JP3288631B2 - 冷間圧延用ステンレス予備処理鋼帯の製造方法 - Google Patents

冷間圧延用ステンレス予備処理鋼帯の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面光沢が良好な
ステンレス冷延鋼帯を有利に生産するための冷間圧延用
ステンレス予備処理鋼帯の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】SUS430に代表されるフェライト系
ステンレス冷延鋼板は、建築内装材、厨房器具、各種装
飾品などの用途に用いられており、これらの用途では優
れた表面光沢が必要である。また、SUS304に代表
されるオーステナイト系ステンレス冷延鋼板も、厨房器
具などの用途に用いられ、同様に優れた表面光沢が求め
られる。これらの表面光沢が必要なステンレス冷延鋼板
は、従来から、熱間圧延後、焼鈍、酸洗を行い、引き続
いて、この焼鈍酸洗した熱延鋼帯を、ロール直径100
mmφ以下の小径ロールを具えたクラスター圧延機によ
り、ニート油潤滑下で冷間圧延し、仕上げ焼鈍・酸洗ま
たは光輝焼鈍を行った後、調質圧延あるいはさらにオー
ステナイト系の場合にはバフ研磨を施す一連の工程によ
って製造されてきた。これに対して、最近、上記小径ロ
ールのクラスター圧延機に代わり、より大径のロールを
具えた冷間タンデム圧延機を用いることにより、高能率
に圧延する方法が試みられるようになってきた。
【0003】しかし、上記冷間タンデム圧延機によって
圧延すれば、ステンレス冷延鋼帯の生産性を高めること
はできるものの、その表面光沢が著しく低下するという
問題があった。表面光沢が低下する理由は、圧延時にロ
ールバイトに大量の圧延油が引き込まれ、鋼帯とロール
とが十分に接触しなくなり、圧延後の鋼帯の表面粗さが
大きくなるからである。また、SUS304などのオー
ステナイト系ステンレス鋼帯の製造に際しては、冷間圧
延の前に行われる熱延鋼帯の焼鈍で、粒界浸食溝と呼ば
れる深さ10数μm〜数10μmの網目状の微小欠陥が
鋼帯表面に生じる。この粒界浸食溝は、通常の冷間圧延
工程で多少傾斜して浅くはなるが、冷延後の焼鈍で発生
するものより深いため、消滅させるためにはバフ研磨で
多くのパス回数を必要としていた。かかるオーステナイ
ト系ステンレス鋼にみられる粒界浸食溝のほかに、ま
た、ステンレス鋼の酸洗前のショット処理で発生するシ
ョット目も、冷延鋼帯の光沢を低下させる要因となって
いた。
【0004】以上述べたようなステンレス冷延鋼帯にお
ける表面光沢の低下に対して、これまでにもその改善方
法がいくつか提案されてきた。例えば、特開平2−1691
08号公報には、熱延後のステンレス鋼帯に、焼鈍、酸洗
を施した後、ロールの周面に編み目(クロス目)状の溝
を設けたロールで、冷延前の予備処理圧延を施すことが
開示されている。また、特開平8−229603号公報には、
熱延後のステンレス鋼帯に、焼鈍、酸洗を施した後、予
備処理圧延を施すに際し,WC合金からなるロールで冷
延前の予備処理圧延を施すことが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術における、予備処理圧延で用いているWC合金ロ
ールは、ロール表面に、周方向の研磨目が存在するのが
一般的であり、このような研磨目を持つワークロールで
圧延すると、鋼帯表面に、スクラッチと呼ばれる、ワー
クロール研磨目の転写に起因する欠陥が新たに生じてし
まう。こうした状態の予備処理鋼帯を、タンデム圧延機
などの冷間圧延機に供給すると、圧延油がスクラッチに
封入されて圧延され、圧延した後にこの欠陥が残存す
る。このため、最終的な冷延鋼帯の表面光沢は十分に改
善されないという問題があった。
【0006】一方、鋼系ロールの周面に編み目状の溝を
設けたロールで予備処理圧延する方法では、研磨目が傾
斜していることにより、鋼帯表面が圧延方向にせん断変
形を受けるので、スクラッナの転写が軽微ですみ、鋼帯
表面が平滑化され、表面光沢は向上する。しかし、この
