JP5469111B2 - ゴム組成物、架橋ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物、架橋ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来からタイヤ用のゴム材料としては様々なものが知られている。例えば、タイヤのトレッド部に用いられるゴム材料として、特許文献1には、ジエン系原料ゴム、補強剤及び特定の酸無水物変性ポリブテンを特定の割合で含んでなるゴム組成物が開示されている。
また、特許文献2には、天然ゴム等のゴムに対して、カーボンブラック及び/又はシリカと、アルコキシシリル基を少なくとも一つ有するポリイソブチレン系の化合物とを特定の割合で配合してなるスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物が開示されている。
また、特許文献3には、アルコキシシランと、カルボン酸、アミド、エステル、水酸基及びアミノ基の群より選ばれる少なくとも1種の水素結合可能な部位とを分子内に有し、かつイソブチレンをモノマーとして少なくとも1種有する重合体を含むゴム組成物が開示されている。
また、特許文献4には、常温及び酸素存在下において安定に存在するニトロキシドラジカル、ヒドラジルラジカル、アリロキシラジカル及びトリチルラジカルからなる群から選ばれた少なくとも1種のフリーラジカルを分子中に有し、イソブチレン繰り返し単位を含んでなる重合体を含むゴム組成物が開示されている。
また、特許文献5には、ジエン系化合物の単独重合体又は共重合体とポリブテンとのブロック共重合体を含むゴム組成物が開示されている。
また、特許文献6には、ポリブテンとポリブタジエンのブロック共重合体を含むゴム組成物が開示されている。
また、特許文献7には、ポリイソブチレン/p−メチルスチレン共重合体の臭素化物と二価の金属原子の酸化物及びチッ素原子含有有機化合物とを予備混練りし、ついでえられる予備混練物と他のゴム成分とを混練りすることによりえられるタイヤトレッド用ゴム組成物が開示されている。
また、特許文献8には、ルイス酸触媒を開始剤としたカチオン共重合により得られた重合体とゴム成分とを含有することを特徴とするゴム組成物が開示されており、上記重合体としては、イソブチレン単独重合体、又は、イソブチレンと芳香族ビニル化合物との共重合体が好ましい旨記載されている。
また、特許文献9には、ゴムエラストマー、トリブロックエラストマー及び補強剤を、特定の割合で含んでなるゴム組成物が開示されている。そして、上記トリブロックエラストマーとしては、末端ポリスチレンハードセグメントAと内部イソブテン系エラストマー・ソフトセグメントBより構成される、A−B−Aの一般配置を有する少なくとも1種のトリブロックエラストマーを用いることが記載されている。
また、特許文献10には、硫黄硬化性のゴムに対し、特定の構造を有するメルカプトポリブテニル誘導体又は特定の構造を有するアシルチオ−ポリブテニル誘導体を加えてなる加硫性ゴム組成物が開示されている。
さらに、特許文献11には、ポリイソブチレンの少なくとも一部のポリマー分子鎖中にジスルフィド結合を有することを特徴とする機能性ポリイソブチレンが記載されている。
特開平11−35735号公報 特開平11−91310号公報 特開2000−169523号公報 特開2000−143732号公報 特開平11−80364号公報 特開2001−131289号公報 特開平11−80433号公報 特開平11−315171号公報 特開2001−247722号公報 特開平10−251221号公報 特開2005−54016号公報
本発明は、タイヤ用のゴム材料として有用な新規架橋ゴム組成物、及び該架橋ゴム組成物を得るための新規ゴム組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、新規架橋ゴム組成物を有する部位を備える空気入りタイヤを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、オレフィン性二重結合を有するゴム成分と、下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位を有するイソブチレン系重合体と、を含有するゴム組成物を提供する。
Figure 0005469111

Figure 0005469111

[式中、nは0又は1を示し、Xは二価の基を示し、Yは環外に不飽和結合を有する脂環基を示す。]
このようなゴム組成物によれば、ゴム成分とイソブチレン系重合体とが架橋した構造を有する新規な架橋ゴム組成物が得られる。そして、上記ゴム組成物から得られる架橋ゴム組成物は、動的粘弾性試験における、高温(例えば60℃)での損失係数(tanδ)が小さく、低温(例えば0℃)での損失係数(tanδ)が大きいものとなる。
タイヤ用、特にタイヤのトレッド部に用いるゴム材料に対する基本的な要求特性としては、以下のようなものが挙げられる。
(a)屈曲や伸長などの繰り返し応力に対する耐破壊性及び耐磨耗性に優れること。
(b)転動抵抗が小さいこと(転がり抵抗特性が良好であること)。
(c)湿潤路面におけるブレーキ制動性(ウェットグリップ性)に優れること。
なお、(b)に関して、ゴム材料の動的粘弾性試験により周波数10〜100Hz、60℃付近で測定される損失係数(tanδ)が小さいほど転動抵抗に優れることが知られている。一方、(c)に関しては、ゴム材料の動的粘弾性試験により周波数10〜100Hz、0℃付近で測定される損失係数(tanδ)が大きいほどブレーキ制動性に優れることが知られている。
これらの性質のうち、(b)及び(c)は、いずれもゴム材料のヒステリシスロスに関する特性である。一般にヒステリシスロスを大きくすると、グリップ力は高くなり制動性能が向上するが、転動抵抗(転がり抵抗)も大きくなり燃費の増大をもたらす。このように、グリップ性能と転がり抵抗特性は相反する関係にあるため、(b)及び(c)の両特性を同時に満足することは難しい。
本発明のゴム組成物から得られる架橋ゴム組成物は、動的粘弾性試験における高温(例えば60℃)での損失係数(tanδ)を低く維持しつつ、低温(例えば0℃)での損失係数(tanδ)を大きくすることができるため、上記(b)及び(c)の両特性を満足するゴム材料として好適に用いることができる。すなわち、本発明に係るゴム組成物から得られる架橋ゴム組成物によれば、例えば、空気入りタイヤのトレッド部に用いた場合に、優れた転がり抵抗特性及びブレーキ制動性(ウェットグリップ性)を発現することができる。
また、上記ゴム組成物によれば、イソブチレン系重合体がゴム成分との架橋性に優れるものであるため、例えばゴム成分を単独で架橋させた場合と比較して、短時間で十分に架橋された架橋ゴム組成物を得ることができる。
本発明のゴム組成物は、上記イソブチレン系重合体が、下記式(2)で表される構造単位として、下記式(2−a)で表される構造単位及び/又は下記式(2−b)で表される構造単位を有することが好ましい。
Figure 0005469111

[式中、nは0又は1を示し、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はフェニル基を示し、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよい。]
また、本発明のゴム組成物は、上記イソブチレン系重合体の含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して、0.5〜70質量部であることが好ましい。
また、本発明のゴム組成物は、上記イソブチレン系重合体の重量平均分子量が、500〜500000であることが好ましい。
また、本発明のゴム組成物は、上記イソブチレン系重合体が、主鎖中に不飽和結合を実質的に有しないものであることが好ましい。なお、ここで「主鎖中に不飽和結合を実質的に有しない」とは、式(1)で表される構造単位及び式(2)で表される構造単位の合計量を基準として、主鎖中の不飽和結合の数が、0.1モル%以下であることを示す。
また、本発明のゴム組成物は、上記イソブチレン系重合体が、上記式(1)で表される構造単位と上記式(2)で表される構造単位とのランダム共重合鎖を有することが好ましい。このようなゴム組成物によれば、ゴム成分とイソブチレン系重合体との架橋反応が均一に進行し、上記効果に一層優れる架橋ゴム組成物が得られる。
また、本発明のゴム組成物は、架橋剤をさらに含有していてもよい。
また、本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分が、天然ゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲン化イソプレンゴム、ハロゲン化イソブチレンコポリマー、クロロプレンゴム、ブチルゴム及びハロゲン化イソブチレン−p−メチルスチレンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
さらに、本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分が、少なくともスチレン−ブタジエンゴムを含有することが好ましい。ゴム成分がスチレン−ブタジエンゴムを含有すると、ゴム組成物から得られる架橋ゴム組成物が、空気入りタイヤのトレッド部に一層好適なものとなる。
本発明はまた、上記本発明のゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム組成物であって、ゴム成分とイソブチレン系重合体とが架橋した構造を有する、架橋ゴム組成物を提供する。
このような架橋ゴム組成物は、動的粘弾性試験における高温(例えば60℃)での損失係数(tanδ)を低く維持しつつ、低温(例えば0℃)での損失係数(tanδ)を大きくすることができるため、上記(b)及び(c)の両特性を満足するゴム材料として好適に用いることができる。そして、上記架橋ゴム組成物によれば、例えば、空気入りタイヤのトレッド部に用いた場合に、優れた転がり抵抗特性及びブレーキ制動性(ウェットグリップ性)を発現することができる。
なお、本発明の架橋ゴム組成物は、タイヤ用途のみならず、工業用ベルト、工業用ゴムホース等の工業用ゴム部材の用途にも好適に用いることができる。
本発明はさらに、トレッド部又はインナーライナー部に上記本発明の架橋ゴム組成物を含有する、空気入りタイヤを提供する。
本発明によれば、タイヤ用のゴム材料として有用な新規架橋ゴム組成物、及び該架橋ゴム組成物を得るための新規ゴム組成物が提供される。また、本発明は、新規架橋ゴム組成物を有する部位を備える空気入りタイヤが提供される。
実施例1及び比較例1〜3のゴム組成物の加硫度試験を示す図である。
本発明の好適な実施形態について以下に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物は、オレフィン性二重結合を有するゴム成分(A)と、下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位を有するイソブチレン系重合体(B)と、を含有するゴム組成物を提供する。
Figure 0005469111
Figure 0005469111
