JPH05345833A - 発泡体組成物 - Google Patents

発泡体組成物

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JPH05345833A
JPH05345833A JP18042692A JP18042692A JPH05345833A JP H05345833 A JPH05345833 A JP H05345833A JP 18042692 A JP18042692 A JP 18042692A JP 18042692 A JP18042692 A JP 18042692A JP H05345833 A JPH05345833 A JP H05345833A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い衝撃吸収性を有する発泡体組成物を得
る。 【構成】 動的粘弾性測定により得られるtanδが−
20℃から40℃の温度範囲にある共役ジエン系重合体
またはその水添物を発泡用成分として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衝撃吸収性に優れた発
泡体組成物および発泡体組成物と合板とを積層してなる
積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡体のベースポリマーとしては、ポリ
スチレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)等の樹脂や天然ゴム、スチレン−ブタジエ
ン共重合体(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体(NBR)等のエラストマーが用いられてい
る。これらの発泡体は、衝撃吸収させる目的で、靴底、
床材、緩衝材等の用途を始めとして広く使用されてい
る。しかし、これらのポリマーはいずれも発泡体を使用
する室温付近にtanδの吸収を有していないことか
ら、衝撃吸収材として用いる場合には発泡倍率を高くし
て発泡体の硬度を低くし、発泡体の変形量を大きくする
ことで衝撃を吸収している。その結果、発泡体の強度的
性質が低下するために用途によっては使用できない場合
もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は室温付近にt
anδの吸収ピークを有する重合体を発泡体のベースポ
リマーに用いることで従来の発泡体よりも高い衝撃吸収
性能を有する発泡体組成物を提供すること、および室温
付近にtanδの吸収ピークを有する重合体を用いた発
泡体と合板とを積層した振動吸収性能に優れた積層体を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、−20
℃から40℃の温度範囲に動的粘弾性測定により得られ
るtanδの吸収ピークを有する共役ジエン系重合体ま
たはその水添物からなる発泡体組成物により、上記課題
が解決される。
【0005】以下に本発明を更に詳しく説明する。
【0006】本発明に用いられる共役ジエン系重合体と
は芳香族ビニルモノマー、イソプレン、ブタジエンから
なる共重合体のことである。
【0007】重合体の形態としてはランダム、テーパー
ド、ブロックのいずれでも良く、重合体中にこれらの形
態が混在していても差支えない。
【0008】共役ジエン系重合体中の芳香族ビニルモノ
マーの割合は0〜50%の範囲であり、50%を越える
とtanδの吸収ピーク値が低くなり、衝撃吸収性が不
十分となり好ましくない。
【0009】本発明において用いられる芳香族ビニルモ
ノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、1−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン、4−
プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−
ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレ
ン、4−(フェニルブチル)スチレン等が挙げられる。
特にスチレンが好ましい。
【0010】共役ジエン系重合体中のイソプレンおよび
ブタジエンの割合はいずれも0〜100%の範囲であ
る。
【0011】本発明の共役ジエン系重合体の動的粘弾性
測定により得られるtanδの吸収ピークは−20℃か
ら40℃の範囲であり、この温度範囲を越えると通常の
使用温度領域で十分な衝撃吸収性能が得られない。
【0012】本発明の共役ジエン系重合体の数平均分子
量は、30000〜800000の範囲であり3000
0より小さい場合には、発泡体とした際の強度が低い、
あるいは粘着性がある等の問題がある。逆に80000
0を越えると加工性が悪くなるため好ましくない。
【0013】本発明において用いられる共役ジエン系重
合体は、アルキルリチウム化合物を開始剤とするアニオ
ン重合により得られる。アルキルリチウム化合物の例と
してはアルキル残基の炭素原子数が1〜10のアルキル
化合物が挙げられるが、特にメチルリチウム、エチルリ
チウム、ペンチルリチウム、ブチルリチウムが好まし
い。また、ブロックの形態を持つ共役ジエン系重合体
は、(イ)アルキルリチウム化合物を開始剤として芳香
族ビニルモノマーに続いてイソプレン、ブタジエンまた
はイソプレン−ブタジエンを逐次重合する方法、(ロ)
