使
用することができる。また、反応によっては層間移動触
媒として、テトラ−n−ブチルアンモニウムアイオダイ
ド等の4級アンモニウム塩を使用することができる。
【0008】また、カルボニル基を有するテトラアリー
ルベンジジン化合物を還元エーテル化する方法は、以下
のようにして行うことができる。アルコール系溶剤とし
て、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール、ま
たはフェノール、ベンジルアルコール等の芳香族アルコ
ールを使用し、また、原料のトリアルキルシランとし
て、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリヘキシ
ルシラン等を使用する。酸触媒としては、硫酸、リン酸
等の無機酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、
トリフルオロ酢酸等の有機酸が使用できる。これらの使
用量については、カルボニル基を有するテトラアリール
ベンジジン化合物1モルに対し、トリアルキルシランは
等モルないし若干多量に用い、またアルコール系溶剤は
等モル以上、好ましくは2〜100モル用いる。酸触媒
は触媒量を用いれば十分であるが、反応が遅い場合には
5〜10モル程度加えてもよい。反応温度は反応の進行
度合により任意に設定できる。
【0009】本発明における上記一般式(I)で示され
るベンジジン系化合物は、電子写真用感光材料として有
用であり、感光層において、適当なバインダー中に含有
させて用いることができる。本発明において、電子写真
用感光材料として使用することができるベンジジン系化
合物の具体例としては、表1および表2に示すものがあ
げられる。なお、表1および表2における数字は、置換
位置を示す。ただし、R4 の欄における括弧内の数字は
−(CH2 )n−O−R4 基の置換位置を意味する。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】 上記ベンジジン系化合物は、それらを単独で使用しても
よいが、酸化電位等をコントロールする目的で2種以上
混合して用いてもよい。また、他の公知の材料と混合し
て用いてもよい。
【0012】次に、上記ベンジジン系化合物を用いた本
発明の電子写真感光体について説明する。図4(a)な
いし(f)は、本発明の電子写真用感光体の断面を示す
模式図である。図4(a)においては、導電性支持体3
上に電荷発生層1が設けられ、その上に電荷輸送層2が
設けられている。図4(b)においては、更に、導電性
支持体3上に下引き層4が設けられており、また、図4
(c)においては、表面に保護層5が設けられている。
更に、図4(d)においては、下引き層4と保護層5の
両者が設けられている。図4(e)および(f)は感光
層6が単層構成のものであって、図4(f)には下引き
層4が設けられている。
【0013】導電性支持体としては、アルミニウム、ニ
ッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、およびアル
ミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレ
ス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO
等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等或いは導電性
付与剤を塗布、または、含浸させた紙、およびプラスチ
ックフィルム等があげられる。これらの導電性支持体
は、ドラム状、シート状、プレート状等、適宜の形状の
ものとして使用されるが、これらに限定されるものでは
ない。更に必要に応じて導電性支持体の表面は、画質に
影響のない範囲で各種の処理を行うことができる。例え
ば、表面の酸化処理や薬品処理、および、着色処理等、
または砂目立て等の乱反射処理を行うこともできる。
【0014】また、導電性支持体と電荷発生層の間に下
引き層を設けてもよい。下引き層は積層構造からなる感
光層の帯電時において、導電性支持体から感光層への電
荷の注入を阻止するとともに、感光層を導電性支持体に
対して一体的に接着保持せしめる接着層としての作用、
或いは場合によっては導電性支持体の光の反射光防止作
用等を行う。下引き層に用いる材料としては、ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタク
リル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポリエステ
ル樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリ
グルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱
粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ジルコニウ
ムキレート化合物、チタニルキレート化合物、チタニル
アルコキシド化合物、有機チタニル化合物、シランカッ
プリング剤等の公知の材料を用いることができる。ま
た、下引き層の膜厚は、0.01〜10μm、好ましく
は0.05〜2μmの範囲が適当である。更にこの下引
き層を設ける際の塗布方法としては、ブレードコーティ
ング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーテ
ィング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング
法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティン
グ法等、通常使用される方法を用いることができる。
【0015】導電性支持体の上には、感光層が設けられ
るが、感光層は、単層構造でも電荷発生層と電荷輸送層
とに機能分離された積層構造であってもよい。積層構造
の場合、電荷発生層および電荷輸送層のいずれが導電性
支持体側であってもよい。
【0016】感光層が積層構造の場合において、電荷発
生層は、電荷発生材料を結着樹脂中に分散して構成され
る。電荷発生材料としては、ビスアゾ顔料、フタロシア
ニン顔料、スクアリリウム顔料、ペリレン顔料、ジブロ
モアントアントロン等の何如なる電荷発生材料をも使用
することができるが、特に、ハロゲン化ガリムフタロシ
アニン結晶、ハロゲン化スズフタロシアニン結晶、ヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶またはチタニルフタ
ロシアニン結晶から選ばれるいずれかの結晶を使用する
のが好ましい。特に、X線回折スペクトルにおけるブラ
ッグ角度(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、
25.5°および28.3°に強い回折ピークを持つク
ロロガリウムフタロシアニン結晶、8.5°、11.2
°、14.5°および27.2°に強い回折ピークを有
するジクロロスズフタロシアニン結晶、7.5°、9.