方法では、鋼系(通常5wt%程度のCrを含む鍛鋼)ロー
ルを用いているため、傾斜した研磨目が著しく早く磨耗
してしまい、光沢改善の効果が長く持続しないという問
題があった。また、鋼系ロールの場合には、圧延中のロ
ール偏平が大きいため、ロールバイトに引き込まれる圧
延油量が多くなり、圧延油が微小な凹み欠陥に封入され
て光沢向上代が小さくなるという問題もあった。
【0007】そこで本発明の目的は、従来技術が抱えて
いる上記問題点を解消することにあり、冷間圧延に供す
るための、スクラッチのない、あるいはまた粒界浸食溝
の少ない、平滑なステンレス予備処理鋼帯を効果的に製
造することにある。そして、この予備処理鋼帯を用い
て、冷間タンデム圧延を含む一連の工程で製造される最
終製品の表面光沢を一層改善することにある。また、本
発明の目的は、このような改善効果が長期にわたり安定
して持続できる、冷間圧延用ステンレス予備処理鋼帯の
製造方法提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記課題の
解決に向けて、予備処理圧延に用いるロールの材質、ロ
ールの周面に形成する研磨目のプロフィールについて詳
細に検討し、本発明を完成するに到った。すなわち、本
発明の要旨構成は以下のとおりである。 (1) 熱間圧延したステンレス鋼帯に、焼鈍、酸洗を施
し、その後、バレル部の少なくとも周面の材料をWC系
超硬合金とし、かつ前記バレル部の周面に、円周方向を
挟んで両側にそれぞれ0.5 〜90°未満のほぼ等しい角度
で傾斜した研摩目を設けた、ワークロールを用いて圧延
することを特徴とする冷間圧延用ステンレス予備処理鋼
帯の製造方法。 (2) 熱間圧延したステンレス鋼帯に、焼鈍、酸洗を施
し、その後、バレル部の少なくとも周面の材料をWC系
超硬合金とし、かつ前記バレル部の周面に、円周方向を
挟んで両側にそれぞれ5〜85°のほぼ等しい角度で傾斜
した研摩目を設けた、ワークロールを用いて圧延するこ
とを特徴とする冷間圧延用ステンレス予備処理鋼帯の製
造方法。 (3) 上記 (1)または (2)において、バレル部が、外層
の材料をWC系超硬合金とし、内層の材料を鋼系合金と
する複合層で形成された、ワークロールを用いて圧延す
ることを特徴とする冷間圧延用ステンレス予備処理鋼帯
の製造方法。 (4) バレル部の周面において、研摩目の表面粗さがR
a=0.05〜3.0 μmである、ワークロールを用いて圧延
することを特徴とする上記 (1)〜 (3)のいずれか1つに
記載の冷間圧延用ステンレス予備処理鋼帯の製造方法。 (5) バレル部の周面において、研摩目の表面粗さがRm
ax =0.2 〜30μmである、ワークロールを用いて圧延
することを特徴とする上記 (1)〜 (3)のいずれか1つに
記載の冷間圧延用ステンレス予備処理鋼帯の製造方法。
なお、上記各発明において、予備処理圧延は、圧下率5
〜30%の範囲で行うことが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】発明者らは、生産性が高い一方
で、表面光沢の点では不利となる、冷間タンデム圧延に
より、ステンレス冷延鋼帯を製造する場合に、冷延鋼帯
の表面光沢を長期にわたり向上させるための方法につい
て検討を行った。その結果、上記目的を達成するために
は、冷間タンデム圧延に供給する素材の表面を、所定の
材質と表面プロフィールを具えた圧延ロールを用いて予
備処理圧延し、そののち冷間タンデム圧延することが有
効であることを知見した。
【0010】前述した特開平2−169108号公報に例示さ
れる、鋼系のクロス目研磨ロールを用いて潤滑油を供給
しつつ予備処理圧延すると、材質が鋼系であることに起
因して、圧延時のロール偏平が大きく、油膜が厚くな
る。このために、鋼系のクロス目研磨ロールでは、十分
にショット目を平滑化できない上、圧延油を供給しても
研磨目の磨耗が早く長期の使用には耐えない。そこで、
発明者らは、ロール(ロールのバレル部)の材質をWC
系超硬合金とすることとした。一方、圧延用ロールは、
一般に、圧延に適用される前に、ロールを軸心周りに回
