JPS6024666Y2 - 自動車のリヤパ−セルトレイ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は後部座席の後方に配設されたりャパーセルトレ
イ、特に、該リヤパーセルトレイの前端部が回動可能に
支持されパンクドアの開閉に連動して回動し得るように
構成した自動車のりャパーセルトレイの改良に関するも
のである。

リヤパーセルトレイは一般に剛性部材からなっており、
従って後部座席の背当てがリクライニングするものにお
いては背当ての後領分だけりャパーセルトレイと背当て
との間に隙間を設ける必要があり、このためリヤパーセ
ルトレイ上に載せた物がこの隙間から落下したり、見栄
えが悪いという不具合があった。

このような不具合を解消するために、リヤパーセルトレ
イの固定部と背当てとを可撓性部材からなるカバーによ
って連結したものが提案されているが、背当ての後傾時
にカバーに弛みが生じる不具合があり、前記背当てを前
方に倒して荷物室を広げるようなことはできない。

また、実開昭５３−１２６１１６号公報の如く、前記背
当て側に設けた固定板側に常時付勢される可撓性シート
を後部荷物室を覆うバックドアの間に張架したものがあ
るが、これでは背当て側から小物を取り出すこともでき
ず、前記のように背当てを倒すことも不可能である。

更に、リヤパーセルトレイにおけるバックドアとの連動
機構として、従来りャパーセルトレイとバックドアとを
引き上げ紐によって単に連結したものが用いられている
が、ドアを閉じたとき上記縁が弛んだ状態でリヤパーセ
ルトレイ上に置かれ、使用上邪魔になるとともに、外観
上体裁が悪いという問題があった。

これを解決せんとして実開昭５３−４４８１０号公報で
は、トレイの下面に張力部材で固定したリングを設け、
該リングに一端をバンクドア下端に、他端を車体に夫々
連結した可撓部材を通したトレイの開閉装置が示されて
いるが、前記装置がトレイの一個所に設けられたときは
不安定であり、また同装置をトレイの両側に設けたもの
では部品がふえるとともに、左右のバランスが崩れると
一方の紐が弛んで前記のような問題が生じる虞れがある
。

本考案は上記のような不具合を解消せんとして案出され
たもので、後部座席後方に該座席の背当てとの間に空間
を残して車体後方へ開閉自在に支持したパーセルトレイ
の後端両側に、下端を弾性部材で連結した５本の紐を通
して各々バックドアに固定するとともに、前記パーセル
トレイ前端にカバーの一端を弾性部材を介して出入自在
に装着し、カバーの他端を前記背当て背面に着脱自在に
係合したことを要旨とするもので、以下図示する実施例
に基づき説明する。

図において、１は自動車の後部座席でその背当１１は前
後傾倒可能にリクライニングするように構成されている
。

２は該座席１の後方に略々水平に配置されたりャパーセ
ルトレイで、その前端部両側面には第２図に示すように
枢軸２０ａ、２０ｂが取付けられ、該軸によって車体（
図示せず）に回動可能に支持されており、その後端部は
後部車体３上に載置されている。

該リヤパーセルトレイ２は例えば合成樹脂によって構成
され、その前半部に前端が開口した二重構造部２１を備
え収納部２１ａが形成されており、その後部両側には穴
２２ａ、２２ｂが設けられている。

４ａ＋４ｂは該穴２２ａ、２２ｂに各々挿通される引き
上げ紐で、その一端にはフック４０ａ。

４０ｂが各々取付けられ、車体屋根Ｒの後端にヒンジＦ
によって回動可能に取付けられたバックドアＤに設けら
れた係止部材４１に係合するようになっている。

該引き上げ紐４ａ、４ｂの他端は係合片４２ａ、４２ｂ
によってゴム紐４３を介して各々連結されている。

なお、該ゴム紐４３の代りにコイルスプリング等の弾性
部材を用いてもよい。

５は前記リヤパーセルトレイ２の収納部２１ ａに出入
可能に配設されたビニ−レザー、クロス等の可撓性部材
からなるカバーで、その前端は中央部が切欠かれており
、後述する係留装置によって座席１の背当て１１の背面
に着脱可能に取付けられる。

６．６は該カバー４の前端に取付けられた棒状の係止部
材で、二重折したカバー４の前端に挿入されている。

７・・・・・・は背当１１の背面に取付けられたブラケ
ット８に取付けられ、前記係止部材６，６の両端部を係
合する係留部材で、第４図に示すように開口部７１ａが
前記係止部材６の直径より小さい隙間を有する係合部７
１と、前記ブラケット８に設けられた穴８ａに挿入され
る取付部１２とからなっており、合成樹脂によって一体
的に構成されている。