9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1
°および28.3°に強い回折ピークを持つヒドロキシ
ガリウムフタロシアニン結晶、27.3°に強い回折ピ
ークを有するチタニルフタロシアニン水和物結晶が好ま
しく使用される。
【0017】本発明において好ましく用いられるクロロ
ガリウムフタロシアニン結晶は、特開平5−98181
号公報に開示されているように、公知の方法で製造され
るクロロガリウムフタロシアニン結晶を、自動乳鉢、遊
星ミル、振動ミル、CFミル、ローラーミル、サンドミ
ル、ニーダー等を機械的に乾式粉砕するか、乾式粉砕後
溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等
を用いて湿式粉砕処理を行うことによって製造すること
ができる。上記の処理において使用される溶剤は、芳香
族類(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメ
チルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族
アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール
等)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、
グリセリン、ポリエチレングリコール等)、芳香族アル
コール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール
等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケ
トン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチル
スルホキシド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等)、更に数種の混合系、水とこれら有機
溶剤の混合系等である。溶剤は、クロロガリウムフタロ
シアニンに対して、1〜200部、好ましくは10〜1
00部の範囲で用いられる。処理温度は、0℃〜溶剤の
沸点以下、好ましくは10〜60℃の範囲である。ま
た、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いること
もできる。磨砕助剤は顔料に対し0.5〜20倍、好ま
しくは1〜10倍の範囲で用いられる。
【0018】ジクロロスズフタロシアニン結晶は、特開
平5−140472号公報および特開平5−14047
3号公報に開示されているように、公知の方法で製造さ
れるジクロロスズフタロシアニン結晶を、前記のクロロ
ガリウムフタロシアニンと同様に粉砕、溶剤処理するこ
とにより得ることができる。
【0019】ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶
は、特開平5−263007号公報および特開平5−2
79591号公報に開示されているように、公知の方法
で製造されるクロロガリウムフタロシアニン結晶を、酸
またはアルカリ性溶液中での加水分解またはアシッドペ
ースティングを行って、ヒドロキシガリムフタロシアニ
ン結晶を合成し、直接溶剤処理を行うか、或いは、合成
によって得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結
晶を溶剤とともにボールミル、乳鉢、サンドミル、ニー
ダー等を用いて湿式粉砕処理を行うか、溶剤を用いずに
乾式粉砕処理を行った後に、溶剤処理することによって
製造することができる。上記の処理において使用される
溶剤は、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、ア
ミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、
ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エチレング
リコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、
芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フェネチル
アルコール等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチ
ル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン
等)、ジメチルスルホキシド、エーテル類(ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン等)、更に数種の混合系、
水とこれら有機溶剤の混合系等である。溶剤は、ヒドロ
キシガリウムフタロシアニンに対して、1〜200部、
好ましくは10〜100部の範囲で用いられる。処理温
