JPH0534442Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車両の巻き取り式帯状後部シートに関
し、更に詳細に説明すると、ワンボツクスカーや
バンタイプの車両において、後部荷室や後部シー
トを設ける位置に設けられた収納自在な車両の巻
き取り式帯状後部シートに関する。

〔従来の技術〕

従来よりワンボツクスカーやバンタイプの車両
においては、後部シート１を第３図に示す如く、
折り畳み、後部荷室スペース２を増大させること
が行なわれている。

〔考案が解決しようとする課題〕

然し乍ら、後部シート１のシートクツシヨン３
及びシートバツク４を傾倒させて折り畳んでもシ
ートクツシヨン３及びシートバツク４のクツシヨ
ンやフレームの厚みにより後部荷室スペース２を
十分に広く取ることが出来ない欠点を有し、後部
シート１の存在そのものが邪魔となり、荷室スペ
ース２の無駄になつていた。

本考案の目的は後部シートを収納して後部荷室
スペースを最大限に利用出来、また着座用後部シ
ートが必要な場合に簡易迅速に後部シートを形成
することが出来る著しく経済性に優れた車両の巻
き取り式帯状後部シートを提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上述せる課題に鑑みてなされたもの
で、車体両側部側の着座位置の高さに支持杆受部
が形成され、該支持杆受部に支持杆が着脱自在に
取付けられ、該支持杆の下方の車体フロア側に帯
状後部シートの巻き取り装置が設けられ、該巻き
取り装置に巻き込まれる帯状後部シートの先端に
係止部を形成し、帯状後部シートを巻き取り装置
の引き出し口より引き出し、該帯状後部シートの
中間を前記支持杆に掛け渡し、支持杆より後方で
且つ上方の車体ルーフパネル側に形成した係止部
に帯状後部シートの先端の係止部を係止させ、前
記帯状後部シートを着座用後部シートとして使用
し得るようになされていると共に、前記帯状後部
シートを巻き取り装置の引き出し口より必要長さ
だけ引き出し、車体フロアの後部に設けた係止部
に帯状後部シートの先端の係止部を係止させて荷
物の押さえ用カバーとして使用し得るようになさ
れていることを特徴とする。

〔作用〕

本考案に依れば、車体両側部に形成された支持
杆受部に支持杆を取付け、車体フロア側に設けら
れた巻き取り装置より帯状後部シートを引き出
し、該帯状後部シートの中間を前記支持杆に掛け
渡し、帯状後部シートの先端の係止部を車体ルー
フパネル側に係止させることにより帯状後部シー
トを着座用後部シートとして使用出来、また後部
荷室スペースを拡大する場合には帯状後部シート
の先端の係止状態を解除し、帯状後部シートを巻
き取り装置により巻き取ると共に、支持杆を支持
杆受部より取り外し、この支持杆を適宜の場所に
収納し、または前席とのパーテイシヨンパイプと
して使用することにより、後部荷室スペースを最
大限に利用することが出来、また帯状後部シート
を巻き取り装置の引き出し口より必要長さだけ引
き出し、車体フロアの後部に設けた係止部に帯状
後部シートの先端の係止部を係止させることによ
り荷物の押さえ用カバーとして使用することが出
来るものである。

〔実施例〕

以下本考案に係る車両の巻き取り式帯状後部シ
ートを図面を参照して詳述する。

第１図及び第２図には本考案の一実施例の概略
が夫々示されており、車両の前席１０の後方に巻
き取り式帯状後部シート１１が設けられるように
なされている。

前席１０の後部にパーテイシヨンパイプとして
の支持杆１２，１３が設けられ、この支持杆１２
は着脱自在に車体側部１５の取付部１６に取付け
られている。

車体フロア１７の底面側に帯状後部シート１１
の巻き取り装置２１が設けられ、この巻き取り装
置２１の引き出し口２２として車体フロア１７に
幅方向に延びるスリツト２２が形成されている。
尚巻き取り装置２１は車体フロア１７の上部に載
置固定するものであつてもよく、また車体フロア
１７に凹状部を形成し、該凹状部に収納すること
も出来る。

前記支持杆１２を車体後部側の着座位置の高さ
に支持する支持杆受部２４が車体両側部１５に形
成され、第１図及び第２図に示す如く、手前の支
持杆受部２４は前面側の側部１５が省略されてい
るため中空位置に表示されているが側部１５に形
成されるものである。この支持杆受部２４は支持
杆１２をねじ止めし得るように構成するものの
他、端にＵ字状溝からなる受部に載置する構成と
することも出来る。この支持杆受部２４にパーテ
イシヨンパイプとして設けられた着脱自在の支持
杆１２を着脱させる。

