JP3398625B2 - 金属板の冷間タンデム圧延機および冷間圧延方法 - Google Patents
金属板の冷間タンデム圧延機および冷間圧延方法Info
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- JP3398625B2 JP3398625B2 JP22905499A JP22905499A JP3398625B2 JP 3398625 B2 JP3398625 B2 JP 3398625B2 JP 22905499 A JP22905499 A JP 22905499A JP 22905499 A JP22905499 A JP 22905499A JP 3398625 B2 JP3398625 B2 JP 3398625B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板の冷間タン
デム圧延機および冷間圧延方法に関し、特に、クロス研
磨目、即ちロールの周面に円周方向を挟んで両側にそれ
ぞれ傾斜する研磨目を付与した出側張力付与ロールを備
え、表面光沢に優れた金属板を圧延する冷間タンデム圧
延機および冷間圧延方法に関する。
デム圧延機および冷間圧延方法に関し、特に、クロス研
磨目、即ちロールの周面に円周方向を挟んで両側にそれ
ぞれ傾斜する研磨目を付与した出側張力付与ロールを備
え、表面光沢に優れた金属板を圧延する冷間タンデム圧
延機および冷間圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、最も表面光沢が要求されるステン
レス鋼板は、ロール直径φ80mm程度の鏡面研磨された小
径圧延ロールを備えたクラスタ型圧延機を用いて、低粘
度の圧延油(ニート油)を供給しつつ低速で圧延されて
いた。近年、生産コストの低減のため表面光沢を要求さ
れるステンレス鋼板の圧延も、大径圧延ロールを用いた
冷間タンデム圧延が指向され、大径圧延ロールを用いた
場合の表面光沢の向上方法が提案されている。
レス鋼板は、ロール直径φ80mm程度の鏡面研磨された小
径圧延ロールを備えたクラスタ型圧延機を用いて、低粘
度の圧延油(ニート油)を供給しつつ低速で圧延されて
いた。近年、生産コストの低減のため表面光沢を要求さ
れるステンレス鋼板の圧延も、大径圧延ロールを用いた
冷間タンデム圧延が指向され、大径圧延ロールを用いた
場合の表面光沢の向上方法が提案されている。
【0003】例えば特開平8−267109号公報には、ロー
ルの周面に円周方向を挟んで両側にそれぞれ傾斜する研
磨目(以下、クロス研磨目という)を付与した圧延ロー
ルで圧延を施すことが、表面光沢に優れた金属板を得る
のに有効であることが開示されている。また例えば特開
平8−39103 号公報には、タングステンカーバイド(以
下、WCと記す)のような超硬合金製ワークロールで圧
延を施すと、焼鈍・酸洗・調質圧延後の表面光沢が向上
することが開示されている。
ルの周面に円周方向を挟んで両側にそれぞれ傾斜する研
磨目(以下、クロス研磨目という)を付与した圧延ロー
ルで圧延を施すことが、表面光沢に優れた金属板を得る
のに有効であることが開示されている。また例えば特開
平8−39103 号公報には、タングステンカーバイド(以
下、WCと記す)のような超硬合金製ワークロールで圧
延を施すと、焼鈍・酸洗・調質圧延後の表面光沢が向上
することが開示されている。
【0004】このような表面光沢に優れた金属板を圧延
する冷間タンデム圧延、例えばステンレス鋼板のような
高変形抵抗材の冷間タンデム圧延では、普通、最下流の
圧延スタンドの出側に設けた張力付与ロールにより出側
金属板に張力を付与しつつ、冷間圧延が施されている。
この最下流の圧延スタンドの出側に設けられた張力付与
ロールとしては、例えば図2に示す金属板を挟圧して張
力を付与する上下1対のピンチロールや、例えば図3に
示す2本または4本のロールに巻き付けて金属板に張力
を付与するブライドルロールなどがよく用いられてい
る。
する冷間タンデム圧延、例えばステンレス鋼板のような
高変形抵抗材の冷間タンデム圧延では、普通、最下流の
圧延スタンドの出側に設けた張力付与ロールにより出側
