JPS6117694B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動車の後部室内を荷物収納等のた
めに仕切る仕切装置に関する。

従来、バン型自動車あるいはハツチバツク型自
動車などでリヤシートのシートバツクを前傾自在
になし、荷物を収納する際に該シートバツクを前
に倒して収納スペースを広くとるようにしたもの
があるが、車外から荷物がウインドガラスを通し
て目につき、また車室が荷物の露出によつて雑然
とするため外観が損われるといる問題がある。こ
れに対して、荷物を布やビニールシート等で覆う
こともなされているが、これらのカバーは保形性
がなく、荷物の形状に応じた凹凸ができるため、
必ずしも外観が良くなるとは言えないものであつ
た。

本発明は、かかる点に鑑み、シートバツクが前
傾自在なリヤシートが塔載され、該リヤシート背
面とバツクドアとの間にリヤパツケージトレイが
設けられた自動車において、起立せしめたシート
バツク背面の下部位置でそれぞれ一端部が連結手
段を介して第１仕切板および第２仕切板とが折曲
自在に連結され、上記第１仕切板の他端部は起立
せしめたシートバツク後方の上記リヤパツケージ
トレイと略同一高さで車体に回動自在に第１軸部
材を介して支持され、上記第２仕切板の他端部は
シートバツク背面の上部位置に回動自在に第２軸
部材を介して支持され、上記第１仕切板もしくは
第２仕切板の少なくともいづれか一方は、起立せ
しめたシートバツク背面で上下に分割された基板
とスライド板とから成り、該スライド板は、上記
基板に摺動自在にガイド部材により保持されてお
り、上記シートバツク前傾時に上記第１仕切板が
上記リヤパツケージトレイと略面一となるように
上記リヤパツケージトレイと略同一高さで車体側
壁に連結し、上記第１仕切板および第２仕切板と
の展開状態を保持する掛止手段が設けられる構成
とし、シートバツク前傾時に両仕切板を展開する
ことにより、荷物収容等のための仕切られた室を
形成することができる自動車の後部室内仕切装置
を提供し、前記従来の問題点を解消することを目
的とする。

以下、本発明の構成を実施例につき図面に基づ
いて説明する。

１は後部室内仕切装置２を取り付けた自動車で
リヤシート３とバツクドア４の間にリヤパツケー
ジトレイ５が開閉自在に取り付けられ、リヤシー
ト３はシートバツク６がシートボトム７に前傾自
在に枢支されている。なお、第１図中、８はスペ
アタイヤ格納室、９はスペアタイヤである。

後部室内仕切装置２は、連結手段１１を介して
それぞれ一端部を折曲自在に連結した第１仕切板
１２と第２仕切板１３を具備し、第１仕切板１２
の他端部は起立したシートバツク６の後方位置
に、また第２仕切板１３の他端部はシートバツク
背面にそれぞれ第１軸部材１４と第２軸部材１５
で回動自在に支持され、シートバツク前傾時に第
１仕切板１２と第２仕切板１３を展開し、掛止手
段１６にて車体に保持するものである。

第１仕切板１２は、基板１８の端部にスライド
板１９が摺動自在に重ね合わされたもので、基板
１８に固定したガイド（ガイド部材）２０にて基
板１８とスライド板１９が保持されて第１仕切板
１２と第２仕切板１３とを展開するためのスライ
ド機構が構成されている。第１仕切板１２と第２
仕切板１３の連結手段１１は、パイプ２１に外嵌
した回動板２２，２３に第１仕切板１２の基板１
８と第２仕切板１３がそれぞれ固定されたもので
あり、パイプ２１は車体中央で左右に分離されて
いる。

また、第１仕切板１２および第２仕切板１３
は、両側部にスリツト２５，２５が形成され、両
スリツト２５，２５にそれぞれボード２６，２６
が引出自在に挿入されている。各ボード２６，２
６は、連結手段１１のパイプ２１の端部に設けた
円弧状切欠溝２７に可撓性のＹ字状取付具２８に
て回動自在に取り付けられており、さらに、第１
仕切板１２を固定した端部の回動板２２に前記取
付具２８の基部を案内する案内溝２９が形成され
ている。