式中、nは0又は1を示し、Xは二価の基を示し、Yは環外に不飽和結合を有する脂環基を示す。なお、nが0であるとは、式(2)中の酸素原子とYとが直接結合していることを示す。
このようなゴム組成物によれば、ゴム成分とイソブチレン系重合体とが架橋した構造を有する新規な架橋ゴム組成物が得られる。そして、上記ゴム組成物から得られる架橋ゴム組成物は、動的粘弾性試験における、高温(例えば60℃)での損失係数(tanδ)が小さく、低温(例えば0℃)での損失係数(tanδ)が大きいものとなる。そのため、上記ゴム組成物から得られる架橋ゴム組成物によれば、例えば、空気入りタイヤのトレッド部に用いた場合に、優れた転がり抵抗特性及びブレーキ制動性(ウェットグリップ性)を発現することができる。
また、上記ゴム組成物はイソブチレン系重合体がゴム成分との架橋性に優れるものであるため、上記ゴム組成物によれば、例えばゴム成分を単独で架橋させた場合と比較して、短時間で十分に架橋された架橋ゴム組成物を得ることができる。
ゴム成分(A)は、オレフィン性二重結合を含有するものであれば特に制限はなく、天然ゴム、合成ゴム及びこれらの混合物のいずれであっても良く、架橋によってもゴム物性を維持するものが好ましい。また、ゴム成分(A)としては、架橋により力学物性(機械物性)が増大するものが好ましい。
また、ゴム成分(A)は、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲン化イソプレンゴム、ハロゲン化イソブチレンコポリマー、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム及びハロゲン化イソブチレン−p−メチルスチレンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。このようなゴム成分(A)を含有するゴム組成物によれば、動的粘弾特性及び耐磨耗性が一層良好な架橋ゴム組成物を得ることができる。
また、ゴム成分(A)としては、入手が容易であるという観点からは、ブタジエン、イソプレン等のジエン系モノマーをモノマー単位として含むものが好適に用いられる。このようなゴム成分(A)としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム等が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ゴム成分(A)がスチレン−ブタジエンゴムを含有すると、架橋ゴム組成物の動的粘弾特性及び耐磨耗性が一層優れる。このとき、スチレン−ブタジエンゴムの含有量は、ゴム成分(A)の全量基準で、90質量%以上とすることが好ましく、95質量%以上とすることがより好ましい。このようなゴム成分(A)としては、スチレン−ブタジエンゴム単独、あるいは、スチレン−ブタジエンゴムに、天然ゴム、イソプレンゴム及びブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種を混合したものが好適に用いられる。このようなゴム成分(A)を含有するゴム組成物によれば、空気入りタイヤのトレッド部に用いるゴム材料として特に好適な架橋ゴム組成物が得られ、当該架橋ゴム組成物によれば、転がり抵抗特性、耐磨耗性及びブレーキ制動性に一層優れる空気入りタイヤが得られる。
また、ゴム成分(A)がブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムから選ばれる少なくとも1種のブチルゴム系ゴム成分を含有すると、架橋ゴム組成物の水蒸気バリア性及び酸素バリア性が一層優れる。このとき、ブチルゴム系ゴム成分の含有量は、ゴム成分(A)の全量基準で、10〜100質量%とすることが好ましく、50〜100質量%とすることがより好ましい。このようなゴム成分(A)を含有するゴム組成物によれば、空気入りタイヤのインナーライナー部に用いるゴム材料として特に好適な架橋ゴム組成物が得られ、当該架橋ゴム組成物によれば、空気もれが十分に低減された空気入りタイヤが得られる。
ゴム成分(A)の重量平均分子量は、イソブチレン系重合体(B)の重量平均分子量よりも大きければ特に制限されず、例えば、500000以上2000000以下のものを挙げることができる。
ゴム組成物中のゴム成分(A)の含有量は、ゴム組成物中の固形分の全量基準で、20〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましい。また、20〜80質量%とすることもでき、30〜70質量%とすることもできる。このようなゴム組成物によれば、上記架橋ゴム組成物が効率よく得られるとともに、得られた架橋ゴム組成物が耐磨耗性に一層優れたものとなる。
イソブチレン系重合体(B)は、式(1)で表される構造単位及び式(2)で表される構造単位を有する重合体(本明細書中、「重合体」は、共重合体を包含する用語として用いられる。)である。
式(2)中、Xで示される2価の基は、同式中のエーテル酸素(O)とYとの連結基としての機能を担うものである。Xで示される2価の基としては、アルキレン基、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシアルキル基等が好ましい。
Xで示される2価の基としては、アルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
式(2)中、nは0又は1を示す。なお、nが0の場合は、エーテル酸素(O)とYとがXを介さず直接結合した構造となる。
また、式(2)中、Yは、環外に不飽和結合を有する脂環基を示す。ここで脂環基は、環構造を有する炭化水素基であり、該環構造は単環式、縮合多環式、架橋多環式のいずれであってもよい。
脂環基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、ビニル基、アリル基、アリール基等が挙げられる。
脂環基としては、例えば、シクロブタン骨格、シクロペンタン骨格、シクロヘキサン骨格、シクロヘプタン骨格、シクロオクタン骨格、ノルボルナン骨格、トリシクロデカン骨格、テトラシクロドデカン骨格等の環構造を有する基が挙げられる。
「環外に不飽和結合を有する」とは、不飽和結合を構成する2つの炭素原子のうち、少なくとも一方が、環構造を構成する炭素原子以外の炭素原子であることを意味する。
脂環基としては、例えば、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタン、ビニルノルボルネン、エチリデンシクロブタン、ビニルトリシクロデカン、ビニルテトラシクロドデカン、エチリデンシクロヘキサン、エチリデンシクロオクタン、エチリデンノルボルネン、エチリデントリシクロデカン、エチリデンテトラシクロドデカン、イソプロピリデンシクロブタン、イソプロピリデンシクロペンタン、イソプロピリデンシクロヘキサン、イソプロピリデンシクロヘプタン、イソプロピリデンシクロオクタン、イソプロピリデンノルボルネン、イソプロピリデントリシクロデカン、イソプロピリデンテトラシクロドデカン、シクロペンチリデンシクロペンタン、シクロペンチリデンシクロヘキサン、シクロペンチリデンシクロヘプタン、シクロペンチリデンシクロオクタン、シクロペンチリデンノルボルネン、シクロペンチリデントリシクロデカン及びシクロペンチリデンテトラシクロドデカンからなる群より選ばれる環状化合物から、1個の水素原子を除いてなる基が挙げられる。
また、脂環基としては、下記式(2−1)で表される基が挙げられる。このような脂環基を有するイソブチレン系重合体は、ゴム成分との架橋性に一層優れるため、より短時間で十分に架橋された架橋ゴム組成物が得られる。
Figure 0005469111
式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はフェニル基を示し、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよい。
式(2−1)で表される基としてより具体的には、例えば以下の基が挙げられる。
Figure 0005469111
イソブチレン系重合体(B)は、式(2)で表される構造単位としては、下記式(2−a)で表される構造単位及び/又は下記式(2−b)で表される構造単位を有することが好ましい。
Figure 0005469111
式中、nは0又は1を示し、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はフェニル基を示し、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよい。
イソブチレン系重合体(B)において、式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位との共重合比(モル比)は、特に制限されないが、両者の合計量を基準として、式(2)で表される構造単位が0.1〜99モル%であることが好ましく、1〜90モル%であることがより好ましく、2〜80モル%であることがさらに好ましい。なお、ここでいう共重合比は、H−NMR及び/又は13C−NMR測定により各構造に帰属されるピークの強度を測定、比較することにより求めることができる。
イソブチレン系重合体(B)において、式(1)で表される構造単位と式(2)であらわされる構造単位との重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合のいずれであってもよい。イソブチレン系重合体は、上記式(1)で表される構造単位と上記式(2)で表される構造単位とのランダム共重合鎖を有することが好ましい。このようなゴム組成物によれば、ゴム成分とイソブチレン系重合体との架橋反応が均一に進行し、上記効果に一層優れる架橋ゴム組成物が得られる。
イソブチレン系重合体(B)の重量平均分子量は、ゴム成分(A)の重量平均分子量以下であることが好ましい。イソブチレン系重合体(B)の重量平均分子量は、具体的には、500〜500000であることが好ましく、700〜300000であることがより好ましく、1000〜200000であることがさらに好ましい。ここで重量平均分子量とは、GPC法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を示す。イソブチレン系重合体(B)の重量平均分子量が上記範囲の上限値より大きいと、得られるゴム組成物及び架橋ゴム組成物の加工性が劣る場合があり、極端に重量平均分子量が低いと、得られるゴム成分(A)との共架橋性が低下して架橋ゴム組成物の力学物性が劣る場合がある。
イソブチレン系重合体(B)は、主鎖中に不飽和結合を実質的に有しないものであることが好ましい。なお、ここで「主鎖中に不飽和結合を実質的に有しない」とは、式(1)で表される構造単位及び式(2)で表される構造単位の合計量を基準として、主鎖中の不飽和結合の数が、0.1モル%以下であることを示す。
イソブチレン系重合体(B)は、式(1)で表される構造単位及び式(2)で表される構造単位からなるものであってもよいが、これら2つの構造単位とは異なる構造単位をさらに有していてもよい。
例えば、イソブチレン系重合体(B)は、式(1)で表される構造単位及び式(2)で表される構造単位を有するブロックと他の構造単位を有するブロックとを備えるブロック共重合体であってもよい。