金属板に張力を付与しつつ、冷間圧延が施されている。
この最下流の圧延スタンドの出側に設けられた張力付与
ロールとしては、例えば図2に示す金属板を挟圧して張
力を付与する上下1対のピンチロールや、例えば図3に
示す2本または4本のロールに巻き付けて金属板に張力
を付与するブライドルロールなどがよく用いられてい
る。
【0005】これらの張力付与ロールで付与する張力は
ステンレス鋼板の場合で100 MPa 程度であり、張力付与
ロールの周面には、Ra=0.2 〜0.3 μm以上の円周方向
に平行な研磨目を付与してスリップを防止し、安定して
張力を付与できるようにしている。
ステンレス鋼板の場合で100 MPa 程度であり、張力付与
ロールの周面には、Ra=0.2 〜0.3 μm以上の円周方向
に平行な研磨目を付与してスリップを防止し、安定して
張力を付与できるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、例えば冷間
タンデム圧延機の圧延スタンドに特開平8−39103 号公
報に記載の超硬合金製ワークロールを組み込んで圧延を
施したりして最終スタンド出側の表面粗度が低下して
も、従来目立たなかった、張力付与ロールの研磨目が金
属板表面に転写したスクラッチ目が顕著となり焼鈍・酸
洗・調質圧延後の表面光沢が向上しないという問題があ
った。
タンデム圧延機の圧延スタンドに特開平8−39103 号公
報に記載の超硬合金製ワークロールを組み込んで圧延を
施したりして最終スタンド出側の表面粗度が低下して
も、従来目立たなかった、張力付与ロールの研磨目が金
属板表面に転写したスクラッチ目が顕著となり焼鈍・酸
洗・調質圧延後の表面光沢が向上しないという問題があ
った。
【0007】また張力付与ロールの表面粗度を、単に減
少したのでは張力付与ロールと金属板表面との間でスリ
ップが発生し、安定して張力を付与できないという問題
があった。そこで、本発明の目的は、上記従来技術が抱
えている問題点を解消することにあり、金属板の表面光
沢を低下することなく、最下流の圧延スタンドの出側の
金属板に安定して張力を付与できる冷間タンデム圧延機
および冷間圧延方法を提供することにある。
少したのでは張力付与ロールと金属板表面との間でスリ
ップが発生し、安定して張力を付与できないという問題
があった。そこで、本発明の目的は、上記従来技術が抱
えている問題点を解消することにあり、金属板の表面光
沢を低下することなく、最下流の圧延スタンドの出側の
金属板に安定して張力を付与できる冷間タンデム圧延機
および冷間圧延方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、金属板に圧延を施す複数の圧延スタンドと、最下流
の圧延スタンドの出側に配置された、クロス研磨目を付
与した出側張力付与ロールとを備えたことを特徴とする
冷間タンデム圧延機である。請求項2記載の本発明は、
冷間タンデム圧延機の最下流の圧延スタンドと出側張力
付与ロール間の金属板に張力を付与しつつ圧延を施す金
属板の冷間圧延方法において、前記出側張力付与ロール
の周面をクロス研磨目とすることを特徴とする金属板の
冷間圧延方法である。
は、金属板に圧延を施す複数の圧延スタンドと、最下流
の圧延スタンドの出側に配置された、クロス研磨目を付
与した出側張力付与ロールとを備えたことを特徴とする
冷間タンデム圧延機である。請求項2記載の本発明は、
冷間タンデム圧延機の最下流の圧延スタンドと出側張力
付与ロール間の金属板に張力を付与しつつ圧延を施す金
属板の冷間圧延方法において、前記出側張力付与ロール
の周面をクロス研磨目とすることを特徴とする金属板の
冷間圧延方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、発明実施の形態について、
発明者らがこの発明を着想するに至った経緯を含めて、
鋼板の冷間圧延の場合を例に説明する。鋼板の表面光沢
は表面の粗さに左右されるが、通常の圧延鋼板の表面に
は、オイルピットと呼ばれるロールバイト内に導入され
た圧延油に起因する深さ数μm程度のミクロ欠陥と、ス
クラッチと呼ばれる圧延ロールの研磨目の転写した深さ
1μm程度のミクロ欠陥が存在する。クロス研磨目を付
