JP2002001404A - 高光沢ステンレス鋼板の予備処理圧延方法 - Google Patents

高光沢ステンレス鋼板の予備処理圧延方法

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JP2002001404A
JP2002001404A JP2000189607A JP2000189607A JP2002001404A JP 2002001404 A JP2002001404 A JP 2002001404A JP 2000189607 A JP2000189607 A JP 2000189607A JP 2000189607 A JP2000189607 A JP 2000189607A JP 2002001404 A JP2002001404 A JP 2002001404A
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roll
rolling
polishing
grindstone
stainless steel
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JP2000189607A
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Hideo Kijima
秀夫 木島
Kazuhito Kenmochi
一仁 剣持
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Kawasaki Steel Corp
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  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観上の均一性に優れた高光沢ステンレス鋼
板の予備処理圧延方法を提供する。 【解決手段】 圧延ロールを圧延スタンドに組み込む前
に、カップ状の砥石を用い、該砥石の砥石回転軸と交差
しかつロール軸に平行な砥石の研磨作業面上の直線に沿
って砥石の研磨作業面を圧延ロールに接触させて圧延ロ
ールを研磨する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超硬合金製の圧延
ロールを用いて圧延を施す高光沢ステンレス鋼板の予備
処理圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高光沢ステンレス鋼板を製造する方法と
しては、例えば、本発明者らが特開平8−229603号公報
において提案している、超硬合金製の圧延ロールを用い
て5%を超え30%以下とする圧下率にて無潤滑圧延を焼
鈍、酸洗後の熱延ステンレス鋼板に施して冷間圧延用の
ステンレス鋼板を得る予備処理圧延方法が知られてい
る。この冷間圧延用のステンレス鋼板には、さらに、所
定の圧下率で冷間圧延が施され、その後、仕上げ焼鈍、
酸洗および調質圧延等の後処理が施され、冷延ステンレ
ス鋼板とされる。
【0003】予備処理圧延に用いる圧延ロールの研磨に
は、普通、図9(a)、図9(b)に示す円盤状の砥石
1が用いられている。この円盤状の砥石1は、砥石台座
111の外周面にダイヤモンド砥粒を結合剤で保持したリ
ング状の砥粒層112 を設け、円盤状の砥石1の外周面を
研磨作業面としている。従来、超硬合金製の圧延ロール
の研磨方法においては、円盤状の砥石1を用い、砥石10
0 の砥石軸穴を図示しない研削盤の砥石回転軸101 に装
着して砥石回転軸101 の回りに砥石100 を回転させつ
つ、回転させた超硬合金製の圧延ロール200 に接触さ
せ、ロール軸201 に沿って移動させることにより、砥石
100 の外周面で圧延ロール200 を研磨している。
【0004】この従来の圧延ロールの研磨方法では、砥
石の結合度を低くすると、砥粒の脱落が著しく、ロール
軸方向に沿って表面外観が変化する研磨ムラが発生しや
すいうえ、ロールの粗度を所望の値にできないので、ダ
イヤモンド砥石の結合度を高くしなければならなかっ
た。しかしながら、従来の圧延ロールの研磨方法におい