ゴム組成物におけるイソブチレン系重合体(B)の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.5〜70質量部であることが好ましく、1〜60質量部であることがより好ましい。また、3〜30質量部とすることもできる。このようなゴム組成物によれば、短時間で一層力学物性に優れる架橋ゴム組成物が得られる。
なお、イソブチレン系重合体(B)の含有量を、多くすると動的粘弾特性に特に優れるようになり、少なくすると耐磨耗性に特に優れるようになる。そのため、イソブチレン系重合体(B)の含有量を適宜調整することにより、用途に応じた架橋ゴム組成物が得られる。例えば、特に耐磨耗性に優れる架橋ゴム組成物を得るという観点からは、イソブチレン系重合体(B)の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましい。また、特に動的粘弾特性に優れる架橋ゴム組成物を得るという観点からは、イソブチレン系重合体(B)の含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して5〜60質量部であることが好ましい。
イソブチレン系重合体(B)の製造方法は、特に制限されないが、例えば、イソブチレンと下記式(3)で表されるビニルエーテルとを含有するカチオン重合性モノマーを、ルイス酸の存在下で重合(カチオン重合)させる方法が挙げられる。なお、式中、n、X及びYは上記と同義である。
CH=CH−O−(X)―Y (3)
ルイス酸としては、カチオン重合の触媒として用いられる公知のルイス酸を用いることができる。ルイス酸としては、例えば、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素のメタノール錯体(BF3・MeOH)等のハロゲン化ホウ素化合物;四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン等のハロゲン化チタン化合物;四塩化スズ、四臭化スズ、四ヨウ化スズ等のハロゲン化スズ化合物;三塩化アルミニウム、アルキルジクロロアルミニウム、ジアルキルクロロアルミニウム等のハロゲン化アルミニウム化合物;五塩化アンチモン、五フッ化アンチモン等のハロゲン化アンチモン化合物;五塩化タングステン等のハロゲン化タングステン化合物;五塩化モリブデン等のハロゲン化モリブデン化合物;五塩化タンタル等のハロゲン化タンタル化合物;テトラアルコキシチタン等の金属アルコキシドなどが挙げられる。
これらのルイス酸のうち、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素のメタノール錯体、三塩化アルミニウム、エチルジクロロアルミニウム、四塩化スズ、四塩化チタンなどが好ましい。また、ルイス酸の使用量は、原料モノマー(カチオン重合性モノマー)1モルに対して、好ましくは0.01〜1000ミリモル当量であり、より好ましくは0.05〜500ミリモル当量である。
カチオン重合性モノマーをリビングカチオン重合させる場合には、電子供与体成分を共存させることもできる。この電子供与体成分は、カチオン重合に際して、成長炭素カチオンを安定化させる効果及び/又は系中のプロトンをトラップする効果があるものと考えられている。そのため、電子供与体の添加によれば、分子量分布の狭い構造が制御された重合体が生成する。
電子供与体成分としては特に限定されず、そのドナー数が15〜60のものであれば、従来公知のものを広く利用できる。例えば、α−ピコリン、ジ−t−ブチルピリジンなどのピリジン類、トリエチルアミンなどのアミン類、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、エステル類、リン系化合物又はテトライソプロポキシチタンなどの金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等が挙げられる。
カチオン重合に際しては、反応溶媒を用いることができる。反応溶媒としては、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選ばれる一種の溶媒、または、二種以上の混合溶媒が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、1−クロロプロパン、1−クロロ−2−メチルプロパン、1−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルブタン、1−クロロ−3−メチルブタン、1−クロロ−2,2−ジメチルブタン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、1−クロロ−2,3−ジメチルブタン、1−クロロペンタン、1−クロロ−2−メチルペンタン、1−クロロ−3−メチルペンタン、1−クロロ−4−メチルペンタン、1−クロロヘキサン、1−クロロ−2−メチルヘキサン、1−クロロ−3−メチルヘキサン、1−クロロ−4−メチルヘキサン、1−クロロ−5−メチルヘキサン、1−クロロヘプタン、1−クロロオクタン、2−クロロプロパン、2−クロロブタン、2−クロロペンタン、2−クロロヘキサン、2−クロロヘプタン、2−クロロオクタン、クロロベンゼン等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
脂肪族炭化水素としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
カチオン重合において反応溶媒を使用する場合、得られるイソブチレン系重合体の溶解度、溶液の粘度、除熱の容易さ、等を考慮して、反応後のイソブチレン系重合体の濃度が0.1〜80質量%となるよう反応溶媒を使用することが好ましい。また、生産効率および操作性の観点からは、1〜50質量%となるよう反応溶媒を使用することが好ましい。
カチオン重合時のモノマー濃度は、0.1〜8モル/リットル程度が好ましく、0.5〜5モル/リットル程度がより好ましい。
カチオン重合で用いられる各種原料には、工業的もしくは実験的に入手できるものを使用することができる。但し、水、アルコール、塩酸等の活性な水素を有する物質;開始剤以外の3級炭素に結合した塩素原子を有する化合物;などが原料中に含まれていると、副反応が発生する要因となるため、予めこれらの化合物が極力低濃度になるよう精製することが好ましい。また、反応操作中に外部からこれらの化合物が進入するのを十分に防ぐことが好ましい。目的とする重合体を効率よく得るために、これらの化合物の総モル数を、開始剤の重合開始点総数を基準にして1倍以下に抑制することが好ましく、0.5倍以下に抑制することがより好ましい。
カチオン重合は、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。カチオン重合時の圧力は、モノマーの種類、有機溶媒の種類、重合温度等を考慮して、常圧、加圧等の任意の条件を採用することができる。
また、カチオン重合は、重合系が均一になるように十分な攪拌条件下に行うことが好ましい。カチオン重合は、例えば、1つの反応容器に重合溶媒、カチオン重合性モノマー、触媒、必要に応じて開始剤兼連鎖移動剤等を順次仕込んでいくバッチ式、又は半バッチ式で行うことができる。あるいは、重合溶媒、モノマー、触媒、必要に応じて開始剤兼連鎖移動剤等をある系内に連続的に仕込みながら反応させ、更に取出される連続法で行うこともできる。これらのうち、重合開始時点および重合中の重合触媒の濃度を制御し易い点からは、バッチ式が好ましい。
カチオン重合の重合温度は、得られる重合体の平均分子量に影響する。そのため、重合温度は、目的とする平均分子量に応じて適宜選択することが好ましい。重合温度は、例えば、−80℃〜20℃が好ましく、−70〜0℃がより好ましい。
カチオン重合の重合時間は、通常0.5〜270分程度、好ましくは20〜240分程度である。
カチオン重合においては、後の取り扱い易さからメタノール等のアルコール類の添加により重合反応を停止させるのが好ましいが、特にこれに限定されるものではなく、従来の慣用手段のいずれも適用でき、また、必ずしも停止反応を行なう必要はない。
カチオン重合で用いられる反応器の形態は特に限定されないが、攪拌槽型反応器が好ましい。その構造については特に制限を受けるものではないが、たとえばジャケット部での冷却が可能な構造を有し、モノマーおよび逐次的に供給される触媒、電子供与剤を均一に混合・反応させることのできる構造であることが好ましい。
また、反応器は、内部冷却コイルやリフラックスコンデンサー等の付帯設備が設けられて冷却能力が向上されたものであっても、邪魔板を設けて混合状態を良好にできる構造を有するものであっても良い。
攪拌槽型反応器に用いられる攪拌翼としては、特に制限を受けるものではないが、反応液の上下方向の循環、混合性能が高いものが好ましく、重合・反応液粘度が数センチポイズ程度の比較的低粘度領域においては(多段)傾斜パドル翼、タービン翼などの攪拌翼、数10センチポイズから数100ポイズの中粘性領域ではマックスブレンド翼、フルゾーン翼、サンメラー翼、Hi−Fミキサー翼、特開平10−24230に記載されているものなど大型のボトムパドルを有する大型翼、数100ポイズ以上の高粘性領域では、アンカー翼、(ダブル)ヘリカルリボン翼、ログボーン翼などが好適に使用される。
式(3)で表されるビニルエーテルとしては、例えば、下記式(3−a)で表されるビニルエーテル化合物及び下記式(3−b)で表されるビニルエーテル化合物が好適に用いられる。なお、式中、n、R及びRは上記と同義である。
Figure 0005469111
これらのビニルエーテル化合物の好適な製造方法について、以下に詳述する。
(1)nが0であるビニルエーテル化合物の製造方法
nが0であるビニルエーテル化合物は、例えば、下記第一の工程と下記第二の工程とを備える製造方法により、製造することができる。
(1−1)第一の工程
第一の工程では、下記式(4)で表されるノルボルネン化合物と下記式(5)で表されるカルボン酸とを酸触媒存在下で反応させて得られる化合物を、加水分解して、下記式(6−a)及び/又は下記式(6−b)で表されるノルボルナノール化合物を得る。式中、R及びRは上記と同義であり、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示す。
Figure 0005469111
Figure 0005469111
Figure 0005469111
第一工程は、例えば以下のように行うことができる。まず、下記スキーム1に示すように、式(4)で表されるノルボルネン化合物と式(5)で表されるカルボン酸とを、酸触媒存在下で反応させ、式(4−a)で表される化合物及び/又は式(4−b)で表されるエステル化合物を得る。
Figure 0005469111
ここで、式(5)で表されるカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ヒドロアンゲリカ酸、ピバル酸、カプロン酸等が挙げられ、これらのうち、付加反応の際の立体障害、臭気、価格等の観点から、ギ酸又は酢酸が好ましい。すなわち、Rとしては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基が挙げられ、これらのうち水素原子もしくはメチル基が好ましい。