帯状後部シート１１は適宜の長さを有する布
材、合成樹脂地、その他網状のシート等から形成
され、また布材により薄いパツド材を被覆した状
態のものを用いることも出来る。この帯状後部シ
ート１１の先端にはフツク部材等の係止部２６が
複数形成されている。巻き取り装置２１の上方に
設けられた支持杆１２に巻き取り装置２１の引き
出し口２２より引き出した帯状後部シート１１の
中間を掛け渡し、支持杆１２より後方で且つ上方
の車体ルーフパネル（図示せず）側に形成した係
止部に前記帯状後部シート１１の先端の係止部２
６を係止させ、帯状後部シート１１の上部側の垂
直部１１Ａを背もたれ部とし、略水平部１１Ｂを
シートクツシヨン部とする着座用後部シート３０
とすることが出来る。

尚支持杆受部２４は車体両側部１５に形成され
るものに限定されるものではなく、また支持杆１
２もパーテイシヨンパイプを用いるものに限定さ
れるものではなく、、車体後部側の着座位置の高
さに支持杆１２を支持する支持杆受部２４及び支
持杆１２を別途形成したものを用いてもよいもの
である。

帯状後部シート１１を着座用後部シート３０と
して使用している第１図に示す状態より、車体後
部側を荷室スペース３１として使用する場合に
は、帯状後部シート１１の先端の係止部２６と車
体ルーフパネル側の係止部との係止状態を解除
し、巻き取り装置２１により帯状後部シート１１
を巻き取り、次いで支持杆１２を支持杆受部２４
より取り外し、支持杆１２を車体側部１５の取付
部１６に取付けることにより、第２図に示す如
く、荷室スペース３１を得ることが出来る。この
場合着座用後部シート３０の構成部品を全て荷室
スペース３１よりなくすことが出来るものであ
る。

また第１図に想像線で示す如く、帯状後部シー
ト１１を荷物３３の押さえ用カバー３５として用
いることが出来、この場合は車体フロア１７の後
部に設けた係止部３７に帯状後部シート１１の先
端の係止部２６を係止させればよく、この際荷物
３３の大きさに応じて帯状後部シート１１を巻き
取り装置２１より必要長さだけ引き出して使用す
ればよいものである。尚支持杆１２を用いない状
態で押さえ用カバー３５として用いることが出来
る。

〔考案の効果〕

以上が本考案に係る車両の巻き取り式帯状後部
シートの一実施例の構成であるが、斯る構成に依
れば、着座位置の高さに支持杆受部が形成され、
該支持杆受部に支持杆が着脱自在に取付けられ、
該支持杆の下方の車体フロア側に帯状後部シート
の巻き取り装置が設けられ、該巻き取り装置に帯
状後部シートを収納し、または引き出して着座用
後部シートとして使用することが出来、組付作業
を簡易迅速に行えると共に荷室スペースを最大限
に利用出来、また帯状後部シートを必要長さだけ
後方に引き出し、荷物の押さえ用カバーとして用
いることが出来、著しく経済性に優れた車両の巻
き取り式帯状後部シートを得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係る車両の巻き取
り式帯状後部シートの一実施例の概略を夫々示す
もので、第１図は帯状後部シートを引き出して使
用する場合の斜視図、第２図は同、収納状態の斜
視図、第３図は従来の折り畳み式シートの側面説
明図である。 図中、１１……帯状後部シート、１２，１３…
…支持杆、１５……車体側部、１６……取付部、
１７……車体フロア、２１……巻き取り装置、２
２……引き出し口、２４……支持杆受部、２６…
…係止部、３０……着座用後部シート、３１……
荷室スペース、３３……荷物、３５……押さえ用
カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体両側部側の着座位置の高さに支持杆受部が
   形成され、該支持杆受部に支持杆が着脱自在に取
   付けられ、該支持杆の下方の車体フロア側に帯状
   後部シートの巻き取り装置が設けられ、該巻き取
   り装置に巻き込まれる帯状後部シートの先端に係
   止部を形成し、帯状後部シートを巻き取り装置の
   引き出し口より引き出し、該帯状後部シートの中
   間を前記支持杆に掛け渡し、支持杆より後方で且
   つ上方の車体ルーフパネル側に形成した係止部に
   帯状後部シートの先端の係止部を係止させ、前記
   帯状後部シートを着座用後部シートとして使用し
   得るようになされていると共に、前記帯状後部シ
   ートを巻き取り装置の引き出し口より必要長さだ
   け引き出し、車体フロアの後部に設けた係止部に
   帯状後部シートの先端の係止部を係止させて荷物
   の押さえ用カバーとして使用し得るようになされ
   ていることを特徴とする車両の巻き取り式帯状後
   部シート。