ては、砥粒層の結合度を高くすると、砥石が跳ねる「た
たき」と呼ばれる不具合が生じ、これに起因した送りマ
ークと称する研磨ムラが発生する欠点があった。
【0005】そして、研磨ムラが生じた超硬合金製の圧
延ロールを用いて、焼鈍、酸洗後の熱延ステンレス鋼板
に予備処理圧延を行うと、研磨ムラが鋼板表面に転写
し、冷間圧延を施し、その後、仕上げ焼鈍、酸洗および
調質圧延等の後処理を施して冷延ステンレス鋼板とした
場合、得られた冷延ステンレス鋼板表面に外観上のムラ
が発生するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、従来技術が抱えている上記問題点を解消することに
あり、外観上の均一性に優れた高光沢ステンレス鋼板の
予備処理圧延方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、超硬合金製の
圧延ロールを圧延スタンドに組み込んで、焼鈍、酸洗後
の熱延ステンレス鋼板に冷間圧延を施す前に圧延を施す
高光沢ステンレス鋼板の予備処理圧延方法において、前
記圧延ロールを圧延スタンドに組み込む前に、カップ状
の砥石を用い、該砥石の砥石回転軸と交差しかつ前記ロ
ール軸に平行な前記砥石の研磨作業面上の直線に沿っ
て、前記砥石の研磨作業面を前記圧延ロールに接触させ
て、前記圧延ロールを研磨することを特徴とする高光沢
ステンレス鋼板の予備処理圧延方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、超硬合金製の圧延ロール
(以下ロールという)の研磨時における研磨ムラの発生
原因およびステンレス鋼板の外観上の均一性について説
明する。ロール研磨時における研磨ムラには、送りマー
クと称する周期性のある線状ムラと、ロール軸方向に沿
って表面外観が変化する摩耗ムラとがある。
【0009】送りマークは、ロールの回転と砥石の送り
に対応して円周方向に対してやや傾斜して、一定の周期
で模様が入ったもので、研磨時、砥石が跳ねる「たた
き」と呼ばれる不具合に起因する。摩耗ムラは、圧延ロ
ールが超硬合金で非常に硬度が大きいことから、ダイヤ
モンド砥石の結合度を低くした場合、ダイヤモンド砥粒
の脱落が著しく、砥石をロール軸方向に移動させる間に
砥石の研磨作業面が著しく変化することに起因する。摩
耗ムラは、径が大きく、研磨面積が大きいと発生しやす
い。
【0010】次に、予備処理圧延に用いるロールに研磨
ムラがある場合、その後、冷間圧延および後処理を施し
て得られるステンレス冷延鋼板表面に、外観上のムラが
発生することについて説明する。予備処理圧延に用いる
ロールに研磨ムラがあると、予備処理圧延時、圧延油を
使用しないので、圧延ロールと熱延鋼板が直接接触する
ことから、研磨ムラに対応したロール表面の粗度プロフ
ィールが鋼板表面に転写し、得られる冷間圧延用のステ
ンレス鋼板表面にムラが発生する。冷間圧延用のステン
レス鋼板に転写したミクロ欠陥の凹部は、その後の冷間
圧延時に圧延油溜まりとなって潰すことが困難であるの
で、仕上げ焼鈍、酸洗および調質圧延等の後処理を施し
て得られる冷延鋼板の外観上のムラとなるのである。
【0011】以上の説明した超硬合金製ロールの研磨ム
ラの発生原因から、研磨ムラの内、一方の摩耗ムラは、
ダイヤモンド砥石の結合度を高くすることで解決し、他
方の送りマークは図1(a)、図1(b)に示すカップ
状の砥石とし、かつ砥石と圧延ロールとの接触状態を限
定することにより、「たたき」と呼ばれる不具合の発生
を防止することで解決した。
【0012】なお、カップ状の砥石は、鋼系ロールの表
面を鏡面仕上げするのに一般に用いられていたが、この
場合における研磨方法では、例えば1000番程度の番手の
砥石で、その砥粒も例えばアルミナジルコニアのような
アルミナ系のものを用いて研磨していたので、超硬合金
製ロールをこの方法で研磨しようとしても均一に、かつ
効率よく研磨することができなかったのである。
【0013】また、予備処理圧延におけるロールの研磨
ムラとステンレス冷延鋼板の外観上のムラとの関係か
ら、冷延鋼板の外観上ムラは、ムラのない均一な超硬合
金製のロールで予備処理圧延を施すことで解決した。以