スキーム1に示す反応における式(5)で表される化合物の使用量は、反応原料である式(4)で表されるノルボルネン化合物1モルに対して、1〜10モルが好ましく、2〜5モルがより好ましい。
酸触媒としては、硫酸、ギ酸、リン酸、トルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素−エーテル錯体、三フッ化ホウ素水和物、酸性樹脂、等が挙げられ、これらのうち、酸性度や価格等の観点から、硫酸が好ましい。
スキーム1に示す反応における酸触媒の使用量は、反応混合物全体に対して、0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましい。
スキーム1に示す反応は、溶媒存在下で行うことが好ましい。溶媒としては、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、デカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;等が挙げられる。これらのうち、沸点および酸触媒や反応基質の溶解度の観点から、トルエン、ベンゼンが好ましい。なお、これらは単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
スキーム1に示す反応の反応温度は、20℃〜150℃であることが好ましく、50℃〜120℃であることがより好ましい。また、スキーム1に示す反応の反応時間は、30分〜12時間であることが好ましく、2時間〜5時間であることがより好ましい。
スキーム1に示す反応に次いで、下記スキーム2に示すように、式(4−a)及び/又は式(4−b)で表されるエステル化合物を加水分解して、下記式(6−a)及び/又は下記式(6−b)で表されるノルボルナノール化合物を得る。なお、下記スキーム2に示すように式(4−a)で表されるエステル化合物と式(4−b)で表されるエステル化合物とを同時に加水分解に供してもよく、それぞれ独立に加水分解に供してもよい。
Figure 0005469111
ここで、加水分解は、公知の種々の方法により行うことができる。加水分解としては、塩基存在下による加水分解が好ましい。塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム、水酸化バリウム等が挙げられる。加水分解における塩基の使用量は、式(4−a)及び/又は式(4−b)で表される化合物1.0モルに対して、1.0〜5.0モルであることが好ましく、2.0〜4.0モルであることがより好ましい。
加水分解は、通常溶媒存在下で行う。溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらのうち、沸点、生成物との分離、塩基の溶解度の観点から、メタノール、エタノールが好ましい。
加水分解の反応条件としては、反応温度が0℃〜100℃であることが好ましく、50℃〜90℃であることがより好ましい。また、反応時間は、好ましくは30分〜24時間、より好ましくは1時間〜4時間である。
なお、第一の工程は、スキーム1に示す反応とスキーム2に示す反応とを、それぞれ独立に行ってもよい。また、スキーム1に示す反応を行った後、式(4−a)及び/又は式(4−b)で表されるエステル化合物を反応溶液中から単離せず、当該反応溶液に塩基及び溶媒を添加する等の方法により加水分解を行ってもよい。
(1−2)第二の工程
第二の工程では、式(6−a)及び/又は式(6−b)で表されるノルボルナノール化合物のヒドロキシル基をビニル化して、式(3−a−1)及び/又は式(3−b−1)で表されるビニルエーテル化合物を得る。
第二の工程は、例えば以下のように行うことができる。すなわち、スキーム3に示すように、式(6−a)及び/又は式(6−b)で表されるノルボルナノール化合物と式(7)で表されるビニルエステル化合物とを、Ir触媒存在下で反応させ、式(3−a−1)及び/又は式(3−b−1)で表されるビニルエーテル化合物を得る。なお、下記スキーム3に示すように式(6−a)で表されるノルボルナノール化合物と式(6−b)で表されるノルボルナノール化合物とを同時にビニル化反応に供してもよく、それぞれ独立にビニル化反応に供してもよい。
Figure 0005469111
式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基である。Rとしては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、これらのうち、メチル基が好ましい。
Ir触媒としては、ジ−μ−クロロビス[(η−シクロオクタ−1,5−ジエン)イリジウム(I)]触媒(以下[IrCl(cod)]触媒と略記する。なおcodはシクロオクタ−1,5−ジエンを示す)、[Ir(cod)]BF、[Ir(cod)(CHCN)]BF、IrCl(CO)(PPh(Phはフェニル基を示す。)等の有機金属錯体や、金属イリジウム、酸化イリジウム、水酸化イリジウム、フッ化イリジウム等の無機イリジウム化合物が挙げられ、これらのうち、反応性および安定性の観点から、[IrCl(cod)]が好ましい。
スキーム3に示す反応は、溶媒存在下で行うことが好ましい。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;等が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
スキーム3に示す反応では、反応速度を増大させるために塩基を添加することが好ましい。ここで、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム等のアルカリ金属有機酸塩(特に、アルカリ金属酢酸塩);酢酸マグネシウム等のアルカリ土類金属有機酸塩;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;ナトリウムフェノキシド等のアルカリ金属フェノキシド;トリエチルアミン、N−メチルピペリジン等のアミン類(第3級アミンなど);ピリジン、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン等の含窒素芳香族複素環化合物;等が挙げられる。上記の塩基の中でもナトリウムを含む塩基が好ましい。
塩基の使用量は、反応原料である式(6−a)及び/又は式(6−b)で表されるノルボルナノール化合物1モルに対して、0.001〜3モルであることが好ましく、0.005〜2モルであることがより好ましい。
スキーム3に示す反応の反応温度は、反応成分や触媒の種類などに応じて適宜選択できるが、20℃〜170℃であることが好ましく、70℃〜120℃であることがより好ましい。また、スキーム3に示す反応の反応時間は、反応成分や触媒の種類あるいは反応温度により適宜選択できるが、好ましくは2時間〜24時間、より好ましくは5時間〜15時間である。
スキーム3に示す反応は、常圧で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。反応の雰囲気は、反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの何れであってもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法でも行うことができる。
スキーム3に示す反応において、反応原料である式(7)で表される化合物の使用量は、式(6−a)又は式(6−b)で表されるノルボルナノール化合物1モルに対して、好ましくは1モル〜5モル、更に好ましくは2〜3モルである。
また、第二の工程は、以下の方法で行うこともできる。すなわち、下記スキーム4に示すように、式(6−a)及び/又は式(6−b)で表されるノルボルナノール化合物とアセチレンとを、塩基存在下、反応させて、該ノルボルナノール化合物のヒドロキシル基をビニル化することにより、式(3−a−1)及び/又は式(3−b−1)で表されるビニルエーテル化合物を得ることもできる。なお、下記スキーム4に示すように式(6−a)で表されるノルボルナノール化合物と式(6−b)で表されるノルボルナノール化合物とは、同時にビニル化反応に供してもよく、それぞれ独立にビニル化反応に供してもよい。
Figure 0005469111
スキーム4に示す反応は、溶媒存在下で、又は無溶媒で、行うこができる。ここで溶媒としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等の非プロトン性溶媒が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
非プロトン性溶媒の使用量は、式(6−a)及び/又は式(6−b)で表されるノルボルナノール化合物1モルに対して、1〜20モルであることが好ましく、3〜13モルであることがより好ましい。
スキーム4に示す反応において、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;等が挙げられ、これらのうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましい。
塩基の使用量は、式(6−a)及び/又は式(6−b)で表されるノルボルナノール化合物1モルに対して、0.05〜1モルであることが好ましく、0.1〜0.5モルであることが反応速度及び経済的な観点からより好ましい。
スキーム4で用いるアセチレンは、反応速度及び収率の観点から、ゲージ圧が0.01MPa以上となるように反応容器に導入されることが好ましく、ゲージ圧が0.15MPa以上となるように反応容器に導入されることがより好ましい。
スキーム4に示す反応の反応温度は、80〜180℃が好ましく、100〜140℃がより好ましい。
(2)nが1であるビニルエーテル化合物の製造方法
nが1であるビニルエーテル化合物は、例えば、下記第一の工程と、下記第二の工程と、下記第三の工程と、を備える製造方法により、製造することができる。
(2−1)第一の工程
第一の工程では、式(4)で表されるノルボルネン化合物から、下記式(8−a)及び/又は下記式(8−b)で表されるアルデヒド化合物を得る。式中、R及びRは上記と同義である。
Figure 0005469111
第一の工程は、例えば以下のように行うことができる。まず、下記スキーム5に示すように、式(4)で表されるノルボルネン化合物を、一酸化炭素及び水素を含む混合気体雰囲気下、金属触媒存在下で反応させて、式(8−a)及び/又は式(8−b)で表されるアルデヒド化合物を得る。
Figure 0005469111
ここで、金属触媒としては遷移金属化合物が用いられ、特に周期表中の第8族元素、第9族元素、第10族元素の化合物が有用である。なかでも、コバルト化合物、ロジウム化合物、イリジウム化合物、ルテニウム化合物、白金化合物等が有用である。
金属錯体としては、コバルト又はロジウムのハロゲン化物、酸化物、カルボン酸塩、硝酸塩、あるいはオレフィン、水素、一酸化炭素、第3級アミン、ホスファイト、ホスフィナイト、ホスホナイト、ホスフィンなど、またそれらがキレートした多座配位子を持つ錯体が好ましい。これら遷移金属化合物は、単独で、あるいは他の金属化合物を助触媒として加えて、利用することができる。