度は、0℃〜150℃、好ましくは室温〜100℃の範
囲である。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤
を用いることもできる。磨砕助剤は顔料に対し0.5〜
20倍、好ましくは1〜10倍の範囲で用いられる。
【0020】チタニルフタロシアニン結晶は、特開平4
−189873号公報および特開平5−43813号公
報に開示されているように、公知の方法で製造されるチ
タニルフタロシアニンを、アシッドペースティングする
か、或いは、ボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー
等を用いて無機塩とともにソルトミリングを行って、X
線回折スペクトルにおいて27.2°にピークを持つ、
比較的結晶性の低いチタニルフタロシアニン結晶とした
のち、直接溶剤処理を行うか、或いは、溶剤と共に、ボ
ールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿式
粉砕処理を行うことによって製造することができる。ア
シッドペースティングに用いる酸としては、硫酸が好ま
しく、濃度70〜100%、好ましくは95〜100%
のものが使用され、溶解は、−20〜100℃、好まし
くは0〜60℃の範囲に設定される。濃硫酸の量は、チ
タニルフタロシアニン結晶の重量に対して、1〜100
倍、好ましくは3〜50倍の範囲に設定される。析出さ
せる溶剤としては、水、或いは水と有機溶剤の混合溶剤
が任意の量で用いられ、水とメタノール、エタノール等
のアルコール系溶剤、或いは、水とベンゼン、トルエン
等の芳香族系溶剤の混合溶剤が特に好ましい。析出させ
る温度については特に制限はないが、発熱を防ぐため
に、氷等で冷却することが好ましい。また、チタニルフ
タロシアニン結晶と無機塩との比率は、重量比で1/
0.1〜1/20の範囲、特に1/0.5〜1/5の範
囲が好ましい。上記の溶剤処理において使用される溶剤
は、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、脂肪族
アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール
等)、ハロゲン系炭化水素類(ジクロロメタン、クロロ
ホルム、トリクロロエタン等)、更に数種の混合系、水
とこれらの有機溶剤の混合系等である。使用される溶剤
は、チタニルフタロシアニンに対して、1〜100部、
好ましくは5〜50部の範囲で用いられる。処理温度
は、室温〜100℃、好ましくは50〜100℃の範囲
である。磨砕助剤は顔料に対し0.5〜20倍、好まし
くは1〜10倍の範囲で用いられる。
【0021】電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広
範な絶縁性樹脂から選択することができる。また、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、
ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマ
ーから選択することもできる。好ましい結着樹脂として
は、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂
(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ア
クリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリ
ジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル
ピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができる
が、これらに限定されるものではない。これらの結着樹
脂は単独或いは2種以上混合して用いることができる。
【0022】また、電荷発生材料と結着樹脂との配合比
(重量比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。ま
たこれらを分散させる方法としてはボールミル分散法、
アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法
を用いることができる。更に、この分散の際、粒子を
0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ま
しくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効
である。またこれらの分散に用いる溶剤としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノー
ル、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセ
ルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホル
ム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤があ
げられ、これらは単独或いは2種以上混合して用いるこ
とができる。電荷発生層の膜厚は、0.2〜2.0μm
の範囲に設定される。
【0023】一方、電荷輸送層は、電荷輸送材料とし
て、上記一般式(I)で示されるベンジジン系化合物の
少なくとも1種を結着樹脂中に含有させて構成される。
結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、
ポリビニルアセテート樹脂、スチレンブタジエン共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−
アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、
スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ポリシラン等の公知の樹脂を用いることができる
がこれらに限定されるものではない。これらの結着樹脂
のうち下記構造(II)〜(VII )で示されるポリカーボ
ネート樹脂、或いは、それらを共重合させたポリカーボ
ネート樹脂を用いた場合、相溶性がよく均一な膜が得ら
れ、特に良い特性を示す。ポリカーボネートの樹脂の分
子量としては、粘度平均分子量として10,000〜1
00,000、好ましくは10,000〜50,000
の範囲のものが用いられる。
【0024】
【化4】 (n′は上記分子量の範囲の重合度を意味する。)
【0025】これらの結着樹脂は単独或いは2種以上混
合して用いることができる。上記ベンジジン系化合物と
結着樹脂との配合比(重量比)は、10:1〜1:5の
範囲が好ましい。電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmの
範囲に設定される。。
【0026】本発明において、感光層が単層構造の場合
には、電荷輸送材料として上記ベンジジン系化合物を使
用し、電荷発生材料と共に、結着樹脂中に含有させて感
光層が形成される。電荷発生材料としては、公知のもの
であれば、何如なるものでも使用することができるが、
上記ハロゲン化ガリムフタロシアニン結晶、ハロゲン化
スズフタロシアニン結晶、ヒドロキシガリウムフタロシ
アニン結晶またはチタニルフタロシアニン結晶から選ば
れるいずれかの結晶を使用するのが好ましい。結着樹脂
としては、電荷発生層および電荷輸送層に関して記載し
た上記した樹脂が使用される。ベンジジン系化合物、電
荷発生材料および結着樹脂の配合比は、結着樹脂100
重量部に対して、ベンジジン系化合物が5〜100重量
部、好ましくは10〜80重量部の範囲、電荷発生材料
が5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部の範
囲である。また、膜厚は、5〜50μm、好ましくは1
0〜35μm、さらに好ましくは15〜30μmの範囲
で設定される。
【0027】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。な
お、「部」は、「重量部」を意味する。 合成例1(例示化合物CT−16の合成例) N,N′−ビス(4−メチルフェニル)−N,N′−ジ
フェニル−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジア
ミン11.5g、N,N′−ジメチルホルムアミド5m
l、塩化メチレン50mlの混合溶液に、窒素雰囲気
下、オキシ塩化リン4.5mlを30分かけて滴下し
た。滴下終了後、4時間還流し、その後室温まで冷却
し、塩化メチレン100mlおよび水300mlを順次
加えた。その後、炭酸カリウム20gを徐々に加えて中
和した。有機層を水洗し、乾燥した後、酢酸エチル/n
−ヘキサンの混合液を用いて、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィにて処理し、ビスホルミル化誘導体7.9g
を黄色粉末として得た。得られたビスホルミル化誘導体
のうちの5.0gをエタノール350mlに溶解し、水
素化ホウ素ナトリウム180mgを加え、2時間還流し
た。室温まで冷却した後、水30mlを徐々に加えた。
析出した結晶を濾過し、メタノールで洗浄して、ビスヒ
ドロキシメチル誘導体4.2gを得た。得られたビスヒ
ドロキシメチル誘導体4.0g、テトラヒドロフラン4
0mlおよびジメチルスルホキシド20mlを200m
lのフラスコに入れ、水素化ナトリウム0.76gを徐
々に加え、室温で20分間放置した。次いで、硫酸ジメ
チル1.76gを加え、室温で4時間反応した。メタノ
ール10mlを加えた後、500mlの水にあけた。析
出した結晶を濾過し、乾燥した後、トルエン/n−ヘキ
サンを用いカラムクロマトグラフィにて精製し、N,
N′−ビス(4−メチルフェニル)−N,N′−ビス
