JP2000033837A - 自動車用荷室装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の荷室装置の取付け作業性および使用便
宜性を向上すること。 【解決手段】 バン型車やワゴン型車の車室の後部座席
Ｓの後方に形成された荷室１に付設する荷室装置におい
て、荷室１の前方上部の位置で左右の側壁１１間に横設
されて荷室１の上部を被覆するシート状のトノカバー２
を取出し可能とした筒状のケース４にその長手方向に沿
ってこれと一体にレール部４４を形成し、レール部４４
に荷室１内の荷物を固定するフック５を移動可能に支持
せしめた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、バン型車やワゴン
型車等の荷室に付設する荷室装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図２および図３に示すように、バン型車
やワゴン型車等の後部座席Ｓ後方の荷室１には、荷室１
の上部を被覆するシート状のトノカバー２Ａや、荷室１
内の荷物を固定するフック５Ａなどの荷室装置を付設し
ている。

【０００３】トノカバー２Ａは、ロール状に巻いたシー
ト部材３Ａを円筒のケース４Ａ内に納めた構造で、後部
座席Ｓの背面の上縁に沿うように配し、ケース４Ａの左
右両端をそれぞれ荷室１の左右の側壁１１に着脱可能に
係止している。トノカバー２Ａは必要時に、シート部材
３Ａをケース４Ａから後方へ引き出して、シート部材３
Ａ後端の左右両側部を荷室１の両側壁１１の後部上端に
係止して荷室１を被覆する。また、シート部材３Ａは上
記後端の係止を解除することで、ケース４Ａ内に巻取り
収納され荷室１を開放する。

【０００４】上記フック５Ａは、荷室１の側壁１１にね
じ締め固定されている。フック５Ａは、例えば車両走行
中に転倒したり転がり移動するおそれのある瓶類６等を
ネットや袋部材７などに収納し、これらの上端をフック
５Ａに係止して、走行中の瓶類６の転倒や転がり移動を
防ぐようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
荷室装置では、トノカバー２Ａおよびフック５Ａはそれ
ぞれ独立して荷室１に設置されているので、各々を取付
ける作業工数が多く手間がかかり、作業性が良くない。
そこで本発明は従来独立に設置されていた荷室装置を一
体化し、荷室装置取付け作業の工数を削減することを課
題としてなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、バン型車やワ
ゴン型車の車室の後部座席の後方に形成された荷室に付
設する荷室装置において、荷室の前方上部の位置で左右
の側壁間に横設した筒状のケース内に巻取り収納し、使
用時に上記ケース内より引き出して荷室の上部を被覆す
るシート状のトノカバーと、該トノカバーのケースの長
手方向に沿ってこれと一体に形成したレール部に移動可
能に支持せしめて荷室内の荷物を固定するフックとで構
成する（請求項１）。

【０００７】上記ケースの底面にはその下面側に、下方
に開口する断面ほぼＣ字形の上記レール部を一体に形成
する一方、上記フックの頭部を上記レール部に嵌合する
形状に形成し、上記頭部を上記レール部に嵌入して上記
フックを上記レール部に移動自在に支持せしめる（請求
項２）。

【０００８】トノカバーとフックとを一体化したので、
荷室への取付け作業の工数を削減できる。かつ、フック
はレール部を介してトノカバーのケースに移動可能に支
持せしめたので、フックに固定する荷物の位置を選択、
変更することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１に基づいて本発明の実施の形
態を説明する。図１は本発明の荷室装置を示し、荷室に
設置した荷室装置をほぼ中央で破断した斜視図である。
荷室１は車室の後部座席Ｓの後方に形成され、後部座席
Ｓのシートバックで乗員室と仕切られている。図の１３
は荷室１内に張り出したホイールハウスである。

【００１０】トノカバー２は、荷室１を覆うシート部材
３と、これを巻取り収納するケース４を備えている。ケ
ース４は、アルミニウム材の押出し成形体で、円筒部４
１と、円筒部４１の底部には長手方向全長にわたって延
びるレール部４４が一体に成形してある。ケース４の長
さはほぼ荷室１の幅に合わせてあり、円筒部４１の上部
には全長にわたり直線状にスリット４３が設けてある。
レール部４４は、断面ほぼＬ字形の一対の突出部４５を
円筒部４１の下面から屈曲先端が小間隙をおいて対向す
るように突設したもので、両突出部４５および円筒部４
１の下面とで、下方にスリット状に開口する断面ほぼ角
Ｃ字形に形成してある。ケース４の両端には、円筒部４
１およびレール部４４を閉じるキャップ４２（図は一方
のみを示す）が嵌着してある。キャップ４２には円筒部
４１の中心と対応する位置に孔が設けてある。

