JPH05273776A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JPH05273776A
JPH05273776A JP7131692A JP7131692A JPH05273776A JP H05273776 A JPH05273776 A JP H05273776A JP 7131692 A JP7131692 A JP 7131692A JP 7131692 A JP7131692 A JP 7131692A JP H05273776 A JPH05273776 A JP H05273776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanyl phthalocyanine
crystal
type
adduct
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7131692A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazumasa Watanabe
一雅 渡邉
Akihiko Itami
明彦 伊丹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP7131692A priority Critical patent/JPH05273776A/ja
Publication of JPH05273776A publication Critical patent/JPH05273776A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度かつ感度の湿度依存性のない感光体の
提供、更に有機溶媒に対して安定で、結晶転移を生じに
くく分散液を与えるチタニルフタロシアニン結晶の提
供。 【構成】 特定のチタニルフタロシアニン結晶即ちチタ
ニルフタロシアニンと1,2-シクロヘキサンジオールの付
加体で、好ましくはCuKαに対するX線回折スペクト
ルにおいてブラッグ角(2θ±0.2)の少なくとも7.7,1
6.1,16.4,18.7,19.3度に回折を有するU型結晶、または
少なくとも7.4,8.3,13.8,18.2,27.0度に回折ピークを有
するT型結晶を感光体に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関す
る。特にプリンタなどに使用され、LED光、半導体レ
ーザ光に対して有効な感光体に関する。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の発達は著しいものがあ
り、コンピュータからのアウトに使うプリンタやデジタ
ルコピアの需要が高まっている。これらの機器は光源に
半導体レーザやLEDを使う関係で赤から近赤外光に感
応する感光体が必要である。
【0003】これには従来のセレン系などの無機感光体
では不十分であり、フタロシアニン類を分散した有機感
光体(OPC)が数多く検討されている。
【0004】その中でもチタニルフタロシアニン、特に
27.2度と9.6度にピークを持つことが特徴のY型チタニ
ルフタロシアニンは0.94と言う高い光量子効率を有する
優れた素材である(Japan Hardcopy 89,論文集 103,(19
89))。
【0005】しかしながら、この物は湿度によって感度
が多少変動する欠点がある。
【0006】これではON-OFFの2値しかないプリンタに
は使用できても、より高度の画像を望み、露光量に応じ
て階調を出そうと言う試みに対しては好ましい事ではな
い。さらにY型の欠点としてこの物が準安定結晶であ
り、安定型結晶に転移しやすい事が挙げられる。熱によ
る結晶転移は約250℃であり、感光体にしてしまえば実
用上問題は無い。しかし、感光体製造時の分散液中では
溶媒の種類によっては低温でも結晶転移を起し、塗布液
の寿命が短くなると言った問題を生じる。
【0007】塗布分散液の寿命が短くなると言う事はデ
ィッピング塗布に於いて、顔料が感光体として充分消費
尽される前に廃棄される事を意味する。つまりコスト高
になる。
【0008】
【本発明の目的】本発明の目的は上記した事情に鑑み、
高感度かつ感度の湿度依存性のない感光体を提供するこ
とにある。 本発明の第二の目的は有機溶媒に対して安
定で、結晶転移を生じにくい分散液を与えるチタニルフ
タロシアニン結晶を提供することにある。
【0009】
【発明の構成とその作用】本発明は特定のチタニルフタ
ロシアニン結晶を含む感光体によって達せられた。
【0010】特定のチタニルフタロシアニン結晶とはチ
タニルフタロシアニンと隣接OH基を有する環状化合物
(以下、環状ジオール)の付加体である。環状ジオール
とは例えば1,2-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロペ
ンタンジオール、芳香族(カテコール類)などを挙げる
事ができる。この中で好ましいものはシクロヘキサンジ
オールの付加体である。さらに好ましくはCuKαに対
するX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.