(4−メトキシメチルフェニル)−[1,1′−ビフェ
ニル]−4,4′−ジアミン(CT−16)を3.1g
得た。融点:86〜88℃。その赤外吸収(IR)スペ
クトルを図1に示す。
【0028】合成例2(例示化合物CT−34の合成
例) 3,3′−ジメチル−N,N′(3,4−ジメチルフェ
ニル)−N,N′−ジフェニル−[1,1′−ビフェニ
ル]−4,4′−ジアミン11.5g、N,N′−ジメ
チルホルムアミド5ml、塩化メチレン50mlの混合
溶液に、窒素雰囲気下、オキシ塩化リン4.5mlを3
0分かけて滴下した。滴下終了後4時間還流した後、室
温まで冷却し、塩化メチレン100ml、水300ml
を順次加えた。その後、炭酸カリウム20gを徐々に加
え中和した。有機層を水洗し、乾燥した後、酢酸エチル
/n−ヘキサンの混合液を用いて、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィにて処理し、黄色粉末のビスホルミル化
誘導体8.8gを得た。得られたビスホルミル化誘導体
のうち、5.0gをエタノール350mlに溶解し、水
素化ホウ素ナトリウム180mgを加え2時間還流し
た。室温まで冷却後、水30mlを徐々に加えた。析出
した結晶を濾過し、メタノールで洗浄しビスヒドロキシ
メチル体4.4gを得た。得られたビスヒドロキシメチ
ル誘導体4.0g、テトラヒドロフラン40ml、ジメ
チルスルホキシド20mlを200mlのフラスコに入
れ、水素化ナトリウム0.76gを徐々に加え室温で2
0分間放置した。次いで、硫酸ジメチル1.76gを加
え、室温で3時間反応した。メタノール10mlを加え
た後、500mlの水にあけた。析出した結晶を濾過
し、乾燥した後、トルエン/n−ヘキサンを用いカラム
クロマトグラフィにて精製し、3,3′−ジメチル−
N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−N,
N′−ビス(4−メトキシメチルフェニル)− [1,
1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(CT−3
4)3.6gを得た。融点:146〜148℃。そのI
Rスペクトルを図2に示す。
【0029】合成例3(例示化合物CT−38の合成
例) N,N′−ビス(4−エチルフェニル)−N,N′−ジ
フェニル−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジア
ミン11g、N,N′−ジメチルホルムアミド5ml、
塩化メチレン50mlの混合溶液に、窒素雰囲気下、オ
キシ塩化リン4.5mlを30分かけて滴下した。滴下
終了後4時間還流した後、室温まで冷却し、塩化メチレ
ン100ml、水300mlを順次加えた。その後、炭
酸カリウム20gを徐々に加え中和した。有機層を水洗
し、乾燥した後、酢酸エチル/n−ヘキサンの混合液を
用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィにて処理
し、黄色粉末のビスホルミル化誘導体8.1gを得た。
得られたビスホルミル化誘導体のうち、5.0gをエタ
ノール350mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム1
80mgを加え2時間還流した。室温まで冷却後、水3
0mlを徐々に加えた。析出した結晶を濾過し、メタノ
ールで洗浄しビスヒドロキシメチル誘導体4.5gを得
た。得られたビスヒドロキシメチル誘導体4.0g、テ
トラヒドロフラン40ml、ジメチルスルホキシド20
mlを200mlのフラスコに入れ、水素化ナトリウム
0.76gを徐々に加え室温で20分間放置した。次い
で、硫酸ジメチル1.76gを加え、室温で4時間反応
した。メタノール10mlを加えた後、500mlの水
をあけた。析出した結晶を濾過し、乾燥後、トルエン/
n−ヘキサンを用いカラムクロマトグラフィにて精製
し、N,N′−ビス(4−エチルフェニル)−N,N′
−ビス(4−メトキシメチルフェニル)−[1,1′−
ビフェニル]−4,4′−ジアミン(CT−38)3.
0gを得た。融点:84〜86℃。そのIRスペクトル
を図3に示す。
【0030】参考合成例1(クロロガリウムフタロシア
ニン結晶の製造例) 1,3−ジイミノイソインドリン30部、3塩化ガリウ
ム9.1gをキノリン230部中に入れ、200℃にお
いて3時間反応させた後、生成物を瀘別し、アセトン、
メタノールで洗浄し、次いで、湿ケーキを乾燥した後、
クロロガリウムフタロシアニン結晶28部を得た。得ら
れたクロロガリムフタロシアニン結晶3部を自動乳鉢
(Lab−Mill UT−21型、ヤマト科学社製)
で3時間乾式粉砕し、その0.5部を、ガラスビーズ
(1mmφ)60部とともに室温下、ベンジルアルコー
ル20部中で24時間ミリング処理した後、ガラスビー
ズを瀘別し、メタノール10部で洗浄し、乾燥して、X
線回折スペクトルにおけるブラッグ角度(2θ±0.2
°)の7.4°、16.6°、25.5°および28.