従って、該係留部材７に前記係止部材６を係止するには
、係留部材７の開口部７１ａより第３図において左方へ
押し込めば、該開口部７１ａは押し拡げられ、係止部材
６が完全に嵌合するとその弾性により元の状態に戻り、
係止部材７は係留部材６によって係留される。

９は前記リヤパーセルトレイ２の収納部２１ａ内に配設
され一端が前記カバー５の後端に止め部材９１によって
係止されたゴム紐或はコイルスプリング等の弾性部材で
、その後端は二重構造部２１の後壁２１ｂに設けられた
穴を貫通し止め部材９２に連結されリヤパーセルトレイ
に係止されており、前記背当１１が傾当したときカバー
５を常に緊張した状態で追従するように作用している。

本考案は以上のように構成されており、第１図において
バンクドアＤを二点鎖線で示す閉止状態から一点鎖線で
示すように開くと、最初は引き上げ紐４ａ、４ｂがゴム
紐４３の力に抗して引張られ、該ゴム紐との間に各々取
付けられた係止片４２ａｔ４２ｂが前記穴２２ ａ、
２２ ｂの周縁に当接すると、リヤパーセルトレイ２
を枢軸２０ａ。

２０ｂを中心として一点鎖線で示すように回動する。

従って、リヤパーセルトレイ２の下方への物の出し入れ
を車外から容易に行うことができる。

次に、バンクドアＤを閉めるとりャパーセルトレイ２は
、該ドアとともに引き上げ紐が降下するのに伴って前記
とは逆に回動し第１図において実線で示すようにその後
端部が後部車体３上に載置される。

一方、引き上げ紐４ａ、４ｂの他端部はゴム紐４３によ
って引張られるため第２図、第３図に示すようにリヤパ
ーセルトレイ２の下面に接するような状態に保持される
。

従って、前記従来のもののようにリヤパーセルトレイ上
に弛んだ状態に放置されたり、他端部がリヤパーセルト
レイの下方に垂れ下った状態になることはなく、使用上
および体裁上極めて有効である。

また本案によれば、第１図の状態から背当て１１を後方
へ傾けるとカバー５がスプリング９の張力によって第１
図で右方へ引かれ、その後部が二重構造部２１の収納部
２１ａ内に引き込まれる。

従って、カバー５は背当て１１を後傾しても弛むことは
なく、常に緊張した状態に保持することができ、また背
当て１１を前方に倒す場合には係留部材７を係止部材６
から外せば背当ての前倒に何ら支障はない。

本考案は後部座席後方に該座席の背当てとの間に空間を
残して車体後方へ開閉自在に支持したパーセルトレイの
後端両側に、下端を弾性部材で連結した２本の紐を通し
て各々バンクドアに固定するとともに、前記バーセルト
レイ前端にカバーの一端を弾性部材を介して出入自在に
装着し、カバーの他端を前記背当て背面に着脱自在に係
合したので、次の如き効果がある。

（１）バックドアの動きに連動してパーセルトレイを開
く２本の紐が下端で弾性部材により連結されているので
、紐が常に緊張しているほか、紐にバランスした力がか
かり、パーセルトレイ上に物を載せたときにも一方の紐
だけが弛むことがない。

（２）一本の弾性部材で２本の紐を引くので部品点数が
少なくて済み、コストが安い。

（３）カバーにより座席背当て側を塞ぎつつ、ここから
の小物の出入を自在とし、且つ背当ての後部のみでなく
、前倒も前記係留部材から前記係止部材を外すことによ
り支障なく行うことができる。

（４）従って構造簡単で使い勝手のよいリヤパーセルト
レイが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるリヤパーセルトレイの断面図、第
２図は同斜視図、第３図は第２図における■〜■線断面
図、第４図は本案リヤバーセルトレイに装着されるカバ
ーの係留装着の断面図である。 １；後部座席、１１；背当、２；リヤパーセルトレイ、
２０ ａ、 ２０ ｂ ；枢軸、２２ａ、２２ｂ；穴
、４ ａ、 ４ ｂ ；引き上げ紐、４３；ゴム紐。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後部座席後方に該座席の背当てとの間に空間を残して車
   体後方へ開閉自在に支持したパーセルトレイの後端両側
   に、下端を弾性部材で連結した２本の紐を通して各々パ
   ンクドアに固定するとともに、前記パーセルトレイ前端
   にカバーの一端を弾性部材を介して出入自在に装着し、
   カバーの他端を前記背当て背面に着脱自在に係合してな
   る自動車のりャパーセルトレイ。