スキーム5に示す反応における金属触媒の使用量は、式(4)で表されるノルボルネン化合物1モルに対して、好ましくは0.00001〜0.1モルであり、より好ましくは0.0001〜0.01モルである。スキーム5に示す反応においては、配位子を触媒1モルに対して1000〜10000倍モル加えると、触媒の分圧抑制、反応圧の低下、選択性の向上などの利点を付与することができる。
スキーム5に示す反応の反応温度は、30〜300℃であることが好ましく、50〜250℃であることがさらに好ましい。スキーム5に示す反応の反応圧力は、20〜250気圧であることが好ましく、使用する混合気体中の一酸化炭素と水素との混合比(一酸化炭素の体積/水素の体積)は、0.5〜2.0が好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.2である。
また、スキーム5に示す反応は、溶媒の存在下で行うことができる。溶媒としては、飽和炭化水素系溶媒、ベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、スルホラン、水、等が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。また、スキーム5に示す反応においては、反応原料や反応生成物を溶媒とすることもできる。
(2−2)第二の工程
第二の工程では、式(8−a)及び/又は式(8−b)で表されるアルデヒド化合物のカルボニル基を還元して、式(9−a)及び/又は式(9−b)で表されるアルコール化合物を得る。
Figure 0005469111
第二の工程は、例えば以下のように行うことができる。すなわち、スキーム6に示すように、式(8−a)及び/又は式(8−b)で表されるアルデヒド化合物と金属水素化物とを反応させて、式(9−a)及び/又は式(9−b)で表されるアルコール化合物を得る。なお、下記スキーム6に示すように式(8−a)で表されるアルデヒド化合物と式(8−b)で表されるアルデヒド化合物とを同時に還元反応に供してもよく、それぞれ独立に還元反応に供してもよい。
Figure 0005469111
式(8−a)及び/又は式(8−b)で表されるアルデヒド化合物の還元反応としては、公知の種々の方法を使用することができるが、金属水素化物を用いる方法が好ましい。金属水素化物としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等が挙げられる。
スキーム6に示す反応における金属水素化物の使用量は、反応原料である式(8−a)及び/又は式(8−b)で表される化合物1モルに対して、好ましくは0.25〜3モルであり、より好ましくは1〜2モルである。
スキーム6に示す反応は、通常、溶媒存在下で行う。溶媒は、用いる金属水素化物に応じて適宜選択することができる。例えば、金属水素化物として水素化アルミニウムリチウムを用いた場合は、水素化アルミニウムリチウムの溶解度の観点から、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が好ましい。
スキーム6に示す反応の反応温度は、0℃〜70℃が好ましく、20℃〜70℃がさらに好ましい。また、反応時間は、好ましくは30分〜24時間、さらに好ましくは1時間〜5時間である。
(2−3)第三の工程
第三の工程では、式(9−a)及び/又は式(9−b)で表されるアルコール化合物のヒドロキシル基をビニル化して、式(3−a−2)及び/又は式(3−b−2)で表されるビニルエーテル化合物を得る。
Figure 0005469111
第三の工程は、例えば以下のように行うことができる。すなわち、下記スキーム7に示すように、式(9−a)及び/又は式(9−b)で表されるアルコール化合物と、式(7)で表されるビニルエステル化合物とを、Ir触媒存在下で反応させ、式(3−a−2)及び/又は式(3−b−2)で表されるビニルエーテル化合物を得る。なお、下記スキーム7に示すように式(9−a)で表されるアルコール化合物と式(9−b)で表されるアルコール化合物とを同時にビニル化反応に供してもよく、それぞれ独立にビニル化反応に供してもよい。
Figure 0005469111
スキーム7に示す反応は、上記スキーム3に示す反応と同様の条件で行うことができる。すなわち、式(7)中のRは炭素数1〜20のアルキル基であり、該アルキル基としてはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基が挙げられ、これらのうち、メチル基が好ましい。
Ir触媒としては、ジ−μ−クロロビス[(η−シクロオクタ−1,5−ジエン)イリジウム(I)]触媒(以下[IrCl(cod)]触媒と略記する。なおcodはシクロオクタ−1,5−ジエンを示す)、[Ir(cod)]BF、[Ir(cod)(CHCN)]BF、IrCl(CO)(PPh(Phはフェニル基を示す。)等の有機金属錯体や、金属イリジウム、酸化イリジウム、水酸化イリジウム、フッ化イリジウム等の無機イリジウム化合物が挙げられ、これらのうち、反応性および安定性の観点から、[IrCl(cod)]が好ましい。
スキーム7に示す反応は、溶媒存在下で行うことが好ましい。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;等が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
スキーム7に示す反応では、反応速度を増大させるために塩基を添加することが好ましい。ここで、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム等のアルカリ金属有機酸塩(特に、アルカリ金属酢酸塩);酢酸マグネシウム等のアルカリ土類金属有機酸塩;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;ナトリウムフェノキシド等のアルカリ金属フェノキシド;トリエチルアミン、N−メチルピペリジン等のアミン類(第3級アミンなど);ピリジン、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン等の含窒素芳香族複素環化合物;等が挙げられる。上記の塩基の中でもナトリウムを含む塩基が好ましい。
塩基の使用量は、反応原料である式(9−a)及び/又は式(9−b)で表されるアルコール化合物1モルに対して、0.001〜3モルであることが好ましく、0.005〜2モルであることがより好ましい。
スキーム7に示す反応の反応温度は、反応成分や触媒の種類などに応じて適宜選択できるが、20℃〜170℃であることが好ましく、70℃〜120℃であることがより好ましい。また、スキーム7に示す反応の反応時間は、反応成分や触媒の種類あるいは反応温度により適宜選択できるが、好ましくは2時間〜24時間、より好ましくは5時間〜15時間である。
スキーム7に示す反応は、常圧で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。反応の雰囲気は、反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの何れであってもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法でも行うことができる。
スキーム7に示す反応において、反応原料である式(7)で表される化合物の使用量は、式(9−a)及び/又は式(9−b)で表されるアルコール化合物1モルに対して、好ましくは1モル〜5モル、更に好ましくは2〜3モルである。
また、第三の工程は、上記スキーム4に示す反応と同様の条件で行うこともできる。すなわち、下記スキーム8に示すように、式(9−a)及び/又は式(9−b)で表されるアルコール化合物とアセチレンとを、塩基存在下、反応させて、該アルコール化合物のヒドロキシル基をビニル化することにより、式(3−a−2)及び/又は式(3−b−2)で表されるビニルエーテル化合物を得ることもできる。なお、下記スキーム8に示すように式(9−a)で表されるアルコール化合物と式(9−b)で表されるアルコール化合物とは、同時にビニル化反応に供してもよく、それぞれ独立にビニル化反応に供してもよい。
Figure 0005469111
スキーム8に示す反応は、溶媒存在下で、又は無溶媒で、行うことができる。ここで溶媒としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等の非プロトン性溶媒が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
非プロトン性溶媒の使用量は、式(9−a)及び/又は式(9−b)で表されるアルコール化合物1モルに対して、1〜20モルであることが好ましく、3〜13モルであることがより好ましい。
スキーム8に示す反応において、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;等が挙げられ、これらのうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましい。
塩基の使用量は、式(9−a)及び/又は式(9−b)で表されるアルコール化合物1モルに対して、0.05〜1モルであることが好ましく、0.1〜0.5モルであることが反応速度及び経済的な観点からより好ましい。
スキーム8で用いるアセチレンは、反応速度及び収率の観点から、ゲージ圧が0.01MPa以上となるように反応容器に導入されることが好ましく、ゲージ圧が0.15MPa以上となるように反応容器に導入されることがより好ましい。
スキーム8に示す反応の反応温度は、80〜180℃が好ましく、100〜140℃がより好ましい。
式(3)で表されるビニルエーテル化合物の製造方法は特に制限されず、例えば、上記式(3−a)及び/又は式(3−b)で表されるビニルエーテル化合物の製造方法における原料化合物を適宜変更して、製造することができる。
イソブチレン系重合体(B)は、上記式(1)で表される構造単位及び上記式(2)で表される構造単位を含有するものであるため、十分な架橋硬化性を有する。したがって、イソブチレン系重合体(B)によれば、ゴム成分(A)に容易且つ確実にポリイソブチレン骨格を導入することができる。
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム工業の分野で使用される種々の補強剤、充填剤、ゴム伸展油、軟化剤等をさらに含有していてもよい。
補強剤としては、カーボンブラック、シリカ等が挙げられる。
カーボンブラックは、架橋ゴム組成物の耐摩耗性及び転がり抵抗特性の向上、紫外線による亀裂やひび割れの防止(紫外線劣化防止)、等の効果が得られるため、補強剤として好適に用いられる。カーボンブラックの種類は特に限定されるものではなく、従来公知のカーボンブラック、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイト等のカーボンブラックを使用することができる。
また、カーボンブラックの粒径、細孔容積、比表面積等の物理的特性は特に限定されず、従来ゴム工業で使用されている各種のカーボンブラック、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF(いずれも、米国のASTM規格D−1765−82aで分類されたカーボンブラックの略称)等を適宜使用することができる。