転させ、ロールの表面に砥石を当てて表面研磨される。
このため、一般のロール(ロールのバレル部)の表面プ
ロフィールは、研磨目が円周方向に付与されたものとな
る。従って、WC系超硬合金を素材とする、このような
ロールを用いて予備処理圧延すると、研磨目と圧延方向
とが同じであるため、研磨目が鋼板表面に転写されるこ
とになる。このときに、無潤滑で予備処理圧延すると、
圧下率が高いほど、ショット目は減少するものの、研磨
目が深く鋼帯表面に転写されてしまう。
【0011】そこで、発明者らは、このWC系超硬合金
製のロールの研磨目を、図1に示すような、ロールの円
周方向を挟んでほぼ等しい角度で傾けたクロス目(編み
目)状とした。そして、このロールを用いて圧延したと
ころ、鋼帯表面に研磨目が転写することを防げられるば
かりか、ロールと鋼帯の圧延方向での相対滑りにより、
研磨目が鋼帯表面を平滑化するように作用することがわ
かった。これにより、冷間タンデム圧延した後の最終製
品の光沢は、著しく向上し、しかも長期間安定して持続
することがわかった。
【0012】ロール材質をWC系超硬合金とする部位
は、少なくともバレルの外周部とする必要がある。そし
て、このロールを経済的に生産するには、バレル部の構
造が、外層の材料をWC系超硬合金とし、内層の材料を
鋼系合金とした、複合層で形成されたものであることが
望ましい。また、ロ−ルのバレル部が複合層からなる場
合には、外層である超硬合金スリーブの厚みは、ロール
半径の3%以上とすることが望ましい。なお、超硬合金
としては、WCにCo、Ni、Cr、Tiなどを添加したWC系
超硬合金が好適であり、なかでもCoを添加したものがよ
り好ましい。このように、ロールの材質をWC系超硬合
金とすることにより、ロール偏平は鋼系ロールに比べて
小さくなり、油膜が薄くなって、ショット目の平滑化が
十分に図られる。また、WC系超硬合金は耐磨耗性に優
れるので、ロールの表面粗さを長期間維持でき、オース
テナイト系ステンレス鋼帯の粒界浸食溝も十分に低減で
きる。
【0013】また、研磨目を構成する溝は、バレル部の
周面に、円周方向を挟んで両側にそれぞれ0.5 〜90°未
満のほぼ等しい角度で傾斜した溝をクロス目(編み目)
状に形成したものがよい。このように傾斜角度は、円周
方向(圧延方向)から僅かな角度で傾斜していれば効果
が現れる。ただし、前記範囲の傾斜角度の中でも、より
優れた効果を発揮させるためには、5〜85°の範囲に加
工するのが望ましい。というのは、円周方向に傾斜した
研磨目を付与する方法として、例えば、特開平5−2536
04号公報に記載のラッピング研磨による方法、あるいは
ロールの回転速度と砥石の送り速度の関係から研磨目を
斜めに付与する方法などがあるが、いずれの方法によっ
ても、円周方向に対してほぼ対称でかつ編み目(クロス
目) 状をなす研磨目を付与するには、少なくとも周方向
に対して5°以上傾斜させると良いことを把握した。5
°未満の角度では、研磨条件の設定が微妙となり、周方
向研磨と同じとなってしまったり、クロス目を形成でき
ないなど、研磨が困難になるからである。軸方向におい
ても同様なことが言え、85°以上の角度ではクロス目を
形成するのが困難になる。
【0014】ここに、円周方向に対して所定範囲の角度
をなして傾斜した片側の研磨目は、全てが平行である必
要はないが、鋼帯の蛇行を防ぐ上から、その平均的な傾
斜角度が、円周方向を挟んで反対側に傾斜した研磨目と
ほぼ等しいこと、すなわち、円周方向に対して対称的で
あることが必要がある。なお、研磨目は必ずしも連続的
である必要はなく、製造性の上では、むしろ断続的であ
るほうが好ましい。ロール表面の研磨目は、例えば、回
転砥石や遊離砥粒などによる研磨、研削バイトによる研
削、あるいはエッチングなどいかなる加工方法で付与さ
れたものでもよい。
【0015】発明者等は、さらにロール周面の表面粗さ
を適正範囲に調整することも重要であることを突き止め
た。すなわち、バレル部の周面において、ロールの軸方
向または円周方向に測定した表面粗さがRa=0.05〜3.