下、本発明の圧延ロールの研磨方法について、図1〜図
4を用いて詳細に説明する。
【0014】先ず、本発明のロールの研磨方法に用いる
カップ状の砥石について、図1(a)、図1(b)を用
いて説明する。1(a)、図1(b)は本発明の研磨方
法に用いるカップ状の砥石の構造を示す断面図および底
面図である。図で1は砥石、11は砥石台座、12は砥粒層
であり、1Aは砥石回転軸、1Bは研磨作業面である。
【0015】カップ状の砥石1は、図1(a)に示すよ
うに、研磨機に取り付ける軸を設けた円盤状の砥石台座
11と、ダイヤモンド砥粒を結合剤で保持したリング状の
砥粒層12を備え砥粒層12は、軸を設けた面とは反対側の
砥石台座11の面に設けてある。ダイヤモンド砥石とする
のは超硬合金製のロールを研磨するからである。そし
て、図1(b)に示すように、リング状の研磨作業面1B
が砥石回転軸1Aに垂直に形成してある。
【0016】カップ状の砥石1は、図1(a)に示すよ
うな構造であるため、小さい粒度でかつ高結合度のダイ
ヤモンド砥石としても、研磨の際、図9(b)に示す従
来砥石の架台よりも砥石架台の弾性変形量が大きく、従
来砥石よりも均一にロールと砥石が接触するようにな
り、振動の増幅を抑制できるので「たたき」を防止で
き、かつ以下で説明する砥石1と圧延ロール2との接触
状態としたので、安定して研磨できるため、「たたき」
の発生限界を向上でき、砥石の軸方向移動速度を速くす
ることができる。
【0017】本発明のロールの研磨方法について、図2
(a)〜図2(c)、図3、および図4(a)、図4
(b)を用いて説明する。図2(a)、図2(b)、図
2(c)は研磨時の砥石とロールの接触状態を示す平面
図、X−X断面図およびY−Y断面図である。図3はロ
ール研磨時の砥石側の接触部を示す図2(b)のZ−Z
矢視図である。
【0018】また、図4(a)、図4(b)は研磨時の
砥石とロールの他の接触状態を示す断面図およびZ’−
Z’矢視図である。図1と同じものには同じ符号を付
し、説明を省略する。図で、1Cは砥石回転方向、1Dは砥
石移動方向、1Eは砥石回転軸と交差しかつロール軸に平
行な研磨作業面1B上の直線である。
【0019】また、2は圧延ロール(ロール)、2Aはロ
ール軸、2Bはロール胴部、2Cはロール回転方向、3Aは隙
間、3L、3Rは砥石とロールとの接触面である。本発明の
研磨方法おいては、ロール2を回転させるとともに、ロ
ール2にダイヤモンド砥石1を回転させながら接触させ
かつロール軸2Aに沿って移動させることによりロール2
の胴部2Bを研磨する。圧延ロールの胴部2Bの材質は超硬
合金である。
【0020】その際、カップ状の砥石1を用い、図2
(a)、図2(b)、図2(c)、または図4(a)、
図4(b)に示すように、砥石回転軸1Aとロール軸2Aを
交差させ、研磨作業面1Bを圧延ロール2に接触させるよ
うにしてある。図2(b)に示すように砥石回転軸1Aと
ロール軸2Aを直角に交差させ、研磨作業面1Bを圧延ロー
ル2に接触させると、ロール周面がロール軸2Aとほぼ平
行な直線または曲線の回転面で形成されている場合、す
なわち、クラウンの小さいロールを研磨する場合には、
図3に示すように、砥石回転軸1Aと交差しかつロール軸
2Aに平行な研磨作業面1B上の直線1Eに沿って、研磨作業
面1Bを圧延ロール2に接触する状態となっている。図面
の3Lおよび3Rの両方が砥石2とロール2との接触面とな
る。
【0021】本発明の研磨方法では、砥石回転軸1Aと交
差しかつロール軸2Aに平行な研磨作業面1B上の直線1Eに
沿って、砥石と圧延ロールとが接触するようにしたの
で、安定して研磨することが可能となったのである。ま
た、図4(a)に示すように、砥石回転軸1Aとロール軸
2Aを斜めに交差させ、研磨作業面1Bをロール2に接触さ
せると、図4(b)に示すように、クラウンの小さいロ
ールを研磨する場合、砥石回転軸1Aと交差しかつロール
軸2Aに平行な研磨作業面1B上の直線1Eに沿って、研磨作
業面1Bを圧延ロール2に接触させていることになり、図
面の3Lのみが砥石2とロール2との接触面となる。この
場合、図4(a)に示すように、砥石回転軸1Aとの交点
を挟んで3Lと反対側の直線1Eに沿う研磨作業面1Bとロー