第１軸部材１４は第３図に示す如くスライド板
１９の端部に固定され、他方、軸受部材３１はサ
イドシエルフ３２に固定されており、第１軸部材
１４は軸受部材上部に形成された半円筒状軸受部
３３に着脱自在に嵌合されてサンドウインドガラ
ス３５の下端とほぼ同じ高さに設けられている。
軸受部材３１には前記軸受部３の後側に隣接して
リヤパツケージ用軸受部３４が形成され、該後側
の軸受部３４にリヤパツケージ５の支軸３６が嵌
められている。つまり、第１軸部材１４はリヤパ
ツケージ５と略同一高さに設けられていることに
なる。また、スライド板１９の上端にはフツク３
７が取り付けられ、シートバツク６の背面上端部
に前記フツク３７と係合する係止具３８が取り付
けられている。

掛止手段１６は、連結手段１１のパイプ２１の
端部に外嵌された筒ネジ５０と、クオータトリム
５１の上端部に取り付けた埋込ナツト５２とで構
成されており、筒ネジ５０を埋込ナツト５２に螺
合することによつて第１仕切板１２がリヤパツケ
ージ５と略面一となるように上記連結手段１１を
車体側壁、つまりクオータトリム５１に連結し、
第１仕切板１２と第２仕切板１３とを展開状態に
保持するものである。なお、筒ネジ５０はパイプ
２１の端部に取り付けたストツパ５３と止め論５
４とで保持されている。また、第８図中、５５は
アームレストである。

第２軸部材１５は第２仕切板１３の端部両側に
設けたボツクス４０に収容されてスプリング４１
で外側へ付勢され、さらに第２仕切板１３中央部
に設けた操作板４２にワイヤ４３にて連結されて
おり、操作板４２にはつまみ４４が設けられ、つ
まみ４４が第２仕切板１３に開設した案内孔４５
に挿入されている。他方、第２軸部材１５を支承
する軸受部材４６は、シートバツク６の背面上端
部に固定されている。軸受部材４６には、第２軸
部材１５を支承するガイド部材４７がシートバツ
ク上下方向に形成され、ガイド溝４７はシートバ
ツク上端側の端部に深い段部４８が形成されてい
る。

上記構成において、第１仕切板１２と第２仕切
板１３は、シートバツク起立時には折り畳まれて
シートバツク６の背部に位置し、連結手段１１は
このシートバツク６の背面下部に位置する。両仕
切板１２，１３を展開する場合には、シートバツ
ク６を前に倒して両仕切板１２，１３を持ち上げ
ると第２仕切板１３の第２軸部材１５がガイド溝
４７に沿つて前方へ移動して段部４８に嵌合し、
第１仕切板１２は基板１８とスライド板１９の摺
動により延長されて略水平となる。しかして、掛
止手段１６の筒ネジ５０をボード２６，２６とと
もに引き出してクオータトリム５１の埋込ナツト
５２に螺合すると、両仕切板１２，１３が展開状
態で保持され、リヤパツケージトレイ５、両仕切
板１２，１３およびボード２６，２６にて後部室
内の上部空間と仕切られた荷物収納等のための独
立した室５６ができる。

荷物は、バツクドア４およびリヤパツケージト
レイ５を開けて後方から積むことができ、また、
第２仕切板１３に取り付けた操作板４２のつまみ
４４を内側へ引いて第２軸部材１５をガイイド溝
４７から外すことにより、第２仕切板１３を上方
へ開けて、長尺物を積み込んだり、あるいは運転
席側から荷物を出し入れすることができる。ここ
で、第１軸部材１４がサイドウインドガラス３５
の下端とほぼ同じ高さに位置することにより、第
１仕切板１２はサイドウインドガラス３５の下端
縁に沿つて展開されるため、荷物が車外からサイ
ドウインドガラス３５を通して見えることはな
い。