【００１１】円筒部４１内にはその中心軸に沿って金属
の芯棒４６が設けてある。芯棒４６は左右のキャップ４
２の上記孔を貫通し、これに回動可能に支持されてい
る。円筒部４１内の芯棒４６にはシート部材３が巻き付
けてある。芯棒４６は、その端部とキャップ４２との間
に設けたスプリングの付勢力により常時、ケース４に対
してシート部材３の巻取り方向に回転付勢されている。

【００１２】シート部材３は、荷室１の幅とほぼ同じ幅
寸法の薄手のビニールシートまたはレザーシートで、前
縁が芯棒４６に固着してあり、前端側から芯棒４６にそ
の上記回転付勢力によりロール状に巻き付けてある。シ
ート部材３はケース４のスリット４３からケース４外に
引き出してあり、後端縁は折り返して袋状に縫い合わ
せ、その内部に偏平状の金属製の棒材３１が挿通してあ
る。棒材３１はその全長がシート部材３の幅よりも長
く、両端がシート部材３後端縁の両側端から外側へ突出
している。棒材３１を包むシート部材３の後端の厚さは
ケース４のスリット４３の開口幅よりも大きく、ケース
４内に巻き込まれないようにしてある。

【００１３】また、ケース４のレール部４４には複数の
フック５が移動可能に取付けてある。フック５は合成樹
脂製で、鉤爪状の本体部５１の頭部５２は、レール部４
４内に移動可能に嵌入する方形の板面を備えた垂直断面
ほぼＴ字形で、頭部５２の下方位置にはこれと間隔をお
いて前後に突出する一対の突起５３が形成してある。

【００１４】フック５は、その頭部５２をレール部４４
内に嵌入するとともに、頭部５２と両突起５３とでレー
ル部４４の開口両縁部を上下に挟み込むようにして、レ
ール部４４にその長手方向に移動可能に吊り下げてあ
る。

【００１５】このようにトノカバー２とフック５を一体
化した荷室装置の荷室１への取付けは、ケース４を後部
座席Ｓの背面上縁に沿って配し、ケース４の両端のキャ
ップ４２の係止突起（図略）を荷室１の側壁１１に形成
した係合溝１２内に上方から着脱可能に嵌合して、荷室
１の前方上部に横架し取付ける。

【００１６】トノカバー２は必要に応じて、シート部材
３をケース４から芯棒４６の巻取り回動に抗して後方に
引き出し、棒材３１の両端をそれぞれ荷室１の側壁１１
の後部上端に設けた係合部に係止して荷室１上部を被覆
する。また、不要時には上記係止を解除してケース４内
に巻取り収納して荷室１上部を開放する。

【００１７】一方、フック５は、荷物に直接に、またこ
れを包む袋に係止させ荷物を確実に固定する。また、フ
ック５は固定する荷物の配置により移動させる。

【００１８】トノカバー２およびフック５を一体化した
荷室装置は、後部座席Ｓを畳んで荷室１を前方に拡張し
たときには取りはずすことができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、荷室を被覆するトノカ
バーと荷室の荷物を固定するフックとを一体化した荷室
装置としたので、荷室装置の荷室への取付け工数を削減
することができ、取付け作業性を向上することができ
る。また、フックを移動させることで固定する荷物の配
置を選ぶことができる。また、トノカバーのレール部付
きケースは一体押出し成形することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の荷室装置を示すもので、荷室に設置し
た状態の荷室装置の一部断面斜視図である。

【図２】従来の荷室装置を設けた、車体後部の荷室の斜
視図である。

【図３】従来のフックで荷物を固定した状態を示す図で
ある。

【符号の説明】

Ｓ 後部座席 １ 荷室 １１ 側壁 ２ トノカバー ４ ケース ４４ レール部 ５ フック ５２ 頭部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車室の後部座席の後方に形成された荷室
   に付設する荷室装置であって、荷室の前方上部の位置で
   左右の側壁間に横設した筒状のケース内に巻取り収納
   し、使用時に上記ケース内より引き出して荷室の上部を
   被覆するシート状のトノカバーと、該トノカバーのケー
   スの長手方向に沿ってこれと一体に形成したレール部に
   移動可能に支持せしめて荷室内の荷物を固定するフック
   とで構成した自動車用荷室装置。
2. 【請求項２】 上記ケースの底面にはその下面側に、下
   方へ開口する断面ほぼＣ字形の上記レール部を一体に形
   成する一方、上記フックの頭部を上記レール部に嵌合す
   る形状に形成し、上記頭部を上記レール部に嵌入して上
   記フックを上記レール部に移動自在に支持せしめた請求
   項１記載の自動車用荷室装置。