2)の少なくとも7.7, 16.1, 16.4, 18.7, 19.3度にピー
クを有する結晶(U型結晶と名付ける)、及びブラック
角(2θ±0.2)の少くとも7.4,8.3,13.8,18.2,27.0度
にピークを有する結晶(T型結晶と名付ける)である。
【0011】付加体は後述の合成例にその一例を示した
ようにチタニルフタロシアニン類と隣接ジオールを持つ
環状化合物、加熱されるとその環状化合物ジオールを放
出することからそれと判明する。また付加体である証拠
として昇温速度10℃/分で熱分析(TG)を測定すると
環状化合物ジオールの沸点より50℃以上高い温度で重量
減少が見られるなどの特色があり、単なる混合と区別さ
れる。本発明のチタニルフタロシアニン−環状化合物ジ
オール付加体のうち、特に好ましいものは1.2-シクロヘ
キサンジオール/チタニルフタロシアニン=1/2付加
体である。 本発明の付加体の合成には色々な手段が考
えられるがアモルファス化したチタニルフタロシアニン
類を環状化合物ジオールの存在下に処理するのが好まし
い。処理の方法は環状化合物ジオール単独にチタニルフ
タロシアニンをそのまま混合させても良いし、他の溶媒
で希釈しても良い。溶媒としてはメチルエチルケトン、
シクロペンタノンなどのケトン類、ブチルメタアクリレ
ートなどのエステル類、テトラヒドロフランなどのエー
テル類、オルトジクロルベンゼンなどの芳香族などをあ
げることができる。温度は環状化合物ジオールが液体で
存在する広い範囲で処理可能である。結晶変換操作とし
ては一般の合成化学実験およびそれらを工業化したもの
に見られるような溶媒中での単なる攪拌の他、フタロシ
アニン類で良く見られるようにミリングなどの機械的シ
ェアを掛けながらの操作も本発明に含まれる。中間体で
あるチタニルフタロシアニン類のアモルファス化は硫酸
に溶かして水に注ぐ(アシッドペースト処理)、あるい
は機械的粉砕、ミリングなど公知の方法を採用すること
ができる。
【0012】チタニルフタロシアニン類は次の一般式で
表される。
【0013】
【化1】
【0014】式中 X14は水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、あるいはアルコキシ基を表し、n,m,
l,kは0〜4の整数を表す。
【0015】上記のX線回折スペクトルは次の条件で測
定した X線管球 Cu 電圧 40.0 kv 電流 100 mA スタート角度 6.00 deg. ストップ角度 35.00 deg. ステップ角度 0.020 deg. 測定時間 0.50 sec. 本発明のチタニルフタロシアニン付加体を含む感光体は
感度もよく、かつ湿度依存性もない優れたものである。
この原因については良く分からないが本発明者は次のよ
うに考えている。
【0016】藤巻は高感度な素材チタニルフタロシアニ
ンのY型結晶が加熱または乾燥窒素雰囲気によって脱水
処理されると感度が低下することを見出した。
【0017】これは常温常湿度で水を再吸収すると再び
感度が回復する事からY型結晶は水を吸着した結晶であ
り、水分子が光が当たって生じたチタニルフタロシアニ
ン励起子からのホールと光電子の解離を幇助し、それが
Y型チタニルフタロシアニンの高感度の一原因ではない
かと推測している(Y.Fujimaki : IS&T's 7th In
ternational Congress on Advance in Nonimpact Print
ing Technologies, Paper Summaries,269,(1991))。そ
