JP2000071002A - 鋼帯の冷間圧延方法 - Google Patents

鋼帯の冷間圧延方法

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JP2000071002A
JP2000071002A JP10247179A JP24717998A JP2000071002A JP 2000071002 A JP2000071002 A JP 2000071002A JP 10247179 A JP10247179 A JP 10247179A JP 24717998 A JP24717998 A JP 24717998A JP 2000071002 A JP2000071002 A JP 2000071002A
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Manabu Eto
学 江藤
Hideo Yamamoto
秀男 山本
Tetsuo Kajiwara
哲雄 梶原
Yutaka Matsuda
裕 松田
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロールクロス方式の圧延機を有するタンデム
圧延機を用いて、ゼンジミアミル等の小径ロール圧延機
で圧延された製品と同等に優れた表面光沢を有し、かつ
上下面の光沢度差の少ない鋼帯を冷間圧延する方法を提
供する。 【解決手段】 ロールクロス方式の圧延とロール平行方
式の圧延を各スタンド毎に交互に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンデム圧延機に
よる表面光沢に優れ、かつ表裏面の光沢度差の少ない鋼
帯の冷間圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板等の表面光沢が要求され
る鋼帯の圧延は、センジミアミル等のレバース式小径ロ
ール圧延機を用い、圧延パスを繰り返すことにより行わ
れるのが一般的であるが、近年は生産能率向上を目的と
して高速圧延が可能な大径ロールのタンデム圧延機の使
用が試みられている。
【0003】ところで、鋼帯表面の光沢は、主に冷間圧
延中のロールと鋼帯との接触部(以下、バイト部とい
う)に流入する圧延油の量に影響される。バイト部に導
入される圧延油の量が過剰になると、圧延油が鋼帯表面
の微小凹部に封入されて凹部の縮小変形が阻害され、ま
たオイルピットと呼ばれる新たな凹部が形成され、光沢
度が低下する。
【0004】大径ロールで高速圧延を行うと、圧延油の
流入量が増加して光沢度が低下する問題がある。さら
に、その流入量が鋼帯の表裏面(以下、上下面という)
で異なり、鋼帯の上面と下面で大きな光沢度差が生じや
すい。
【0005】図1は、冷間圧延における鋼帯とロールと
の接触の状況を模式的に示す概要図である。なお、同図
で、符号αは、圧延機入側における鋼帯の進行方向と水
平面とのなす角度で、パスアングルという。
【0006】通常、鋼帯は、圧延機入り側で張力測定用
のローラで支持され、図1に示すように、ロールに対し
斜め下方に向かう方向に進入する。このため、下面に比
べ上面の接触角が小さくなり、上面への圧延油の流入量
が増加する。また、上面の方が圧延油が付着しやすい。
したがって、一般的に、圧延油が多い状態で圧延される
鋼帯上面の方が、光沢度が小さくなり、上下面で光沢度
差が生じる。
【0007】そこで、特開昭55−165217号公報
には、パスアングルを変えて光沢度差を解消する方法が
提示されている。しかし、この方法は、圧延機に新たな
装置をつける場所や制御装置の導入が必要であることな
どの問題がある。
【0008】ところで、上下のワークロール(以下、単
にロールともいう)の軸を圧延面と平行な面内で交差さ
せて圧延を行うロールクロス方式の圧延により、光沢度
が向上することが知られている。
【0009】図2は、ロールクロス方式の圧延の状態を
模式的に示す平面図である。同図に示すように、上ロー
ル1と下ロール2は、それぞれロール軸方向が圧延方向
に直角な方向と角度θ1、θ2(この角度をクロス角と
いう)をなして交差する。なお、同図で、符号β1、β
2は、上ロール1と下ロール2におけるそれぞれのロー