芳香族ビニルモノマーに続いてイソプレン、ブタジエン
またはイソプレン−ブタジエンを重合し、これをカップ
リング剤によりカップリングする方法、(ハ)ジリチウ
ム化合物を開始剤としてイソプレン、ブタジエンまたは
イソプレン−ブタジエンに続いて芳香族ビニルモノマー
を逐次重合する方法等が挙げられる。
【0014】ジリチウム化合物としては例えばナフタレ
ンジリチウム、ジチオヘキシルベンゼン等が挙げられ
る。また、カップリング剤としてはジクロロメタン、ジ
ブロムメタン、ジブロモベンゼン等が挙げられる。
【0015】共役ジエン系重合体が−20℃〜40℃の
範囲にtanδの吸収ピークを持つようにするために
は、イソプレン、ブタジエンの3,4または1,2結合
を増す方法、あるいは芳香族ビニルモノマーをランダム
に共重合させる方法が用いられる。このような重合体を
得るためには、重合の際に共触媒としてルイス塩基が用
いられる。ルイス塩基の例としてはジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル
類、トリエチルアミン、N,N,N′,N′−テトラメ
チルエチレンジアミン(TMEDA)、N−メチルモル
ホリン等のアミン化合物等が挙げられる。これらのルイ
ス塩基の使用量は重合開始剤のリチウムのモル数に対し
て概ね0.1〜1000倍の範囲である。
【0016】重合の際には制御を容易にするために溶媒
を使用するのが好ましい。溶媒としては重合開始剤に対
して不活性な有機溶媒が用いられる。特に炭素原子数が
6〜12の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素が好ましく
用いられる。その例としてはヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン等が挙げ
られる。
【0017】重合は0〜80℃の温度範囲で0.5〜5
0時間の範囲で行われる。
【0018】共役ジエン系重合体は公知の方法により水
添することができる。水添反応は水添反応および水添触
媒に不活性な溶媒に共役ジエン系重合体を溶解した状態
で公知の水添触媒により分子状態の水素を反応させる方
法が好ましく用いられる。使用される触媒としては、ラ
ネーニッケルあるいはPt、Pd、Ru、Rh、Ni等
の金属をカーボン、アルミナ、硅藻土等の担体に担持さ
せたもの等の不均一触媒、または遷移金属とアルキルア
ルミニウム化合物、アルキルリチウム化合物等の組み合
わせからなるチーグラー系の触媒等が用いられる。反応
は水素圧が常圧ないし200kg/cm2 、反応温度が
常温ないし250℃、反応時間が0.1ないし100時
間の範囲で行われる。反応後の重合体は反応液をメタノ
ール等により凝固させた後に加熱あるいは減圧乾燥させ
るか、反応液を沸騰水中に注ぎ溶媒を共沸させ除去した
後に加熱あるいは減圧乾燥することにより得られる。
【0019】水添率は要求される物性のレベルによって
決定されるが、耐熱性および耐候性を重視する場合には
50%以上、好ましくは70%以上に水添するのがよ
い。
【0020】本発明の発泡体組成物においては、共役ジ
エン系重合体およびその水添物に加えて、本発明の趣旨
を損なわない範囲であれば他のポリマーをブレンドして
使用することも可能である。その例としては天然ゴム、
合成シスポリイソプレン、ポリブタジエン、SBR、液
状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、スチレン−イ
ソプレンブロック共重合体、水添スチレン−イソプレン
ブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体等が挙げられる。
【0021】本発明の発泡体組成物には必要に応じて発
泡剤が添加される。発泡剤としては、N,N′−ジニト
ロソ・ペンタメチレン・テトラミン(DPT)等のニト
ロソ化合物、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾ
ビス・イソブチロニトリル(AZDN)等のアゾ化合
物、ベンゼン・スルホニル・ヒドラジド(BSH)、
p,p′−オキシビス(ベンゼンスルホニル・ヒドラジ
ド)(OBSH)等のスルホニル・ヒドラジド化合物、
重炭酸ナトリウム(重曹)、重炭酸アンモニウム等の無
機発泡剤等が挙げられる。
【0022】また、発泡剤とともに発泡助剤が添加され
る。発泡助剤としては例えばサリチル酸等の有機酸、尿
素およびその化合物が挙げられる。
【0023】本発明の発泡体組成物は加硫剤により加硫
して用いられる。
【0024】加硫剤としては、例えばイオウ、ジクミル
ペルオキシド、ジ−第三ブチルペルオキシド等の有機過
酸化物等が挙げられる。
【0025】また、加硫剤とともに加硫促進剤が添加さ
れる。加硫促進剤としては、チアゾール系、チウラム
系、グァニジン系等の有機イオウ化合物等が挙げられ
る。
【0026】本発明の発泡体組成物は、ポリマー成分、
発泡剤および加硫剤の他に各種添加剤が使用される。添
加剤としては、充填剤、軟化剤、老化防止剤、顔料等が
挙げられる。
【0027】充填剤としては、例えばカーボンブラッ
ク、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タ
ルク等が挙げられる。
【0028】軟化剤としては、例えばパラフィン系、ナ
フテン系、芳香族系のプロセスオイル、ジオクチルフタ
レート(DOP)、ジブチルフタレート等のフタル酸誘
導体等が挙げられる。
