JPH05337508A - ロールクロス式タンデム圧延機列 - Google Patents

ロールクロス式タンデム圧延機列

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JPH05337508A JP4168287A JP16828792A JPH05337508A JP H05337508 A JPH05337508 A JP H05337508A JP 4168287 A JP4168287 A JP 4168287A JP 16828792 A JP16828792 A JP 16828792A JP H05337508 A JPH05337508 A JP H05337508A
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清貴 堀
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Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 金属板を冷間圧延する際に表面光沢度を低下
させることなく、しかもねじれを矯正し製品の品質向上
を図る。 【構成】 上下一対のワークロール１およびバックアッ
プロール２からなる圧延機スタンドを圧延ライン方向に
５段階に並べ、最終スタンドを除く他の４つのスタンド
のうち少なくとも１つのスタンドに、ワークロールをク
ロスさせたクロスロール圧延機を配置し、最終スタンド
には軽圧下のロール平行圧延機を設ける。圧延される金
属板３は少なくとも１つ以上のスタンドでクロスロール
圧延される段階で板幅方向にすべり力が加わり、圧延材
表面の表層が板幅方向に剪断変形されることによって表
面に高い光沢が与えられる。次いで最終スタンドでは圧
下率１０％以下程度の軽い圧下力で平行圧延されること
により前段スタンドで生じたねじれが矯正され、同時に
圧延材の表面光沢も僅かな低下に抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は金属板を冷間圧延する際
に該金属板の表面光沢を向上させるタンデム圧延機列の
構成に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、上下一対のワークロールによる金
属板等の冷間圧延に際し、例えばステンレス鋼板などの
金属板の表面光沢を向上させたい場合には、圧延用潤滑
油を低粘度にしたり、ワークロールを小径にしたりして
金属板とワークロールとの間に噛込まれる潤滑油の量を
減少させることにより該金属板とワークロールの間での
金属接触部分を増す方法が広く採用されている。
【０００３】また、本発明者等は上記技術の他に金属板
の表面光沢を向上させる方法として金属板の表面とワー
クロールとの間に板幅方向へすべり力を与えて金属表面
の表層を板幅方向に剪断変形させるようにすると金属板
表面とワークロールとが金属接触するようになり、光沢
度の高い金属表面が得られることを見出している。（例
えば特願平０２−１８２８３５号参照）
【０００４】特に金属板の表面とワークロールとの間に
板幅方向のすべり力を与えるための方法の１つとして上
下一対のワークロールを互いにクロスさせて金属板材を
圧延することが有効である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで上下一対のワ
ークロールを互いにクロスさせて金属板を圧延する圧延
機をタンデムに配列する場合、全スタンドをワークロー
ルクロス圧延機で構成すると圧延された板にねじれが発
生し、そのままでは製品になり難い場合がある。
【０００６】また、そのためにタンデム圧延機列中の最
終段スタンドを通常の平行ワークロールの圧延機で構成
すると、前段のワークロールクロス圧延機により得られ
た高い表面光沢が失われる不具合がある。
【０００７】本発明は上記のような圧延された金属板材
のねじれをなくし、また表面光沢を消失させないでロー
ルクロス式タンデム圧延を行えるようにすることを目的
としている。
【０００８】
【目的を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの構成として本発明のロールクロス式タンデム圧延機
列は、上下一対のワークロールにより金属板を冷間圧延
する圧延機をタンデムに配列した圧延機列において、少
なくとも上下のワークロールの軸心を圧延板面に平行な
面内でクロスさせて金属板を圧延する冷間圧延機をタン
デム圧延機列中の最終スタンドを除く他のスタンドのう
ちの１スタンドに設置し、最終スタンドには軽圧下のロ
ール平行圧下圧延機を設置することを特徴としている。
【０００９】
【作用】タンデム圧延機列の最終スタンドを除く他のス
タンド部分において、圧延される金属板材は、少なくと
も１以上のワークロールクロス圧延機を設置したスタン
ドを通って圧延される段階でクロスする上下のワークロ
ールにより板幅方向へすべり力が加わり、圧延材表面の
表層が板幅方向に剪断変形されることによって圧延材表
面に高い光沢が与えられる。
【００１０】次いで最終スタンドでは、圧下率１０％以
下程度の軽圧下ロール平行圧延機を通る段階で圧延材が
軽い圧下力で平行圧延されることにより、前段スタンド
で生じた板ねじれが矯正され、同時に圧延材の表面光沢
も僅かな低下に抑えられ、充分な表面光沢を残してねじ
れのない圧延ができる。
【００１１】
【実施例】以下、本発明を図１〜５に示す実施例につい
て詳細説明する。図１は本発明タンデム圧延機列の第１
実施例の概略側面図で、上下一対のワークロール１，１
及びバックアップロール２，２からなる圧延機スタンド
を圧延ライン方向に５段階に並べ、最終（右端）スタン
ドを除く他の４つのスタンドのうちの少なくとも１つ、
本実施例では他の４つのスタンド全部に上下ワークロー
ルの軸心を圧延板面に平行な面内でクロスさせたワーク
ロールクロス圧延機を配置し、最終（右端）スタンドに
は軽圧下ロール平行圧延機を設けて構成したものを示
し、３は各圧延機スタンドを通し矢印方向へ送られる圧
延金属板材（以下圧延材という）である。
【００１２】図２は本発明の第２実施例であり図１と同
様なスタンド配列のもとでワークロール１とバックアッ
プロール２を一緒にクロスさせるタイプを示す。
【００１３】図３はワークロールクロス圧延機スタンド