与した圧延ロールや、超硬合金製ワークロールで圧延を
施すと、これらのミクロ欠陥が減少して鋼板表面がより
平滑になって表面光沢が向上するのである。
発明者らがこの発明を着想するに至った経緯を含めて、
鋼板の冷間圧延の場合を例に説明する。鋼板の表面光沢
は表面の粗さに左右されるが、通常の圧延鋼板の表面に
は、オイルピットと呼ばれるロールバイト内に導入され
た圧延油に起因する深さ数μm程度のミクロ欠陥と、ス
クラッチと呼ばれる圧延ロールの研磨目の転写した深さ
1μm程度のミクロ欠陥が存在する。クロス研磨目を付
与した圧延ロールや、超硬合金製ワークロールで圧延を
施すと、これらのミクロ欠陥が減少して鋼板表面がより
平滑になって表面光沢が向上するのである。
【0010】このような状況の下で本発明者らは、鋼板
の表面光沢を向上させるため、鋭意検討した結果、通常
のピンチロールあるいはブライドルロールの表面は、円
周方向(圧延方向)にほぼ平行な研磨目が付与されお
り、この円周方向に平行な研磨目が金属板表面に転写
し、表面光沢が低下していることを知見して本発明を完
成させたのである。
の表面光沢を向上させるため、鋭意検討した結果、通常
のピンチロールあるいはブライドルロールの表面は、円
周方向(圧延方向)にほぼ平行な研磨目が付与されお
り、この円周方向に平行な研磨目が金属板表面に転写
し、表面光沢が低下していることを知見して本発明を完
成させたのである。
【0011】すなわち本発明者らは、最下流の圧延スタ
ンドの出側に配置された、ピンチロールあるいはブライ
ドルロールの表面にクロス研磨目を付与して圧延を施し
た。その結果、クロス研磨目を付与したピンチロールで
は、ごくわずかに金属板が圧下され、クロス研磨目によ
り表面近傍の圧延方向のせん断変形が大きくなり、鋼板
表面が平滑化されるために、表面光沢の低下が防止でき
るのみならず、従来の円周方向に平行な研磨目を付与し
たブライドルロールに比して表面光沢を向上させること
ができるのである。
ンドの出側に配置された、ピンチロールあるいはブライ
ドルロールの表面にクロス研磨目を付与して圧延を施し
た。その結果、クロス研磨目を付与したピンチロールで
は、ごくわずかに金属板が圧下され、クロス研磨目によ
り表面近傍の圧延方向のせん断変形が大きくなり、鋼板
表面が平滑化されるために、表面光沢の低下が防止でき
るのみならず、従来の円周方向に平行な研磨目を付与し
たブライドルロールに比して表面光沢を向上させること
ができるのである。
【0012】またクロス研磨目を付与したピンチロール
では、クロス研磨目により摩擦係数が上昇して、ピンチ
ロールと鋼板表面がスリップしにくくなり、安定して張
力を付与できるのである。またクロス研磨目を付与した
ブライドルロールでは、ブライドルロールと鋼板表面は
ごくわずかにスリップしており、円周方向に平行な研磨
目ではスクラッチが転写して表面光沢が低下するが、ク
ロス研磨目をブライドルロールに付与することにより研
磨目方向とスリップ方向が異なることによって生ずる平
滑化作用により、鋼板表面が平滑化されてスクラッチが
転写しないために表面光沢の低下が防止できるのみなら
ず、従来の円周方向に平行な研磨目を付与したブライド
ルロールに比して表面光沢を向上させることができるの
である。またクロス研磨目を付与したブライドルロール
では、クロス研磨目が鋼板表面を平滑化する作用により
摩擦係数が上昇して、ピンチロールと鋼板表面がスリッ
プしにくくなり、安定して張力を付与できるのである。
では、クロス研磨目により摩擦係数が上昇して、ピンチ
ロールと鋼板表面がスリップしにくくなり、安定して張
力を付与できるのである。またクロス研磨目を付与した
ブライドルロールでは、ブライドルロールと鋼板表面は
ごくわずかにスリップしており、円周方向に平行な研磨
目ではスクラッチが転写して表面光沢が低下するが、ク
ロス研磨目をブライドルロールに付与することにより研
磨目方向とスリップ方向が異なることによって生ずる平
滑化作用により、鋼板表面が平滑化されてスクラッチが
転写しないために表面光沢の低下が防止できるのみなら
ず、従来の円周方向に平行な研磨目を付与したブライド
ルロールに比して表面光沢を向上させることができるの