0 μm、好ましくは0.5 〜2.0 μmであるか、Rmax =
0.2 〜30μm、好ましくは 0.3〜2.0 μmであればよ
い。この場合、研磨目が円周方向に対して45°以下なら
ロール軸方向に、45°以上ならロール周方向に測定すれ
ばよい。このようにして測定した表面粗さがRa=0.05
未満、またはRmax =0.2 μm未満の場合には、ロール
粗度が低くて十分な平滑化効果が得られなくなり、Ra
=3.0 μm超え、またはRmax =30μm超えの場合に
は、上記のいかなる方法によっても安定した研磨目の付
与が難しい上、ロール表面が欠け落ちることがある。な
お、研磨目の粗さ範囲の下で、研磨目の山または溝のピ
ッチは数10〜300 μmとするのが望ましい。
【0016】以上説明した材質と表面プロフィールを満
たすバレルからなるロールを用いて予備処理圧延するの
であるが、このときの予備処理圧延圧下率は5〜30%の
範囲で行うことが望ましい。
【0017】本発明によって上述した効果がもたらされ
る理由は次のように考えられる。すなわち、ロールによ
る鋼帯の予備処理圧延で、ロールバイト内において、ロ
ール表面が圧延方向に一定の速度で移動するのに対し
て、鋼帯の移動速度は入側ではロール表面より遅く、出
側ではロール表面より早くなる。このため、ロールバイ
ト内ではロール表面と鋼帯表面は圧延方向に相対的に滑
ることになる。このとき、研磨目が圧延方向に対して傾
いていると、研磨目の凸部が鋼帯表面に接触したまま鋼
帯表面を相対的に移動するので、移動した部分の鋼帯表
面はせん断変形により平滑になり、ショット目や粒界浸
食溝を低減できるのである。特に、予備処理圧延の圧下
率が10%程度以上になると、鋼帯とロールとの圧延方向
相対滑り量が数mmとなり、研磨目のピッチが数10μm
〜300 μm程度であれば、ほぼ鋼帯全面を平滑にするこ
とができる。
【0018】また、この平滑化作用は、鋼帯表面を主と
してせん断変形させることによるものであるから、本発
明によって予備処理圧延を施すと、鋼帯表面のみが加工
硬化して、予備処理工程後の冷間圧延工程におけるオイ
ルピットの生成やスクラッチの転写を、極く少なくかつ
浅いものにする効果があることもわかった。
【0019】
【実施例】以下、実施例に基づいて説明する。熱間圧延
後、焼鈍、ショットブラストによるデスケーリング(機
械的な表面酸化膜の破砕)および酸洗を行った、板厚4.
0 mmのSUS430,SUS304ステンレス熱延鋼
帯を、酸洗設備の直後に設置した図2に示す1スタンド
の圧延機にて圧下率10%の予備処理圧延を行った。この
ステンレス予備処理鋼帯を、ロール径 600mmで、4段
ミル5スタンドのタンデム圧延機にて100コイルづつ
冷間圧延(圧下率は予備処理圧延との合計圧下率で50
%)し、次いで仕上げ焼鈍と酸洗を行った後、調質圧
延、SUS304についてはさらに1パスのバフ研磨を
行った。
【0020】上記予備処理圧延機は、図2において、上
下一対のワークロール2、バックアップロール3からな
るものである。予備処理圧延のワークロールは、Co20wt
%を含むWC系超硬合金からなるスリーブ(スリーブ
厚:ロール半径の5%)を、鋼芯材に嵌合した複合ロー
ルである。また、予備処理圧延に用いたワークロールに
は、表1に示すように、バレル部の材質と表面プロフィ
ール(研磨目のロールの周方向からの角度と、JIS
B0601にしたがい、研磨目と45°以下なら軸方向
に、45°以上なら周方向に測定したロール周面の表面粗
さ)を種々に組合せたものを用いた。冷間タンデム圧延
に用いた各スタンドのロール径とロールの表面粗さは、
それぞれ、#1〜#4が、600 mmでRa 0.25μm、#
5が、600 mmでRa 0.1 μmとした。また、圧延油の
粘度は40 cSt/50℃、濃度は5%とし、圧延速度は400
m/min とした。なお、調質圧延は、ロール径 600m
m、Ra =0.03μmの鏡面ロールによるドライ圧延で、
またバフ研磨は、#400 のバフ砥石による1パス研磨で
行った。
【0021】
【表1】
【0022】こうにして得られたステンレス冷延鋼帯に
ついて、それぞれJIS Z8741光沢度測定方法
(Gs20°)にしたがい光沢度を測定し、1コイル
目、10コイル目、50コイル目及び100コイル目で
相互に比較した。測定した結果を表1に併せて示す。
【0023】表1に示した結果からわかるように、本発
明に従って、材質をWC系超硬合金とし、周面に所定の
クロス目を付与したワークロールで予備処理圧延すれ
ば、その後のタンデム冷間圧延を含む一連の工程を経て
製造されたステンレス鋼帯の光沢を著しく高めることが
できる。特に、WC系超硬合金ロールでは、鋼系ロール