ル回転速度の方向と鋼帯3の進行速度の方向とのなす角
度(以下、交叉角という)である。
【0010】この圧延方法は、交叉角の存在により鋼帯
3とロール1、2との間で鋼帯の幅方向にも相対滑りを
生じさせることにより、鋼帯表面の平滑化を促進させる
もので、ロール径が大きい方が幅方向の滑り距離が増え
ることもあって、大径ロール圧延における光沢度向上手
段として有効であると考えられているが、上下面に光沢
度差が生じるという問題がある。
【0011】特開平6−142702号公報には、ロー
ルクロス方式の圧延における鋼帯上下面の光沢度差の解
消方法が開示されている。図3は、上記公報に記載の方
法を模式的に示す概要図である。
【0012】同公報に開示された方法は、ロールクロス
方式の圧延による光沢度の向上が交叉角に依存する性質
を利用し、同図に示すように、上下ロール1、2のクロ
ス角の和(θ1+θ2 )を一定に保ったまま上下ロール
1、2を水平面内で回転偏向をさせることにより交叉角
を上下で不均等にするというものである。なお、同図
で、上記偏向の角度を偏向角という。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、圧延油の流
入量が異なるなどが原因で鋼帯とロールとの摩擦力が上
下面で異なる場合にロールクロス方式の圧延をすると、
摩擦力が大きい側のロールのクロス方向に鋼帯が斜行す
る現象が生じる。特に、圧延機前後で鋼帯に加わる張力
が小さい場合、あるいは張力が大きくてもそれを付与し
ている隣接圧延機、巻取り機までの距離が長く、鋼帯の
弾性変形により当該圧延機付近での局部的な水平面内回
転が許容されてしまう場合には、圧延機入出側にて鋼帯
の水平面内の進行角度を拘束する力が小さく、斜行が生
じやすい。
【0014】図4は、ロールクロス方式の圧延における
鋼帯の斜行を模式的に説明する概要図である。同図で、
符号γは斜行角度で、圧延機入側と出側における鋼帯の
進行方向の水平面内の角度差を表す。例えば、図4で、
上下ロールのクロス角θ1 、θ2 が同じ0.5°で、圧
延中に摩擦力が大きい側のロールのクロス方向に斜行角
度γが0.5°の斜行が生じれば、そのロールと鋼帯と
の交叉角は実質上は0°となり、一方、反対側のロール
と鋼帯との交差角は1.0°となる。ロールクロス方式
の圧延における光沢度向上は、前述したように、交叉角
への依存性が大きく、したがって、交叉角が上下面で異
なれば、光沢度にも差が生じることになる。
【0015】前記公報に開示された方法は、光沢度差に
影響する鋼帯の斜行を考慮しておらず、したがって、斜
行を助長し、圧延トラブルなどの問題を招くこともあ
る。
【0016】例えば、圧延油の流入量が下面より上面で
多く、鋼帯の光沢度が上面で低く、下面で高い場合、前
記公報の方法によれば光沢度の均等化を図るために上面
の交叉角が大きくなる方向に上下ロールを回転偏向して
調整をするとしている。しかし、鋼帯は、ロールと鋼帯
との間の摩擦力が大きい下ロールのクロス方向に斜行し
ており、上記のように調整すると、さらに斜行が助長さ
れ、最悪の場合、圧延作業が不可となる。
【0017】本発明の目的は、ロールクロス方式の圧延
機を有する連続圧延機を用いて、ゼンジミアミル等の小
径ロール圧延機で圧延された製品と同等に優れた表面光
沢を有し、かつ上下面の光沢度差の少ない鋼帯を冷間圧
延する方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者は、クロス機構
を有する圧延機を用いて、上下ロールのクロス角が0.
4°の場合と0.0°の場合において、パスアングルを
変更してバイト部への圧延油の流入量を変えた試験を行
い、鋼帯の斜行と圧延後の光沢度への影響を調査した。
【0019】図5は、パスアングルを模式的に示す概要
図である。同図に示すように、パスアングル(α)は、
圧延機の入側における鋼帯の進行方向と水平面とのなす
角度で、鋼帯が斜め下方に向かう場合をプラス(+)
に、逆の場合をマイナス(−)で表す。
【0020】図6(a) 、(b) は、クロス角が0.0°の
ときのパスアングルと斜行角度ならびに光沢度との関係
を示すグラフである。
【0021】図7(a) 、(b) は、クロス角が0.4°の
