JPH0144349Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車両、たとえば貨客兼用車等のよう
なバン型車両のリヤシートとして好適なサイドト
リム収納式シートに関する。

従来、バン型車両に設置されるリヤシートは、
後部室を荷室として使用するときの荷積みスペー
スの拡大化を図るべく、折りたたむことができる
ように構成されているのが一般的である。しかし
ながら、シートは折りたたまれた状態でも床面の
一部を占有することに変わりはなく、荷積みスペ
ースを犠牲にするものであつた。

本考案の目的は、上述した従来の欠点に鑑み、
リヤシートをハンモツクタイプの簡易シートをも
つて構成するとともに、これを荷積み時に車両の
側壁内に収納可能となし、床面全体を荷積みスペ
ースとして使用できるようにした車両用のサイド
トリム収納式シートを提供することにある。

本考案は、上記の目的を達成するために、シー
トのクツシヨン部と背当部とを一体状に形成して
なるハンモツクシートの上端を車両の室内後部側
面上部付近に係脱可能に支承するとともに、該ハ
ンモツクシートの下端を、床面に、起倒可能に枢
着され、かつ、上部が室内側面窓下辺部付近に離
脱可能に保持されるサイドトリムボードの上端に
固定してシートを形成し、側面窓の下方側壁内に
前記ハンモツクシートを収納し得るように構成し
たものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて具体的
に説明する。シートＡはクツシヨン部及び背当部
を一体状に形成するシート本体として長方形のハ
ンモツクシート１と、シートフレームを兼用する
矩形のサイドトリムボード２とから構成されてい
て、車両の後室の側面に沿つて、たとえば前後２
組が設置される。すなわち、シートＡのシートフ
レームは車両の側壁の構成部材であるサイドトリ
ムボード２を利用して構成されており、このシー
トフレーム用としてのサイドトリムボード２はア
ウトサイドパネル３との間に適宜間隔を置いて対
向されるとともに、下端部がヒンジ４によつて床
面５に起倒可能に蝶着されている。また、サイド
トリムボード２は側面窓６の下辺部近くに達する
高さを有していて、上端部の表面側にはほぼ幅一
杯に延在する断面逆Ｌ形の引き出しハンドル７を
備えている。室内側面窓下辺部におけるアウトサ
イドパネル３の張出部（下）８（桁材）には各シ
ートＡごとに前後２個のロツクレバー９が回動可
能に取付けられており、該ロツクレバー９はサイ
ドトリムボード２の上端両側縁に係脱することに
より該サイドトリムボード２を起立状態に保持又
は解放するようになつている。

一方、布又は合成樹脂等からシート状又はネツ
ト状に形成された柔軟なハンモツクシート１は上
端両側に、室内後部の側面上部に形成された張出
部（上）１０（桁材）に固着された２個のヘツダ
ーフツク１１に係脱自在なリング状の取付金具１
２を備えており、またハンモツクシート１の下端
は前記サイドトリムボード２の裏面上端にシート
固定ベース１３を重ね合わせた状態で前記引き出
しハンドル７と共に共通のボルト１４、ナツト１
５により数箇所を固着されていて、必要に応じて
取り替え可能となつている。

本実施例は上述のように構成したものであり、
従つてシートとして使用しないときは、第３図に
示すようにハンモツクシート１をサイドトリムボ
ード２の裏側に２重に折りたたむとともに、サイ
ドトリムボード２を起立してからロツクレバー９
により起立状態に保持することによつて、シート
Ａを車室の側面窓の下方側壁内に収納することが
できる。なお、この収納時において、ハンモツク
シート１はその上端の取付金具１２を、たとえば
アウトサイドパネル３の適宜箇所に設けた突起３
ａに係留するようにすれば、たるみやしわのない
状態に保持される。しかして、シートＡの収納状
態では車室内の床面５はシートを全く装備しない
場合のようにその全面を荷積みスペースとして使
用することが可能となるものであり、たとえば第
６図に示す如くスポーツやレジヤー用品としての
サーフインボード１６やバイク１７等を楽に積込
むことができる。

一方、シートＡを使用する場合は、まずロツク
レバー９を横向きに回動操作してサイドトリムボ
ード２のロツクを解除するとともに、引き出しハ
ンドル７をつかんでサイドトリムボード２を手前
に引き倒し、ついでハンモツクシート１の取付金
具１２を突起３ａから外してハンモツクシート１
を引き出すとともに、取付金具１２をヘツダーフ
ツク１１に係止すれば、シートＡは第５図に示す
ようにハンモツクシート１が張られた状態でセツ
トされる。従つて、斯くセツトされたシートＡは
第７図に示すようにリヤシートとして、あるいは
第８図に示すように前後２組を組合わせることに
よりベツドとして使用することができる。

以上のように、本考案のシートはハンモツクタ
イプの簡易シートとなすとともに、これを車室の
側壁の構成部材であるサイドトリムボードをシー
トフレームとして利用して側面窓下方壁内空間に
収納できるようになしたので、車室内の後部床面
を全面的に荷積みスペースとして使用し得るとと
もに、室内への出張りが解消されて荷の積み下し
が容易で、かつ傷を付けることもなくなり、さら
にはシートの汚れも少なくなる等種々の効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は斜視
図、第２図は引出ハンドル及びシートの取付部を
示す断面図、第３図は収納状態を示す断面図、第
４図及び第５図はシートのセツト途中及びセツト
状態を示す断面図、第６図は荷積み態様を示す説
明図、第７図及び第８図はそれぞれシートの使用
態様を示す説明図である。 １……ハンモツクシート、２……サイドトリム
ボード、３……アウトサイドパネル、４……ヒン
ジ、５……床面、６……側面窓、７……引き出し
ハンドル、８……張出部（下）、９……ロツクレ
バー、１０……張出部（上）、１１……ヘツダー
フツク、１２……取付金具、１３……固定ベー
ス、１４……ボルト、１５……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両の室内後部側面に沿つて配置されるシート
   であつて、シートのクツシヨン部と背当部とを一
   体状に形成してなるハンモツクシートの上端を車
   両の室内後部側面上部付近に係脱可能に支承する
   とともに、該ハンモツクシートの下端を、床面に
   起倒可能に枢着され、かつ、上部が室内側面窓下
   辺部付近に離脱可能に保持されるサイドトリムボ
   ードの上端に固定してシートを形成し、側面窓の
   下方側壁内に前記ハンモツクシートを収納可能と
   なしたことを特徴とする車両用のサイドトリム収
   納式シート。