を用いた場合に比較して、潤滑油を供給した場合にも油
膜が薄くなって優れた光沢改善効果が得られ、しかも磨
耗が少ないので、圧延距離に対する効果の低下が少な
く、長期間にわたって持続することがわかる。本発明で
得られた効果は、前述したような、WC系超硬合金ロー
ルの圧延時における鋼帯表面の平滑化作用、加工硬化作
用によるものであると考えられる。そして、ステンレス
鋼帯の光沢に不利な、大径ロール及び高粘度圧延油を用
いた高速タンデム冷間圧延を施しても、最終鋼帯製品の
光沢を長時間にわたって良好に維持することが可能にな
る。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による予備
処理圧延を行えば、従来、ステンレス冷延鋼帯の光沢に
不利であった冷間タンデム圧延を行っても、優れた光沢
を有する冷延製品を製造することが可能になる。しか
も、本発明によれば、ロールの磨耗が少ないので、上記
効果が長時間安定して維持可能となる。したがって、本
発明によれば、多大な設備投資を必要とすることなく、
光沢が優れたステンレス冷延鋼帯を、効率的に、安価に
提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるロールのバレル部表面の研磨目
を示す図である。
【図2】本発明の予備処理圧延に適用した圧延機を示す
図である。
【符号の説明】
1 被圧延材 2 ワークロール 3 バックアップロール 4 クーラントノズル 5 クーラント(圧延油)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 肇 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 砂盛 泰理 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平11−239808(JP,A) 特許3073664(JP,B2) 特許3236553(JP,B2) 特許2995950(JP,B2) 特許2923095(JP,B2) 特許2942023(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/22 B21B 3/02 B21B 27/00 B21B 27/02 B21B 27/03

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延したステンレス鋼帯に、焼鈍、
    酸洗を施し、その後、バレル部の少なくとも周面の材料
    をWC系超硬合金とし、かつ前記バレル部の周面に、円
    周方向を挟んで両側にそれぞれ0.5 〜90°未満のほぼ等
    しい角度で傾斜した研摩目を設けた、ワークロールを用
    いて圧延することを特徴とする冷間圧延用ステンレス予
    備処理鋼帯の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱間圧延したステンレス鋼帯に、焼鈍、
    酸洗を施し、その後、バレル部の少なくとも周面の材料
    をWC系超硬合金とし、かつ前記バレル部の周面に、円
    周方向を挟んで両側にそれぞれ5〜85°のほぼ等しい角
    度で傾斜した研摩目を設けた、ワークロールを用いて圧
    延することを特徴とする冷間圧延用ステンレス予備処理
    鋼帯の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、バレ
    ル部が、外層の材料をWC系超硬合金とし、内層の材料
    を鋼系合金とする複合層で形成された、ワークロールを
    用いて圧延することを特徴とする冷間圧延用ステンレス
    予備処理鋼帯の製造方法。
  4. 【請求項4】 バレル部の周面において、研摩目の表面
    粗さがRa=0.05〜3.0 μmである、ワークロールを用
    いて圧延することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の冷間圧延用ステンレス予備処理鋼帯の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 バレル部の周面において、研摩目の表面
    粗さがRmax =0.2〜30μmである、ワークロールを用
    いて圧延することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の冷間圧延用ステンレス予備処理鋼帯の製造
    方法。
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