後部室内仕切装置２を使用しない場合は、第１
仕切板上端のフツク３７をシートバツク背面の係
止具３８に係合させておく。この場合、シートバ
ツク６を前傾させると第１軸部材１４が軸受部３
３から離脱し、第１仕切板１２と第２仕切板１３
は折り畳まれた状態でシートバツク６とともに倒
れ、展開しない。

なお、第１仕切板１２と第２仕切板１３はプラ
スチツクにて一体成形し、両者の境界に薄肉ヒン
ジを設けて折曲自在となす場合もある。また、シ
ートバツク６の背面下端部に両仕切板１２，１３
を保持する係止手段を設けることにより、シート
バツク起立時に両仕切板１２，１３が垂下状態で
揺動するのを防止することができる。さらに、上
記実施例では第１仕切板１２をスライドする２枚
の板で構成することにより該第１仕切板１２が水
平に展開するようにしたが、第２仕切板１３を２
枚の板で構成しても第１仕切板１２を水平に展開
することができる。

以上のように、本発明によれば、後部室内にシ
ートバツクの前傾、第１と第２の仕切板の展開、
連結手段の車体側壁への掛止という簡単な操作で
もつて撓みが実質的になく且つ荷物の移動を阻止
可能な比較的堅固な独立した室を形成することが
でき、荷物を積み込む場合に前記独立した室に収
納することにより、荷物が車外から目につくこと
がなく、かつ荷物の整理も容易となり、外観が向
上するという優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施態様を例示し、第１図は自
動車後部の縦断面図、第２図は同一部断面斜視
図、第３図は第１図の鎖線円Ａで囲まれた部分の
要部拡大図、第４図は第１仕切板端部の斜視図、
第５図は第１軸部材の軸受部材の斜視図、第６図
は第１図の鎖線円Ｂで囲まれた部分の要部拡大
図、第７図は第１仕切板と第２仕切板の連結部の
端部を示す拡大斜視図、第８図は掛止手段の拡大
断面図、第９図は第２仕切板支持部の斜視図、第
１０図は同一断面正面図、第１１図は第２軸部材
の軸受部材を示す一部欠いた平面図である。 １……自動車、２……仕切装置、３……リヤシ
ート、４……バツクドア、５……リヤパツケージ
トレイ、６……シートバツク、７……シートボト
ム、１１……連結手段、１２……第１仕切板、１
３……第２仕切板、１４……第１軸部材、１５…
…第２軸部材、１６……掛止手段、１８……基
板、１９……スライド板、２０……ガイド（ガイ
ド部材）、２１……パイプ、２２，２３……回動
板、２５……スリツト、２６…ボード、３５……
サイドウインドガラス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シートバツクが前傾自在なリヤシートが塔載
   され、該リヤシート背面とバツクドアとの間にリ
   ヤパツケージトレイが設けられた自動車におい
   て、起立せしめたシートバツク背面の下部位置で
   それぞれ一端部が連結手段を介して第１仕切板お
   よび第２仕切板とが折曲自在に連結され、上記第
   １仕切板の他端部は起立せしめたシートバツク後
   方の上記リヤパツケージトレイと略同一高さで車
   体に回動自在に第１軸部材を介して支持され、上
   記第２仕切板の他端部はシートバツク背面の上部
   位置に回動自在に第２軸部材を介して支持され、
   上記第１仕切板もしくは第２仕切板の少なくとも
   いづれか一方は起立せしめたシートバツク背面で
   上下に分割された基板とスライド板とから成り、
   該スライド板は上記基板に摺動自在にガイド部材
   により保持されており、上記シートバツク前傾時
   に上記第１仕切板が上記リヤパツケージトレイと
   略面一となるように上記リヤパツケージトレイと
   略同一高さで車体側壁に連結し、上記第１仕切板
   および第２仕切板との展開状態を保持する掛止手
   段が設けられていることを特徴とする自動車の後
   部室内仕切装置。