での板幅方向剪断変形の説明図で、ワークロール１，１
がクロスして設けられた図１、図２の第１段から第４段
の各圧延機スタンドでは図３に示すように圧延材３を挟
む上下のワークロール１，１が圧延材３の搬送方向と直
交する方向から圧延材３面と平行面内にそれぞれ角度θ
ずつ逆方向にクロスし、各圧延機スタンドでのロール
１，１のクロス角は所定の設計値に従って設定される。
【００１４】上記ワークロール１，１をクロスした圧延
機スタンドで冷間圧延される圧延材３の進行速度ＶS 方
向と、ワークロール１, １の回転速度ＶR 方向との間が
クロス角θになり、圧延材３がワークロール１，１から
解放される近傍では圧延材３の速度ＶS とワークロール
回転速度ＶR がほぼ同じであるので圧延材３とワークロ
ール１，１との間には板幅方向へのすべり分力が発生
し、圧延材３の表層は板幅方向へ剪断変形を受け、この
作用が圧延材３の表面光沢を向上させる。
【００１５】図４は上記図１、図２構成の圧延機列によ
り圧延試験を行い測定した光沢度を示したグラフで、横
軸に圧延パス、縦軸に光沢度をあらわす。なお図中○は
クロスロールミル、□は軽圧下平行ロールミルを示す。
また試験機のワークロール径は２６０ｍｍ、ワークロー
ル表面粗さは１μｍＲmax 、供試材の材質は２．３ｍｍ
厚さの普通鋼、圧延速度は５ｍ／ｍｉｎである。
【００１６】図５は上記圧延試験のパススケジュール要
目表である。第１段から第５段目までの圧延機スタンド
のクロス角θはそれぞれ１．５、１．５、１．１、１．
０、０各圧延機スタンドの圧下率はそれぞれ３０％、３
０％、３０％、２５％、３％で最終スタンドは３％の軽
圧下率とした。
【００１７】図４に示されるように第１段乃至第４段の
圧延スタンドでのワークロールクロス圧延により、圧延
材３表面には高い光沢が付与され、また最終スタンドで
この程度の軽圧下率のロール平行圧延を行うと、光沢度
ＧS の減少割合は少なく、また逆にこの程度の軽圧下率
のロール平行圧延により前段のワークロールクロス圧延
で圧延材に生じた板ねじれを充分に矯正できる効果があ
る。
【００１８】図６はワークロール径１０５ｍｍ、ロール
クロス角０．７５°、圧下率２０％とした第４段圧延ス
タンドと、ロールクロス角０°にした第５段圧延スタン
ドを通過させた圧延材の光沢度ＧS とねじれ率ζ及び２
パス目即ち第５段圧延スタンドの圧下率の関係を測定し
たグラフを示す。縦軸にねじれ率ζと光沢度、横軸に２
パス目の圧下率％を、また図７にねじれ率ζの図解を示
す。図６から３パス目即ち最終スタンドで３〜８％圧下
率でロール平行圧延を行なうと、ねじれ率ζは大幅に減
少し、光沢度ＧS の減少は軽微に抑えられることが判
る。
【００１９】上記の試験結果からタンデム圧延機列にお
いて、少なくとも最終スタンドを除く他の前段スタンド
の中でワークロールクロス圧延を行なったのち、最終ス
タンドでワークロール平行圧延機により、軽圧下率でワ
ークロール平行圧延を行なえば、ワークロールクロス圧
延で圧延材に形成される高い光沢度を失わずにかつワー
クロールクロス圧延で圧延材に生じた板ねじれを適正に
矯正することが可能になる。
【００２０】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記実施例装置に限定されるものでなく、本発
明の技術思想の範囲内において種々設計変更し得るもの
である。
【００２１】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
はタンデム圧延機列において少なくとも上下ワークロー
ルの軸心を圧延板面に平行な面内でクロスさせて圧延を
行う圧延機を、最終スタンドを除く他のスタンドのうち
少なくとも１スタンドに設置し、最終スタンドにはワー
クロール平行の軽圧下圧延機を設置して圧延を行うこと
により圧延される金属板の光沢度を消失することなく、
圧延材のねじれを矯正し、製品の品質を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例に係わるタンデム圧延機列
の概略側面図である。
【図２】本発明の第２実施例に係わるタンデム圧延機列
の概略側面図である。
【図３】ワークロールクロス圧延機スタンドでの板幅方
向剪断変形の説明図である。
【図４】図１、図２に示す型の圧延機列で行った試験圧
延での光沢度測定グラフである。
【図５】図４の圧延試験のパススケジュール要目表であ
る。
【図６】第４段、第５段スタンドでワークロールクロス
圧延及びワークロール平行圧延を行った試験圧での光沢
度、ねじれ率、圧下率の測定グラフである。
【図７】ねじれ率の図解である。
【符号の説明】
１ ワークロール ２ バックアップロール ３ 圧延される金属板 ＶS 金属板進行速度 ＶR ワークロール回転速度 θ ワークロールクロス角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古元 秀昭 広島市西区観音新町四丁目６番22号 三菱 重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 鎌田 俊二 茨城県鹿島郡鹿島町大字光３番地 住友金 属工業株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 堀 清貴 大阪府大阪市中央区北浜４丁目５番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 金子 享 茨城県鹿島郡鹿島町大字光３番地 住友金 属工業株式会社鹿島製鉄所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 上下一対のワークロールにより金属板を
    冷間圧延する圧延機をタンデムに配列したタンデム圧延
    機において、少なくとも上、下ワークロールの軸心を圧
    延板面に平行な面内でクロスさせて金属材料を圧延する
    冷間圧延機を、圧延ライン方向の最終スタンドを除く他
    のスタンドのうちの少なくとも１スタンドに設置し、タ
    ンデム圧延機列の最終スタンドには軽圧下のロール平行
    圧下圧延機を設置してなるロールクロス式タンデム圧延
    機列。
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