である。またクロス研磨目を付与したブライドルロール
では、クロス研磨目が鋼板表面を平滑化する作用により
摩擦係数が上昇して、ピンチロールと鋼板表面がスリッ
プしにくくなり、安定して張力を付与できるのである。
【0013】また本発明に用いるクロス研磨目を、円周
方向を挟んで両側にそれぞれ傾斜させた理由は、片方に
傾斜した研磨目では金属板が蛇行しやすく安定した圧延
が困難であるためである。本発明に用いるクロス研磨目
は、下記のいずれのクロス研磨目でもよく、クロス研磨
目は連続的である必要もない。クロス研磨目は断続的と
してもよく、この方がクロス研磨目の付与が極めて容易
に効率的になる。
方向を挟んで両側にそれぞれ傾斜させた理由は、片方に
傾斜した研磨目では金属板が蛇行しやすく安定した圧延
が困難であるためである。本発明に用いるクロス研磨目
は、下記のいずれのクロス研磨目でもよく、クロス研磨
目は連続的である必要もない。クロス研磨目は断続的と
してもよく、この方がクロス研磨目の付与が極めて容易
に効率的になる。
【0014】図1(a)は、ロール円周方向(圧延方
向)を挟んで両側にそれぞれ同じ傾斜角度で傾斜した研
磨目を付与した例である。傾斜角度θ1 、θ2 は5〜85
°の範囲が表面光沢の優れた金属板を得るのに好適であ
る。図1(b)は、ロール円周方向(圧延方向)を挟ん
で両側にそれぞれ異なる傾斜角度で傾斜した研磨目を付
与した例である。傾斜角度θ1 、θ2 はそれぞれ5〜85
°の範囲が表面光沢の優れた金属板を得るのに好適であ
る。
向)を挟んで両側にそれぞれ同じ傾斜角度で傾斜した研
磨目を付与した例である。傾斜角度θ1 、θ2 は5〜85
°の範囲が表面光沢の優れた金属板を得るのに好適であ
る。図1(b)は、ロール円周方向(圧延方向)を挟ん
で両側にそれぞれ異なる傾斜角度で傾斜した研磨目を付
与した例である。傾斜角度θ1 、θ2 はそれぞれ5〜85
°の範囲が表面光沢の優れた金属板を得るのに好適であ
る。
【0015】図1(c)は、ロール円周方向(圧延方
向)を挟んで両側にそれぞれランダムに傾斜した研磨目
を付与した例である。
向)を挟んで両側にそれぞれランダムに傾斜した研磨目
を付与した例である。
【0016】
【実施例】(実施例1)図2に示す5スタンドの圧延ス
タンド21〜25(第3スタンド23と第4スタンド24は図示
省略)と、第5圧延スタンド25の出側に配置されたピン
チロール26を備えた冷間タンデム圧延機を用いて、熱間
圧延・焼鈍・酸洗を施した素材厚4.0mmのSUS430フェラ
イト系ステンレス鋼板20を2.0mm 厚に、圧延速度500m/m
in(最終スタンドのロール周速度)で冷間圧延を施し、
その後焼鈍・酸洗・調質圧延した。
タンド21〜25(第3スタンド23と第4スタンド24は図示
省略)と、第5圧延スタンド25の出側に配置されたピン
チロール26を備えた冷間タンデム圧延機を用いて、熱間
圧延・焼鈍・酸洗を施した素材厚4.0mmのSUS430フェラ
イト系ステンレス鋼板20を2.0mm 厚に、圧延速度500m/m
in(最終スタンドのロール周速度)で冷間圧延を施し、
その後焼鈍・酸洗・調質圧延した。
【0017】なお冷間圧延の際には、ピンチロール26の
研磨目を表1のように変更して、圧延を施した。条件C
1〜C5は発明例、条件Aは円周方向に平行な研磨目を
付与して圧延を施した従来例、条件Bはピンチロールを
開放して圧延を施した比較例である。但し図2におい
て、鋼板20は、図中左方から右方に圧延油を供給されつ
つ圧延される。第1〜4圧延スタンドのワークロールは
冷間ダイス鋼とし、第5圧延スタンド25のワークロール
はWC合金製(Coを20wt%添加) とし、クロス研磨目の
傾斜角度(図1のθ1 、θ2 )を40°、その分布(標準
偏差)を10°とし、ロール粗度をRa=0.2 μmとした。
第5圧延スタンド25とピンチロール26間の鋼板20に100
MPa の張力を付与した。
研磨目を表1のように変更して、圧延を施した。条件C
1〜C5は発明例、条件Aは円周方向に平行な研磨目を
付与して圧延を施した従来例、条件Bはピンチロールを
開放して圧延を施した比較例である。但し図2におい
て、鋼板20は、図中左方から右方に圧延油を供給されつ
