JPH0330201Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のリアシエルフ、詳しくはリク
ライニングするリアシートバツクとリヤウインド
下方のフレームとの間に配設するリアシエルフの
取付構造の改良に関するものである。

（先行技術） リクライニングするリアシートを備えた自動車
はリアシエルフがリヤウインド側のフレームに一
端縁が固定されているため、リクライニング機構
を操作してリヤシートのシートバツクを前方に傾
斜させると、このシートバツクの背裏とリアシエ
ルフとの間に間隙が生じ、この間隙からリアシエ
ルフ上に載置した物品が、トランクルーム内に落
下するし、またその間隙よりトランクルーム内が
露出するため車内の美感が損なわる不具合があつ
た。

そこで、斯る不具合を除去するものとして、実
開昭51−71534号に開示されているものの如く、
シートバツクの背裏上部に硬質板製のリアシエル
フの一端を固定すると共にそのリアシエルフの他
端をトランクルームの上部内に摺動自在に取付け
て、シートバツクの傾動に伴つてリアシエルフが
移動しその他端がトランクルーム内部に入り込む
ように構成されているものがある。

これはシートバツクと共に移動するため、前記
従来品の如くシートバツクの背裏側には間隙が生
じないが、リアシエルフの一端がトランクルーム
内に入り込むため、トランクルームの上部にリア
シエルフの移動用空間部を設けなければならずト
ランクルームの構造が複雑になるし、またトラン
クルームが狭くなる欠点があつた。

斯かる欠点を除去するものとして、第６図Ａ，
Ｂに示すようなものが現在実施されている。これ
はシートバツクａの背裏とリヤウインドｄ下方の
フレームｂとの間に布などの柔軟性を有するリア
シエルフc′を張設したものである。

ところが、このリアシエルフc′はシートバツク
ａを後方に傾動した際（第６図Ｂ二点鎖線）、リ
アシエルフc′が凹窪状に緩むため、外観が頗る悪
い不具合がある。

（目的） 本考案はシートバツクを前後方向に傾動しても
リアシエルフが緩むことなく常に緊張した状態で
張設でき、更に、自動車の衝突などの緊急時にお
けるシートバツクの前倒しを防止し得るようにす
ることを目的とする。

（構成） 本考案は布地などの柔軟部材からなるリアシエ
ルフ本体の一端縁を、リヤウインド下方のフレー
ムに固定すると共に、リアシエルフ本体の他端縁
にベルトの一端を取付け、該ベルトと共にリアシ
エルフ本体の他端縁をシートバツクの背裏上部に
取付けたガイド杆に挿通し、且つ前記ベルトの他
端はシートバツクの背裏下部に装着した緊急ロツ
ク機構付の巻取装置に連結し、この巻取装置のベ
ルト巻取力によつて前記リアシエルフ本体を緊張
させてなるものである。従つて、巻取装置の巻取
力によつてベルトを介してリアシエルフ本体を常
時引張り、シートバツクの傾動によつても本体が
弛むことがないようにしたものである。また、緊
急ロツク機構付の巻取装置によつて自動車の衝突
時など緊急時にシートバツクに加わる前方荷重を
ベルトとリアシエルフで負担する。

（実施例） 第１図は本考案に係るリアシエルフｃを備えた
自動車の車内を示し、図中前記第６図Ａ，Ｂと同
一符号は同一部材を示す。

図中１は布地、合成樹脂製シート、擬革地など
の柔軟部材からなるリアシエルフ本体を示し、こ
のリアシエルフ本体１はシートバツクａを起立状
態（第１図の状態）において、このシートバツク
ａの背裏とリヤウインド下方の車体ｂとの間を被
覆する程度の大きさに形成されている。

そして、リアシエルフ本体１の一端縁はビス１
１…などによつて車体ｂに固定され、他端縁には
第５図に示すように長尺状の硬質材１２が設けて
ある。この硬質材１２に巻取装置３に一端が巻取
られているベルト２が連結されている。

シートバツクａはその背裏に、ワイヤ、パイプ
などをコ字状に折曲げてなるガイド杆４が固定さ
れている。このガイド杆４は第３図に示すように
シートバツクａの背裏に両遊端部がボルトなどの
締結具によつてシートバツクａの背裏に沿て固定
され、その上部が背裏との間に間隙が生じるよう
に折曲げられている。

このガイド杆４に前記リアシエルフ本体１の一
部及びベルト２が挿通され、そ７のベルト２がガ
イド杆４の下方にシートバツクａ背裏に装着した
巻取装置３に巻取られている。

巻取装置３はばねによつてベルト２を常に巻取
り方向に付勢するように構成されている。従つ
て、ベルト２を介して車体ｂに固定した車体１は
巻取装置３のベルト巻込力によつて常に緊張され
る。

また、以上の巻取装置３は自動車の車体側に設
けて着座者の身体を拘束するシートベルトの巻取
装置に使用されているもものと同様のものを使用
する。即ち、自動車の衝突時など緊急時にロツク
される緊急ロツク機構付の巻取装置を使用する。

なお、第１図、第２図において、図中ａ１はシ
ートバツクａを構成するクツシヨン体、ａ２はＳ
形ばね、ａ３はパイプ製フレーム、ａ４はバツク
パネル、ａ５はリクライニングアジヤスタ、５は
トランクルーム、６は荷物を夫々示す。

第４図はスプリツトシートＡに本考案に係る前
記リアシエルフを装着した状態を示し、スプリツ
トシートＡの各シートバツクa′，a″の背裏に、リ
アシエルフ本体１′，１″が間隙なく並設されてい
る。

（効果） 本考案によればリアシエルフ本体の一端に取付
けたベルトが巻取装置の巻込力によつて常時引つ
ぱられている。そのためシートバツクを前後方向
に傾動しても他端が車体側に固定されているリア
シエルフ本体は緊張され、従来品の如く弛むこと
がない。

更に、巻取装置が緊張するロツク機構付の巻取
装置を使用し、この巻取装置をシートバツクの下
部に装着して、シートバツクの上部にベルトガイ
ド用のガイド杆に設けているため、自動車用の衝
突時など緊急時、即ち、シートバツクに急激な前
方荷重が加わつた際、その荷重をベルトとリアシ
エルフなどで負担するため、起立状態のシートバ
ツクが前倒れすることがなく、安定性を向上し得
る。

依つて、所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を切欠して示す側面図、第２図は
要部の断面図、第３図は斜視図、第４図は外の実
施例を示す斜視図、第５図は装着前の状態の斜視
図、第６図Ａ，Ｂは従来品を示し、第６図Ａはそ
の斜視図、第６図Ｂは同一部切欠して示す側面図
である。図中１リアシエルフ本体、２はベルト、
３は緊急ロツク機構付の巻取装置を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 布地などの柔軟部材からなるリアシエルフ本体
   の一端縁を、リヤウインド下方のフレームに固定
   すると共に、リアシエルフ本体の他端縁にベルト
   の一端を取付け、該ベルトと共にリアシエルフ本
   体の他端縁をシートバツクの背裏上部に取付けた
   ガイド杆に挿通し、且つ前記ベルトの他端はシー
   トバツクの背裏下部に装着し緊急ロツク機構付の
   巻取装置に連結し、該巻取装置のベルト巻取力に
   よつて前記リアシエルフ本体を緊張させてなる自
   動車のリアシエルフの巻取構造。