カーボンブラックを用いる場合、その配合量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、5〜80質量部であることが好ましく、10〜60質量部であることがより好ましい。また、30〜80質量部とすることもでき、40〜60質量部とすることもできる。このような配合量であると、本実施形態に係るゴム組成物及び架橋ゴム組成物において、補強剤としての効果を良好に得ることができる。
シリカとしては、従来よりゴム用補強剤として使用されているものを特に制限なく使用できる。シリカとしては、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、合成ケイ酸塩系ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、沈降シリカ等が挙げられる。シリカの比表面積は特に制限はないが、通常、40〜600m/gの範囲、好ましくは70〜300m/gのものを用いることができ、一次粒子径は10〜1000nmのものを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカを用いる場合、その配合量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.1〜150質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることがより好ましく、30〜100質量部であることがさらに好ましい。
また、シリカを配合させる目的で、ゴム組成物にシランカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィドなどが挙げられる。これらは単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の添加量は、所望するシリカの配合量によって適宜変更できるが、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましい。
充填剤としては、クレー、タルク等の鉱物の粉末類;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩類;水酸化アルミニウム等のアルミナ水和物;などを用いることができる。
ゴム伸展油としては、従来から使用されているアロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイルなどを用いることができる。ゴム伸展油の配合量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0〜100質量部であることが好ましい。
軟化剤としては、リノール酸、オレイン酸、アビチエン酸を主とするトール油、パインタール、菜種油、綿実油、落花生油、ひまし油、パーム油、フアクチス等の植物系軟化剤、パラフィン系油、ナフテン系油、芳香族系油、ジブチルフタレート等のフタル酸誘導体、等が挙げられる。軟化剤の配合量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0〜50質量部であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム工業の分野で使用される種々の添加剤、例えば、老化防止剤、イオウ、架橋剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、しゃっ解剤、プロセス油、可塑剤等の1種又は2種以上を、必要に応じてさらに含有していてもよい。これらの添加剤の配合量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分(A)とイソブチレン系重合体(B)とを架橋することで架橋ゴム組成物が得られる。ここで架橋方法は特に制限されないが、架橋剤により架橋することが好ましい。
すなわち、本実施形態に係るゴム組成物は、架橋剤をさらに含有することが好ましい。架橋剤としては、ゴムの架橋に通常用いられるものを特に制限なく使用することができ、ゴム成分(A)及びイソブチレン系重合体(B)に応じて適宜選択することができる。架橋剤としては、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド等の硫黄架橋剤;シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等の有機過酸化物架橋剤、等が挙げられる。これらの含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.5〜3質量部であることがより好ましく、1〜2質量部であることがさらに好ましい。
また、本実施形態に係るゴム組成物は、必要に応じて、加硫促進剤や加硫助剤を含有していてもよい。加硫促進剤や加硫助剤としては特に限定されず、ゴム組成物が含有するゴム成分(A)、イソブチレン系重合体(B)、架橋剤に応じて、適宜選択して使用することができる。なお、「加硫」とは硫黄原子を少なくとも一つ介する架橋を示す。
加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどのチウラム系促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィドなどのチアゾール系促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジンなどのグアニジン系促進剤;n−ブチルアルデヒド−アニリン縮合品、ブチルアルデヒド−モノブチルアミン縮合品などのアルデヒド−アミン系促進剤;ヘキサメチレンテトラミンなどのアルデヒド−アンモニア系促進剤;チオカルバニリドなどのチオ尿素系促進剤、などが挙げられる。
これらの加硫促進剤を配合する場合は、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。加硫促進剤の配合量は、ゴム成分(A)100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。
加硫助剤としては酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化マグネシウムなどの金属酸化物;水酸化カルシウムなどの金属水酸化物;炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛などの金属炭酸塩;ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩;ジn−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどのアミン類;エチレンジメタクリレート、ジアリルフタレート、N,N−m−フェニレンジマレイミド、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。
これらの加硫助剤を配合する場合は、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。加硫助剤の配合量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物は、一般にゴム組成物の製造方法として用いられる方法を適用することにより製造することができる。例えば、上述した各成分を、ブラベンダー、バンバリーミキサー、ロールミキサー等の混練機を用いて混合すること等により製造できる。
本実施形態に係る架橋ゴム組成物は、ゴム成分(A)とイソブチレン系重合体(B)とが架橋した構造を有する。このような架橋ゴム組成物は力学物性に優れ、例えば、タイヤ用ゴム材料として有用である。具体的には、例えば、本実施形態に係る架橋ゴム組成物をタイヤのトレッド部に用いると、イソブチレン系重合体(B)を配合せずに架橋した架橋ゴム組成物を用いた場合と比較して、ブレーキ制動性(ウェットグリップ性)が向上し、且つ良好な転がり抵抗特性及び耐磨耗性が維持される。
本実施形態に係る架橋ゴム組成物は、上記ゴム組成物を用いて、通常ゴムの架橋方法として用いられる方法と同様の方法により製造することができる。例えば、上記ゴム組成物が架橋剤を含有する場合、上記ゴム組成物を加熱圧縮成形することにより、所望の形状に成形し、且つゴム成分(A)とイソブチレン系重合体(B)とが架橋した構造を有する架橋ゴム組成物を得ることができる。
本実施形態に係る架橋ゴム組成物は、力学物性、動的粘弾性、耐摩耗性、酸素バリア性等に優れることから、種々の用途に好適に用いることができる。例えば、工業用ベルト、工業用ゴムホースなどの工業用ゴム部材用途として好適に使用することができる。また、ゴムベルト、ゴムホース、ゴムロール、もみすりロール、型加硫製品、防振ゴム、防げん材、エボナイト、ライニング、磁性ゴム、スポンジゴム、分出製品、押出製品、テープ製品、ゴム系接着剤、ゴムはきもの、ゴム引布、角糸ゴム、カットシート製品、消ゴム、医療用ゴム製品、電線、導電性ゴム、微孔ゴム隔離板、防毒マスク、水中運道具、ボーリングボール、おもちゃ、ボール類、ゴルフボール、ラテックス浸せき製品、ラテックスキャスト製品、ラテックスゴム糸、フォームラバー、ウレタンホーム、その他のラテックス製品、紙サイジング、カーペットバッキング、合成皮革、シーリング材、シート防水材(合成高分子ルーフィング)、塗膜防水材、ポリマーセメントモルタル(ラテックスセメントモルタル)、ゴムアスファルト、ラテックスペイント等の用途にも使用することができる。
また、本実施形態に係る架橋ゴム組成物は、タイヤ用途に特に好適に用いることができ、例えば、自動車タイヤ・チューブ、インナーライナー、ビードフィラー、プライ、ベルト、トレッドゴム、サイドゴム、各種封止材、シーラント、航空機用タイヤ・チューブ、自転車タイヤ・チューブ、ソリッドタイヤ、更正タイヤ等の用途に用いることができる。
具体例を挙げると、本実施形態に係る架橋ゴム組成物は、路面と接するトレッド部(及びトレッド部を含むキャップ部)を構成する材料として使用することができる。架橋ゴム組成物を用いてトレッド部が構成された空気入りタイヤは、ウェットグリップ性に優れるため、走行安定性及びブレーキ制動性に優れる。また、転がり抵抗特性に優れるため、低燃費化が実現できる。
また、本実施形態に係る架橋ゴム組成物は、インナーライナー部を構成する材料として使用することができる。架橋ゴム組成物を用いてインナーライナー部が構成された空気入りタイヤは、空気もれを十分に低減することができるため、空気もれに起因する転がり抵抗特性の悪化を十分に防止することができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤは、例えば、トレッド部が路面と接するキャップ部とその内側のベース部とからなる2層以上の構造を有し、キャップ部の一部又は全部が上記架橋ゴム組成物で構成されている。このような空気入りタイヤは、従来公知のゴム組成物を用いた空気入りタイヤの製造方法に従って、適宜製造することができる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤは、例えば、インナーライナー部の一部又は全部が上記架橋ゴム組成物で構成されている。このような空気入りタイヤは、従来公知のゴム組成物を用いた空気入りタイヤの製造方法に従って、適宜製造することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明は、空気入りタイヤに使用されるゴム材料(例えば上記ゴム成分(A)として例示されるゴム)に、イソブチレン系重合体(B)を配合し架橋することによりウェットグリップ性を向上させる方法、すなわち、ゴム材料とイソブチレン系重合体(B)とが架橋した構造を有する架橋ゴム材料を用いてトレッド部を構成する、タイヤのウェットグリップ性を向上させる方法であってもよい。この場合、従来のゴム材料の改良方法では、ウェットグリップ性の向上に伴って転がり抵抗特性が低下していたところ、本発明の方法によれば、ゴム材料が元来有する転がり抵抗特性を維持しつつ、ウェットグリップ性を向上させることができる。