ときのパスアングルと斜行角度ならびに光沢度との関係
を示すグラフである。なお、図6、7で、光沢度は入射
角60°の光沢度計による測定値である。
【0022】図6(b) に示すように、クロス角が0.0
°の時は、パスアングルをプラスにすると上面の光沢度
が低下し、下面の光沢度は向上する。なお、図6(a) に
示すように、パスアングルに因らず斜行は生じない。
【0023】一方、図7(a) 、(b) に示すように、クロ
ス角が0.4°の時は、パスアングルをプラスにすると
下ロールのクロス方向に斜行が生じ (図7(a) 参照) 、
光沢度は上面で高く下面で低くなる (図7(b) 参照) 。
これは、上面を例に取れば、圧延油の流入が増すことに
よる光沢度低下作用よりも、斜行でロールと鋼帯の交叉
角が大きくなったことによる光沢度向上作用が大きいこ
とを意味する。すなわち、パスアングルによる圧延油流
入量の上下差に対する光沢度の変化はクロス角の影響を
強く受けることになる。
【0024】ところで、実際のタンデム圧延設備におい
ては、バイト部への圧延油流入量の上下差を生じさせる
要因は全スタンドで同じであり、上面への流入量が多
い。すわなち、スプレされた圧延油の鋼帯への付着のし
易さは圧延機に因らず常に上面が勝る。また、タンデム
圧延機のスタンド間には鋼帯にかかる張力を検出するロ
ーラがあり、圧延機のレベルより高い位置に設置されて
いるためパスアングルは全スタンドでプラスとなる。
【0025】本発明者は、上記の知見より、ロールクロ
ス方式の圧延とロールをクロスしないで行う圧延(以
下、ロール平行方式の圧延あるいは平行圧延という)と
を組み合わせることにより、鋼帯上下面の光沢度差を少
なくすることができることを見いだした。
【0026】すなわち、本発明は、次の(1) 〜(3) を要
旨とする。 (1) 鋼帯を連続スタンドで冷間圧延をする方法におい
て、ロールクロス方式とロール平行方式の圧延を、該連
続スタンドの各スタンド毎に交互に行うことを特徴とす
る鋼帯の冷間圧延方法。
【0027】(2) 鋼帯を連続スタンドで冷間圧延をする
方法において、ロールクロス方式とロール平行方式の圧
延を、該連続スタンドのスタンドで少なくともそれぞれ
1回以上行い、該鋼帯表裏面の光沢度差を少なくするこ
とを特徴とする鋼帯の冷間圧延方法。
【0028】(3) 連続スタンドのスタンドでロールクロ
ス方式の圧延を2回以上行う際、ロールのクロス方向を
該圧延を行う各スタンド毎に交互に入れ換えて行うこと
を特徴とする請求項1または2に記載の鋼帯の冷間圧延
方法。
【0029】なお、上記(1) 〜(3) 項において、ロール
クロス方式の圧延とは、上下ワークロールのクロス角が
いずれも0.2°程度以上の圧延をいい、ロール平行方
式の圧延とは、該クロス角がいずれも0.2°程度未満
の圧延をいう。
【0030】
【発明の実施の形態】前述したように、冷間圧延による
光沢度の向上は、ロールクロス方式の圧延(以下、クロ
ス圧延ともいう)では、圧延油の供給量が多い鋼帯上面
の方が大きく、ロール平行方式の圧延では、下面の方が
大きい。したがって、タンデムの圧延において、クロス
圧延だけあるいは平行圧延だけの圧延では、表面の光沢
度差は圧延パスとともに拡大する。
【0031】本発明の方法は、クロス圧延と平行圧延を
各スタンド毎に交互に行うことを特徴とする。なお、ク
ロス圧延とは、図1で、上下ワークロールのクロス角が
0.2°程度以上である状態での圧延であり、平行圧延
とはクロス角が0.2°程度未満の状態での圧延をい
う。
【0032】図8は、本発明の方法を説明するタンデム
圧延機の配置例で、5スタンドタンデムの模式図であ
る。同図において、符号12と14は、ワークロールを
クロスする機構を有する圧延機で、符号11、13と1
5はクロス機構を持たない圧延機である。符号16は、
張力測定用ローラで、鋼板3は、パスアングルがプラス
の状態で各スタンドに進入する。
【0033】図8に示すように、本発明の方法では、鋼
帯3は、圧延機11で平行圧延をされ、次いで圧延機1
2で所定のクロス角でクロス圧延をされた後、圧延機1
3で平行圧延をされ、次いで、圧延機14で再度クロス
圧延をされ、圧延機15で平行圧延をされて仕上げられ
た後、巻取り機17で巻き取られる。鋼帯3は、圧延機