ル2間には、隙間3Aが生じている。
【0022】本発明の研磨方法では、このような接触状
態であっても、砥石回転軸1Aと交差しかつロール軸2Aに
平行な研磨作業面1B上の直線1Eに沿って、砥石と圧延ロ
ールとが接触するようにしたので、安定して研磨するこ
とが可能となったのである。なお、砥石2とロール2と
の接触面3L、3Rにおける砥石周速度VG ベクトルの方向
は、図3および図4(b)に示すように、ロール周方向
とほぼ一致している。砥石周速度VG ベクトルの絶対値
を、ロール周速度ベクトルや砥石移動速度ベクトルの絶
対値よりも大きくすると、ロール周方向に略平行な研磨
目を付与しつつ、研磨することもできる。
【0023】以上の説明では、クラウンの小さいロール
を研磨する場合について説明しているが、クラウンの大
きいロールを研磨する場合には、砥石回転軸1Aとロール
軸2Aを直角に交差させると、砥石回転軸1Aとの交点を挟
んで一方の直線1Eに沿う研磨作業面1Bとロール2とが接
触するので、安定して研磨することが可能であり、一
方、砥石回転軸1Aとロール軸2Aを斜めに交差させると、
砥石回転軸1Aとの交点を挟んで両側の直線1Eに沿う研磨
作業面1Bとロール2とが接触するので、安定して研磨す
ることが可能である。
【0024】そこで、本発明の研磨方法では、ロール2
と砥石1の研磨作業面1Bとの接触状態に着目すれば、ロ
ール2のクラウンによらず、砥石回転軸1Aと交差しかつ
ロール軸2Aに平行な研磨作業面1B上の直線1Eに沿って、
研磨作業面1Bを圧延ロール2に接触させて研磨すれば、
砥石が跳ねる「たたき」の発生を抑制し、安定して研磨
することができる。
【0025】ここで、砥石回転軸1Aとの交点を挟んで両
側の直線1Eに沿う接触面3L、3Rで砥石1とロール2とを
接触させた場合は、砥石1をロール軸2A方向に1度移動
させた時、接触面3Lおよび3Rで研磨するので、比較的粗
い粗度を付与するのに効果的である。また、砥石回転軸
1Aとの交点を挟んで一方の直線1Eに沿う接触面3Lでのみ
接触させた場合は、砥石1をロール軸2A方向に1度移動
させた時、ロール2を接触面3Lでのみ研磨するので、比
較的細かい粗度を付与するのに効果的である。
【0026】また、本発明のロールの研磨方法において
は、砥石の移動速度を研磨効率を低下しない範囲で遅く
すると、ロール表面の同一箇所を数度研磨するようにな
り、研磨ムラをさらに目立たなくできる。また、本発明
のロールの研磨方法に用いる砥石の粒度は、研磨ムラを
発生させない範囲で変更でき、容易に目標のロール粗度
を得ることができる。
【0027】そして、上記方法で研磨した研磨ムラのな
い超硬合金製の圧延ロールを組み込んで、焼鈍、酸洗後
の熱延ステンレス鋼板に冷間圧延を施す前に予備処理圧
延を行うことができるので、ムラのない冷間圧延用のス
テンレス鋼板を冷間圧延に供することが可能になり、そ
の後、仕上げ焼鈍、酸洗および調質圧延等の後処理を施
して冷延ステンレス鋼板とすることにより、外観も均一
な高光沢冷延ステンレス鋼板を得ることができるのであ
る。
【0028】なお、本発明における予備処理圧延は、焼
鈍、酸洗後の熱延ステンレス鋼板表面の凹凸を効果的に
押しつぶすため、冷間圧延を施す前に、圧延油やロール
冷却水を供給せず無潤滑で圧延を施すのが特徴である。
また、本発明における予備処理圧延は、無潤滑で圧延を
施すため、圧延油が流入してステンレス鋼板の表面光沢
が低下したり、ロールと鋼板との焼き付きが発生するの
を防止するため、圧延油を供給しながら冷間圧延を施す
タンデムミルやリバースミルとは別のラインで行うのが
好ましい。
【0029】また、本発明の予備処理圧延に用いるロー
ルの超硬合金は、超硬合金を50〜95mass%の炭化タング
ステンを含有し、その残部5〜50mass%をコバルト、ニ
ッケル、クロム、チタンの内の1種または2種以上とす
ることが好ましい。この理由は、炭化タングステンの含
有量が50mass%未満となると、圧延ロールの胴部の強度
が不十分となり、胴部が圧延圧力により多角形に変形し
てしまい、一方、炭化タングステンの含有量が95mass%
を超えると、圧延ロールの胴部に脆性破断が発生しやす
くなるためである。