また、本発明は、空気入りタイヤに使用されるゴム材料(例えば上記ゴム成分(A)として例示されるゴム)に、イソブチレン系重合体(B)を配合し架橋することにより水蒸気バリア性及び酸素バリア性を向上させる方法であってもよい。すなわち、ゴム材料とイソブチレン系重合体(B)とが架橋した構造を有する架橋ゴム材料を用いてインナーライナー部を構成する、タイヤの空気もれを改善する方法であってもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(合成例1:エチリデンノルボルナノールの合成)
合成装置として、回転数可変式の攪拌機、反応温度指示計、反応滴下口、還流管およびガス注入口を備えた、内容積5000mLの4つ口セパラブルフラスコを温度調節が可能な熱媒浴内に設置した。そのフラスコ内に5−エチリデン−2−ノルボルネン(新日本石油(株)製)228.5g(1.9mol)、トルエン(特級試薬、和光純薬(株)製)2000mLおよび酢酸(特級試薬、関東化学(株)製)342g(5.7mol)を順に加え、液温度90℃に維持した。
仕込んだ混合物を攪拌しながら、反応滴下口に備えた滴下漏斗から硫酸(特級試薬、和光純薬(株)製)49g(0.5mol)を5分で滴下し、液温度107℃で90分間攪拌した。ガスクロマトグラフ分析によって5−エチリデン−2−ノルボルネンの消失を確認した上で、反応混合物を50度まで冷却した後に、水酸化カリウム(特級試薬、関東化学(株)製)427g(7.6mol)およびエタノール(95%、関東化学(株)製)800mLを徐々に加え、液温度90℃にて1時間攪拌した。
その反応液を室温まで冷却した後に、2500mLの飽和食塩水の入った5000mLのビーカー内に反応液を流し込んだ。次いで、分離した有機層を分液ロートに移し、再び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。桐山ろ紙を備えた桐山ロートを用いて硫酸マグネシウムをろ過し、そのろ液の溶媒をエバポレーターにて除去することで5−エチリデン−2−ノルボルナノール及び5−エチリデン−3−ノルボルナノールの粗生成物を得た。
次いで、得られた粗生成物について減圧蒸留を行い、減圧度2mmHg、温度84〜85℃の留分を採取することで、5−エチリデン−2−ノルボルナノール及び5−エチリデン−3−ノルボルナノールの混合物(以下、「エチリデンノルボルナノールの混合物」と称する。)59.1gを無色透明な液体として得た。
Figure 0005469111
得られたエチリデンノルボルナノールの混合物について、ガスクロマトグラフ−質量スペクトル(GC−MS)、IR分析、およびNMR分析によって構造解析を行い、上記式(a−1)から式(a−4)で表されるエチリデンノルボルナノールの異性体の混合物が生成していることを確認した。以下に、分析結果を示す。
(分析結果)
GC−MS測定[M/Z]:138
IR測定 検出波数(cm−1):3328、2960
H−NMR測定[499.75MHz、CDCl、内部0基準TMS]:化学シフト(PPM)、分裂パターン、プロトン数を測定したところ、式(a−1)から式(a−4)で表されるエチリデンノルボルナノール異性体に対応するシグナルが観測され、そのうち2種類が主として観測された。得られた結果を表1に示す。
Figure 0005469111
13C−NMR測定[125.66MHz、CDCl、内部0基準:TMS]:化学シフト(PPM)、炭素級数を測定したところ、式(a−1)から式(a−4)で表されるエチリデンノルボルナノール異性体に対応するシグナルが観測され、そのうち2種類が主として観測された。得られた結果を表2に示す。なお、炭素級数は、DEPT測定法でのNMR分析により決定した。S、D、T、Qは、それぞれ1級、2級、3級、4級の炭素を示す。
Figure 0005469111
(合成例2:エチリデンノルボルニル−ビニルエーテルの合成)
上記エチリデンノルボルナノールの混合物を用いて、エチリデンノルボルニル−ビニルエーテルの製造を行った。
まず、合成装置として、回転数可変式の攪拌機、反応温度指示計、反応滴下口、還流管およびガス注入口を備えた、内容積2000mLの4つ口フラスコを温度調節が可能な熱媒浴内に設置した。
そのフラスコ内に炭酸ナトリウム(特級試薬、和光純薬(株)製)66.9g(631mmol)、トルエン(脱水試薬、関東化学(株)製)500mLを入れ、液温度90℃に加熱した。そのフラスコ内に酢酸ビニル(東京化成(株)製)108.65g(1262mmol)を添加し、さらにプロピオン酸(東京化成(株)製)9.4mL(126mmol)を5分間かけて滴下した。その滴下後に、[IrCl(cod)]触媒(和光純薬(株)製)8.0g(11.90mmol)を添加し、さらに1,4−ジオキサン(脱水試薬、関東化学(株)製)500mLに溶解したエチリデンノルボルナノールの混合物87.2g(631mmol)を1時間かけて滴下し、8時間攪拌した。
その後、反応液を室温まで冷却し、水の入ったビーカーに流しこみ、酢酸エチル((株)ゴードー製)で3回抽出した。次いで、得られた有機相を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム(試薬特級、ナカライテスク(株)製)で乾燥後、桐山ろ紙を備えた桐山ロートを用いて硫酸ナトリウムをろ過し、そのろ液の溶媒をエバポレーターにて除去することで、黒褐色のオイル状の粗生成物120.12gを得た。得られた粗生成物について減圧蒸留を行い、減圧度100Pa、温度43〜45℃の留分を採取することで、目的とするエチリデンノルボルニル−ビニルエーテルの混合物を無色透明な液体として78.36g得た。
Figure 0005469111
この生成物について、ガスクロマトグラフ−質量スペクトル(GC−MS)、IR分析、元素分析およびNMR分析によって構造解析を行い、上記式(b−1)から式(b−4)で表されるエチリデンノルボルニル−ビニルエーテルの異性体が生成していることを確認した。以下に分析結果を示す。
(分析結果)
GC−MS測定[M/Z]:164
IR測定 検出波数(cm−1):2965
元素分析:測定値 C 80.0,H 9.7(理論値 C 80.4, H 9.8)
H−NMR測定[499.75MHz、CDCl、内部0基準TMS]:化学シフト(PPM)、分裂パターン、プロトン数を測定したところ、式(b−1)から式(b−4)で表されるエチリデンノルボルニル−ビニルエーテルの異性体に対応するシグナルが観測され、そのうち2種類が主として観測された。得られた結果を表3に示す。
Figure 0005469111
13C−NMR測定[125.66MHz、CDCl、内部0基準TMS]:化学シフト(PPM)、炭素級数を測定したところ、式(b−1)から式(b−4)で表されるエチリデンノルボルニル−ビニルエーテルの異性体に対応するシグナルが観測され、そのうち2種類が主として観測された。得られた結果を表4に示す。なお、炭素級数は、DEPT測定法でのNMR分析により決定した。S、D、T、Qは、それぞれ1級、2級、3級、4級の炭素を示す。
Figure 0005469111
(製造例1:イソブチレン系重合体(B−1)の製造)
100mLの3口フラスコに、セプタムキャップ、真空ラインを繋げた還流管及び温度管を取り付け、スターラーバーを入れ、真空ライン(シュレンク管付き)を用いて、系内の脱気−窒素置換を2回繰り返し、常圧窒素雰囲気下とした。そのフラスコ内に、水素化カルシウムにて乾燥−蒸留した所定量のトルエン溶媒を、シリンジを用いてセプタムキャップから注入した。
次にシリンジを用いて、下記表5に記載の所定のモル比となるようにエチリデンノルボルニル−ビニルエーテル(合成例2で得られたエチリデンノルボルニル−ビニルエーテル)を注入した。フラスコを所定温度の低温槽(塩化カルシウム−水−氷浴)に浸漬させ、系内の液温が表5記載の反応温度になったことを確認した後、表5記載の所定のモル比となるように秤量したイソブチレンを反応系に加えた。
系内の液温が十分に表5記載の反応温度となった時点で、窒素雰囲気下のグローブボックス内、1.06mol/Lのエチルアルミニウムジクロライド(以下、場合により「EADC」と称する)n−ヘキサン溶液を、精製ヘキサンにて10倍希釈した調製触媒液をシリンジにて秤量し、反応器に注入した。調製触媒液の量は、エチリデンノルボルニル−ビニルエーテル及びイソブチレンの総質量に対するEADC触媒量(質量比)が、表5に記載の触媒量となるような量とした。
調製触媒液注入から2時間後、フラスコから低温槽をはずし、室温まで昇温させた。反応混合液に対して1N水酸化ナトリウム水溶液にて抽出操作を行い(2回)、得られた油相に対して純水にて抽出操作を行った。水相側のpHが中性になったことを確認した後、エバポレータにて溶媒を留去させ、残渣を減圧乾燥機にて1mmHg、12時間、60℃にて乾燥させ、目的とするイソブチレン系重合体(B−1)を得た。
Figure 0005469111
得られたイソブチレン系重合体(B−1)について、核磁気共鳴分光法(NMR)によって構造解析を行い、上記式(d−1)で表されるイソブチレン系重合体が得られていることを確認した。H−NMR測定では、エチリデンノルボルニル−ビニルエーテルにおけるビニルエーテル由来のシグナル(6.23−6.37ppm)が消失し、5.00−5.35ppmにエチリデン基のシグナルが観測され、3.50ppmにエーテル酸素α位のプロトンが観測された。なお、H−NMR測定の条件は、499.75MHz、CDCl、内部0基準TMSである。13C−NMR測定では、78.9ppmにエーテル酸素α位の炭素に由来するシグナルが観測され、111.3−115.0ppmにエチリデン基の3級炭素に由来するシグナルが観測され、141.2−145.1ppmにエチリデン基の4級炭素に由来するシグナルが観測された。なお、13C−NMR測定の条件は、125.66MHz、CDCl、内部0基準TMSである。
得られたイソブチレン系重合体(B−1)について、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によってポリスチレン換算の重量平均分子量Mwを測定した。また、H−NMR測定の結果から共重合導入比を算出した。結果は、表5に示すとおりであった。
(製造例2〜4)