つ圧延される。第1〜4圧延スタンドのワークロールは
冷間ダイス鋼とし、第5圧延スタンド25のワークロール
はWC合金製(Coを20wt%添加) とし、クロス研磨目の
傾斜角度(図1のθ1 、θ2 )を40°、その分布(標準
偏差)を10°とし、ロール粗度をRa=0.2 μmとした。
第5圧延スタンド25とピンチロール26間の鋼板20に100
MPa の張力を付与した。
【0018】焼鈍・酸洗・調質圧延後の鋼板の表面光沢
度(JIS Z8741 光沢度測定方法(GS20°))を調査し、
その測定結果を、表1に合わせて示す。
度(JIS Z8741 光沢度測定方法(GS20°))を調査し、
その測定結果を、表1に合わせて示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1の結果から条件C1〜C5の発明例で
は、表面光沢度が従来例に比して飛躍的に向上すること
がわかった。また発明例では、いずれの条件に於いても
蛇行や焼付きなどの問題はなく、張力を安定して付与で
きたけれども、ピンチロールを開放して圧延を施した比
較例(条件B)では、圧延が安定しないため圧延速度を
30m/min に低下せざるを得ず、また製品形状が規格を外
れたので格落ちとなった。 (実施例2)図3に示す5スタンドの圧延スタンド31〜
35と、第5圧延スタンド35の出側に配置されたブライド
ルロール36を備えた冷間タンデム圧延機を用いて、熱間
圧延・焼鈍・酸洗を施した素材厚3.0mm のSUS304オース
テナイト系ステンレス鋼板30を1.2mm 厚に、圧延速度50
0m/min(最終スタンドのロール周速度)で冷間圧延を施
し、その後焼鈍・酸洗・調質圧延、とバフ研磨(1パ
ス)を施した。
は、表面光沢度が従来例に比して飛躍的に向上すること
がわかった。また発明例では、いずれの条件に於いても
蛇行や焼付きなどの問題はなく、張力を安定して付与で
きたけれども、ピンチロールを開放して圧延を施した比
較例(条件B)では、圧延が安定しないため圧延速度を
30m/min に低下せざるを得ず、また製品形状が規格を外
れたので格落ちとなった。 (実施例2)図3に示す5スタンドの圧延スタンド31〜
35と、第5圧延スタンド35の出側に配置されたブライド
ルロール36を備えた冷間タンデム圧延機を用いて、熱間
圧延・焼鈍・酸洗を施した素材厚3.0mm のSUS304オース
テナイト系ステンレス鋼板30を1.2mm 厚に、圧延速度50
0m/min(最終スタンドのロール周速度)で冷間圧延を施
し、その後焼鈍・酸洗・調質圧延、とバフ研磨(1パ
ス)を施した。
【0021】なお冷間圧延の際、ブライドルロール36の
表面に傾斜角度(図1のθ1 、θ2)を60°、その分布
を(標準偏差)を5°、ロール粗度をRa=0.08μmとし
たクロス研磨目を付与して冷間圧延を施し、発明例とし
た。但し、第1〜5スタンド31〜35のワークロールは冷
間ダイス鋼とし、クロス研磨目の傾斜角度(図1の
θ1 、θ2 )を15°、その分布(標準偏差)を2°と
し、ロール粗度をRa=0.2 μmとした。第5圧延スタン
ド35とブライドルロール36間の鋼板30に100 MPa の張力
を付与した。
表面に傾斜角度(図1のθ1 、θ2)を60°、その分布
を(標準偏差)を5°、ロール粗度をRa=0.08μmとし
たクロス研磨目を付与して冷間圧延を施し、発明例とし
た。但し、第1〜5スタンド31〜35のワークロールは冷
間ダイス鋼とし、クロス研磨目の傾斜角度(図1の
θ1 、θ2 )を15°、その分布(標準偏差)を2°と
し、ロール粗度をRa=0.2 μmとした。第5圧延スタン
ド35とブライドルロール36間の鋼板30に100 MPa の張力
を付与した。
【0022】一方従来例として、ブライドルロール36の
表面にロール粗度がRa=0.2 μmの円周方向に平行な研
磨目を付与し、それ以外は発明例と同様として冷間圧延
を施した。上記発明例と従来例について、バフ研磨後の
鋼板の表面光沢度(JIS Z8741 光沢度測定方法(GS20
°))を調査した。
表面にロール粗度がRa=0.2 μmの円周方向に平行な研
磨目を付与し、それ以外は発明例と同様として冷間圧延