の考えから本発明の結晶はまさに水の代りに環状化合物
のジオール類が付加したものと言えよう。水と違って離
れにくいのは沸点が高い事もさりながら、ジオール類だ
と同一分子中にOH基が二つあるため二つの吸着点から
同時に離れる確率は一つの吸着点しかない化合物のそれ
より遥かに低くなっているためと推測している。
【0018】次に本発明のチタニルフタロシアニンの製
造方法について具体的に例示する。
【0019】(合成例1) (チタニルフタロシアニン−アモルファス品の合成)1,
3-ジイミノイソインドリン;29.2gをオルトジクロルベ
ンゼン 200mlに分散し、チタニウムテトラ-n-ブトキシ
ド;20.4gを加えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間
加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホル
ムで洗浄、2%塩酸水溶液で洗浄、水洗、メタノール洗
浄して、乾燥の後26.2g(91.0%)の粗チタニルフタロシ
アニンを得た。このものの結晶型を図1に示す。ついで
この粗チタニルフタロシアニン 20.0gを5℃以下で濃硫
酸 200ml中で1時間攪拌して溶かし、これを20℃の水4
lに注ぎ込む。析出した結晶を濾過し、水で充分に洗っ
てウエットペースト品 180gを得た。このものを乾燥
し、粉末とした結晶型は図2に示すごとく、アモルファ
ス状態である。
【0020】(本発明のチタニルフタロシアニン結晶の
作成)フラスコにオルトジクロルベンゼン 100mlと1.2-
シクロヘキサンジオール 50mlをとりこれに上記のチタ
ニルフタロシアニン−アモルファス乾燥粉末8gを加え
た。ついでこの混合物を70℃で7時間攪拌した。 一夜
放置後、これをメタノール 800mlに注いで結晶を析出さ
せた。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して目的とす
るチタニルフタロシアニン結晶 8.4gを得た。図3に示
す。ブラッグ角2θ;7.7, 16.1, 16.4, 18.7, 19.3度
ピークを有する(U型結晶)である。
【0021】(合成例2)フラスコにオルトジクロルベ
ンゼン 100mlと3-メチルカテコール 50gをとり、これに
実施例1の方法で得た、チタニルフタロシアニン−アモ
ルファス乾燥粉末8gを加えた。ついでこの混合物を40
℃で7時間攪拌した。これをメタノール 800mlに注いで
結晶を析出させた。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥
して目的とするチタニルフタロシアニン結晶 9.0gを得
た。図4に示す。ブラッグ角2θ;7.4, 8.3, 13.8, 1
8.2, 27.0度にピークを有する結晶(T型結晶)であ
る。
【0022】比較のため既存のチタニルフタロシアニン
Y型結晶を作った。
【0023】比較合成例(1) (Y型チタニルフタロシアニン結晶の作成)ビーカにメ
チルエチルケトン 60mlと水 20ml、合成例1で述べたチ
タニルフタロシアニン−ウエットペースト品 40g(固形
分11%)を加え、室温にて8時間攪拌、一夜放置した。こ
の粘稠な混合物にメタノールを500ml加えて結晶を析出
させる。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して目的と
するチタニルフタロシアニン結晶 4.2gを得た。このも
のの結晶型を図5に示す。ブラッグ角2θ;9.5度と27.