12と14のクロス圧延により、主に上面の光沢度が向
上し、圧延機11、13と15の平行圧延により主に下
面の光沢度が向上するため、上下面の光沢度差が少なく
なる。圧延による光沢度の変化は、鋼帯の板厚が大きい
上流側スタンドで大きい。したがって、クロス圧延と平
行圧延を交互に行うことにより光沢度差を効果的に少な
くすることができる。なお、平行圧延は、クロス機構を
有する圧延機を用いて、そのクロス角を0.2°程度未
満として行うこともできる。本発明の別の方法は、クロ
ス圧延と平行圧延を、いずれも少なくとも1回以上行う
ことを特徴とする。
【0034】図9は、本発明の別の方法を説明するタン
デム圧延機の配置例で、5スタンドタンデムの模式図で
ある。同図で、図8と同じ要素は同一の符号で示す。
【0035】図9において、鋼帯3は、圧延機23と2
5で平行圧延をされて主に下面の光沢度が向上し、圧延
機21、22と24でクロス圧延をされて主に上面の光
沢度が向上し、上下面の光沢度差が少なくなる。なお、
図9では、スタンド数が5で、クロス圧延と平行圧延を
それぞれ3回および2回行う場合であるが、本発明の別
の方法はこれに限定せず、複数スタンドのタンデム圧延
機において、クロス圧延と平行圧延を少なくともそれぞ
れ1回以上行えばよい。好ましくは、それぞれの圧延パ
ス回数の差が1回以下である。
【0036】クロス圧延を複数回行う際、ワークロール
のクロス方向が一致していると鋼帯の斜行が助長しやす
い。従って、本発明の方法を行う際は、クロス圧延を行
う各スタンド毎にクロス方向を交互に入れ換えて圧延す
るのが望ましい。例えば、図8において、クロス圧延を
行う圧延機12と14において、ワークロールのクロス
方向を入れ換えて圧延を行うことで斜行の抑制を図るこ
とができる。
【0037】また、本発明方法の実施に当たっては、ク
ロス圧延を行うスタンドではロールの粗度を大きくし、
平行圧延を行うスタンドでは小さくすることが望まし
い。
【0038】クロス圧延においては、ロールと鋼帯のロ
ール軸方向の滑りによってロール表面研磨筋の微小凹凸
が鋼帯表面を平滑化し、光沢度が向上するが、圧延油の
油膜厚が厚い側で光沢向上効果が発揮されるので、その
厚い油膜厚に対応しロール粗度を大きくするのがよい。
一方、平行圧延では油膜厚が薄い側で光沢向上効果が発
揮されるので、ロール粗度を小さくロール表面を平滑に
してこれを鋼帯表面に転写させるとよい。
【0039】なお、ロール粗度が小さいとロール鋼帯間
でスリップが生じ易く作業性が悪くなるので、平行圧延
スタンド前後の張力バランスはロール粗度が小さいほど
狭い範囲に設定しなければならない。これに対し、ロー
ル粗度を比較的大きめとするクロス圧延スタンドでは、
前後の張力バランスの許容範囲が広くなるので、この点
でも平行圧延とクロス圧延を交互に行うことにより、各
スタンド間の張力配分の自由度が広く取れるという利点
がある。
【0040】下流スタンドでは、光沢度の変化が少なく
なるので、光沢度差も大きくはならない。しかし、最終
スタンドでは、出側張力が低いため、クロス圧延を行う
と斜行が生じやすく、斜行の程度によっては光沢度差が
大きくなることもある。したがって、最終スタンドは平
行圧延とするのがよい。
【0041】クロス圧延と平行圧延とを混合した圧延に
より上下面の光沢度差を少なくすることができるが、平
行圧延の際、上下のワークロールとして粗度の異なるも
のを使用することによりさらに光沢度差を少なくするこ
とができる。なお、鋼帯上下面の光沢度差を少なくする
方法について述べたが、上下面の光沢度差を所定の値に
制御することもできる。
【0042】
【実施例】ワークロールの直径が480mmのクロス機
構を備えた5スタンドタンデム圧延機を用い、焼鈍・酸
洗済みの厚さが3.2mmのSUS430ステンレス鋼
帯の冷間圧延を行い、各スタンドの出側に設置した入射
角60°の光沢度計で、上下面の光沢度を調査した。表
1に圧延条件を示す。なお、各スタンドの圧延油は、5
0℃での粘度が25cstの合成エステル系油を濃度1
%のエマルションとして、上下ワークロールに供給し
た。
【0043】
【表1】
【0044】表1に示すように、本発明例は、No.2
と4スタンドがクロス圧延(上下ロールのクロス角0.