3°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシア
ニン結晶を得た。以下、これをCG−1と称する。
【0031】参考合成例2(ジクロロスズフタロシアニ
ン結晶の製造例) フタロニトリル50gおよび無水塩化第2スズ27g
を、1−クロルタフタレン350ml中に加え、195
℃において5時間反応させた後、生成物を瀘別し、1−
クロルナフタレン、アセトン、メタノール、次いで水で
洗浄した後、減圧乾燥し、ジクロロスズフタロシアニン
結晶18.3gを得た。得られたジクロロスズフタロシ
アニン結晶5gを、食塩10g、メノウボール(20m
mφ)500gとともにメノウ製ポットに入れ、遊星型
ボールミル(P−5型、フリッチュ社製)にて400r
pmで10時間粉砕した後、十分に洗浄し、乾燥した。
その0.5gを、テトラヒドロフラン(THF)15
g、ガラスビーズ(1mmφ)30gとともに室温下2
4時間ミリング処理した後、ガラスビーズを瀘別し、メ
タノールで洗浄し、乾燥して、X線回折スペクトルにお
けるブラッグ角度(2θ±0.2°)の8.5°、1
1.2°、14.5°および27.2°に強い回折ピー
クを有するジクロロスズフタロシアニン結晶を得た。以
下、これをCG−2と称する。
【0032】参考合成例3(ヒドロキシガリウムフタロ
シアニン結晶の製造例) 参考合成例2で得られたクロロガリウムフタロシアニン
結晶3部を濃硫酸60部に0℃にて溶解後、5℃の蒸留
水450部に上記溶液を滴下し、結晶を再析出させた。
蒸留水、希アンモニア水等で洗浄後乾燥して2.5部の
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。この結
晶を自動乳鉢にて5.5時間粉砕した後、0.5部をジ
メチルホルムアミド15部、直径1mmのガラスビーズ
30部とともに24時間ミリング後、結晶を分離し、メ
タノールで洗浄後乾燥し、X線回折スペクトルにおける
ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9
°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°
および28.3°に強い回折ピークを持つヒドロキシガ
リウムフタロシアニン結晶を得た。以下、これをCG−
3と称する。
【0033】参考合成例4(チタニルフタロシアニン結
晶の製造例) 1,3−ジイミノイソインドリン30部、チタニウムテ
トラブトキシド17部を1−クロルナフタレン200部
中に入れ、窒素気流下190℃において5時間反応させ
た後、生成物を瀘別し、アンモニア水、水、アセトンで
洗浄し、チタニルフタロシアニン40部を得た。得られ
たチタニルフタロシアニン結晶5部と塩化ナトリウム1
0部を自動乳鉢(Lab−Mill UT−21型、ヤ
マト科学社製)で3時間粉砕した。その後、蒸留水で十
分に洗浄し、乾燥して4.8部のチタニルフタロシアニ
ン結晶を得た。得られたチタニルフタロシアニン結晶
は、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角度(2θ±
0.2°)の27.3°に明瞭なピークを示すものであ
った。得られたチタニルフタロシアニン結晶2部を蒸留
水20部、モノクロロベンゼン2部の混合溶剤中で、5
0℃において1時間撹拌した後、瀘別し、メタノールで
十分洗浄し、乾燥して、27.3°に強い回折ピークを
有するチタニルフタロシアニン水和物結晶を得た。以
下、これをCG−4と称する。
【0034】実施例1 アルミニウム基板上に、ジルコニウム化合物(オルガチ
ックスZC540、マツモト製薬社製)10部およびシ
ラン化合物(A1110、日本ユニカー社製)1部とi
−プロパノール40部およびブタノール20部からなる
溶液を浸漬コーティング法にて塗布し、150℃におい
て10分間加熱乾燥し、膜厚0.5μmの下引き層を形
成した。CG−1の1部を、ポリビニルブチラール樹脂
(エスレックBM−S、積水化学社製)1部および酢酸
n−ブチル100部と混合し、ガラスビーズとともにペ
イントシェーカーで1時間処理して分散した後、得られ
た塗布液を下引き層の上に浸漬コーティング法で塗布
し、100℃において10分間加熱乾燥した。次に前記
例示化合物CT−1の2部と式(IV)で示されるポリカ
ーボネート樹脂(ただし、粘度平均分子量39,00
0)3部をモノクロロベンゼン20部に溶解し、得られ
た塗布液を、電荷発生層が形成されたアルミニウム基板
上に浸漬コーティング法で塗布し、120℃において1
時間加熱乾燥、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0035】このようにして得られた電子写真用感光体
の電子写真特性を、静電複写紙試験装置(エレクトロス
タティックアナライザーEPA−8100、川口電気社
製)を用いて、常温常湿(20℃、40%RH)の環境
下、−6KVのコロナ放電を行い、帯電させた後、タン
グステンランプの光を、モノクロメーターを用いて80
0nmの単色光にし、感光体表面上で1μW/cm2
なるように調整し、照射した。そしてその表面電位V0