2度に著しく発達したピークがあるのが特徴である(Y
型結晶)。
【0024】次に本発明のチタニルフタロシアニン結晶
の基本的性質を調べるためにTGを測定した。
【0025】TG(昇温速度10℃/分)を図6に示す。
【0026】比較合成例(1)のY型チタニルフタロシ
アニンは100℃付近に水の分子量が小さいためわずかで
はあるが重量減少が観測される。これに対して合成例1
の本発明のU型チタニルフタロシアニンは重量減少が認
められるのは339℃付近であり、1,2-シクロヘキサンジ
オールの沸点225℃を大きく上回っている。1,2-シクロ
ヘキサンジオールが単にチタニルフタロシアニン粒子の
側に存在しているだけでなく、何らかの力である種の結
合(吸着)をしていることを表す。なお339℃における
重量変化量は約10.0%であり、1,2-シクロヘキサンジオ
ールがチタニルフタロシアニンに対して1/2モル付加し
たと想定した計算値9.2%に近い。 同様に合成例2の
T型チタニルフタロシアニンはTGの重量減少温度は41
7℃であり、その減少量は10.1%であった(1/2モル付加
したと想定した計算値9.7%)。
【0027】次に本発明の感光体の構成について記載す
る。
【0028】本発明の感光体は上記のチタニルフタロシ
アニン化合物のほかに更に他のキャリア発生物質を併用
してもよい。具体的には本発明のものと事なる結晶型を
有するチタニルフタロシアニン結晶、例えばA,B,Y
型を上げることができる。
【0029】その他、バナジルフタロシアニン、X型無
金属フタロシアニン、τ型無金属フタロシアニン、ε型
銅フタロシアニンなどの各種フタロシアニン類、更には
アゾ顔料、アントラキノン顔料、ペリレン顔料などの縮
合多環顔料を上げることが出切る。
【0030】本発明の感光体ではキャリア輸送物質を併
用することができる。使用されるキャリア輸送物質は特
に制限はないが代表的なものとして、オキサゾール誘導
体、オキサジアゾール誘導体、スチリル化合物、ビドラ
ゾン化合物、オキサゾロン化合物、ピラゾリン誘導体、
アミノスチルベン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、
ポリ-N-ビニルカルバゾールなどを上げることができ
る。
【0031】代表的な物としては次の化合物をあげるこ
とができる。
【0032】
【化2】
【0033】
【化3】
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】本発明の感光体の感光層を構成するために
は前述のキャリア発生物質をバインダ中に分散せしめた
層を導電性支持体上にもうければよい。或いはこのキャ
リア発生物質とキャリア輸送物質とを組合せ、積層型の
いわゆる機能分離型感光層を設けてもよい。これら単
層、積層各々の感光層と支持体との間に接着、あるいは
導電性支持体からのフリーエレクトロンの注入防止を目
的として中間層をもうけたり、更には表面保護層を設け
てもよい。
【0039】キャリア発生層およびキャリア輸送層の形
成には使用される溶媒あるいは分散媒としては、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエ
ン、ジクロルベンゼン、ジクロルメタン、ジクロルエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル
などを上げることができる。
【0040】キャリア発生層もしくはキャリア輸送層の
形成にバインダを用いる場合には任意のものを用いるこ
とができるが、特に疎水性の電気絶縁性フィルムを形成
する高分子重合体が好ましい。以下にその例を述べるが
勿論これらに限定されるものではない。
【0041】1 )ポリカーボネート 2 )ポリエステル 3 )メタクリル樹脂 4 )アクリル樹脂 5 )ポリ塩化ビニル 6 )ポリ塩化ビニリデン 7 )ポリスチレン 8 )ポリピニルアセテート 9 )スチレン−ブタジエン共重合体 10)塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体 11)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 12)塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体 13)シリコーン樹脂 14)シリコーン−アルキッド樹脂 15)フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 16)スチレン−アクリル共重合樹脂 17)スチレン−アルキッド樹脂 18)ポリ-N-ビニルカルバゾール 19)ポリビニルブチラール 20)ポリカーボネートZ樹脂 これらのバインダは単独、或いは2種以上の混合物とし