を施した。上記発明例と従来例について、バフ研磨後の
鋼板の表面光沢度(JIS Z8741 光沢度測定方法(GS20
°))を調査した。
【0023】表面光沢度の測定結果から、従来例の表面
光沢度(GS20°) は上下面平均550ポイントであった
が、発明例では上下面平均700 ポイントと表面光沢度が
良好であった。また発明例では張力を安定して付与でき
たので蛇行も生じることがなかった。
光沢度(GS20°) は上下面平均550ポイントであった
が、発明例では上下面平均700 ポイントと表面光沢度が
良好であった。また発明例では張力を安定して付与でき
たので蛇行も生じることがなかった。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
表面光沢を低下させることなく、最下流の圧延スタンド
の出側の金属板に安定して張力を付与できるので、蛇行
を発生させることもなく安定して冷間圧延を施すことが
できる。
表面光沢を低下させることなく、最下流の圧延スタンド
の出側の金属板に安定して張力を付与できるので、蛇行
を発生させることもなく安定して冷間圧延を施すことが
できる。
【図1】本発明に用いるクロス研磨目の一例を示す概略
図である。
図である。
【図2】本発明に用いて好適な冷間タンデム圧延機の出
側張力付与ロールを示す概略図である。
側張力付与ロールを示す概略図である。
【図3】本発明に用いて好適な冷間タンデム圧延機の他
の出側張力付与ロールを示す概略図である。
の出側張力付与ロールを示す概略図である。
20、30 金属板
21、22、25、31、32、35 圧延スタンド
26、36 出側張力付与ロール
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
B21B 39/08 B21B 39/08 A
(72)発明者 砂盛 泰理
千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎
製鉄株式会社 千葉製鉄所内
(72)発明者 永井 肇
千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎
製鉄株式会社 千葉製鉄所内
(56)参考文献 特開 平7−1021(JP,A)
特開 平9−248603(JP,A)
特開 平1−258805(JP,A)
特開 平2−169108(JP,A)
特開 平5−253604(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B21B 1/00 - 3/02
B21B 39/00,39/08
Claims (2)
- 【請求項1】 金属板に圧延を施す複数の圧延スタンド
と、最下流の圧延スタンドの出側に配置された、クロス
研磨目を付与した出側張力付与ロールとを備えたことを
特徴とする冷間タンデム圧延機。 - 【請求項2】 冷間タンデム圧延機の最下流の圧延スタ
ンドと出側張力付与ロール間の金属板に張力を付与しつ
つ圧延を施す金属板の冷間圧延方法において、前記出側
張力付与ロールの周面をクロス研磨目とすることを特徴
とする金属板の冷間圧延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22905499A JP3398625B2 (ja) | 1999-08-13 | 1999-08-13 | 金属板の冷間タンデム圧延機および冷間圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22905499A JP3398625B2 (ja) | 1999-08-13 | 1999-08-13 | 金属板の冷間タンデム圧延機および冷間圧延方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001047104A JP2001047104A (ja) | 2001-02-20 |
JP3398625B2 true JP3398625B2 (ja) | 2003-04-21 |
Family
ID=16886031
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