(ボルト)、半減露光量E1/2 (erg/cm2 )を測
定し、その後10ルックスの白色光を1秒間照射し、残
留電位VRP(ボルト)を測定した。更に上記の帯電、露
光を1000回繰り返した後のV0 、E1/2 、VRPを測
定し、またその変動量をΔV0 、ΔE1/2 、ΔVRPを評
価した。その結果を表3に示す。
【0036】実施例2〜20 実施例1における電荷発生材料であるCG−1と電荷輸
送材料であるCT−1との組合せを、表3および表4に
示すように代えた以外は、実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製し、同様に評価を行った。その結果を表
3および表4に示す。
【0037】比較例1〜4 実施例1における電荷発生材料であるCG−1と電荷輸
送材料であるCT−1との組合せを、表4に示すように
代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を
作製し、同様に評価を行った。その結果を表4に示す。
なお、表中CT−42は、3,3′−ジメチル−N,
N,N′,N′−テトラキス(4−メチルフェニル)−
[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミンを示
す。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】本発明における上記一般式(I)で示さ
れるベンジジン系化合物は電子写真用感光材料として有
用であり、それを用いて作製される電子写真感光体は、
上記実施例の結果からも明らかなように、高い好感度と
優れた繰り返し安定性を有するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成例1で合成されたベンジジン系化合物の
赤外吸収スペクトル図である。
【図2】 合成例2で合成されたベンジジン系化合物の
赤外吸収スペクトル図である。
【図3】 合成例3で合成されたベンジジン系化合物の
赤外吸収スペクトル図である。
【図4】 本発明の電子写真感光体の模式的断面図であ
る。
【符号の説明】
1…電荷発生層、2…電荷輸送層、3…導電性支持体、
4…下引き層、5…保護層,6…感光層。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるベンジジン
    系化合物よりなる電子写真用感光材料。 【化1】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基または置換ア
    ミノ基を表し、R4 はアルキル基、置換または未置換の
    アリール基、またはアラルキル基を表し、nは1〜5の
    整数を意味する。)
  2. 【請求項2】 上記一般式(I)において、R1 はアル
    キル基を表し、R2およびR3 はそれぞれ水素原子また
    はアルキル基を表し、R4 はアルキル基を表し、nは1
    であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用感光
    材料。
  3. 【請求項3】 上記一般式(I)において、R1 はメチ
    ル基を表し、R2 およびR3 は、それぞれ水素原子また
    はメチル基を表し、R4 はメチル基を表し、nは1であ
    ることを特徴とする請求項1記載の電子写真用感光材
    料。
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に感光層を設けてなる電
    子写真感光体において、感光層が電荷輸送材料として、
    下記一般式(I)で示されるベンジジン系化合物を含有
    することを特徴とする電子写真感光体。 【化2】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基または置換ア
    ミノ基を表し、R4 はアルキル基、置換または未置換の
    アリール基、またはアラルキル基を表し、nは1〜5の
    整数を意味する。)
  5. 【請求項5】 該感光層が、電荷発生材料として、ハロ
    ゲン化ガリウムフタロシアニン結晶、ハロゲン化スズフ
    タロシアニン結晶、ヒドロキシガリウムフタロシアニン
    結晶およびチタニルフタロシアニン結晶から選ばれた結
    晶を含有することを特徴とする請求項4記載の電子写真
    感光体。
  6. 【請求項6】 感光層が電荷発生層および電荷輸送層よ
    りなり、該電荷輸送層が上記一般式(I)で示されるベ
    ンジジン系化合物を含有することを特徴とする請求項4
    記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 電荷発生層が、電荷発生材料として、ハ
    ロゲン化ガリムフタロシアニン結晶、ハロゲン化スズフ
    タロシアニン結晶、ヒドロキシガリウムフタロシアニン
    結晶またはチタニルフタロシアニン結晶から選ばれた結
    晶を含有することを特徴とする請求項6記載の電子写真
    感光体。
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