て用いることができる。
【0042】またバインダ100に対するキャリア発生物
質の割合は10〜600wt/wt、好ましくは20〜400wt/wt、キ
ャリア輸送物質は10〜400wt/wtとするのがよい。
【0043】この様にして形成されるキャリア発生層の
厚さは0.05〜30μmである事が好ましい、特に積層の場
合は0.5〜5μmが好ましい。キャリア輸送層の厚みは 2
〜100μm好ましくは 5〜30μmである。
【0044】さらに上記感光層には感度の向上、残留電
位および反復使用時の疲労低減を目的として一種または
二種以上の電子需要物質を含有せしめることができる。
ここに用いることができる電子需要物質とは例えば無水
マレイン酸、テトラクロル無水フタル酸、テトラシアノ
エチレン、テトラシアノキノンジメタン、ジニトロベン
ゼン、ニトロベンゾニトリル、クロラニル、アントラキ
ノン、ニトロ安息香酸、ニトロフルオレノンなどの電子
親和力の大きい化合物をあげることができる。
【0045】また上記感光層中には保存性、耐久性、対
環境依存性を向上させる目的で酸化防止剤や光安定剤な
どの劣化防止剤を含有させることができる。その様な目
的に用いられる化合物としては例えば、トコフェノール
などのクロマノール誘導体およびそのエーテル化もしく
はエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、ハ
イドロキノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、亜燐
酸エステル、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダード
アミン化合物などをあげることができる。
【0046】具体的には『IRGANOX1010』,『IRGANOX56
5』(チバガイギー社製)、『スミライザーBHT』,『ス
ミライザーMDP』(住友化学工業社製)等のヒンダード
フェノール化合物、『サノール LS-2626』,『サノール
LS-622LD』等のヒンダードアミン化合物があげられ
る。
【0047】中間層、保護層に用いられるバインダとし
ては前述のキャリア発生層およびキャリア輸送層にあげ
たものを用いる事ができる。更にポリアミド樹脂、エチ
レン−酢ビ共重合体、ポリビニルアルコール、セルロー
ス誘導体などが有効である。
【0048】尚、この感光層を設ける支持体は金属板、
金属ドラムの他、導電性ポリマー、酸化インジウム等の
導電性化合物もしくはアルミニウム、パラジウム、金な
どの金属とからなる導電性薄膜を、紙プラステックフィ
ルム等の基体上に塗布、蒸着、ラミネート等の手段によ
り設けたものを用いることができる。
【0049】接着層あるいはバリヤ層として機能する中
間層としては前述のバインダ樹脂として説明したような
高分子重合体、ポリビニルアルコール、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等の有機高分子物質ま
たは酸化アルミニウム、酸化チタンなどより成るものを
用いることができる。
【0050】
【実施例】本発明は以上説明したように特定のチタニル
フタロシアニン結晶を用いる事によってLED光および
半導体レーザ光に対して有効な電子写真感光体を得る物
である。本発明の感光体は感度が高く、環境(湿度)依
存性のない優れたものである。以下実施例をもって本発
明の特徴を説明する。
【0051】実施例1 合成例1で得た本発明のチタニルフタロシアニンU型結
晶(図3)3部、シリコーン樹脂(『KR−5240、15%
キシレンブタノール溶液』信越化学社製)10部、メチル
エチルケトン100部(wt)をサンドグラインダーで粉砕分
散して分散液を得た。一方、アルミ蒸着ポリエステルベ
ースにポリアミド樹脂(『CM8000』東レ社製)を塗布
して膜厚0.3μmの下引き層を作り、この上に前述のU型
結晶分散液を塗布して膜厚0.2μmのキャリア発生層を形
成した。さらにキャリア輸送物質(20)1部とポリカー
ボネート樹脂(『ユーピロンZ200』三菱瓦斯化学社
製)2部(wt)およびシリコーンオイル(『KF−54』
信越化学社製)0.01部を1,2-ジクロルエタン15部(wt)
に溶かし、これを前記のキャリア発生層上にブレード塗
布して乾燥膜厚25μmのキャリア輸送層を形成し感光体
を作った。サンプル1とする。
【0052】実施例2 実施例1におけるチタニルフタロシアニンU型結晶を合
成例2で得たT型結晶に代えたほかは同様にして感光体
を作成した。サンプル2とする。比較例(1)実施例1
におけるチタニルフタロシアニンU型結晶を比較合成例
(1)で得たY型結晶に代えたほかは同様にして感光体
を作成した。比較サンプル(1)とする。