エチリデンノルボルニル−ビニルエーテル及びイソブチレンのモル比、EADC触媒量及び反応温度を、それぞれ表5に記載のとおり変更したこと以外は、製造例1と同様にしてイソブチレン系重合体(Bー2)、(B−3)及び(B−4)を得た。得られた各イソブチレン系重合体について、核磁気共鳴分光法(NMR)によって構造解析を行い、目的の重合体が得られていることを確認した。また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によってポリスチレン換算の重量平均分子量Mwを測定した。また、H−NMR測定の結果の分析による共重合導入比の算出を行った。測定結果は、表5に示すとおりであった。
(製造例5〜6)
100mLの3口フラスコに、セプタムキャップ、真空ラインを繋げた還流管及び温度管を取り付け、スターラーバーを入れ、真空ライン(シュレンク管付き)を用いて、系内の脱気−窒素置換を2回繰り返し、常圧窒素雰囲気下とした。そのフラスコ内に、水素化カルシウムにて乾燥−蒸留したトルエン溶媒を、フラスコ内の溶液中のイソブチレンの濃度が50質量%となるように、シリンジを用いてセプタムキャップから注入した。
次にシリンジを用いて、下記表5に記載の所定のモル比となるようにエチリデンノルボルニル−ビニルエーテル(合成例2で得られたエチリデンノルボルニル−ビニルエーテル)を注入した。フラスコを所定温度の低温槽(塩化カルシウム−水−氷浴)に浸漬させ、系内の液温が表5に記載の反応温度になったことを確認した後、表5に記載の所定のモル比となるように秤量したイソブチレンを反応系に移した。
系内の液温が十分に表5に記載の反応温度となった時点で、三フッ化ホウ素メタノール錯体(BFの含有量が67質量%、以下、場合により「BF・MeOH」と称する。)を表5記載の触媒量(エチリデンノルボルニル−ビニルエーテル及びイソブチレンの総質量に対する触媒量(質量比))となるように秤量し、反応器に注入した。
触媒注入から表5記載の時間が経過した後、フラスコから低温槽をはずし、室温まで昇温させた。反応混合液を1N水酸化ナトリウム水溶液にて抽出操作を行い(2回)、得られた油相を純水にて抽出操作を行った。水相側のpHが中性になったことを確認した後、エバポレータにて溶媒を留去させ、残渣を減圧乾燥機にて1mmHg、12時間、60℃にて乾燥させ、目的とするイソブチレン系重合体を得た。
得られたイソブチレン系重合体(B−5)及び(B−6)について、核磁気共鳴分光法(NMR)によって構造解析を行い、目的のイソブチレン系重合体が得られていることを確認した。また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によってポリスチレン換算の重量平均分子量Mwを測定した。また、H−NMR測定の結果の分析による共重合導入比の算出を行った。
表5中、「IB/ENB」は、イソブチレンの仕込み量Cとエチリデンノルボルニル−ビニルエーテルの仕込み量Cとの比C/C(モル比)を示す。
Figure 0005469111
(実施例1)
スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(JSR SL552、JSR社製、以下「SBR」と称する。)に、製造例6で合成したイソブチレン系重合体(B−6)、充填剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤及びシランカップリング剤を、それぞれ表6に示す質量比で配合して、混練して、ゴム組成物を得た。
なお、充填剤としてはシリカAQ(東ソー・シリカ社製)、可塑剤としてはプロセスオイル(NS−100、出光興産社製)、加硫剤としては硫黄(川越化学社製)、加硫促進剤としては酸化亜鉛3号(ハクスイテック社製)、ステアリン酸(日本精化社製)、ノクセラーCZ(大内新興化学社製)、ノクセラーD(大内新興化学社製)、老化防止剤としては老化防止剤224(大内新興化学社製)、シランカップリング剤としてはSi69(デグサ社製)をそれぞれ用いた。
なお混練は、ロール機(6インチφ×16インチ)を用い、回転数30rpm、前後ロール回転比1:1.22の条件で行った。
この混練で得られたゴム組成物を、160℃×20分の加硫条件で圧縮成形し、架橋ゴム組成物からなるシートを作製した。この際、成形性は極めて良好であった。次いで、この作製シートを用いて、下記の方法により動的粘弾性及び耐摩耗性を評価した。評価結果は表7に示すとおりであった。
(比較例1)
イソブチレン系重合体(B−6)を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物及び架橋ゴム組成物からなるシートを作製し、評価した。評価結果は表7に示すとおりであった。
(比較例2)
イソブチレン系重合体(B−6)にかえてイソブチレンホモ重合体15gを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシートを作製し、評価した。評価結果は表7に示すとおりであった。
Figure 0005469111
[動的粘弾性の測定]
動的粘弾性特性は、JIS K−7244−4(プラスチック−動的機械特性の試験方法−第4部:引張振動―非共振法)に準じて実施した。具体的には、まず実施例及び比較例で得られた各シートから、それぞれ厚さ1mm×幅5mm×長さ40mmの試験片を1枚切り出した。次いでこの試験片について、周波数10Hz、歪み0.1%の条件で、−50〜100℃の範囲を2℃/分で昇温させながら、引張モードで測定を行った。用いた装置は動的粘弾性測定装置RSA−3(TA INSTRUMENTS製)である。
ここで周波数は10Hzであるが、これはウェットグリップ性が、粘弾性の時間温度換算則を利用すると、10Hz−0℃におけるtanδ値と相関しているためであり、この数値が大きいほど、ウェットグリップ性が良好であることが知られている。また、転がり抵抗は、同様にして、10Hz−60℃におけるtanδ値と相関しており、その数値が小さいほど、転がり抵抗が良好であることが知られている。
[耐摩耗性試験]
耐摩耗性試験は、JIS K−6264−2(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐摩耗性の求め方−第2部試験方法)に準じて実施した。具体的にはアクロン摩耗試験機において、荷重27N、傾角15度の条件で、75rpmの回転速度で1000回転させた際の磨耗体積(mm3)を測定し、耐摩耗性を評価した。なお、試験は3回行い、これらの平均値を測定値とした。
Figure 0005469111
表7に示すように、実施例1のゴム組成物を用いて得られたシートでは、比較例1と比較して0℃でのtanδが高く、ウェットグリップ性が改善された。また、60℃でのtanδは同等であり、転がり抵抗特性が損なわれていないことが示された。さらに、比較例2と比較して、耐摩耗性の低下が抑制された。
(加硫度試験)
実施例及び比較例で得られたゴム組成物について、加硫試験機FDR(上島製作所製)を用い、振幅±1°、振動数1.67Hz、温度160℃の条件で加硫度試験を行った。なお、加硫度試験は、JIS K−6300−2(2001)に準じて実施した。
(比較例3)
比較例3として、イソブチレンとトリシクロデセンビニルエーテル(環内に不飽和結合を含む脂環基を有するモノマー)との共重合体、すなわち、下記式(1)で表される構造単位と下記式(c−1)で表される構造単位と下記式(c−2)で表される構造単位とからなる共重合体を用いて、ゴム組成物を調製した。なお、ゴム組成物は、イソブチレン系重合体(B−6)にかえて上記共重合体15gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして調製した。
この比較例3で得られたゴム組成物についても、上記加硫度試験を行った。
Figure 0005469111
Figure 0005469111
Figure 0005469111
図1は、実施例1及び比較例1〜3のゴム組成物の加硫度試験によって得られた、トルク(dNm)と時間(分)との関係を示す図である。また、表8に、90%加硫時間(T90)と10%加硫時間(T10)との差で整理した結果を示す。
Figure 0005469111
図1及び表8に示すように、実施例1のゴム組成物によれば、比較例1〜3と比較して短時間で、十分に架橋された架橋ゴム組成物を得ることができる。
本発明のゴム組成物は、短時間で十分に架橋された架橋ゴム組成物が得られる。そして、本発明の架橋ゴム組成物は、力学物性、動的粘弾性、耐摩耗性、酸素バリア性等に優れ、例えばタイヤ用のゴム材料として、有用である。

Claims (10)

  1. オレフィン性二重結合を有するゴム成分と、
    下記式(1)で表される構造単位、並びに、下記式(2−a)で表される構造単位及び/又は下記式(2−b)で表される構造単位を有するイソブチレン系重合体と、を含有するゴム組成物。
    Figure 0005469111

    Figure 0005469111

    [式中、nは0又は1を示し、R 及びR はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はフェニル基を示し、R 及びR は互いに結合して環を形成していてもよい。]
  2. 前記イソブチレン系重合体の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、0.5〜70質量部である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記イソブチレン系重合体の重量平均分子量が、500〜500000である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記イソブチレン系重合体が、主鎖中に不飽和結合を実質的に有しない、請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  5. 前記イソブチレン系重合体が、前記式(1)で表される構造単位と前記式(2−a)で表される構造単位及び/又は前記式(2−b)で表される構造単位とのランダム共重合鎖を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  6. 架橋剤をさらに含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  7. 前記ゴム成分が、天然ゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲン化イソプレンゴム、ハロゲン化イソブチレンコポリマー、クロロプレンゴム、ブチルゴム及びハロゲン化イソブチレン−p−メチルスチレンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  8. 前記ゴム成分が、少なくともスチレン−ブタジエンゴムを含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム組成物であって、前記ゴム成分と前記イソブチレン系重合体とが架橋した構造を有する、架橋ゴム組成物。
  10. トレッド部又はインナーライナー部に請求項に記載の架橋ゴム組成物を含有する、空気入りタイヤ。

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