4°)で、No.1、3および5スタンド(最終スタン
ド)が平行圧延(上下ロールのクロス角0.0°)とし
た。なお、従来例1は、全スタンドがクロス圧延(上下
ロールのクロス角0.4°)で、従来例2は、全スタン
ドが平行圧延(上下ロールのクロス角0.0°)とし
た。
【0045】図10は、上下面の光沢度の推移を示すグ
ラフで、同図(a)は本発明例の場合、同図(b)は従
来例1の場合、同図(c)は従来例2の場合である。図
10(b)に示すように、全スタンドでクロス圧延を行
った従来例1では、スタンドを経る毎に上面の光沢度は
著しく向上していくが、下面の向上代は相対的に小さ
く、圧延の進行と共にその差が拡大し、最終スタンド出
側では、大きな光沢度差となった。また、同図(c)に
示すように、全スタンドで平行圧延の従来例2では、下
面側に比べ上面側の光沢度の向上が小さく、最終スタン
ドでは大きな光沢度差となった。さらに、この圧延で
は、高い光沢度が得られなかった。図10(a)に示す
ように、本発明例では、光沢差は各スタンドで是正され
る方向に変化し、最終的に、光沢度の高いかつ光沢度差
のほとんどない鋼帯が得られた。
【0046】
【発明の効果】本発明によって、ロール径の大きなタン
デム圧延機を使用して、光沢度に優れかつ上下面の光沢
度差の少ない鋼帯を圧延することができる。したがっ
て、特に光沢度を重視するステンレス鋼帯であっても、
高速圧延により大幅な生産能率の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷間圧延における鋼帯とロールとの接触の状況
を模式的に示す概要図である。
【図2】ロールクロス方式の圧延の状態を模式的に示す
平面図である。
【図3】特開平6−142702号公報に記載の方法を
模式的に示す概要図である。
【図4】ロールクロス方式の圧延における鋼帯の斜行を
模式的に説明する概要図である。
【図5】パスアングルを模式的に示す概要図である。
【図6】図6(a) 、(b) は、それぞれ、クロス角が0.
0°のときのパスアングルと斜行角度ならびに光沢度と
の関係を示すグラフである。
【図7】図7(a) 、(b) は、それぞれ、クロス角が0.
4°のときのパスアングルと斜行角度ならびに光沢度と
の関係を示すグラフである。
【図8】本発明の方法を説明するタンデム圧延機の配置
例で、5スタンドタンデムの模式図である。
【図9】本発明の別の方法を説明するタンデム圧延機の
配置例で、5スタンドタンデムの模式図である。
【図10】上下面の光沢度の推移を示すグラフで、同図
(a)は本発明例の場合、同図(b)は従来例1の場
合、同図(c)は従来例2の場合である。
【符号の説明】
1 上ロール 2 下ロール 3 鋼帯 12、14 クロス機構を有する圧延機 11、13、15 クロス機構を持たない圧延機 16 張力測定用ローラ 17 巻取り機 21〜25 圧延機 α パスアングル θ 、θ クロス角 β1 、β1 交叉角 γ 斜行角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 秀男 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 梶原 哲雄 広島市西区観音新町4丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 松田 裕 広島市西区観音新町4丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島製作所内 Fターム(参考) 4E002 AD05 BB08 BB18 CB03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼帯を連続スタンドで冷間圧延をする方
    法において、ロールクロス方式とロール平行方式の圧延
    を、該連続スタンドの各スタンド毎に交互に行うことを
    特徴とする鋼帯の冷間圧延方法。
  2. 【請求項2】 鋼帯を連続スタンドで冷間圧延をする方
    法において、ロールクロス方式とロール平行方式の圧延
    を、該連続スタンドのスタンドで少なくともそれぞれ1
    回以上行い、該鋼帯表裏面の光沢度差を少なくすること
    を特徴とする鋼帯の冷間圧延方法。
  3. 【請求項3】 連続スタンドのスタンドでロールクロス
    方式の圧延を2回以上行う際、ロールのクロス方向を該
    圧延を行う各スタンド毎に交互に入れ換えて行うことを
    特徴とする請求項1または2に記載の鋼帯の冷間圧延方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102310088A (zh) * 2011-09-21 2012-01-11 上海宝立自动化工程有限公司 一种五机架冷连轧机的热轧带钢加工方法
KR101322945B1 (ko) 2010-12-09 2013-10-29 주식회사 포스코 페라이트계 스테인리스강 및 이의 제조방법

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