【0053】比較例(2) 実施例1におけるチタニルフタロシアニンU型結晶を合
成例1の中間体アモルファスチタニルフタロシアニン
(W型結晶 図2)に代えたほかは同様にして感光体を
作成した。比較サンプル(2)とする。
【0054】(評価1)以上で得られたそれぞれのサン
プルをペーパアナライザEPA-8100(川口電気社製)
を用いて評価した。 -80μAの放電条件で5秒間帯電
し、帯電直後の表面電位[Va]、5秒間暗中放置後の
表面電位[Vi]、表面照度が2(lux)になるように
露光し、表面電位が 1/2Viになるまでの露光量[E1/
2(lux.sec)]を求めた。さらに式: D=(Va−V
i)/Va×100 により暗所における電位の減衰率[D (%)]を求め
た。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】比較サンプル(2)のW型は表面電位の保
持ができない。 これに対して本発明のU、T型結晶、
特にU型は感度、暗減衰ともに優れている。 比較に挙
げたY型はこの方法の評価では、常温常湿度(湿度45〜
55%)で測定する限り本発明の物より優れてはいる。(評
価2)半導体レーザを光源に使ったカラープリンタ9028
(コニカ社製)改造機のドラムにサンプル1,2および
比較サンプル(1)を張り付け、サンプル1の未露光部
での表面電位が約800vになるように帯電電極を調整し
た。そしてレーザ光量を振り、各光量での表面電位を測
定した。
【0057】さらにこれを湿度15%の雰囲気下に持って
いき、同様のレーザパワーで表面電位の低下を見た。表
2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】本発明のU型は感度もよく電位も乗ってい
る。比較サンプル(1)であげたY型は感度こそ良いも
のの、その湿度に対する変化が大きい。これだとレーザ
光と言えども現実にはその光強度が正規分布している事
(図7)を考えると、階調を要求されるより高度の画像
の再現がその時の湿度によって変化する欠点があること
を意味する。その点、本発明のU、T型結晶は湿度によ
って感度の変化は見られず環境の変化に強いことが判
る。
【0060】(評価3)本発明のU型結晶を使った実施
例1の分散液、およびY型チタニルフタロシアニンを使
った比較例(1)の分散液を40℃にて25日間保存し、これ
で感光体サンプルを作成した。そして(評価1)と同様
の方法で電子写真特性を測定した。
【0061】その結果を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】本発明の化合物であるU型結晶をつかった
サンプル1は性能が変化していないがY型をつかった比
較サンプルは感度低下が著しい。Y型は優れた結晶であ
り劣化後も性能は良い部類に属するが、製造での安定性
を考えると感度の絶対値ではなく経時による変化そのも
のが問題とされる。即ち、感度の低下した塗布液は廃棄
するしかない。その点、本発明は変化がなく安定生産に
適する。
【0064】
【発明の効果】本発明のU,T型チタニルフタロシアニ
ンは、感度、電位の乗りがよくかつ暗所減衰が少く、湿
度安定性がよい。しかも塗料安定性がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1における粗チタニルフタロシアニンの
X線回折スペクトル図
【図2】合成例1で得られたウェットペーストチタニル
フタロシアニンのX線回折スペクトル図
【図3】U型結晶チタニルフタロシアニンのX線回折ス
ペクトル図
【図4】T型結晶チタニルフタロシアニンのX線回折ス
ペクトル図
【図5】Y型結晶チタニルフタロシアニンX線回折スペ
クトル図
【図6】合成例1,2及び比較合成例(1)で得られたU
及びT型結晶並びにY型チタニルフタロシアニンのTG
【図7】レーザビームの輝度分散図

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上にチタニルフタロシアニ
    ン結晶を含む感光層を有し、該チタニルフタロシアニン
    結晶がチタニルフタロシアニンと隣接OH基を有する環
    状化合物の付加体からなることを特徴とする電子写真感
    光体。
  2. 【請求項2】 チタニルフタロシアニンの隣接OH基を
    有する環状化合物の付加体が1,2-シクロヘキサンジオー
    ル付加体である事を特徴とする請求項1に記載の電子写
    真感光体。
  3. 【請求項3】 チタニルフタロシアニンの1,2-シクロヘ
    キサンジオール付加体がCuKαに対するX線回折スペ
    クトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2)の少なくとも7.