【0030】また、本発明の予備処理圧延における圧延
速度、圧下率、ロール径、ロール粗度等の圧延条件は、
冷延ステンレス鋼板の光沢度や機械的性質等の品質およ
び生産性を低下させない範囲で適宜定めることができ
る。
【0031】
【実施例】(実施例1)直径が300 mmφの超硬合金製の
圧延ロールを回転させ、カップ状のダイヤモンド砥石を
回転させながら、図4(a)、図4(b)に示すよう
に、砥石回転軸とロール軸を斜めに交差させ、研磨作業
面をロール表面に接触させ、ロール軸方向に移動させる
ことにより圧延ロールを研磨した。その際、砥石回転軸
と交差しかつロール軸に平行な研磨作業面上の直線に沿
って研磨作業面を圧延ロールに接触させて研磨してい
る。
【0032】砥石は軸方向のロール粗度が0.3 μmRaと
なるように、砥石外径125 mm、砥石幅40mmのカップ状の
ダイヤモンド砥石とした。圧延ロールは、図7のように
ロール軸心をハイス鋼とし、ロール外周に厚さ10mmのW
C90mass%、Co 10 mass%を含有したスリーブを嵌合し
てある。この圧延ロールを図5に示す4段ミルの予備処
理圧延機に組み込んで、熱間圧延後、焼鈍、酸洗を施し
た素材厚4.0 mmのSUS 430 フェライト系ステンレス鋼板
に圧下率13%の無潤滑での圧延を施し、冷間圧延用のス
テンレス鋼板を得た。図5で2は圧延ロール、10はステ
ンレス鋼板、30はバックアップロールである。
【0033】一方、従来技術としては、直径が300 mmφ
の超硬合金製の圧延ロールを砥石外径600 mm、砥石幅10
0 mmの円盤状の砥石を用い、発明例と同じロール粗度と
なるように、図9(a)、図9(b)に示すようにして
研磨した。この圧延ロールを発明例と同じ圧延機に組み
込んで、その他の条件は発明例と同じとし予備処理圧延
を施した。
【0034】また、比較例として、セミハイス鋼の圧延
ロールとした以外は、従来技術と同じ条件で研磨し、こ
の圧延ロールを発明例と同じ圧延機に組み込んで、その
他の条件は発明例と同じとし予備処理圧延を施した。上
記により予備処理圧延を施した冷間圧延用のステンレス
鋼板に、図6(a)に示す4段ミル5スタンドの冷間タ
ンデム圧延機にて圧延速度200mpmで冷間圧延を施し厚み
1.5 mmとした。図6(a)でステンレス鋼板10は、図中
左方から右方に圧延され、各圧延スタンドはそれぞれ上
下一対の圧延ロール20A 、バックアップロール30A によ
り構成されており、ワークロール径は、各スタンドとも
600 mmで、ワークロール材質は5%クロム鍛鋼である。
圧延油は20cSt (40℃)の鉱物系圧延油を5%のエマル
ジョン状態で供給した。
【0035】圧延後の鋼板を、同一条件にて仕上げ焼鈍
・酸洗・調質圧延を施し光沢度(Gs20゜)を測定した。
この結果、発明例に用いた研磨方法では、「たたき」が
防止でき、均一に、かつ効率よく圧延ロールを研磨でき
たが、従来技術では「たたき」による研磨ムラが発生し
た。
【0036】発明例の方法で圧延した冷延ステンレス鋼
板は、外観にムラがなく非常に均一であったのに対し
て、従来技術の方法で圧延した冷延ステンレス鋼板は外
観上のムラがあり、製品にならなかった。なお、発明例
および従来技術の冷延ステンレス鋼板の光沢度は900 ポ
イント以上で非常に良好であり、比較例の冷延ステンレ
ス鋼板の光沢度は580 ポイントであった。 (実施例2)直径が250 mmφの超硬合金製の圧延ロール
を回転させ、カップ状のダイヤモンド砥石を回転させな
がら、図2(a)〜図2(c)に示すように、砥石回転
軸とロール軸を直角に交差させて研磨した。その際、砥
石回転軸と交差しかつロール軸に平行な研磨作業面上の
直線に沿って研磨作業面を圧延ロールに接触させて研磨
している。
【0037】砥石は軸方向のロール粗度が1.1 μmRaと
なるように、砥石外径125 mm、砥石幅40mmのカップ状ダ
イヤモンド砥石とした。圧延ロールは、図8のようにロ
ール胴部をWC80mass%、Co 20 mass%を含有する超硬
合金で一体成形され、ネック部は通常の鋼とされてい
る。この圧延ロールを図5に示す4段ミルの予備処理圧
延機に組み込んで、熱間圧延後、焼鈍、酸洗を施した素