【0029】老化防止剤としては、例えばアミン系、フ
ェノール系の老化防止剤等が用いられる。
【0030】本発明の発泡体組成物は、ロール、ニーダ
ー等の混練機においてベースとなるポリマーに各種の添
加剤を混練した後に、求める形状に成型するか、あるい
は金型中で加熱し加硫と同時に発泡させることにより得
られる。この時に用いられる加硫装置は、プレス加硫
機、ギアオーブン等が挙げられる。
【0031】本発明の発泡体組成物は、靴底、包装材、
床材等衝撃吸収性が求められる分野で使用される。
【0032】本発明の発泡体組成物と合板とを積層して
なる積層体は、振動吸収性能に優れていることから、特
に床材用途に好んで用いられる。
【0033】本発明の積層体に使用される合板について
は、一般的に建材用途で使用されている合板であれば特
に制限はなく、2種類以上の合板を用いることができ
る。
【0034】本発明の積層体に使用される合板の厚みに
ついてもその用途で十分な強度を有する物であれば特に
制限はない。
【0035】本発明の積層体に使用される発泡体組成物
の厚みについても特に制限はないが、発泡体組成物の片
面だけに合板を積層する場合には十分な振動吸収性能を
持たせるためには合板の厚みに対して概ね1倍以上の厚
みが必要である。また、発泡体組成物の両面に合板を積
層する場合には、合板の厚みに対して0.1倍以上の厚
みが必要である。この場合、積層する合板は両面で異な
った厚みの物を使用することも可能である。
【0036】本発明の積層体の構造は、2または3層構
造以上の多層構造でも差支えなく、合板と発泡体組成物
以外に他の発泡体、シート、フェルトあるいは不織布等
を積層しても差支えない。
【0037】本発明の積層体は、合板と発泡体組成物を
接着剤あるいは粘着テープ等で張合わせることで製造さ
れる。
【0038】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0039】なお、参考例および実施例中の各測定値は
以下の方法により求めた。
【0040】tanδの吸収ピークは、レオバイブロン
(オリエンテック社製)DDV−III により粘弾性スペ
クトルを測定することにより求めた。
【0041】発泡体組成物の衝撃吸収性能はリュプケの
反発弾性率測定装置により25℃で測定した。
【0042】また、積層体の振動吸収性能(対数減衰
率)は幅2cm、長さ20cmの大きさの試料の一端を
固定した状態で衝撃を加えた場合の試料の振動減衰曲線
から求めた。対数減衰率が大きいほど振動吸収性能が高
いことを示す。
【0043】水添率は水添反応前後でのブロック共重合
体のヨウ素価を測定し、その比より算出した。 参考例1 乾燥し窒素で置換された耐圧反応器で、溶媒としてシク
ロヘキサン、重合触媒としてn−ブチルリチウム、共触
媒としてTMEDAを用い、イソプレンモノマーを単独
で重合した。重合終了後、メタノール中にて凝固させた
後に減圧乾燥し重合体(I)を得た。表1に分子特性を
示した。 参考例2 スチレンモノマー、イソプレンモノマー、スチレンモノ
マーの順に添加した以外は参考例1と同様の方法により
ブロック共重合体(II)を得た。また、得られたブロッ
ク共重合体(II)をシクロヘキサン中で、水添触媒とし
てPd−Cを用い、水素圧20kg/cm2 で水添反応
を行い、水添ブロック共重合体(III )を得た。分子特
性を表1に示した。 参考例3 スチレンモノマーとイソプレンモノマーの混合モノマー
を用いた以外は参考例1と同様の方法により共重合体
(IV)を得た。表1に分子特性を示した。 実施例1〜5 表2に示した配合に基づきニーダーにより100℃で混
練した後に140℃で10分間プレス加硫した後、更に
160℃で20分間プレス加硫した。得られた発泡体の
物性を表2に示した。 比較例1および2 エチレン−酢酸ビニル共重合体と天然ゴムを表2に示し
た配合に基づき実施例と同様の方法により混練、加硫し
発泡体を得た。得られた発泡体の物性を表2に示した。 実施例6,7および比較例3,4 実施例および比較例で得られた発泡体を紙製両面テープ
で合板と発泡体組成物を貼り合わせた後に振動吸収性能
の測定を行った。なお、タイプ(I)の積層体は厚さ5
mmの発泡体組成物の片面に厚さ10mmの合板を積層
したもの(2層構造)であり、タイプ(II)の積層体は
厚さ1mmの発泡体組成物の一方の面に厚さ3mmの合
板を、他方の面に厚さ5mmの合板を積層したもの(3
層構造)である。測定結果を表3に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】tanδの吸収ピークが特定の範囲にあ
る共役ジエン系重合体を発泡してなることを特徴とする
発泡体は高硬度においても高い衝撃吸収性を有する材料
として使用できる。また、積層体は優れた振動吸収性能
を有することから床材用途に適した材料である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 −20℃から40℃の温度範囲に動的粘
    弾性測定により得られるtanδの吸収ピークを有する
    共役ジエン系重合体またはその水添物を用いることを特
    徴とする発泡体組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発泡体組成物と合板とを
    積層してなる積層体。
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