    7, 16.1, 16.4, 18.7, 19.3度にピークを有する結晶で
    ある事を特徴とする請求項1,2のいずれかに記載の電
    子写真感光体。
  4. 【請求項4】 チタニルフタロシアニンの1,2-シクロヘ
    キサンジオール付加体がCuKαに対するX線回折スペ
    クトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2)の少なくとも
    7.4,8.3,13.8,18.2,27.0度にピークを有する結晶で
    ある事を特徴とする請求項1,2のいずれかに記載の電
    子写真感光体。
  5. 【請求項5】 チタニルフタロシアニンのアモルファス
    体を隣接OH基を有する環状化合物の存在下に処理して
    製造したチタニルフタロシアニンの環状化合物ジオール
    付加体を含む電子写真感光体。
JP7131692A 1992-03-27 1992-03-27 電子写真感光体 Pending JPH05273776A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7131692A JPH05273776A (ja) 1992-03-27 1992-03-27 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7131692A JPH05273776A (ja) 1992-03-27 1992-03-27 電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05273776A true JPH05273776A (ja) 1993-10-22

Family

ID=13457069

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7131692A Pending JPH05273776A (ja) 1992-03-27 1992-03-27 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05273776A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5932382A (en) * 1997-03-31 1999-08-03 Dainippon Ink & Chemicals, Inc. Phthalocyanine compound and electrophotographic photoreceptor comprising same
US6008346A (en) * 1997-03-31 1999-12-28 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Phthalocyanine compound and electrophotographic photoreceptor comprising same
US9235146B2 (en) 2013-09-13 2016-01-12 Ricoh Company, Ltd. Photoconductor

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5932382A (en) * 1997-03-31 1999-08-03 Dainippon Ink & Chemicals, Inc. Phthalocyanine compound and electrophotographic photoreceptor comprising same
US6008346A (en) * 1997-03-31 1999-12-28 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Phthalocyanine compound and electrophotographic photoreceptor comprising same
US9235146B2 (en) 2013-09-13 2016-01-12 Ricoh Company, Ltd. Photoconductor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1264978A (en) Dual layer photoreceptor for use in electrophotography
JP2657836B2 (ja) 電子写真感光体
US5626999A (en) Phthalocyanine composition, process for preparing the same and electrophotographic photoreceptor using the same
JP2808379B2 (ja) 電子写真感光体
WO2000005628A1 (en) Photoconductor with charge generation binder blend
JPH05273776A (ja) 電子写真感光体
JPH0782504A (ja) フッ素置換チタニルフタロシアニン結晶および電子写真感光体
JP2899871B2 (ja) チタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオールの付加体化合物
JP3160771B2 (ja) 電子写真感光体
US5376487A (en) Photosensitive member containing specified arylamine compound and electron-accepting compound
JPH05273774A (ja) 電子写真感光体
JP2973055B2 (ja) チタニルフタロシアニン結晶分散液
JPH05257308A (ja) 電子写真感光体
JP3597759B2 (ja) 顔料分散液の製造方法、顔料分散液、電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体および電子写真装置
JP3268464B2 (ja) チタニルフタロシアニン結晶分散液
JP3861481B2 (ja) チタニルフタロシアニン結晶とそれを用いた電子写真感光体
JP3255525B2 (ja) ピラジン化合物及びそれを含有する電子写真感光体
JP3985209B2 (ja) 電子写真用感光体およびその製造方法
JPS62121460A (ja) 電子写真感光体
JPH02165156A (ja) 電子写真感光体
JPH10293407A (ja) 電子写真用感光体およびその製造方法
JP2976312B2 (ja) 電子写真感光体
JPH0261643A (ja) 電子写真感光体
JPH04371962A (ja) 電子写真感光体
JPH10307411A (ja) 電子写真感光体およびその製造方法