材厚5.0 mmのSUS 304 オーステナイト系ステンレス鋼に
圧下率10%の無潤滑での圧延を施し、冷間圧延用のステ
ンレス鋼板を得た。
【0038】一方、従来技術としては、直径が250 mmφ
の超硬合金製の圧延ロールを砥石外径600 mm、砥石幅10
0 mmの円盤型の砥石を用い、発明例と同じロール粗度と
なるように、図9(a)、図9(b)に示すようにして
研磨した。この圧延ロールを発明例と同じ圧延機に組み
込んで、その他の条件は発明例と同じとし予備処理圧延
を施した。
【0039】また、比較例として、セミハイス鋼の圧延
ロールとした以外は、従来技術と同じ条件で研磨し、こ
の圧延ロールを発明例と同じ圧延機に組み込んで、その
他の条件は発明例と同じとし予備処理圧延を施した。上
記冷間圧延用のステンレス鋼板に、図6(b)に示す12
段の冷間圧延機にて、さらに9パスで冷間圧延を施し厚
み0.25mmとした。図6(b)に示す圧延ロールの直径は
80mmであり、材質はセミハイス鋼である。圧延油として
粘度3cSt(40℃)の鉱物系圧延油をニート供給しつつ、
200mpmで圧延した。60B は中間ロールである。
【0040】圧延後の鋼板に同一条件にて焼鈍・酸洗・
調質圧延・バフ研磨(1パス)を施し光沢度(Gs20゜)
を測定した。この結果、発明例に用いた研磨方法では、
「たたき」が防止でき、均一に、かつ効率よく圧延ロー
ルを研磨できたが、従来技術では「たたき」による研磨
ムラが発生した。
【0041】また、発明例の方法で圧延した冷延ステン
レス鋼板は、外観にムラがなく非常に均一であったのに
対して、従来技術の方法で圧延した冷延ステンレス鋼板
は外観上のムラがあり、製品にならなかった。なお、発
明例および従来技術の冷延ステンレス鋼板の光沢度は95
0 ポイント以上で非常に良好であったのに対し、比較例
の冷延ステンレス鋼板の光沢度は650 ポイントであっ
た。 (実施例3)直径が400 mmφの超硬合金製の圧延ロール
を回転させ、カップ状のダイヤモンド砥石を回転させな
がら、図4(a)、図4(b)に示すように、砥石回転
軸とロール軸を斜めに交差させて研磨した。その際、砥
石回転軸と交差しかつロール軸に平行な研磨作業面上の
直線に沿って研磨作業面を圧延ロールに接触させて研磨
している。
【0042】砥石は軸方向のロール粗度が0.2 μmRaと
なるように、砥石外径125 mm、砥石幅40mmのカップ状ダ
イヤモンド砥石とした。圧延ロールは、図7に示すよう
にロール軸心を5%Cr鋼とし、ロール外周に厚さ80mmの
WC:95mass%、Co:5mass%含有する超硬合金製のス
リーブを嵌合してある。この圧延ロールを図5に示す4
段ミルの予備処理圧延機に組み込んで、熱間圧延後、焼
鈍、酸洗を施した素材厚7.0 mmのSUS 430 フェライト系
ステンレス鋼に圧下率20%の無潤滑での圧延を施し、冷
間圧延用のステンレス鋼板を得た。
【0043】一方、従来技術としては、直径が400mm φ
の超硬合金製の圧延ロールを砥石外径600 mm、砥石幅10
0 mmの円盤型砥石を用い、発明例と同じロール粗度とな
るように、図9(a)、図9(b)に示すようにして研
磨した。この圧延ロールを発明例と同じ圧延機に組み込
んで、その他の条件は発明例と同じとし予備処理圧延を
施した。
【0044】また、比較例として、10mass%Cr鋼の圧延
ロールとした以外は、従来技術と同じ条件で研磨し、こ
の圧延ロールを発明例と同じ圧延機に組み込んで、その
他の条件は発明例と同じとし予備処理圧延を施した。上
記の冷間圧延用ステンレス鋼板に、図6(a)に示す4
段ミル5スタンドの冷間タンデム圧延機にて圧延速度30
0mpmで冷間圧延を施し厚み2.5 mmとした。圧延油は40cS
t (40℃)の鉱物系圧延油を3%のエマルジョン状態で
供給した。各スタンドの圧延ロール径は600 mmで、ロー
ル材質は5mass%Cr鋼である。
【0045】さらに、図6(b)に示す12段の冷間圧延
機にて、0.5 mmまで6パスで冷間圧延した。ワークロー
ル径は50mmであり、材質はセミハイス鋼である。潤滑油
として5cSt (40℃)の鉱物系圧延油を原液のままで供
給しつつ、150mpmで圧延した。圧延後の鋼板に同一条件
にて焼鈍・酸洗・調質圧延を施し光沢度(Gs20゜)を測
定した。
【0046】この結果、発明例に用いた研磨方法では、
「たたき」が防止でき、均一に、かつ効率よく圧延ロー
ルを研磨できたが、従来技術では「たたき」による研磨
ムラが発生した。また、発明例の方法で圧延した冷延ス
テンレス鋼板は、外観にムラがなく非常に均一であった
のに対して、従来技術の方法で圧延した冷延ステンレス
鋼板は外観上のムラがあり、製品にならなかった。な
お、発明例および従来技術の冷延ステンレス鋼板の光沢
度は980 ポイント以上で非常に良好であったのに対し、
比較例の冷延ステンレス鋼板の光沢度は750 ポイントで
あった。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
砥石が跳ねる「たたき」の発生を防止して、効率よく研
磨ムラのない超硬合金製の圧延ロールを研磨することが
でき、この圧延ロールを用いて予備処理圧延を施すの
で、外観の均一性に優れた高光沢ステンレス鋼板を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)、図1(b)は本発明の研磨方法に
用いるカップ状砥石の構造を示す断面図および底面図で
ある。
【図2】図2(a)、図2(b)、図2(c)は本発明
の研磨方法における砥石とロールの接触状態を示す平面
図、X−X断面図およびY−Y断面図である。
【図3】図3は本発明の研磨方法における砥石とロール
との接触部を示す図2(b)のZ−Z矢視図である。
【図4】図4(a)、図4(b)は本発明の研磨方法に
おける他の砥石とロールの接触状態を示す断面図および
Z’−Z’矢視図である。
【図5】図5は本発明に用いる予備処理圧延機の一例の
ロール配置図である。
【図6】図6(a)、図6(b)は予備処理圧延後の冷
間圧延に用いる圧延機の一例のロール配置図である。
【図7】図7は実施例に用いたロールの構造を示す断面
図である。
【図8】図8は実施例に用いた他のロールの構造を示す
断面図である。
【図9】図9(a)、図9(b)は従来のロールの研磨
方法を示す平面図および断面図である。
【符号の説明】
1 砥石 11 砥石台座 12 砥粒層 1A 砥石回転軸 1B 研磨作業面 1C 砥石回転方向 1D 砥石移動方向 1E 砥石回転軸と交差しかつロール軸に平行な研磨作業
面上の直線 2 圧延ロール(ロール) 2A ロール軸 2B ロール胴部 2C ロール回転方向 3A 隙間 3L、3R 砥石とロールとの接触面 10 ステンレス鋼板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超硬合金製の圧延ロールを圧延スタンド
    に組み込んで、焼鈍、酸洗後の熱延ステンレス鋼板に冷
    間圧延を施す前に圧延を施す高光沢ステンレス鋼板の予
    備処理圧延方法において、前記圧延ロールを圧延スタン
    ドに組み込む前に、カップ状の砥石を用い、該砥石の砥
    石回転軸と交差しかつ前記ロール軸に平行な前記砥石の
    研磨作業面上の直線に沿って前記砥石の研磨作業面を前
    記圧延ロールに接触させ、前記圧延ロールを研磨するこ
    とを特徴とする高光沢ステンレス鋼板の予備処理圧延方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009241220A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Jfe Steel Corp 鋼帯の熱間圧延方法
WO2011027505A1 (ja) * 2009-09-04 2011-03-10 信越半導体株式会社 インゴットの研削装置

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JP2009241220A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Jfe Steel Corp 鋼帯の熱間圧延方法
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